ヒョンデ「IONIQ5(ノーマル)」を予約した理由を「IONIQ5(Voyage)」の車内で考えてみた話

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こんばんは、@kojisaitojpです。「またかよ」と言われそうですがまた乗ってきました。

まぁ5/2はヒョンデ「IONIQ5」の予約開始日だったので私も当然予約を入れたわけですが(もちろんこのまま購入するかは未定でキャンセルもあり得ます)、「じゃあついでに乗ってみようか」という軽いノリでAnycaで借りてみました。

今回は「Voyage」グレードで、装備などは私が予約を入れた最も廉価版のノーマルのIONIQ5とバッテリー容量以外は似ています。

なんて言うと「え?ノーマルのIONIQ5にしたの?」と言われそうですが、今日は「なぜノーマルにしたのか?」という理由も語りながらAnycaで乗ってきた「IONIQ5(Voyage)」について語ってみます。

なお今回はブログより先に動画もあげてますのでこちらもご参照いただければと思います。

わずかな装備の違いで抜群のコスパを実現したヒョンデ「IONIQ5(ノーマル)」

出発前の「IONIQ5」Voyage

Twitterなどの反応を見てもほとんどの方が「IONIQ5」は「Lounge」を選択されているようで(RWDかAWDかは人それぞれ)、ノーマルの最も安い「IONIQ5」を注文したのは私位では?という感じですが、大きな違いは、

  • 搭載バッテリー容量が72.6kWh→58kWhに
  • ヘッドアップディスプレイとビジョンルーフ・後部座席のシートヒーターは無し
  • 運転支援は車線変更アシストなど一部だけ無し

他にも本革シートではない、助手席や後部座席が電動から手動になるなどの内装の違いもありますが、バッテリー容量(と航続距離)以外には大きな違いがないのが「IONIQ5」の特徴でもあります。

「IONIQ5」Voyageの後部座席

もちろん家族で過ごすことを重視して「運転席以外も電動じゃないと不便」「子供がビジョンルーフの解放感を喜ぶ」などの理由から「Lounge」を選択される方の気持ちはよくわかります。

人それぞれ、家族ごとに優先順位が違うのは当然ですから。

運転支援機能の違いについてはここのところヒョンデジャパンからわかりやすい情報発信がされていますので引用します。

簡単にまとめると「Voyage」「Lounge」にあってノーマルにないものは、

  • 前方に車両が割り込んできた際、自動で速度調整
  • 隣接車線からの車両接近を反対側にかわす
  • 車線変更のためのウィンカーを点滅させると車線変更をアシスト

この位でしょうか。他には「前の車との車間距離調整」などもありますが、ノーマルでもSCC(スマートクルーズコントロール)は搭載されていますので大きな違いはありません。

一番影響がありそうなのが「車線変更アシスト」かなと思いますが、この機能を搭載する車となるとテスラでもFSD(フルセルフドライビング)の100万円近いオプションを搭載した車両だけです。

そう考えるとむしろ「Voyage」以上は全て搭載というヒョンデの方が気前良すぎにも思えます。

このように一部の運転支援機能は使えませんが、私が「Voyage」で試した「オートパーキング」「リモートパーキング」は標準装備です。

まぁ駐車スペースを認識する能力がまだ低いようで、なかなかオートパーキングに入ってくれないのが難点ではありますが他のメーカーだと高額なオプションになりそうな機能が標準装備というだけでコスパの良さを感じます。

理想を言えばこの辺りの機能が後々の「OTAアップデート」で進化してくれると良いのですが、このような走行に関わるファームウェアのアップデートをどの程度までできるようになるのかはテスラ以外は未知数ですので何とも言えません。

今回私がノーマルの「IONIQ5」にしたのは「この程度の機能ならなくても困らない」「バッテリーが小さくなっても58kWhならリーフe+とほぼ同等なら日常生活は問題無し」という判断です。

ヒョンデ「IONIQ6」のスパイショット

個人的な本命はセダンタイプの「IONIQ6」で、それまでのつなぎに「IONIQ5」を位置付けているのも理由ですが。

それに「使うかどうかわからない装備もてんこ盛りのLoungeを買って起業する資金が目減りするのは避けたい」というケチな理由もあります(笑)。

詳細が煮詰まってきたので後日公表しますが、私の場合は個人のユーザーと違って「IONIQ5を買って終わり」ではありませんので。

他にもEVを数台揃えて初めて「起業した」と言えるわけですし。

「IONIQ5(ノーマル)」を選んだ際のデメリットは?

「IONIQ5」Voyageの運転席
上記のように運転支援機能の中でいくつか機能しないものが現れますが、それよりもノーマル「IONIQ5」で一番問題視されるのはバッテリー容量が「72.6kWh→58kWh」になったことによる航続距離を指摘する人が多いことでしょう。

とはいえ航続距離と言っても「高速道路を時速100キロでクーラーをつけても達成可能」なアメリカのEPAサイクル(要は最も厳しい基準)でも220マイル(約354キロ)ですから「300キロ以上走行できて何か困ることある?」という実感です。

これが「Voyage」や「Lounge」になると先ほどのEPAサイクルで303マイル(488キロ)、「Lounge」のAWDだと256マイル(412キロ)になり長くはなりますが日常生活では「300キロ・400キロ・500キロに大きな違いある?」という程度です。

頻繁に長距離を移動するのであれば長いものを選んだ方が良いでしょうが、年に1回2回というレベルであれば価格の安いノーマルの「IONIQ5」を選ぶという選択肢もありだと思います。

しかもその長距離移動にしても、

自分が一番移動する長距離の例として「東京⇄仙台」をあげてみましたが、この区間を休憩なしで移動する人は通常考えられません。

途中どこでもいいので休憩の際に充電(それも30分は不要、10-15分もあれば十分)すれば問題なく到着です。先日の記事でも解説しましたがIONIQ5の高性能な充電性能がここでも生かされます。

EPAサイクルで約354キロという航続距離は日産「リーフ」の上位グレード「e+」とほぼ同等です。

価格でIONIQ5(479万)に対しリーフe+の最安グレード「X」は422万と少し安いですが日産の場合はプロパイロットがオプションになるので加算すると差がなくなってきます。

日本メーカーにありがちな「廉価グレードはオプション必須になって結局安くない」というパターンです。

もちろんディーラーでのアフターサービスを重視するなら「リーフe+の方がいい」という選択に至る場合もあり得るのは十分理解できますので、どちらを選ぶかはユーザー個々人の選択です。

私の個人的な価値観だと「リーフと比較して車内空間に全然ゆとりがあるIONIQ5」という決断に至りましたが。

ヒョンデ「IONIQ5」がこれまでの常識をくつがえす?

e-Pitで充電するIONIQ5

真偽不明ですがこんな情報もあります。

確かに私が12:01に予約を完了させた時に既に59(末尾の数字から推定)でしたから「思った以上に12:00待ってた人いるなぁ」とは思いましたが、昨日だけで800件の予約が入っていたようです。

公道テスト中のサイバートラック

これがテスラの「サイバートラック」のようなインパクトのある車両なら「ネタでオーダーしてるだけだろ」とツッコミも入りますが、ヒョンデというブランド、「IONIQ5」はそういうタイプのEVではありません。

私の場合だとTwitterのフォロワーにEVファンがたくさんいるのもあって「そりゃ自分の周りではそれなりにオーダーは入るけど一般にどこまで浸透するのか?」と慎重な予想をしていました。

それが不確定の情報とは言え初日に800台のオーダーで、EVで比較した場合テスラ「モデル3」の出足以上とのことです。

もちろんヨーロッパ市場での「IONIQ5」の売れ方を見ると「日本でも売れて当然」ではありますけど。

2022年3月ノルウェーのEVランキング
2022年2月ノルウェーのEVランキング
2022年1月ノルウェーのEVランキング

これはいつも引用しているヨーロッパの統計資料で、どこの国よりも早く最新のEVがリリースされるノルウェー市場のものですが、今年に入ってから「IONIQ5」はトップに立つ月もあるほど絶好調に売れています。

「ワールドカーオブザイヤー」「英国カーオブザイヤー」「ドイツカーオブザイヤー」を受賞、「欧州カーオブザイヤー」では同じヒョンデグループで共通のプラットフォームを使用する起亜「EV6」に敗れて3位(2位が日産「アリア」を共通プラットフォームのルノー「メガーヌe-tech」なのも注目ですが)と世界各国で賞を取っている「IONIQ5」が最後に攻略に訪れたのが日本市場です。

韓国・ソウルのe-pit

もし日本市場で順調に売上台数を増やすことができれば韓国でヒョンデが展開する「e-Pit」と呼ばれる急速充電ステーションも上陸するかもしれません(実際に売れ行き好調の台湾などには既に展開)。

以前の記事でも解説しましたが、既に新横浜に建設中のサービスセンターには「急速充電器を複数台設置」の計画も出ています。

現在の日本の急速充電インフラを担う「e-MobilityPower」がいかに終わっているのかについては再三このブログでも取り上げてきましたが、ここにヒョンデが「e-Pit」を上陸させると充電インフラ問題も一気に解決するかもしれません。

他にもアウディとフォルクスワーゲンが独自の充電ネットワークを構築する計画も以前お話ししましたが、これにポルシェも加わることが後に明らかになってますし、以前から指摘される「日本の脆弱な充電インフラ」にも海外メーカーが独自に突破口を開こうとしています。

世界のEV化の流れに「EVは儲からない」「EVはエコじゃない」「日本は電力が足りないからEVが向いてない」などと「できない理由」を並べて本格的なEVシフトを怠っていた日本メーカーに鉄槌が下される日が近づいてきたように思われます。

そもそも多少没落したとはいえ今でも世界3位の経済大国である日本が「電力が足りないからEVなんてできない」と言ってしまうこと自体が世界に恥を晒してるだけだと感じてしまいます。

なんて言ってると「お前は批判をしているだけで何もしないからテキトーなことが言えるんだ!」と私を誹謗中傷するDMが来たりするので不愉快ですが、私も「日本のEV普及にコミットする計画」をもうすぐ出します。

計画をバカにしたい人は勝手にすれば良いと思いますが、自分なりに日本の現状を変える計画は出したいと思います。

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