朋克汽車(Pocco)の美美(Meimei)や宏光MiniEVがアフリカを席巻する?【日本の中古車輸出オワコン?】

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こんばんは、@kojisaitojpです。以前から言われていることですが、「アフリカのEV化」を成し遂げるのは中国メーカーかもしれません。

朋克汽車(Pocco)の 美美(Meimei)という2021年3月に中国で発売された格安EVが宏光MiniEVと共にアフリカに一気に普及するとこれまでプリウスを始めとする日本の中古車が中心だったアフリカの自動車事情が一気に変わるという内容の記事です。

なんてことを言うと「電気もロクに通ってないアフリカでEVなんか普及するわけないだろ」と怒り口調で攻撃してくる人が必ず現れるのですが、何も調べもしないでテキトーなこと言うと恥をかきますよというのが先に言ってしまいますが結論です。

今日は毎月一回くらいは取り上げているアフリカのEV化状況に食い込んできている中国メーカーのEVについてと、これが他人事ではなく日本市場にも大きな変革をもたらす可能性について論じます。

「宏光MiniEV」に対抗できる格安EVの「朋克汽車(Pocco)の 美美(Meimei)」がアフリカに

朋克汽車(Pocco)の 美美(Meimei)
さて冒頭で紹介した「朋克汽車(Pocco)の 美美(Meimei)」の紹介から始めましょう。

日本と違い次から次へと新興のEVメーカーが誕生する中国ですが、朋克汽車(Pocco)もその一つで領途汽車有限公司 (旧: 河北御捷車業有限公司)の傘下で低速電気自動車の生産を手がける新興EVメーカーです。

朋克汽車(Pocco)の 美美(Meimei)

その朋克汽車(Pocco)の 美美(Meimei)ですが主なスペックが「全長3025mm/全幅1500mm/全高1515mm」と非常にコンパクトな上に搭載バッテリー容量が9.2kWhと14kWh。航続距離が14kWhのもので120キロと公表されています。

朋克汽車(Pocco)の 美美(Meimei)

「宏光MiniEV」同様に小型のEV、日本でいう軽自動車サイズのEVになります。

先日私が名古屋大学まで「宏光MiniEV」を見学に行った記事でも言いましたが、「宏光MiniEV」は全幅が軽自動車サイズからはみ出ていますが、美美(meimei)はバッチリと収まっています。

バッテリー容量は三菱「アイミーブ」とほぼ同等です(アイミーブは10.5kWhと16kWh)。

このバッテリー容量ですから航続距離も14kWhのもので120キロと表記されており、街乗り専用、日常の通勤や買い物などが主な用途になります。

ですので「宏光MiniEV」同様に「高速道路を時速100キロで走行し、クーラーをつけても達成可能」な基準を用いる意味がないEVかと思います。

朋克汽車(Pocco)

昔の中国のイメージが今も捨てられない人は「中国=人民服を着た大衆が自転車に乗ってる国」なのかもしれませんが、この自転車が小型のEV(「low speed electric vehicle」というカテゴリー) に置き換わってきたところにも中国の進歩を感じます。

中国のEV販売ランキング

既に中国でのEV販売台数ランキング(BEVとPHEV)でも20位以内には入っており、何度も取り上げているNIOの「ES6」とほぼ互角の台数を売っています。

もちろんNIOは高級車専門ですので対象とする層が違いますけど。

そしてこれらの格安のEVがアフリカに入ってくることで一気に世界が変わるという話です。

中国スマホ「Tecno」同様にEVと再エネを持ち込む?

アフリカで販売される「Tecno」のスマホ
ファーウェイやXiaomi、OPPOなどの中国製スマホは既に日本でもかなり知名度が出てきたと思いますが「Tecno」というメーカーを知っている人は少ないかもしれません。

ですが実はアフリカでシェア1位のスマホメーカーです。

特徴は「安さ」で廉価なモデルだと260ドルから買えるというiPhoneやGalaxy辺りからすると考えられない激安スマホですが、アフリカの所得水準的にこの低価格スマホが大ヒットしました。

低価格とはいえカメラは4眼、RAMが8G、バッテリーは4500mAhとそこそこのスペックなので仮に日本に持ってきても全然使えそうなスマホです。

もちろんiPhoneやGalaxyなどのハイスペックなスマホとは比べてはいけませんが、この「そこそこ使えて安い」というのがアフリカなどの発展途上国では重要なことです。

この「Tecno」社と同じようなことを「宏光MiniEV」や先ほどの「朋克汽車・美美(Meimei)」のような格安EVが果たすのでは?というのが冒頭の記事の本題です。

宏光MiniEV@名古屋大学

私も「宏光MiniEV」の実物を触った際に感じましたが「買い物などで近所を自転車やバイク代わりに走る」、つまり日常の「足」としてであれば何の問題もなく使える

再生可能エネルギーと「格安EV」をセットで売り込む中国の「債務の罠」?

宏光MiniEV@名古屋大学
中国は、アフリカの全ての国の首都に財界の代表団を派遣するなどの行動を起こし、アフリカ各国でインフラプロジェクトを受注するなど影響力を拡大しています。

最近だとこのケニアの新幹線などがいい例ですが、もちろん「1分と遅れない」世界トップクラスの鉄道を誇る日本もケニア政府に売り込んではいました。

ところが中国が格安で「中国の車両・レール・運行システム・メンテナンスなどのパッケージ契約」で受注しました。少し前にはインドネシアの新幹線でも日本は中国と競合した末に負けています。

発展途上国に格安でインフラ整備を進め、途上国が債務を返済できなくなると「関連する土地の長期間租借」などの権利を行使してその国における権益を拡大していく中国のやり方は「債務の罠」「植民地主義」だと批判されることも多いです。

ですが先程の「Tecno」のスマホもそうですが、発展途上国にインフラという大きなメリットをもたらしていることは事実です。

スマホを売り込むのであれば当然ですが「基地局」などのネットワークのインフラもセットで売り込まないと電話回線も満足につながっていないアフリカでは必須になります。

同じことを「再生可能エネルギー」と「格安EV」でやったらどうなるでしょうか?

EVを否定したい方々はよく「電気もロクに通ってないアフリカでEVなんて絶対無理」のような言い方をします。「送電網」という意味では確かに広大な国土で人口密度の低いアフリカでは全土に敷設することはコスト的にも割に合わないので不可能に近いでしょう。

ですが「再生可能エネルギー」であれば「送電網」がなくても太陽光パネルなどで発電し、コミュニティレベルでマイクログリッドを作ることは比較的簡単です。国単位で送電網をなんてことは不要です。

この辺りの「再エネ」と「EV」が発展途上国を変えるという可能性については以前も論じてますのでご参照いただければと思います。

「植民地主義」と言われる中国のやり方が適切かは疑問なところですが、電力もEVという「移動手段」も確保できるのであれば(そして発展途上国の財政を圧迫する最大の原因「燃料代」も消滅)誘いに乗る国がたくさん出てくることは容易に想像できます。

アフリカで「低価格EV」が普及すれば駆逐されるのは日本の中古車?

アフリカの太陽光発電
実は日本メーカーも中国のようにアフリカに影響力を行使することは可能です。

以前の記事で「アフリカで進む再エネ事業に日本メーカーが貢献」していることについて述べましたが、例えば豊田通商はケニアの地熱発電を積極的にやっています。

豊田通商がアフリカ各国で進めた再生可能エネルギーの活用法としてトヨタがEVを売り込めば、中国以外の国に頼みたいと内心思っていたアフリカ諸国がどんどん日本の味方に…。

という妄想はやめておきましょう(笑)。現時点でトヨタが本気で世界にEVを売り込むという可能性は想定できません。むしろ以前も指摘したようにEVの推進を阻止するロビー活動や政治献金を行なっているような会社ですから。

「本来簡単にできるのにやらない」ことで衰退への道を日本が進んでいることは非常に残念なことなのです。

「機会損失」という言葉がありますが、日本メーカーが何もしないでいる間に市場を食われていくというのは過去のスマホや家電が衰退して行った光景が自動車でも繰り返される日がすぐそこに迫っているかもしれません。

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