2022年発売予定の「日産・三菱の軽自動車EV」が日本のEV化を加速させる?【LFPバッテリー?】
こんばんは、@kojisaitojpです。EVに対して根拠も不明確な批判が飛び交う中で、ようやく日本勢にもポジティブなニュースが飛び込んできました。
これコメントしてなかったけど例によって「価格ガー」「航続距離ガー」って無理筋の文句言う奴がわいてくるんだろうな(笑)。
日産と三菱自が来春から「軽EV」を年6万台生産。脱炭素社会に向け先手(ニュースイッチ)#Yahooニュースhttps://t.co/W0e03eUHNf— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) June 3, 2021
この日産と三菱が共同開発の軽自動車規格のEVについては以前から噂にはなっていましたので私も取り上げたことがあります。
今回の報道でも車の具体的なスペックについては出ていませんが、具体的な生産計画も出てきたので補足する必要があるので記事にします。
EVに対していつも浴びせられる「航続距離ガー」「価格ガー」「充電インフラガー」という批判が早速ヤフコメなどにはわいてきていますが、そのような批判がほとんど的に当たらないものであることも含めて本日は日産・三菱が2022年に発売予定の軽自動車規格のEVについて解説してみます。
目次
「LFPバッテリー」を採用することで低価格を実現する日産・三菱の軽自動車EV?
今回の日産と三菱の共同開発はプラットフォームや電池を共通化することでコストを削減し、「価格は200万以下、航続距離200キロ前後」の割り切った規格で来るようです。
2022年から三菱の水島製作所で生産を開始し、外装などのデザインは日産と三菱がそれぞれ個別に行い、別の車種として発売する意向ですが、初年度の生産が6万台と公表していることからもかなりのやる気を感じます。
「日産・アリア」に関しては日本市場をあまり見ていないような価格でしたが、こちらは日本だけの軽自動車規格なのもあり、日本市場で本気で売ろうという姿勢を感じます。
価格は環境省や経済産業省からの補助金だけでも200万以下、東京都など追加の補助金が充実している自治体であれば150万円くらいで買える可能性もあるようです。
この価格まで下がってくるともはやガソリン車の価格と変わらなくなります。
この低価格の秘密が「LFPバッテリー」ではないかと言われています。
「LFPバッテリー」の価格面でのメリットについては以前中国のBYDについて書いた記事がありますので参照いただければと思います。
今回日産・三菱が採用するのでは?と噂されているLFPバッテリーは「日産・アリア」の際にもバッテリーを調達した中国のCATLですが、CATLがEVの駆動用バッテリーの世界シェア1位であるのは以前もお話しした通りです。
ちなみに上海製の「テスラ・モデル3スタンダードレンジプラス」にも同じCATL製のLFPバッテリーが搭載されていますが、私が以前カーシェアで乗った印象だと同じモデル3でもフリーモント製(バッテリーはパナソニック)よりもバッテリーの減りが遅い印象でした。
またLFPバッテリーのメリットは価格面だけではなく、「満充電を推奨」なのも航続距離が短いであろう軽自動車規格のEVでは重要かと思います。
自宅の200Vのコンセント(100Vでも一応可能)でいいので毎日帰宅した際にコンセントに繋いでおけば翌朝には満充電で出発できますので長距離移動以外では航続距離はほとんど問題になりません。
EVですので当たり前の話ですが、自宅のコンセントで主に充電していればそれまでかかっていたガソリン代も不要ですのでコスパも抜群です。
そもそもEVの「航続距離」って問題なの?
ところがその「航続距離」にいちゃもんをつける人々がアンチEVの方面から常に現れるのが本当に謎です。
国交省の調査では1日の走行距離って90%以上の人が100km未満。ガソリン車/EVか関係なく出先でチャージする必要がある人ってほとんどいないから、そもそも問題意識持ってる人はほとんどいないと思うのです。https://t.co/NxotWBN9ol pic.twitter.com/uSjYahBqXA
— わたさん@モデル3 (@twata_tesla) June 1, 2021
実際に大半のドライバーの1日の走行距離はこの程度というデータが出ています。「毎日200キロ走るからそんなスペックじゃ困るんだ!」と突っかかってくる人がネット上に必ず現れますが、この水準の走行距離が必要な人はごく僅かです。
車両価格が高額なのでおすすめはしにくいですが、私が先日カーシェアで試乗してみた「ホンダe」なども街乗り限定で考えれば何も不満のない乗り心地と航続距離でしたし。
細かいことを言うと航続距離はこの手のEVの場合は街乗りメインですので「高速道路を時速100キロで云々」のEPAではなくWLTCモード(できれば日本ではなく欧州WLTC)の航続距離を実現できるなというのを「ホンダe」に乗った際も感じました。
ですので日産・三菱の軽自動車規格のEVも200キロ前後の航続距離は期待できます。
これであれば日常の通勤・通学・買い物で使うには全く問題のない航続距離です。
どうも「今までのガソリン車で何も問題に思わなかったことをEVになるとケチをつけたがる」というのが多いようです。
豪雪で場合によっては立ち往生の車が出そうなことが予測出来てもそこに突っ込んで行くことを想定して「EVは電欠ガー」と的外れなことを言う奴も同レベルでおかしい。
『そんな時に車使うんじゃねーよ』『シートヒーターで温々ですがなにか?』とつっこみたくなります。— KenLEAF (@MogamiSouta) June 1, 2021
一時期話題になり今も時々蒸し返される「豪雪で立ち往生」というのもその「揚げ足取り」の典型です。そもそもそんな悪天候の時に車で出かけること自体が疑問ですし、案外暖かいシートヒーターを試したこともないのに「シートヒーターなんかじゃ寒くて耐えられねぇだよ!」と怒る人々が必ず現れるのが本当に謎です。
ちなみに「雪で立ち往生」しても全く問題がないことも以前記事にしてますのでご参照ください。
まぁそもそも世界で最もEVが普及しているノルウェーが緯度的に北海道より更に北であることも考えずに「EVだと寒さに弱いのでー」と叫んでいる光景もなかなか滑稽ですが。
今後更に低価格化が予想されるEV
今日は日産・三菱が共同開発で2022年発売予定の軽自動車規格のEVの話をしましたが、実は従来のレアメタルであるコバルトを使ったバッテリー(いわゆる三元系バッテリー)の価格も年々下がっています。
「10年前と比較して90%オフ」と言われていますので(10年前1kWh辺り1100ドルが現在137ドル)日産がリーフ、三菱がアイミーブを発売した頃はバッテリー価格がいかに高かったのかがわかります。
この価格低下の流れは加速し2023年には1kWh辺りで100ドルを切ると予想されています。
この流れの中で日産・三菱が実質200万円を切るようなEVで日本市場に投入するわけですので、このEVの売れ行きが日本のEV化を軌道に乗せる鍵となる車種になる可能性が高いです。
日産・三菱の後にはホンダも2023年に同じように軽自動車規格のEVを投入すると表明していますのでヨーロッパ・中国・アメリカよりは遅れますがいよいよ本格的なEVの普及期が訪れるかもしれません。
一度加速すると「指数関数的上昇」で一気に伸びるのは過去のスマホなどを見ても明らかですので希望が持てます。
EVをやる気のないメーカーから余計な圧力がかからないように祈るのみです。
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