EV化を推進させるために必要な制度設計とは?【トヨタのETCの発明はただの利益誘導】

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こんばんは、@kojisaitojpです。1週間ほどブログを休むのはこの一年では初めてのことでしたが、今後このブログをどのように運営していくのかについては後日発表します。

それ以前に1週間空けてみただけで「ブログを更新しないと世界のEV化の流れに取り残される」ということがよくわかったので再開せざるを得ないなと言うのが私の認識です。

まぁ「更新せざるを得ない」などというと「お前が更新してもしなくても世の中変わらねぇよ」という野次がDMなどで飛んでくるのでしょうが、こういう輩はTwitterであれば即時ブロック、メールできた場合は迷惑メールリスト入りの対象にしようと決心がつきました(笑)。

この1週間で気になったネタは複数あるのですが、まずはこのテーマから取り上げます。

トヨタが「FCVだけを優遇する」トンチンカンな特許を申請したようで、先に結論を言ってしまうとこれ自体は失笑(後述)なのですが、「普及させるために高速道路を割引する」という着眼点は面白いです。

ですので今日はトヨタが特許申請をした計画の頓珍漢さについて触れながら「EV化を推進するために必要なこと」について考えてみます。

FCVだけ判別して高速代を値引きするトヨタの珍発明とは?

トヨタが特許申請したETC
さて冒頭のトヨタが出してきた「FCVだけを識別して割引を適用するETC」ですが、以下のような特徴があります。

  • 燃料電池車の判定条件は「空気清浄効果を有するフィルタを介して大気中の酸化剤ガスを取り込んで発電を行う燃料電池車両である」
  • MIRAI(2代目)は大気から吸い込む空気に含まれるホコリや化学物質を2種類のフィルターで除去し、清浄な空気にして排出
  • 燃料電池搭載(FCV)のトラックなどが普及すればかなりの経済効果

まぁ以前も私のブログで述べたように「水素燃料電池車(FCV)はトラックで普及する可能性」がありますので、長距離を走る大型トラックなどで割引が適用されるとかなりの経済効果があるのは事実です。

この記事でも述べたようにメルセデスはEVの大型トラックの生産と並行してFCVのトラックの開発も表明しています。

メルセデスEVトラック「eactros」

EV専門のテスラは「Semi」という電動トレーラーのみの生産で勝負するようですが、大型トラックであればまだFCVにも可能性はあります。

ですが「なぜFCVだけに限定してEVは排除するの?」という根本の疑問が残ります。

このように以前からトヨタはEVに対する補助金に対して異を唱えています。FCVでEV以上の補助金をもらっておいてよく言うよと思うところなのですが、これが会社の姿勢でしょう。

「FCVだけ優遇しろ」という姿勢が今回出てきた高速道路のETC割引と合わせて考えると予想できます。

ですが乗用車のレベルでは既にFCVはBEVに完全に負けている状況です。

車体そのものの価格面、EVの充電以上に困難な水素ステーションの普及、水素自体のそもそものエネルギー効率の低さなど乗用車では勝負がほぼ決しているのが現実です。

だからこそのFCV優遇策を日本政府に導入させることで普及率を上げようというのが今回ETCの新技術を開発した目的なのでしょうが、これに関してもツッコミどころが満載で、そもそも「FCVとEVってどうやって区別するの?」という素朴な疑問があります。

実はFCVだけじゃなく「HEPAフィルター」のテスラ車も高速割引になる?

テスラのHEPAフィルターの実験
トヨタでこの特許を出した方々が気づいているのかはわかりませんが、別にFCVの「ミライ」じゃなくても同じようなことはEVでも可能です。

それがテスラの「HEPAフィルター」です。

モデル3以降の車両に搭載されているHEPAフィルターもトヨタ「ミライ」同様に空気を浄化して排出することが可能です。

生物化学兵器にも耐えられるので、当然ですが「排気ガス」だけではなく「ウイルス」も浄化してくれます。

もちろんそれは今問題の「新型コロナウイルス」でも同様です。何せ生物化学兵器にも対応できるわけですから。

ただし上記のホームページでも注意書きがあるようにHEPAフィルターに新型コロナウイルスを殺菌・滅菌する力はなく、空気中のウイルスを捕集するものですので定期的な交換は必須になります。

ちなみにモデル3以前に発売された「モデルS」や「モデルX」も当時からオプションとして設定されたいたように「フィルター交換」でHEPAのフィルターを装備されることは可能です。

新型コロナウイルスにも対応できるということは当然ですが「花粉症」などにも対応できるので装備させて困る人はほぼいないかと思います。

トヨタの開発したシステムの仕組みがはっきりわからないので断言はできませんが、「HEPAフィルター搭載のテスラ車」であればFCVでなくても割引の対象となる車両と認識される可能性は十分あります。

まぁそれが判明すると更に別の判定基準を設けてFCV以外が反応しないように何かを考えてくるのだろうなという予想もつくところが「トヨタって陰険だな」と思うところですが。

EV・FCVの優遇策としての「高速道路値引き」はあり?

水素燃料電池車(FCV)のイメージ
世界の流れを見てもFCVとBEVを区別する国は現時点でない(「ゼロエミッション車」と定義している国であればBEVもFCVも含まれます)ので今回トヨタが特許申請をしてきたように「FCV(水素燃料電池車だけを優遇する」ということは不可能に近いのが現実です。

冒頭で引用したトヨタの豊田章夫社長のコメントにもあるように目的は「脱炭素」「ゼロエミッション」なのですからFCVとBEVを区別することなく認めるのが本来のあるべき姿ではないでしょうか?

ちなみにトヨタが最近開発をアピールしている「水素エンジン」はこのカテゴリーには含まれません。

NOx(窒素酸化物)を排出してしまいそもそも「ゼロエミッション」ではありませんので、「2035年からゼロエミッション車以外の新車販売禁止」を掲げているEUやアメリカのカリフォルニア州の規制はクリアできません。

こういうものを熱烈にアピールするというのは企業のトップ自体が「ゼロエミッション」の意味をわかってないということを世界に知らしめることになるので、今すぐ止めるべきだと思いますが。

このように中途半端な策ばかり出してくるのが最近のトヨタの特徴ですが、今後の社会に対するヒントも示唆していることは見逃してはいけません。

今日取り上げた「高速道路の割引」というのもEVやFCVの普及率を上げるために他の国でも導入されている政策なので積極的に進めるべきだと私は思います。

世界で最もEV化率が高いノルウェーでも以下のように優遇策を取り入れています。

EVを叩きたい方々は「ノルウェーはほとんどが水力発電だからEV化できる」「車庫や駐車場にオイルヒーターが必須だった関係で充電環境が整備しやすいからEV化できるだけ」などとノルウェーがあたかも特殊な国だからEV化に成功したかのように過小評価しますが、実はそれだけではありません。

ガソリン車からの買い替え補助金を百万円単位で支給したり、高速道路の通行割引、ピークの時間帯にEV専用の優先レーンを設ける、さらに税制優遇措置もと至れり尽くせりの優遇策を政策として導入することで国民がEVにシフトしやすい環境も整えているからこそ普及率が高まっているという背景があります。

ですので「高速料金を優遇しよう」というトヨタの発想自体は間違いではありません。問題は同じゼロエミッションなのにFCVとBEVを差別しようという自社の利益だけを考えた発明であるという点だけです。

中途半端な特許を申請してきたことは失笑する以外のコメントはありませんが、補助金以外にもEVやFCVを優遇する政策を設けることが日本のEV化を早める最良の手段なのではないでしょうか?

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