「水素(FCV)」を絶賛してEVを攻撃すると直撃する特大ブーメランとは?【水素ステーション】

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こんばんは、@kojisaitojpです。日本政府がようやく重い腰をあげてEVの充電インフラを何とかしようと行動し始めましたが、EVと同時に「水素」という単語も必ずつくところに注目してしまいます。

新しいエネルギー源として研究を続けることまでは否定しませんが、例えば日本の自動車メーカーで「水素燃料電池車」や「水素エンジン」を本気でやっている会社は一社しか浮かびません。

特定の会社への忖度は続くということなのでしょうが、この記事にもあるようにEVの充電インフラが3万基目標なのに対し、水素ステーションは1000基です。

数を見ただけでも「水素」の方が使いにくいことが明白なのですが、このことを自覚せずにEVの充電インフラの悪口を言っている人が多い印象を受けます。

そこで今日は「インフラ」という面でEVと水素を比較し、日本のみならず世界で「水素(FCVもエンジンも)」を普及させることの難しさについて説明してみます。

EVの充電インフラより数も少なく、利用法もデメリットだらけの「水素」

トヨタの水素自動車とステーション
日本の場合EVの充電インフラの設置方法とスペックに問題があることは私も何度も記事にしてきましたので間違いないことはわかっています。

詳細は過去に書いた以下の記事をご覧ください。

ですがそれでも日本国内の日産ディーラーや高速道路のSAPAには急速充電器があり、多少速度に問題があってもどうにか充電することは可能です。

しかもEVの場合は電気ですから自宅に充電器を設置して夜寝ている間に充電や先日の記事にも書いたようにホテルに宿泊している間に充電も可能、つまりいつでもどこでも充電可能というのが最大のメリットです。

これに対し水素燃料電池車(FCV)の場合は水素が爆発する可能性のある危険な物質であることから「水素ステーション」以外で充填することができません。

水素ステーション

この「水素ステーション」が現在だと日本国内にたったの130箇所、冒頭の日本政府の計画でも今後10年でようやく1000箇所ですからガソリンスタンドの数十分の一くらいの規模にしかなりません。

どうしても水素燃料電池車(CV)を普及させたいのであれば、それこそ今のガソリンスタンド並に水素ステーションが日本だけではなく世界中に誕生しないとEVからシェアを奪うことが困難なわけですが、なぜか水素をやたらと称賛する方々からはこの「水素のインフラをどうするの?」という提案が全くありません。

EVの何十分の一(それも急速充電器だけでの話なので普通充電も入れると更に差が開く)しかない「水素ステーション」のことは無視して「日本の充電インフラじゃEVなんて」とやたらと攻撃したがりますが、当然これはブーメランとなって水素の側に返ってくることは意識していないようです。

今日はインフラという面での水素のデメリットしか問題にしてませんが、もちろんこれ以外にも技術的なデメリットもあります。以前記事にしてますのでご興味があれば参照していだければと思います。

長距離トラック等限定された用途ならまだ水素にも可能性がありますが

テスラ「Semi」
とはいえ私も水素を全否定してるわけでもありません。

私も毎日YouTubeは見ていますが、それなりに有名な方が書いた記事なのもあり物議を醸したようですが、よく読むと「水素で大逆転」的なタイトルは煽りすぎで実際は「大型トラックなどEVが弱い分野でならまだまだ水素で勝負できる」ということを語っているだけの記事です。

その記事がアンチEVには「ほら、だから日本は水素でいいんだ」と都合よく解釈する方向に行きますし、片やEV推進派からは「トヨタに配慮し過ぎの記事」と批判が殺到しますし大変だなと思いましたが。

確かに大型トラックではまたEVも十分な航続距離や充電インフラ(乗用車よりも巨大バッテリーになるので充電時間がネック)を確保しているわけではないので水素に可能性があるというのは間違いではありません。

また記事の中にもあるような「船舶」「鉄道」などもまだ可能性のある領域でしょう。

でも素朴な疑問で「トヨタって車メーカーだよな?」「トヨタってトラックやってる会社じゃないよな」と思ってしまうので、なかなか苦しいトヨタ擁護の記事だなと私は苦笑いしながら読みましたけど。

やはり元官僚の方ですので各方面から「こういう記事を書いてくれ」と頼まれたりするのかな?と邪推すらしてしまうところです。

また「長距離トラックなら」という水素への期待も覆るのは時間の問題では?という見方もあります。

大型トラックのEVを開発しているのは主にテスラとダイムラーですが、テスラの「Semi」という大型トラックに搭載されると噂の「4680セル」バッテリーと「Semi」専用と言われている「メガチャージャー(スーパーチャージャーとの互換性は不明)」があれば大型トラックもEVで十分、わざわざ高額な費用をかけて水素ステーションを設置するだけ無駄という流れに行く可能性もあります。

いずれにせよ水素が劣勢であることに変わりはないようです。

「全方位」と言いながらEVだけは敵視する某一流企業

トヨタ「mirai」
現在日本メーカーで水素燃料電池車(FCV)を販売しているのはトヨタ、ホンダのみ、外国メーカーもヒュンダイのみです。

しかもEVに対する国(環境省・経済産業省)や地方自治体からの補助金により更に高額(環境省の場合EVの最大80万円に対しFCVは250万円、地方自治体だと東京都の場合EVの60万円に対しFCVは135万円)です。

EVの数倍の補助金をもらっておきながらこの発言ですから呆れます。

まぁおそらく世界中で行ったロビー活動(しかも全て失敗)の内容から推測するに「EVへの補助金が不健全だ」というのは「補助金をやめろ」という意味ではなく「EVだけじゃなくハイブリッドにも補助金を出せ」という圧力なんだろうなと予想できますが、それにしても世界のEV化の流れにここまで抵抗する企業も珍しいです。

なんていうと「別に抵抗はしてない」「全方位戦略だ」「マルチソリューションだ」と「EVもやるし、水素もやるんだ、何か文句あるか?」的な猛反発が殺到するのですが、少なくともこれだけEVに対する批判を繰り返している会社がEVを発売して買おうという気になれるでしょうか?

レクサス「UX300e」

私の回答は明確にNOです。この価格帯なら「日産・アリア」や「フォルクスワーゲン・ID.4」「ヒュンダイ・IONIQ5」の方がEVとしては圧倒的に格上です。

実際にこれまで発売したEVのスペックは2021年に買えるEVの中でも最低レベルのようですし。

車メーカーへの忖度なしにEVへの正直な評価をされることでも有名なこの方も酷評しています。

特に航続距離がカタログ値に全く及ばないことを酷評していますが、これが現時点でのこの会社のEVへのやる気です。

「技術があるんだからいつでも作れるけど、あえて作ってない」のような批判が殺到しますけど、それはマトモなEVが出て初めて言えることで、今言うべきことではありません。

日本国内なら政府に圧力をかけて「EVより水素」という流れに持っていけると思っているのかもしれませんが、先ほど言ったように水素ステーション1000基に対して充電ステーションは3万基、しかもこの充電ステーション数には自宅やホテルの駐車場などに設置される普通充電器は入っていません。

「実際に使ってみてどっちが便利なのか?」を決めるのはユーザーです。数年後にははっきりとした結果が出ていると私は予想しています。

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