3Dプリンター住宅が未来を変える?【低コスト・日本でも実用化目前】
こんばんは、@kojisaitojpです。世の中「値上げ」のニュースだらけですが、この業界にも値上げの波が押し寄せているようです。
だからこそ「廃材がほとんど出ない3Dプリンター住宅」と主張し続けるぞ。
「ビルが建たない・・・」鋼材やコンクリート価格高騰で建設業界に打撃(TBS NEWS DIG Powered by JNN)#Yahooニュースhttps://t.co/FiRh2gt5w0— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) April 18, 2022
「ロシアからの輸入に頼っていたセメントが調達できないからビルを建てられない」という話です。木材などの資源価格も上がってますのでビルだけではなく一般の住宅にも影響が出てきています。
こういう報道を見て「もう家も建てられない」と思いますか?
あるいはガソリン代が高騰してたり、部品の調達の遅れから新車が納車されないあるいは値上げされてるのを見て「もう車も買えない」と思いますか?
個人的には「〜だからできない」と思ってしまうと全ての可能性を閉ざすだけで何も前に進まないと思っています。
よく「できない理由を考えるのではなく、どうすればできるか考えろ」と言ってますが、例えば「住宅の資材価格が高騰してるのを契機にできることもあるのでは?」と思う次第です。
今日はEVや再エネの話からは少し離れますが「もしかしたらリンクすることがあるかも」と思う「3Dプリンター住宅」について取り上げてみます。
目次
日本でも実用化目前の「3Dプリンター住宅」
私のブログでは以前から積極的に取り上げていますが、日本でも「セレンディクス」というスタートアップ企業が3Dプリンター住宅の実用化へ向けて精力的に活動しています。
「3Dプリンター」で建設業もオワコン?【30坪300万のオフグリッド住宅?】
「3Dプリンター」で住宅を建設しようという動きが世界中で活発になっています。工期も短縮、人手不足が叫ばれる建設業の切り札になる存在ですが、「地震や台風の多い日本では…」と批判的な向きもあります。しかし建築基準法をクリアして日本の風土にも適した3Dプリンターで作る住宅を開発しているベンチャー企業がいることにも注目です。
まず「なぜセメント不足の話からいきなり3Dプリンターなのか?」と言われそうなので先に説明しておきますが、3Dプリンターで製作した住宅からは無駄な廃材が出ません、
同じサイズの木造住宅と比べて建築廃棄物を9割以上、二酸化炭素の排出を2トンから3トン削減することができると言われています。
コンクリートで作った場合「一体どれだけのセメントを節約できるの?」と思いますよね。実は建築の現場ではこれまでの工法だとあり得ない量の廃棄物が出るのが当たり前になっていました。
ですがこの「当たり前が実は全然当たり前じゃないよ」と真っ向から異を唱えるのが3Dプリンターです。
これまでであれば「他に方法がないから」と大量の建築廃棄物が出ることが当然の前提となってましたが、大幅に節約できる新しい技術の登場です。
この転換は「リチウムイオン電池」によって従来の電池では航続距離が全く出なくてほぼ使い物にならなかったEVが本格普及しそうな流れなのと共通するものを感じます。
昨年の段階で既に「10㎡以下の住宅(建築基準法の対象外)」を3Dプリンターで作成し、販売するという計画を出していましたが、既にこれは現実になっています。
これに太陽光と蓄電池搭載すれば完璧な家になると思ってる。
3Dプリンターで作った家が完成 施工は23時間12分 グランピング施設や復興住宅の需要見込む:100平米300万円で家を提供 – ITmedia ビジネスオンライン https://t.co/NayF8LKXZi— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) March 13, 2022
3Dプリンターを日本へ輸入する時期の遅れから海外でプリントアウトしたものを日本で組み立てるという変則的なやり方にはなりましたが、試作品にもなる第一号の3Dプリンター住宅が先月完成しています。
現時点では10㎡という建築基準法の制約がありますが、仮設住宅やグランピングの施設として十分使い道があります。
ちなみに日本だと必ず言われる「建築基準法ガー」というのも実は「3Dプリント部分はRC構造の型枠(打ち込み型枠)としても機能し、構造躯体はヨーロッパ基準の断熱性能をクリアした2重構造により設計」とクリアする目処もついています。
価格も10㎡のものに関しては300万と破格です。
建築廃棄物がほとんど出ない上に24時間で完成するのですから人件費もかからない、これまで一生をかけてローンを組まないとなかなか立てられなかった家が車並みの価格で建てられるようになります。
と言っても「10㎡じゃ」と思いますかね? 話はその先まで進んでいます。
「建築基準法ガー」という「できない理由」をクリアする3Dプリンター住宅
そしてそんな中で先日出てきたのがこの本格的な住宅です。
既に「建築基準法をどうクリアするか?」の道筋もついてるわけで。
日本初の3Dプリント住宅メーカーセレンディクス 慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターとの“フジツボ”モデル共同プロジェクトを発表 https://t.co/w57AmcGWQz— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) April 18, 2022
2022年秋に試作品とありますので、本格的な販売は2023年以降の可能性もありますが、49㎡と普通の家族が住めるような住宅を3Dプリンターで建設する計画が出てきました。
最大で100㎡まで拡張する計画もあるようです。
これが500万の予定です。ローンを組んでも数年で終わるレベルですよね。
こちらも「RC構造の型枠」となれば建築基準法はクリアできることでしょう。
近年のテーマ「脱炭素」にも3Dプリンター住宅は有効で、「二酸化炭素の11%は建築産業、28%は住宅から排出」と言われていますが、先ほど紹介したように廃棄物の大幅な削減が可能になります。
しかも工期が24時間となれば人件費も大幅に削減できます。建築業界も職人の高齢化が叫ばれていますが、人手不足も解決です。
そして「脱炭素」の話をわざわざしたことからこの先何が言いたいかわかりますよね?
3Dプリンターで製作した住宅に「太陽光パネル+蓄電池+EV」を用意すればゼロエミション住宅、100%とは言えないかもしれませんがオフグリッドで電力を自給自足する家庭の誕生です。
「EV +パワーウォール+ソーラールーフ」で住宅メーカーと組んで「テスラホーム」とかやって欲しいところ。 https://t.co/6i24ZkcGjB
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) April 18, 2022
テスラがEVだけではなく「蓄電池(パワーウォール)」やアメリカでは「太陽光パネル(ソーラールーフ)」も販売していることから私は「テスラホーム」と言ってみましたが、実際にアメリカ・カリフォルニア州ではそれに近いものも誕生しています。
動画の中で「Coachella Valley 」なんて言われると私のようなPerfumeファンはドキッとしますけど(2022年はきゃりーぱみゅぱみゅが出演したようですが)、カリフォルニア州に3Dプリンターで作った住宅に太陽光パネルと蓄電池を搭載、コミュニティ内ので電力は自給自足するという試みが既にスタートしてます。
個人的には給電機能(V2L)を持たないテスラ車よりもヒョンデ「IONIQ5」の方が更に有効活用できるのでは?と思わなくもないですが、テスラの場合は自社でパワーウォールという蓄電池がありますのでそっちを使ってくれということでしょうか。
こういう事業にテスラが参加する(住宅メーカーとの提携という形式で十分)と「テスラホーム」がすぐに誕生するよなと思うのは私だけでしょうか?
EVでも再エネでも住宅でも「できない理由」がマインドブロックに?
なんて未来を語ると「そんな簡単にできるわけないんだ!」となぜか怒り出す人々が必ずいます。
「できない理由」を並べる方々がよく持ち出す理屈に「本当に成功する、儲かるならとっくに大企業がやってるはずだ。大企業がやらないということは失敗するからだ」などという「大企業万能説」で攻撃されることがあります。
おそらく「セレンディクス」の試みに対しても同じように「本当に可能性があるなら大手建設会社がやらないはずはない」「大手がやらないということは何か欠陥があるからやらないんだ」のように批判してくる方々はいることでしょう。
でも素朴な疑問なのですが大手企業ってそんなに万能なのでしょうか?
日本の大手企業が全てを見通す万能の主体で絶対に失敗しないのであれば現在のように日本経済が低迷を続けることはなかったのでは?と思いますが。
ちなみにこの「できない理由」を並べて変化を拒否する姿勢は過去にEVや再エネで論じてますので一緒にご参照いただければと思います。
「できない理由」を探すより「どうすればできるのか?」を考えるべき?【典型例が地熱発電】
「できない理由」を並べる姿勢を批判していますが、EVと並ぶ例として「再生可能エネルギー」があります。特に火山が多い日本には世界3位と言われる地熱資源が眠っていると言われていますが、「温泉が枯れる」「国立公園は開発不可」のように「できない理由」に阻まれて「どうすればできるのか?」を考える方向に進んでいないのが問題です。
「できない理由」を並べる人とは関わらない方が良い理由とは?【EVを具体例に】
新しいものに対して「できない理由」を並べて正当化する人が多いですが、これでは「どうやったらできるようになるか?」考える人に絶対に勝てません。このことが典型的に表れているのがEVの世界で、あらゆる理屈を駆使してEVを否定しようとする人が日本では多いですが、こんなことをやっていると世界の流れから取り残されるだけです。
先日私もこのネタで絡まれて非常にウザかったので取り上げます。
日本が中国より人口が多かったら俺も同意するよ(笑)。
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) April 17, 2022
私はTwitter上で「EVのカーシェアやレンタカー、サブスク(要は長期の貸与)はメンテナンスコストがかからないので利益を出しやすいのでは?」と呟いてみたところ、「儲かるんだったら既にタイムズとか大手企業が全てEVにおきかわってるはずだ」「置き換わってないということは儲からないからやらないんだ」と猛反発してくる輩が乱入してきました(既にブロックしてます)。
まぁEVユーザーであれば「メンテナンスコストがかからないはずがない」と言われて「はぁ?何言ってるの?」とまず思いますよね(笑)。
私も先日の記事で「EVのメンテナンスコスト」については取り上げましたが。
要は「本当にメンテナンスコストがかからないなら大手がやってるはず」→「大手がやってないということは実はメンテナンスコストがかかるんだ」という意味不明の展開だったのですが、この話で攻撃されると私が構想するビジネスプランを全否定されることになるので反論しないわけにはいきません。
何より「海外では知らないけど」という言い方が正直言って私の逆鱗に触れました。なぜ「日本だけ例外」なのでしょうか?
とはいえ私の反論にまともに答えなかったのでブロックしましたけど。
単純に考えて既に多くのガソリン車を保有してる大手のタイムズなどでは「全部EVに切り替える」となると「じゃあそのガソリン車どう処分するの?」という問題が発生しますよね。
タイムズだと日産「リーフ」も僅かの台数だけ貸してますが、大半はガソリン車です。
これが「座礁資産」になると思うと簡単に身動き取れないのでは?と私なら思いますがこれ間違ってますかね?
「お前の意見が大企業より正しいわけないだろ!」と思われるのであれば私のブログやTwitterには来られない方が身のためだと思いますけど。
しかし充電器と蓄電池は何が何でもテスラにしたい。EVはそこまでこだわりないけど。 pic.twitter.com/UChmA3sJVI
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) April 18, 2022
実はこういう呟きも私の個人の住宅に設ける話としてではなく「会社に設けるならどんな設備でいくべきか?」という話なのですよね。やるからには「再エネ100%の電力」で「会社そのものがゼロエミッション」で行きたいわけで。
なんて事業計画を出すと「無駄遣いだ」と銀行やコンサルに攻撃されるので話になりませんけど(笑)。
銀行であれば「自動車業界の経験もない人間に融資はできない」と言われ、コンサルに協力を仰いだ時は実は先程の荒らしと同様に「大手企業がやってないってことは何か欠陥があるからやってないんだ」と攻撃されましたが。
そんな個人的な事情もあって従来の建築業界に真っ向から勝負を挑むセレンディクスの試みは心から応援していと思っています。そしていずれは私の住宅や会社の事務所を3Dプリンターで建設したいと思ってます。
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