宏光MiniEVを見に名古屋まで行ってきた話【日本で必要なのはこういうEV?】

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こんにちは、@kojisaitojpです。少し間が空きましたが、ようやく今回わざわざ名古屋まで行ってきた目的の記事になります。

このツイートで言いたいことの大半を言い尽くしてしまったような気もしますが(笑)、ようやく名古屋大学まで「宏光MiniEV」の見学に行ってきました。

中国の上汽通用五菱汽車が2020年7月末に発売したEVの「宏光MINI EV」は今も中国の新車販売ランキングで「テスラ・モデル3」を超える売り上げを誇るトップの車種で、「約45万円から買える格安EV」として世界中の注目を集めています。

そんな「宏光MiniEV」を名古屋大学のパワエレ研究室が研究用に購入し展示しているのがSNS上で話題になっていましたので私も見に行ってきました。

今日は「宏光MiniEV」を実際に見た印象と、「日本でEVを普及させるために必要なのはこういうEV」だという持論について解説します。

名古屋大学に展示中の「宏光MiniEV」を実際に見た感想

宏光MiniEV@名古屋大学
さて今回見学するためだけに名古屋まで行ってきたわけですが、実物を見た第一印象は「小さい」の一言です。

実際のサイズが「2917/1493/1621mm」となるので当然と言えば当然ですが(笑)。

宏光MiniEV@名古屋大学

ただし日本の軽自動車規格は「長さ3.4m以下幅1.48m以下、高さ2.0m以下」となるので宏光MiniEVが現行のままだと登録車になります。

「価格45万円」というインパクトでこの車両を見てしまうことが多いですが、今回見学してきた宏光MiniEVにはエアコンがありましたのでおそらく上位グレードの約60万円か中級グレードの約51万円(違いはバッテリー容量)の車体と推測されます。

宏光MiniEV@名古屋大学

この価格帯でも計器類はハンドルコラム上部の、12インチ程度の液晶ディスプレイに集約されているのも驚きました。上位グレードなのでオーディオもFMAMのラジオは搭載されており、FMトランスミッターを使用すればスマホから音楽を聴くことも可能です。
(当初はオーディオ非搭載と誤って掲載していたので訂正しておきます)

バッテリーが抜いてありディスプレイを見れない状態でしたが、おそらくカーナビは非搭載かと思われます。

宏光MiniEV@名古屋大学

シートもクッションが薄く、ヘタれるのは早いだろうなと思ったりもしますが、このEVの基本的な用途は「100キロ未満のシティコミューター」ですので気にするポイントでもないのでは?と思います。

宏光MiniEV@名古屋大学

また全長3メートルを切る車体であるにもかかわらず後部座席があり(4人乗り)、実際に座ってみたところ狭いのは当然ですが、非常用と割り切れば特に支障はないと思います。

後部座席を使わなければ運転席と助手席を広く使うことは可能ですし、後部座席を倒せば荷物を積むスペースが豊富に確保できます。

宏光MiniEV@名古屋大学

ちなみにフロントグリルのところに普通充電のポートがある仕様で、急速充電はありません。

    というと「そんなんじゃ使えねぇ!」と怒る人がいそうですが、心配しなくても3kWの普通充電でバッテリーが小さいグレードで3〜4時間、大きい方でも5時間程度あれば充電できます。

    バッテリー容量が小さいというのは確かに航続距離が短くなってしまいますが、その分価格が安くなる&充電に時間がかからないというメリットもあります。

    高価格になってもいいからハイスペックなEVがいいという人もいれば、「日常生活はこの程度で十分だから低コストで」という人もいるわけで、そこにとやかくいちゃもんをつけても話は進みません。

ともあれ夜自宅に帰って翌朝出発するまでに充電し、毎日満充電で出発できます。

宏光MiniEV@名古屋大学

なおバッテリーは車両に積んだ状態で日本へ持ち込めないため取り外された状態で展示されています。

ちなみに日本の法規に対応していないので公道は走れないですが、大学の敷地内のような私有地であれば動かすことは可能です。

しかし大学の許可が下りなかったようで、現時点で動いているのを確認できるのはこの動画だけです。

なお9月には名古屋大学パワエレ研究室の方で解体作業に移ることが述べられています。

見学可能な日程についても発表されていますので、見たいと思ったら今のうちに行ってみることをお勧めします。

住所:愛知県名古屋市千種区 千種町不老町 名古屋大学C-TECs

名古屋市営地下鉄名城線「名古屋大学駅」3番出口から徒歩15分くらいです。構内はアップダウンの激しい地形となっていますので夏場の暑い時期は思った以上に体力を消耗します。

行かれる場合は水分補給と汗拭きのタオルなどをしっかり用意していくことをお勧めします。

なお『宏光MINI EV』については以前具体的なスペック等について解説した記事がありますのでこちらも合わせてご参照いただければと思います。

また「宏光MiniEV」がラトビアのメーカーと提携し、EUの安全基準に適した「Frezze Nikorov EV」として100万円程度の価格で販売される予定で、この事実から「日本への上陸もあるのでは?」と感じるところですので合わせてご参照いただければと思います。

「低スペック」だけど日常使いには十分なのが「宏光MiniEV」の特徴?

宏光MiniEV@名古屋大学
ここまでは実物を見た印象から解説しましたのでEVとしてのスペックについては述べていませんが、航続距離は中国のNEDC基準で9.6kWhだと120km、13.9kWhだと170kmと表記されています。

以前も取り上げましたがこのスペックでも「日常使いには十分」と中国では若い女性を中心に人気であることに触れました。

このEVに関してはいつもの「高速道路を時速100キロでクーラーをつけても達成可能な〜」EPAを持ち出すつもりはありません。

そもそも「宏光MiniEV」は元々の最高速度が100キロですし、この車で長距離を移動するという場面を想定する必要はないのでは?というのは以前三菱「アイミーブ」や2022年以降発売予定の日産・三菱の軽自動車EVについて解説した際と同様です。

宏光MiniEV@名古屋大学

なんてことを言うと必ず「JC08モードのようないい加減な基準でいいわけねぇだろ!」とキレる人が現れるのですが、JC08とEPAの二択でしか考えられない姿勢自体が理解に苦しみます。

問題は「街乗りに適した航続距離算出基準」がないことなのですが、こればかりは自分で実際に運転して「自分ならこの位の航続距離が出せる」というのを感覚でつかむしかないと思います。

これは別にガソリン車でも同じことで、結局はその人の運転の仕方やエアコンをどの程度使用するかなどによって燃費は個人差が出るわけで、EVでも同じというだけの話です。

航続距離は「あくまでも目安」くらいに捉えておいて、後は「自分の運転だとどうなるか?」というの自分でつかむしかないと思います。

今の日本には「航続距離1000キロ」も「350kWの急速充電」も不要だけど「宏光MiniEV」は必要?

宏光MiniEV@名古屋大学
本日は名古屋まで見学に行ってきた「宏光MiniEV」を例に「低スペックだけどその分低コスト」のEVこそが本格的なEVの普及に必要であることを述べてきました。

EVに対する批判として必ず現れるのが「航続距離の短さ」と「充電時間」なのですが、そもそもの疑問として、

  • 毎日150キロ、200キロ走りますか?
  • たまに遠出と言ってもレンタカーやカーシェアでも問題ないですよね?

と思うところです。

実際に大半のドライバーは「宏光MiniEV」くらいのスペックでも生活していくことは可能です。

統計でも出ていますが、自動車を保有する方の7割以上が年間の走行距離が10000キロ以下、つまり1ヶ月だと1000キロ未満、1日辺りに直すと数十キロです。

日常の通勤や買い物などの移動であれば航続距離が100キロ程度の宏光MiniEVでもほとんど問題がないのが現実です。

と思うところなのですが、なぜか車に対しては「年に一回くらい必要になると困るし」「月に一回くらい家族で300キロくらい走るんだけど」のように「そんな例外的なことのために否定するの?」と思ってしまうような謎の批判をかましてくる人が案外多いのはいつも呆れるところです。

宏光MiniEV@名古屋大学

まぁそこは個人個人の予算の問題もありますので、あえてハイスペックなEVを購入しておいて「長距離乗るのは年に1、2回」でも気にならない人もいるでしょう。

反対に「長距離が年に1、2回ならレンタカーやカーシェアでもいいから日常使う車の費用は安く抑えたい」と思う人もいるはずです。

「うちは毎日100キロ以上走るからこんなEV無理なんだよ!」と思うのであれば今の時点ではEVではなくハイブリッドやガソリン車でもまだ問題はないわけですし。

宏光MiniEV@名古屋大学

個々人が自分のライフスタイルと予算に応じて判断すればいいだけの話です。

自分のライフスタイルに合わないからといってこの手の低価格なEVを全否定すべきではありません。

ちなみに中国の格安EVは本日の「宏光MiniEV」の上位互換のような車種もあります。

Baojun(新宝駿)の「Eシリーズ」ですと、現在日産と三菱が開発を進めており2022年にも発売が噂される軽自動車EVとほぼ同等のスペックです。

120万というのは中国での販売価格ですので、これを日本の安全基準に適合するように整備した上で輸入すると日産・三菱が提唱する「補助金込みで200万円以下」と大差がないくらいになるかなと思いますが。

Baojunについてはまだ記事として取り上げたことがないので、どこかの機会に一度解説してみようと思います。

他にも私のブログで以前取り上げたものだとGreatWallの「Ora R1 Blackcat」などのこの水準のEVになるかと思いますが、いずれにせよこのような小型の格安のEVが日本中、世界中のEV普及のカギになると予想しています。

ですので航続距離1000キロだ、急速充電は250kWだ350kWだとスペック競争に走るのは未来の技術革新のためには必要ではありますが、それは一部の車マニア、スペック厨な方々以外には不要なオーバースペックです。

そのために大金を投じる気のある人は買えばいいと思いますが、世の中の大多数はそうではないはずです。

一般の庶民が気軽に使えるEVという目線で日本メーカーもEVの開発を続けていかないと日本の市場が中国メーカーに食い荒らされる可能性は大いにあります。

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