BYDの電気自動車を見に横浜まで行ってきた話【中国メーカーが乗用車へ】

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こんばんは、@kojisaitojpです。先日ヒョンデが新横浜にオープンした「ヒョンデ・カスタマーエクスペリエンスセンター」の紹介をしましたが、実は同時期にこのメーカーも横浜でイベントを始めました。

EVに関心のある方であれば既に行った方も多いでしょうが中国BYDが横浜赤レンガ倉庫で「Red Brick Beach2022」というイベントのスポンサーとなり会場で来年2023年から日本市場で発売予定のBYDのEVを展示しています。

後で述べますがタイミングが合えば試乗も可能です。

そこで今日は「RED BRICK BEACH 2022 presented by BYD AUTO JAPAN」のイベントについて紹介しながらBYDが日本市場に投入する3台のEVについても解説します。

「RED BRICK BEACH 2022 presented by BYD AUTO JAPAN」で中国BYDのEVが展示

横浜赤レンガ倉庫とBYD

今回のBYDのEVの展示は、横浜赤レンガ倉庫イベント広場にて、7月30日から8月28日まで開催される「RED BRICK BEACH 2022 presented by BYD AUTO JAPAN」のメインスポンサーにBYDがなったことから実現したものです。

YouTubeの方には動画もアップしてますので合わせてご参照いただければと思います。

横浜赤レンガ倉庫のビーチイベント

横浜赤レンガ倉庫前の広場にビーチをイメージした空間(実際「砂浜」があります)に屋台などが立ち並んでおり、世界8ヶ国のソウルフード、夏らしいスイーツやカクテルが用意されています。

横浜赤レンガ倉庫のイベント

夜はDJが入ってナイトイベント『BEACH PARTY』も開催される夏の横浜のイベントの一つですが、その中でBYDが先日日本市場で乗用車として販売すると発表したEVが3台並んでいます。

横浜赤レンガ倉庫の屋台

当初は「RED BRICK BEACH 2022」という名前でBYDは入ってなかったのですが開催直前になってBYDがスポンサーとして名乗り出て、自社のEVを展示する機会を確保したようです。

横浜赤レンガ倉庫の台湾祭

ちなみに同じ横浜赤レンガ倉庫の敷地内では「台湾祭」というイベントも開催されており、今現在タイムリーなネタなのもあり「一緒にやって大丈夫なのか?」と思ったりもしました。

というイベントの中で展示されていたBYDが日本市場に投入予定の3台のEVについては次の項で紹介します。

BYDが日本で発売する「SEAL」「ATTO3」「Dolphin」をそれぞれ紹介

BYD「SEAL」

次は今回展示されていたBYDの3台のEVについても紹介しておきます。

まず最初は私が個人的に最も気に入った「SEAL」からです。

BYD「SEAL」

「SEAL」はまだEVでは数少ないセダンタイプのEVで、本国中国でも発売されたばかりですのでスペックも紹介すると、

  • 全長4800×全幅1875×全高1460mm(ホイールベースは2920mm)
  • 搭載バッテリー容量82.56kWh
  • 航続距離は555キロ(WLTCモード)

サイズ的・デザイン的に似ていることから日本より先に発売されるオーストラリアでは「テスラ・モデル3の最大のライバル登場」と言われています。

先日私が紹介したヒョンデ「IONIQ6」とも非常に似たスペックなので強力なライバルになると予想されます。

ちなみに「e-Platform3.0」というBYD最新のプラットフォームを使用し、800V対応というのは今回の3台全てに共通です。

赤レンガ倉庫で展示されたBYD「ドルフィン」

「Dolphin」については私も以前の記事で解説しましたが、「競合がほぼいないコンパクトハッチのEV」という点が最大の強みです。

「全長4070mm/全幅1770mm/全高1570mm」のコンパクトなEVは日本で珍しいだけではなく(軽EVを除く)、世界全体を見回しても有力なメーカーでこれに近いサイズのEVとなるとフォルクスワーゲン「ID.3」やプジョー「e-208」などごくわずかです。

基本的なスペックが、

  • 全長4070mm/全幅1770mm/全高1570mm(ホイールベースは2700mm)
  • 搭載バッテリー容量は44.9kWhと58.56kWh
  • 航続距離は386キロと471キロ(WLTCモード)

アウトシュタットに展示されているID.3

特に日本市場の状況で考えるとフォルクスワーゲンが今もなお「ID.3」の日本市場投入を表明しないまま(「ID.4」については表明してます)の時にBYDの登場です。

赤レンガ倉庫で展示されたBYD「ドルフィン」

これだけでも大きなアドバンテージになる上に「e-Platform3.0」でので800V対応です。800V対応のEVは現時点ではヒョンデ「IONIQ5」とポルシェ「タイカン」だけと大きめの車両の中に「Dolphin」も加わります。

CHAdeMOに対応させるとどのくらいの充電スペックになるかは不明ですが「IONIQ5」並のパフォーマンスが期待されます。

なお「Dolphin」については以前紹介した記事もあるでこちらもご参照いただければと思います。

セダン、SUVに加えてコンパクトハッチと様々なニーズに対応するラインナップを最初から用意して日本に上陸したBYDには「日本市場を攻略しよう」という意欲を感じます。

残された「ATTO3」試乗も可能なので次の項目で解説します。

BYD「ATTO3」のスペックと試乗のやり方

BYD「ATTO3」

冒頭でも言いましたがBYDの3台のうちSUVの「ATTO3」はイベント開催期間中試乗ができます。

やり方が若干変わったようなのでBYDオフィシャルのツイートを引用しておきます。

1日の予約枠が12枠、しかも朝10:30に行って抽選となるようです。

私の場合はどうしても「ヒョンデハウス原宿」で「IONIQ5」に試乗した時と比較してしまいますが、ヒョンデの場合はネットで事前予約だったので朝早くから行く必要はありませんでした。

1日辺り12人しか試乗できないのは台数不足の印象ですし、予約の仕方もヒョンデと比較するとちょっと不便な印象ですが連日予約は埋まっているようです。

BYD「ATTO3」

EVとしてのスペックについては、

  • 全長4455mm/全幅1875mm/全高1615mm
  • 搭載バッテリー容量58.56kWh
  • 航続距離は485キロ(WLTCモード)

サイズ的には私のヒョンデ「IONIQ5」より少し小さめなので駐車場の出し入れなどは楽だと思います。

搭載バッテリー容量と航続距離は私の「IONIQ5(ノーマル)」とほぼ同じくらいです。実際に走行すると一般道中心なら400キロ台前半、高速道路なら350キロくらいでしょうか。

比較的似ているのもあって試乗してみたいと思いましたが、朝10:30に行かないと乗れないのでは夜型の私には厳しいです(笑)。

ヒョンデが「IONIQ5」の試乗を原宿でやってた時のようにネット予約にしたり、台数を増やしてくれれば再度訪れたいところですが。。。

横浜赤レンガ倉庫で「Red Brick Beach2022」へのアクセスとEV充電器は?

横浜赤レンガ倉庫

赤レンガ倉庫については現在クローズしてますが、赤レンガ倉庫前の広場で開催されてるイベントなのでアクセス方法は同じです。


住所:神奈川県横浜市中区新港1-1
公共交通機関でアクセスする場合は、
・JR・市営地下鉄
「桜木町駅」より汽車道経由で徒歩約15分
「関内駅」より徒歩約15分

・みなとみらい線
「馬車道駅」または「日本大通り駅」より徒歩約6分
「みなとみらい駅」より徒歩約12分
になります。
また車でアクセスする場合は、首都高速「みなとみらい」または「横浜公園」出口から数分です。

駐車場もあり、EV充電器もありますがここは問題提起しておきます。

横浜赤レンガ倉庫の充電器とガソリン車

普通充電器が2基用意されてるのは嬉しいのですが、「1時間の時間制限」と「電話で暗証番号を確認する必要」があるのがネックです。

横浜赤レンガ倉庫の充電器

しかも私が見に行った際にはガラガラの駐車場なのにわざわざガソリン車が停めていたりと「???」なことだらけでした。

EVでアクセスするなら「横浜ワールドポーターズ」の駐車場がおすすめ

横浜ワールドポーターズの充電器

このように困った充電器の運用をしている赤レンガ倉庫の駐車場を利用するより赤レンガ倉庫から5分くらいのところにある「横浜ワールドポーターズ」の駐車場がおすすめです。

横浜ワールドポーターズの充電器

こちらは充電器が駐車場の9階とかなり上のフロアにあることからガソリン車に占領される心配もあまりないかもしれません。

そして「充電器は時間無制限」で使えますし、駐車料金も平日は1日置きっぱなしで上限1200円と1時間500円の赤レンガ倉庫よりお得です。

3kWの充電器ですが私も数時間滞在したので往復分の電力くらいは充電できました。


住所:神奈川県横浜市中区新港2-2-1
アクセス方法は赤レンガ倉庫と一緒です。

従来の中国メーカーのイメージをくつがえす品質のBYDのEVが日本を変える?

BYDの来場者プレゼント

以前の記事でも紹介したようにBYDは既に日本市場にもEVバスやEVタクシーで参入していますが、一般の乗用車の販売を始めるのは今回が初です。

BYDの来場者プレゼント

それもあって私も「この会社は日本市場にどんな姿勢で来るのかな?」という目線で見学に行きましたが、上で引用したように来場者プレゼントが「うちわ・タオル・水」なのが衝撃でした。

私が行った日も最高気温が36度と猛暑の中でしたが、こんな中で来場者プレゼント(アンケートに回答やSNS投稿などの条件付き)に「うちわ・タオル・水」と来れば「本気で日本市場を攻略しようとしてるな」「日本人のことをよく研究してるな」と感じます。

こういう気遣いが日本では好感度をアップさせそうですよね。

実際にBYDはこれまで日本市場にEV専門でEVを投入してきたテスラやヒョンデのオンライン販売とは違い「日本全国に100箇所の販売店を設置」と宣言しています。

私自身はディーラーの営業が鬱陶しい、アフターサービスも故障が少ないEVならわざわざディーラーなんか必要ないのでは?という立場ですが、「店舗があっていつでも営業マンとメカニックが面倒を見てくれる」という環境は至れり尽くせりのサービスが当たり前の車メーカーの姿だと思っている層にはウケそうです。

テスラやヒョンデとは違ったアプローチの方法がうまく行くのかはわかりませんが、「日本市場のことをよく研究してきてるな」ということが裏付けられます。

そして実は昨年こんなところにも顔を出してました。

むしろ「日本メーカーの方がEVではBYDの真似してないか?」

今日はトヨタのことを論じる記事ではないので多くは語りませんが、中国でBYDと合弁会社を作ってるのはトヨタです。EVに関しては先を走っているBYDの影響を受けるのはある意味当然かもしれません。

この会社が本格的に日本市場を攻略に来ます。日本メーカーも脅威を感じないはずがないと思うのですが今後どうなるのでしょうか。

ちなみにBYDの持つ技術やこれまでの功績については以前の記事にまとめてありますので、こちらも合わせてご参照いただければと思います。

「バッテリーを自社生産できるBYDの強み」について触れた記事はこちらです。

そしてBYDだけが持つ独自技術の「Bladeバッテリー」について解説した記事はこちらです。

BYDが世界各国でEVバスを中心に勢力を拡大してることについて解説した記事はこちらです。

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