ガチでEV化を推進する気のアメリカと抵抗する日本メーカーの行く末とは?【勝ち負け見えてます】

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こんにちは、@kojisaitojpです。以前から私のブログでは「アメリカのバイデン政権は本気だ」と言い続けてきましたが、いよいよその本気の「EV化推進計画」が具体的な政策として出てきました。

具体的な計画については後で本題として論じますが、印象としては補助金の増額、具体的な充電インフラ設置計画による雇用の創出などどこをとっても「本気でアメリカをEVの国にする」という姿勢が鮮明になっています。

この前のフォードの工場にバイデン大統領が自ら赴いて「F-150 Lightening」を試乗して「自動車の未来は電気だ」と宣言する辺りが象徴的でしたが、いよいよアメリカが本気でEVでも「ヨーロッパや中国から覇権を取り戻す」姿勢が鮮明になってきました。

そんなアメリカのバイデン政権が打ち出した「本気のEV化政策」について解説しながら、このような世界の流れとは完全に逆行する恥ずかしい方向に進み始めている日本の某企業とを対比しながら未来の自動車について考えてみたいと思います。

アメリカが本気でEV化すると宣言するバイデン政権の政策とは?

F-150に試乗するバイデン大統領
さて冒頭で引用したバイデン政権による「EV化政策」の内容を簡単にまとめると、

  • 補助金(税控除)を現状の7500ドルから10000ドルにアップ(ただしアメリカ国内で製造が条件)
  • 全米自動車組合の労働者が製造したEVには更に2500ドル加算
  • 新車販売に占める電動化(EV化)率が50%を超えるまでずっと継続

補助金の金額がやたらと強調されていますが、私は「新車販売に占める電動化(EV化)率が50%を超えるまでずっと継続」というのが衝撃でした。

最新の統計で「EV化率(BEVで計算した場合)が50%超え」をしているのは世界でもノルウェーだけです。ドイツやフランス、イギリスなどEV化に力を入れているヨーロッパ諸国でもせいぜい20-30%がいいところです。

ちなみに現在のアメリカの電動化率は1-2%と日本と大差がない状態です。

フォードで演説するバイデン大統領

「アメリカが世界のEV戦線でトップに立つまで意地でも続ける」というバイデン政権の「本気」が伝わってきたと私は感じました。

そしてアメリカでEVを普及させるために様々な方面の利害に配慮した補助金(税控除)を打ち出してきたことが更に特徴的です。

まず補助金(アメリカの場合は税控除)の金額が大幅にアップしたことが特徴です。

これまで7500ドルだった税控除が10000ドルにというだけで2500ドル(約275000円)の上積みです。ただしトランプ政権時代の政策と違い「アメリカ国内で生産したものに限る」という条件がついたのは最近の米中関係の悪化、なるべくアメリカ国内での生産にこだわる方向に企業を誘導することで「雇用の維持」にも配慮していると感じるところです。

バイデン大統領

「アメリカ・ファースト」という言葉はトランプ前大統領の時に多用されましたが、基本的にアメリカの大統領は「アメリカ・ファースト」の政策をゴリ押ししてくるのは共和党政権でも民主党政権でも歴史的に一緒です。

日本では「EV化すると雇用が失われる」とEV化に抵抗するメーカーもあるようですが、バイデン政権の政策では「アメリカの雇用を維持する」ために「補助金の対象になりたければアメリカ国内で生産しろ」と雇用への配慮も見られます。

他にも「50万箇所の充電ステーション設置計画」もありますし、「EV化によって雇用が喪失しない」ように様々な配慮が見られます。

GMやフォード・テスラのようなアメリカ勢だけではなく、フォルクスワーゲンやトヨタ・日産・ホンダなど外国勢もアメリカ国内でEVを生産しないと今後不利になるということです。

またトランプ政権時にあった「累計売上20万台まで」という制限も撤廃されたので、既に税控除で対象外となっていたテスラとGMもめでたく税控除の対象に復帰です。

この時点で「国内回帰」というのが鮮明ですが、更に「全米自動車組合」に加盟している労働者が生産したEVには2500ドル加算という追加措置まであります。

実はテスラは全米自動車組合に加盟してないので除外されるのですが、これも先日のバイデン大統領の演説がフォードの工場内で行われたことを考えると「あぁなるほど」という印象です。

政界への根回しはテスラよりフォードやGMの方が一枚上手だったかもしれません。

実際にフォード「F-150 Lightening」が突っ走っています

フォード「F-150 Lightening」
そしてバイデン政権からの後押しを受けたことがどのくらい影響したかはわかりませんが、こちらの予約台数がどんどん伸びています。

40年以上アメリカ国内でトップの売り上げ台数を誇っている「F-150」が上記の補助金(税控除)を受けるとガソリン車とほとんど変わらない価格で買えるというのもユーザーには大きなメリットですがとにかく予約台数の伸びが異常です。

サイバートラックの外装
GM「ハマーEV」

やはりアメリカの国民車のような存在であるピックアップトラックがEV化することの影響はかなりのもので、今後GMの「ハマーEV」やテスラの「サイバートラック」など続々とEV化されたピックアップトラックが出てきますので一気にEV化が進む予兆であると言うこともできます。

年間で100万台前後の売り上げ台数が「F-150」では普通ですので、このまま行くと10%以上があっという間にEVに置き換わるかもしれません。

フォード「F-150 Lightening」その5

「F-150 Lightening」については以前の記事で解説していますのでよろしければご参照ください。

ついこの間まで日本と大差のないEVの普及率だったアメリカが一気に変わろうとしています。

片やEVへの補助金にケチをつけるトヨタ

トヨタ社長
ヨーロッパがEV化へ向けて一直線なことは元からですが、このようにアメリカも本気でEVを未来の自動車と捉えているのに対し、日本の世界最大の売り上げ台数(2020年の話)を誇るトヨタからはこんな意味不明の発言が飛び出しています。

「EVにだけ過剰に補助金が支給されるのはおかしい」と言ったようなのですが、「FCV(水素燃料電池車)でEVの何倍もの補助金もらっておいてよく言うよ」というのが私の第一印象でした。

おそらくこの発言から考えられることは、

  • ハイブリッド車が補助金の対象になってないことへの不満
  • EVを何がなんでも潰したいという怨念

どちらかというとこれまでアメリカやイギリスなどで政治家にロビー活動を行なっていた(もちろん失敗)主張の内容と整合性のあるように考えると「ハイブリッド車もEVの仲間として認めてくれ」という主張である可能性が高いです。

トヨタが他国で行なっていたロビー活動については以前も批判したことがありますので、こちらをご覧ください。

まぁ自国アメリカの自動車業界がテスラのみならずGMやフォードのような旧来からのメーカーまで本格的にEV化を打ち出している状況でトヨタだけが得意とするハイブリッド車を優遇してくれとロビー活動を行うだけでも「アホか?」と思うところですけど。

アメリカやイギリスでは失敗したけど日本政府相手なら何とかなると思っているのでしょうか?

でも残念ながら日本政府もその方向とは違う政策を打ち出してきています。

「急速充電器は約30分でEVをフル充電できる」などと書いてしまっている産経新聞の記者が「EVのことわかってねぇな」と思って呟きましたが、日本政府から急速充電器の設置計画が出たことは世界のEV化の流れに合わせたもので評価できます。

現在の給油所(ガソリンスタンド)の数と同じくらいまでEVの充電ステーションを増やすという計画ですから、数に直すと約4倍に増やすという計画です。

emobilitypowerの急速充電器

バイデン政権が唱える「50万箇所」に比べると弱い政策ではありますが、低コストでできる普通充電器と違ってコストのかかる急速充電器の設置に国が税金を投入して助けるというのはEVの普及には間違いなくプラスになります。

「電動車」というガラパゴスなカテゴリーを作ってハイブリッド車の販売を認めたことは残念でしたが、日本政府にもそれなりにEVを推進する気があることがわかったのは今後へのプラス材料です。

先日の日米首脳会談でバイデン大統領に何か言われたから慌てて言い出しただけかもしれませんが(笑)。

しかし先程の豊田社長の発言ですが、トヨタの社長としてではなく「自工会会長」という日本の自動車業界を代表する立場でこの発言をされると既に「リーフ」や「アリア」を開発している日産や先日2040年までに全車EV化の方針を打ち出しているホンダなどはどう思うのでしょう?

自社の意見をあたかも業界全体の総意であるかのように語る姿勢から疑問を感じます。そもそもトヨタ自身が最近になって言い出した「水素エンジン」というのもあらゆる面から非効率的でとても今から世界に普及させることのできるものではないのにという話もしたいのですが、今日は字数的にもかなり書いたのでまたの機会にします。

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