「〜だからEVは普及しない」と言うのは揚げ足取り?【やりたくない理由探し?】

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こんばんは、@kojisaitojpです。最近のトレンド(?)はテスラ車でトラブルが起きると「ほら、やっぱりEVは!」と叩くことなのかもしれません。

私辺りの感覚だと「いくらEVとは言っても所詮アメ車だぞ」「iPhoneとかだって最初の3GSとかの頃は結構使いにくかったぞ」という感じです。

むしろトラブルが起きてもどうにか緊急避難帯まで移動できた(私が以前乗ってたシトロエンだとその場でエンジン停止したので道路のど真ん中で立ち往生でした)、テスラのロードサービスが素早く対応した上に「オンラインでトラブルの原因までわかる」というのは驚異以外の何ものでもないです。

どうやら「EVだから叩かなきゃいけない」「テスラだから叩かなければいけない」ような雰囲気を最近感じるのは先日も記事にした「オートパイロット」の事故の際の反応を見ても感じたことです。

今日はそんな「EVを何が何でも否定しなきゃ」的な悪意すら感じるような「例外思考(意味は後述)」について考えてみたいと思います。

EVが普及しない理由を絞り出す「例外を生み出す思考回路」とは?

揚げ足取りのイメージ
例えばEVが普及するしないの議論で必ず出てくる問題の一つが「航続距離」です。「1000キロ走れないようじゃ困るんだよ」的な批判を浴びせてくる人がネット上には必ず現れますが、そもそも「休憩なしで1000キロ走るの?」と思ってしまいます。

私も以前Twitterで「例えば東京⇄大阪の500キロ走るのに休憩なしで走る人いないでしょ? その休憩時間に充電すればいいでしょ?」的なことを言った際にも「いや、毎週東京⇄大阪休憩なしで走るからそのくらい航続距離ないと困るんだけど?」と言ってくる書き込みがありました。

高速道路のSA

でも実際に「東京から大阪まで車で移動する際に休憩なしの人ってどのくらいいるのでしょうか?

連続走行距離の平均は99kmである.構成率は50km未. 満が全体の23%,50∼ 100kmが34%,100∼150kmが23%. で,150km未満が全体の約8割
(「高速道路の休憩施設選択要因に関する基礎分析」より)

150キロの移動で8割、300キロ以上になるとほぼ100%の人が休憩を取るということは、これが400キロ500キロになると無休憩で走る人はほぼ皆無ということです。

高速道路の急速充電器

そして休憩の平均時間が25分です。

急速充電器の使用は原則30分になりますので、SA・PAに到着してトイレや食事休憩で30分ほど休んでいる間にバッテリー容量にもよりますが、最大で80%近くまで充電残量が回復します。

となると「連続で1000キロ走れるバッテリー」は不要になります。

そもそも「1000キロ走れないと困るんだけど」的な話は私辺りから見れば「東京から大阪まで休憩なしで走れるほど通常の人間離れした強靭な膀胱を持っているのかな?」と嫌味の一つも言いたくなりますが(笑)

しかもこういう思考回路は「男性目線」なことが抜けてますよね。確かに男性なら多少であれば(東京⇄大阪は無理でも)用を足すのを我慢ができますが、女性であればまず不可能です。

だから例えば家族やカップルで移動した際に同乗する女性が困るだろ?という視点も欠いているところが私からすれば更に終わってるなと思うところです。

まぁ何とかしてEVの揚げ足を取りたくて必死なのかもしれませんが。

このように「世の中に1%存在するかどうかのような例外」をあげて「だからEVなんて普及しないんだ」とごく少数の意見がまるで多数派であるかのように主張してくる人がネット上には多くて呆れることが多いです。

ちなみに私が1000キロという単位を用いるのは以前も触れたことのある「全固体電池」を巡る議論で出てくる数字なのでわざと使っていますが、仮に1000キロ走行可能な全固体電池が実用化されたとしてもそれを必要とする人がどのくらいいるの?という話にもなります。

私の予想では「全固体電池」はオーバースペック、しかも現在のリチウムイオン電池より高価になる可能性が高いので一般的に乗用車として使用されるEVでは普及しないと予想しています。

今でも「車両価格が高い」と文句を言われることが多いEVの価格が更に上がったら買う気になります。

まぁポルシェやランボルギーニ、フェラーリのようなスーパーカー、超高級車をEV化するのであれば金に糸目をつけない人が購買層になりますので導入される可能性は大いにあると思います。でもそれはあくまでも「高価格・超ハイスペック」なEVに限った話になると思います。

「EVは故障が多い」も嘘?

駐車中のモデル3
冒頭で挙げた「一件故障トラブルが起きただけで大騒ぎしてEVを全否定」というのも一緒です。

路上で故障が発生して止まっている車、レッカー車などで運ばれていく車は日常どこを走っていても見かけます。

冒頭でも言ったように今回のテスラ車のケースは「緊急避難帯まで移動できた(私が以前乗ってたシトロエンだとその場でエンジン停止したので道路のど真ん中で立ち往生でした)、テスラのロードサービスが素早く対応した上にオンラインでトラブルの原因までわかる」という、むしろテスラの対応の凄さを称賛すべきないようです。

ところが「これだからEVは」「電気自動車なんてまだ時期尚早」のような意見がヤフコメなどを埋め尽くしたりするので呆れるところです。

しかも忘れてはいけないのはテスラ車は「アメ車」です。

テスラ車以外の外車に乗ったことない方がテスラ車を購入した後に文句を言うケースをよく見かけますが「EVで故障は少ないだろうけど所詮アメ車だよ」と思ってしまいます。

    以前私が乗っていたシトロエンはミッションの調子が悪いのでディーラーで診断してもらおうと持って行ったら、その時はたまたまシフトチェンジがスムーズで(外車ではよくあることです)「異常なし」なしと診断されました。

    「え?絶対壊れてるから」と言っても「じゃあ異常が出てからまた来てください」と帰されました。

    で、その帰り道でまたギアが入らなくなり、コンピューターが異常を検知すると勝手にエンジンを止めるのがフランス車の仕様(安全のためと言ってますがかえって危ない)なので交通量の多い道路のど真ん中で立ち往生しました(笑)。

    幸い他のドライバーの方も協力してくれて、どうにか路肩に移動させることができましたが、その間周りの車からはクラクション攻撃の嵐です。

このようなトラブルはガソリン車でも日常茶飯事です。

「EVなんて故障が多くて信頼性がない」と言いたいのであればガソリン車と比較した故障率などの数字を挙げて主張すべきなのですが、なぜか

「EVは普及しない」根拠にあがる「例外思考」すら吹っ飛ばすイーロンマスクとテスラ

テスラの電動トラック「Semi」
ちなみに先ほど「1000キロ走るEVはオーバースペックで現時点では不要」と言いましたが、テスラとイーロンマスクはそれすら吹っ飛ばしてくる可能性があります。

もう少し話が具体化したら独立した記事として取り上げる予定ですが、現在テスラが開発中の「4680セル」と呼ばれる新しい大型のバッテリーの話です。

バッテリー密度(航続距離に影響)が上がり、しかも充電速度が現在の倍速で可能になると言われており、大型EVトレーラーの「Semi」や私が何がなんでも欲しいと思っている「サイバートラック」などの大型車両では大いに役に立つ可能性があります。

私が「1%の例外を考慮するのは後の話」的に言っているその1%に入るような難題をいとも簡単にテスラがクリアしていこうとしているのは驚異以外の何ものでもないです。

日本では今も「EVは普及するしない」のような次元の話をしている人が多いですが、世界の流れはもうそんな段階ではないということに早く気づくべきだと思うのですが。。。

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