「日本のEV充電インフラが貧弱」なのはどこを改善すべきなのか?【目的地充電】

お金 ビジネス 旅行 趣味

こんばんは、@kojisaitojpです。ちょっと間隔が空いてしまいましたが、この間に宮城県・山形県・福島県・栃木県と周遊していました。

今回はテスラをカーシェアできなかったので走行距離20万キロ超えのフォルクスワーゲン・ゴルフ5という既にご老体のガソリン車で行ったわけですが、当然泊まるホテルなどでEV充電器の有無はチェックしています。自分がテスラを購入した後に備えておく必要がありますので。

今回は「ウエスティンホテル仙台」と「フェアフィールドバイマリオット栃木宇都宮」の2箇所に泊まったのですが、EVの充電インフラを巡ってあまりにも対照的だったので取り上げて紹介しようと思います。

そして各々の充電インフラを見ることで、日本で充電インフラについて語る際に必ず言われる「こんな充電インフラじゃEVなんて普及しない」的な批判に対して「じゃあ充電インフラのどこがマズくて、それをどのように改善すべきか?」について考えてみます。

EV用に200Vが2個、ウオールコネクターもあるウエスティン仙台は合格

ウエスティン仙台のプレミアルーム2

まずは先に泊まった「ウエスティンホテル仙台(とホテルのある仙台トラストタワー)」についてですが、ここには何とテスラのウォールコネクターが2個ありました。

ウエスティン仙台の充電器

仙台トラストタワーのホームページには「最大12kW」と表記されていますが、テスラのウォールコネクターは最大9.8kWだったよなとも思うところで、今回はテスラで行ったわけではないので実際に充電したらどのくらいの速度が出るのかを測定できないのが残念でした。

ウエスティン仙台の充電器

またテスラ車だけではなく他のEVにも使える200Vのコンセントも2個あります。合計で最大4台のEVが充電できます。

これは日本の充電器設置状況を考えるとかなり優秀なのではないでしょうか?

ウエスティン仙台の宿泊客と仙台トラストタワーのオフィスなどに来た人が滞在している間に充電できる「目的地充電」として機能するわけですが、長時間滞在が前提のホテルやオフィスですから普通充電器で問題なく充電できます。

伊豆マリオット修善寺とモデル3

そう考えると「東京→仙台」は約360キロですので、例えばテスラ・モデル3のスタンダードレンジプラスの航続距離がEPAサイクル(この移動は「高速道路を時速100キロで走行し、クーラーをつけても(ry」の基準を使う場面です)で約423キロですので途中充電なしで東京から仙台まで行けます。

実はこの程度の距離であれば高速道路のSAPAなどでの急速充電さえ不要で移動できるくらいまでEVは進化しています。

EVという存在が黎明期なのもあり「こんなハイスペックなことができるんだぞ」的に世の中にアピールすることは大切なのですが(イーロンマスクなどは明らかにそれを狙ってやってます)、実際にEVを運用する段階になるとこのように「東京→仙台」くらいの移動であれば途中充電不要で行けてしまいます。

同じ「テスラ・モデル3」のロングレンジであればEPAサイクルで568キロですので東京から仙台に移動した上に「仙台⇄山形」の往復約150キロも充電なしでこなせてしまいます。

先日「eMobilityPower」の高速道路上への充電器設置計画が残念すぎるという批判をしましたが、実は自宅と目的地できちんと充電できれば高速道路のSAPAでの急速充電すら不要になります。

もちろんガソリン同様に必要な時に充電できる環境は必要ですが、先日も論じたように現在ヨーロッパなどで「IONITY」などが進めている350kW級の超急速充電って必要なの?という疑問が生じます。

後でまとめますが私は充電器設置が遅れている日本では「とりあえず150kWくらいの急速充電器を高速道路のSAPAに設置(ただし複数台)できればとりあえずの5-10年は大丈夫」という見解です。

設置にも高額な費用がかかる急速充電器の設置に血眼になるくらいならホテルなどの「目的地充電」を充実(こちらは普通充電器なので格安)させるべきなのでは?と思います。

なお「ウエスティンホテル仙台」については過去にホテルの紹介記事を書いていますので、ホテルの中身についてはこちらをご参照ください。

「道の駅プロジェクト」なのにEV充電器がないフェアフィールドバイマリオット栃木宇都宮

フェアフィールドバイマリオット宇都宮

次は「フェアフィールドバイマリオット栃木宇都宮」ですが、こちらは充電器がありません(笑)。

以前も取り上げたことがありますが、このホテルは積水ハウスとマリオットの共同プロジェクトで「日本中の道の駅にホテルを作ろう」という計画なのでホテルに行くのは車以外では困難なホテルがほとんどです。

「なのに充電器ないの?」というのが正直な感想です。

まぁホテル側の言い分としては「隣接の道の駅に充電器があるから…」となるのですが、この道の駅が欠陥だらけで失笑するレベルでした。

なお「フェアフィールドバイマリオット栃木宇都宮」のホテルについての紹介は以前の記事で書いてますのでこちらをご参照ください。

実は私のブログはEVの話をしつつ旅行、特にホテルの記事を書いたりと「モビリティ」という意味で記事が関連しています(笑)。

隣の道の駅「宇都宮ろまんちっく村」にはEV充電器があるものの…

宇都宮ろまんちっく村の充電器

さて「フェアフィールドバイマリオット栃木宇都宮」に隣接の道の駅「宇都宮ろまんちっく村」には急速充電器が一基ありますが、このようにぱっと見は充電用のスペースが区切られており、他の充電ステーションでありがちな「ガソリン車に場所を占領されていて充電できない」ようなトラブルは起きません。

また速度も44kWと書いており、現行のチャデモの中ではまぁまぁ許せる水準です。

宇都宮ろまんちっく村の充電器

ところがこの貼り紙を見ての通りツッコミどころが満載すぎます(笑)。

まず充電器を使うためには「係員を呼びに行く」手間がかかります。これは私も以前「フェアフィールドバイマリオット日光」の近くの充電器でも経験しましたが、非常に面倒です。

次に「現金払い」というのが「キャッシュレスの時代に何言ってるの?」となりますよね。何より日産のZESP3を始めとする充電カードが使えないという事実に呆れてしまいます。

そしてトドメが「9:00-16:30」という時間です。仮に昨日の私がテスラで仙台から来ていれば到着が夜中でしたので充電できません。

正直に言って「これ、本気で充電器使わせる気あるの?」というレベルです。

この急速充電器に頼るくらいならホテルの駐車場に普通充電器があれば…と思ってしまいます。

ホテル前の日産リーフ

たまたまホテルの駐車場に他の宿泊客の日産リーフが停まっていましたが、「充電できないなら使いにくいよなぁ」とオーナーに同情してしまいます。

コンビニ前の充電器

一応ホテルから車で3分くらいのところにあるファミリーマートに充電器があるのを発見しました。こちらは24時間使えるようですが速度が「20kW」です。。。

ウエスティン仙台のウォールコネクター(つまり普通充電器)が12kWだったんだぞと思ってしまいます。

このように「利用者のことを本当に考えてるの?」というのが日本の急速充電器の残念な設置状況です。

EVの充電インフラの優先順位は急速より普通充電?

チャデモ使用中のモデル3

このように高速道路以外にある急速充電器の残念な設置状況を旅行のついでに見てしまいましたが、もし今回私が予定通りテスラをカーシェアして出かけていたら仙台までは何の不満もなく充電できてましたが、宇都宮に着いた途端発狂していたことでしょう(笑)。

とはいえ一台設置するのに百万単位で費用がかかる急速充電器を「設置してくれないと困るんだよ!」と抗議したところで簡単に設置してくれるものでもないでしょう。

高速道路上のSAPAは別です。不十分なことは散々批判していますがeMobilityPowerも一応は各SAPAに複数台が同時に充電できる急速充電器を設置する計画が出ていますので。

となると今回見てきた中では「ウエスティン仙台(仙台トラストタワー)」のようにビルの駐車場に複数台普通充電器を設置する「目的地充電」が最も低コストで、しかもユーザーからの不満が出にくい形で充電器を増やせるのでは?と思います。

私が以前から主張してきた「目的地充電>急速充電」が実際に長距離移動しながら見てみると証明されたことになります。

「日本では充電インフラが貧弱なのでEVは普及しない」と今でも主張する人がいますが、その充電インフラをユーザーにとって最もありがたい方向で、しかも低コストで実現できるのが「目的地充電」なのではと思います。

人気記事日本国内のシーシャカフェ総まとめと自宅でシーシャをやる方法【随時追加】

人気記事電気自動車(EV)を日本で普及させるために誤解を解消する【過去記事総まとめ】