「BYD」の電動バスが世界中でシェア拡大中?【バスも日本オワコン?】

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おはようございます、@kojisaitojpです。最近英語メディアで電気自動車のニュースを追いかけているとやたらと「BYD」という文字を見かけます。テスラの次に見かけると言っても言い過ぎではない頻度です。

この1ヶ月の記事だけでもルーマニアとコロンビア、過去の記事を探すと上記に引用したロンドンやカリフォルニア州の他にもスペインのマドリード、カリブ海諸国、チリ、インドネシアなど続々と出てきます。

BYD製の電動化されたロンドンバス

2階建てのダブルデッカー車で有名なロンドンバスもBYDとイギリスのバス製造会社が合同で開発した電動バスが導入されています。

(ちなみにロンドンタクシーはとっくに電動化しています)

BYDのホームページによると現在世界50カ国、300地域に電動バスを輸出しているようです。

以前BYDについては世界で5位のバッテリーメーカーであることを中心に紹介しましたが、実はバッテリー以外ではバスやトラックなどの商用車でも急激にシェアを伸ばしています。

今日は「電動バス」に注目して日本を含む世界各国で電気自動車のシェアを伸ばしている中国企業の戦略について説明します。

世界中で右肩上がりにシェアを伸ばすBYDの電動バス

BYDの電動バス「K9」
まず日本でどのくらいBYDの電動バスが導入されているのか一覧になっているものがあったので引用します。

最も大きいサイズの「K9」の搭載バッテリー容量は324kWh、航続距離は250キロ以上です。

乗用車と違い路線バスはあらかじめ走る区間が決まっており、走行距離も読めるので実は電気自動車化しやすい領域です。

BYDのバスを導入するということは同時に充電設備も整備することになります。設備投資にお金がかかるので導入をためらうバス会社も多かったのですが、この数年で一気に増えてきました。

充電する電動バス

点検・整備の面からバス会社は基本的に複数の会社のものを導入することはないので、現在は試験的に取り入れた形になるBYDの電動バスが「燃料代もかからないし、整備も楽(EVなのですから当然)」となれば、そのバス会社のバスがいずれ全車BYD製になる可能性が高いです。

実は個々人の趣味や嗜好が反映される乗用車よりも市場のシェアを取ることが簡単なのがバスです。

充電する電動バス

「ちょっと待て、日野自動車とか三菱ふそうとかどこ行った?」と思ってしまいますよね。

残念ながらバスに関しては日本メーカーで電動化した車種を販売しているメーカーはほぼありません(ハイブリッドならありますが)。例えば中型バスなら日野「ポンチョEV」がありますが、標準モデルのポンチョの4倍近い8000万円します。価格で勝負になりません。

このように従来のバスを電動に改造したものであればありますが、価格という面で大型バスを3850万円と、ディーゼル車・ハイブリッド車のバスと大差のない価格で出してくるBYDには敵わないのが現実です。

BYD「漢(ハン)」

以前「バッテリー」に注目した記事でBYDの「漢(HAN)」という乗用車を紹介しましたが、バスやタクシーが電気自動車で何も問題がないとなると、「BYDの電気自動車も試してみたい」と思う人が増えてきても不思議はありません。

BYD「漢(ハン)」

テスラ・モデル3のパクリだとか色々言われていますが、激安ゆえに売れる可能性は高いです。

BYDの充電は「チャデモ」にも対応しているので、乗用車の輸出も比較的簡単にできるはずです。

気がついたらバスも乗用車もBYDだらけという国が、日本に限ったことではなくどこかの国で見られるかもしれません。

「中国製造2025」という国家目標を達成すべく猛烈な勢いで世界各国に進出しているのが現実です。

このように中国という国は狡猾で失敗しにくい戦略で世界各国に影響力を拡大してくるのが常套手段です。

中国の狡猾で失敗しない戦略

尖閣諸島のイメージ
ちょっと過激な例で中国という国は「絶対に勝つ」戦略を立てて静かに攻めてくることを説明します。

ネトウヨな方々がよく「尖閣諸島を占領される」と大袈裟に煽っていますが、今中国がいきなり軍隊を派遣して尖閣諸島を占領すれば日本・アメリカと全面戦争になる可能性もあります。

仮に占領しても国連などで猛烈に批判されて撤退を余儀なくされる可能性が非常に高いです。今の世の中で戦争を仕掛けて領土を奪うというやり方が認められる可能性は非常に低いです。

そういう過激な手段では来ないでしょう。

実際に中国が尖閣諸島にやってることはこのくらいです。領海侵犯して周辺を動き回る程度。

おそらく日本が何もしなければそのうち軍隊ではなく漁師などの民間人が上陸するようになるでしょう。

でそのうち人が住むようになり、気がついたら尖閣諸島に中国の基地ができる。

ちなみに過去にこういう手法で中国はベトナムやフィリピンから島を奪っています。

何が言いたいかというとそうやって徐々に徐々に10年20年という年月をかけて尖閣諸島に中国人がいる状態を「既成事実化」してしまう。

人が住んでいて軍隊も駐留していてとなってしまえば世界も尖閣諸島が中国の領土であることを認めざるを得なくなる、そういうシナリオでしょう。

武力行使という過激なこと、国際的に反発を招くことなしに人が上陸する、人が住むなど「既成事実」を積み上げることで世界から反発を招かないように時間をかけてソフト(?)にやってくる可能性が高いです。

ちょっと脱線した話題ですが、電気自動車に関しても同じように時間をかけて世界の覇権を取りに来るはずです。

中国の電動化戦略に乗らないと更に地獄?

中国の電気自動車
だからと言って「電気自動車は中国が仕掛けた陰謀だ」的に日本だけが拒否しても世界各国が日本車を買わなくなるだけで、世界の流れを変えることはできません。

何より先ほどの領土問題と違い、環境問題は「地球に優しい」「ゼロエミッション」という言われると誰もが納得してしまう大義名分があるのでひっくり返すことは困難です。

その証拠にいくら「ハイブリッドの方が環境に優しい」と叫んでも既にどこの国も耳を貸さなくなり、ハイブリッドに固執する日本の自動車メーカーは「ガラパゴス化」しています。

拒否するのではなく、中国メーカーより優秀な電気自動車、本日の話題に合わせれば電動バスを開発する以外に対抗策はないでしょう。

ヨーロッパ諸国の大半が「内燃機関車(エンジン搭載車)」の販売を禁止する法律を2025年のノルウェーを皮切りに次々と施行してきますが、「ハイブリッド車」と「プラグインハイブリッド車」もエンジンを搭載しているので売れなくなります。

その中で中国と日本だけは「ハイブリッド車もOK」の規制になる予定なのもあり、日本国内では今も「ハイブリッドこそが優秀なんだ!」と叫んでいる人がたくさんいます。

ちなみに新車販売台数で中国は世界1位、日本は3位です(2位がアメリカ、4位がドイツ)。この辺りから「まだハイブリッドでなんとかなるかも」と何となく思ってしまうことにつながっているかもしれまsねn。

しかし引用したツイートにもあるように中国がある日突然「販売禁止」と言い出したら世界で最も新車販売台数の多い市場が消えます。

梯子を外されて「日本オワコン」とならないためにも1日も早く本気で電気自動車(乗用車もバスもトラックも)を開発すべきなのに今も「電気自動車よりもPHEVの方がエコだ」などと昨日も言ったように、北米トヨタのホームページにメーカー自らが書いてしまうという残念な状況が続いています。

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