「Canoo」のPickupTruckや「サイバートラック」が提供するEVのワクワク感とは?【日本メーカーが失ったもの?】

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おはようございます、@kojisaitojpです。この数日は「東日本大震災」から10年が経ったのもあり原発を巡る日本の電力状況やトヨタなどの日本の自動車メーカーのネガティブな話題が続いていましたが、その間に個人的には魅力を感じるEVが発表されました。

英語がわからない方でも映像を眺めているだけで雰囲気は伝わってくるかと思います。

明らかにこれまでの自動車のイメージとは違いますよね?

アメリカの電気自動車スタートアップ(とはいえ2020年12月にナスダックに上場済)「Canoo」がピックアップトラックの発売を発表(発売は2023年から)してきた動画です。

「Canoo」については以前ワゴンタイプのEVを発表した際に一度私のブログでも取り上げています。

今日はこの「Canoo」が3月に発表したピックアップトラックと、「Canoo」社が計画する独自の「サブスクシステム」について解説します。

電気自動車(BEV)を通して「所有という概念から解放する」が社是の「CANOO」

「Canoo」のワゴン
「Canoo」社は2017年アメリカのカリフォルニア州に設立されたばかりの新興EVメーカーで、2020年にナスダックに上場し、24億ドル(約2640億円)の資金調達に成功したばかりの新しい会社です。

前に取り上げた記事では社名と同じ「Canoo」という名のワゴン、「MPDV」という名の文字通り様々な用途に使える商用ワゴン(オフィシャルホームページでもキッチンカーや移動販売車などに改造された例があります)のリリースを既に発表しています。

「Canoo」のワゴン

電気自動車専用のフラットな構成が可能なプラットホームをフルに生かした広い車内空間が特徴で、ワゴンの「Canoo」では湾曲したベンチシートが搭載され、4.4メートルの比較的小型の車体に7人が圧迫感を感じないで乗れる車内が特徴です。

「Canoo」のワゴン

大人数で乗るのもよし、少人数で乗って夜はベッドのように活用して車内泊という使い方にも適していると思います。

「Canoo」のワゴン

そして「Canoo」社の最大の特徴は「サブスク形式」で車両の提供を行う(車種によっては販売もあり)という点です。

「消費者を大手自動車メーカーが支配する車の所有というライフスタイルから解放する」という日本の大手自動車メーカーのディーラーや営業マンなどを根こそぎ吹っ飛ばす理念が社是となっています。

設立者が元BMWの幹部で「i3」や「i8」の開発に携わったメンバーですので、実際に車業界の中にいて何か感じるものがあったのでしょうね。

    時々ネタにしてますが、私が「車業界をぶっ壊す」とか「持続可能な社会を作る」というキャッチコピーの事業計画書を持っていったら投資家やコンサルに「ふざけるな」とキレられましたが(笑)。

    本当はもう一個キャッチコピーがあって「車を販売しない車屋」というのもありました。公表してたらさらに火に油を注いで叩き出されたかもしれませんね。。。

    ですが冗談でもなんでもなく「車=個人が所有するもの」という既成概念をぶっ壊して「カーシェア」や「サブスク」が新しい車の保有(あえて「所有」とは言いません)方法として今後広まってくるのでは?という私の予想は全く変わっていません。

実際に本日の「Canoo」社だけではなく、老舗自動車メーカーのボルボも「EVはサブスク形式で提供」というプランを発表していますし。

「サブスク形式」であれば車に乗りたい短期間だけ保有して必要がなくなったら解約すればいい話ですのでアクセスが容易になります。

またこの気軽さが「若者の車離れ」などと言われる状況、「若い世代は所得が低いから車に乗れない」と言われる状況に一石を投じることができるのでは?と思いますが、ボルボ以外の旧来の自動車メーカーはこのことに気づいているのでしょうか?

独特のスタイリッシュなデザインの電気自動車になった「Pickup Truck」

「Canoo」のピックアップトラックその3
さて話を今日の本題である「Canoo」のピックアップトラックに戻します。

ミニバンや軽自動車などが好かれる日本とは違いアメリカで主力車種は「ピックアップトラック」です。ライバル企業も多いですが、最も需要のある車種への参入を「Canoo」社も表明してきたのが今回のプレスリリースです。

ピックアップトラックでありながら全長が4.6メートルと比較的小型で日本でも使いやすい小型の車体が特徴で、これまでの車種同様に独自のプラットホームを生かした様々な形態に変化させることが可能なのが他のピックアップトラックとは違った特徴です。

「Canoo」のピックアップトラック

小型ではありますが、「BED」と呼ばれる荷台部分の拡張が可能で最長で6メートルくらいまで拡張可能です。

「Canoo」のピックアップトラック

「Canoo」のピックアップトラック

ピックアップトラックでありながら、トラックベッド用の仕切りや、トラックをバンに変えることができるキャンパーシェルがあったり、ルーフトップテントもありキャンピングカーのように使うことも可能です。

他にもコンセントやUSBポートなども豊富に設置されており、外部への出力も可能でキッチンカーのような使用法も可能です。

折りたたみ式の作業机や折ることができるサイドテーブル、さらにストレージのあるトラックベッドへの隠れた階段、ルーフラックを備えた貨物ストレージエリアもあり、ユーザーのニーズに応じた多様な用途を想定して作られています。

仕事用だけでなく、プライベートでも使えますし、週末や休日のキャンピングカーのような使い方も可能と、先に発表した「MPDV」同様に多目的(Multi Purpose)です。

なお搭載バッテリー容量などは公表されていませんが、EPA基準で約200マイル(360キロ)以上は走行可能のようです。

「Canoo」のピックアップトラック

価格面についてはサブスク形式なのか販売なのかすら現時点ではアナウンスがありませんが(2021年第2四半期から予約開始なのでそれまでには情報が出ます)、「リーズナブル」を売りにする会社ですので販売の場合はピックアップトラックの平均価格である40000-50000ドルより安い価格を設定してくる可能性が高いです。

私は機能面だけではなく、このスタイリッシュな近未来を感じさせるデザインに惚れましたが、皆様はどう感じましたでしょうか?

ちなみにライバルとなるピックアップEVであるGMの「ハマーEV」やRivian、Lordstownなどの新興EVメーカーのピックアップトラックについては以前紹介していますので、よろしければこちらの記事もご参照ください。

「Canoo」にも「サイバートラック」にもある「電気自動車(BEV)」へのワクワク感

サイバートラックEV

私の中では本日取り上げた「Canoo」のピックアップトラックとテスラが以前から発売を公表している「サイバートラック」の2車種が「もし買えるならぜひ買いたい」と思うピックアップトラックです。

もちろん日本の住宅や駐車場事情を考えると全長が6メートル近くあるサイバートラックはまず置き場に困るところから問題が発生するので簡単に購入できるものではありませんが、「Canoo」のピックアップトラックであれば全長が4.6メートルと日本に持ってきても違和感なく使えるサイズかと思います。

ただし「Canoo」社はアメリカ市場以外への展開についてはまだ何もアナウンスしていません。まだアメリカ市場にすら一台もリリースしていない状況ですから海外展開はまだまだ先の話でしょう。

ですがサイバートラックなら既にテスラ・ジャパンでも予約を受け付けています。

サイバートラックの機能面の魅力は以前解説しましたし、本日の記事で「Canoo」のピックアップトラックの魅力もご理解いただけれたかと思いますが、私の中ではこれらの車種の機能面よりもサイバートラックならその名の通り「未来の乗り物」っぽいデザインが何より私には突き刺さります。

「駐車場とかで不便な思いをしてもサイバートラックなら買ってもいいかな、いや買いたい」的な魅力を感じます。

まぁこの手の感情は「この女なら無理してでも一緒にいたい」と思って飛びついたらとんでもない悪女だったのような恋愛での失敗に近い感情のような気もしますけど(笑)。

「Canoo」のピックアップトラックも同様で、「これまでのピックアップトラックとは明らかに違う」という斬新なデザインがワクワク感を感じさせてくれます。

「いい歳こいた大人がみっともない」と言われるかもしれませんが、車を見た時にこの「ワクワクする気分」こそが「乗ってみたい」「欲しい」と思わせるものではないでしょうか?

有名YouTuberのものづくり太郎氏が上の動画で「テスラはセックスシンボルである」と連呼して男心をいかにくすぐるかについて力説していましたが、この感覚こそが日本の自動車メーカーがユーザーに提供できていないもののような気がします。

トヨタが3/17にワールドプレミアを開催し、新しいEVを発表すると噂されていますが、果たしてテスラやCanooのようにワクワクするものを提供できるでしょうか?

それどころかこの前のように「EV発売するけど本当はPHEVの方が性能いいからね」的な余計な一言を言って世界からひんしゅくを買うような良からぬ心配すらしてしまいます。

日本国内のみならず全世界にファンがいる世界最大の自動車メーカーの名前に恥じない電気自動車(BEV)のワールドプレミアになってくれと祈ることしかできません。

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