ボルボ「C40Recharge」の試乗会に行ってきた話【IONIQ5やアリアとも互角以上】

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こんばんは、@kojisaitojpです。一年以上前からブログでは取り上げていたこのEVについに試乗することができました。

昨年からボルボの「C40リチャージ」は日本市場への投入が表明されており、ネット上では情報も豊富にあり私も過去の記事で取り上げてきました。

以前の記事では「サブスク(それも日本の某メーカーのように最低契約期間3年の実質リースではなく1ヶ月単位で解約できる本物のサブスク)」にも焦点を当てましたが、日本市場に割り当てられたサブスクの分は既に抽選も終わっており、一般販売へ向けた試乗会が今回のイベントになります。

先に結論を言ってしまうと「思って以上に良かった、これならIONIQ5と並べて購入候補に入れてもいい」というのが私の評価です。

というわけで今日はボルボの「C40リチャージ」に試乗した感想と今回の試乗会のために港区・竹芝のカフェを貸切にしたボルボのEVにかける意欲について解説します。

思った以上に高性能?Volvo「C40 Recharge」の走りと快適性

ボルボ「C40リチャージ」

今回も最近のパターンでブログ記事と同時にYouTubeに動画もアップしてますので、こちらもあわせてご参照いただければと思います。

試乗会だと実車に触れられる時間が短いのでどうしても動画の後半のように「残りはシトロエンC6で走りながらあれこれ叫ぶ」という展開になりますけど(笑)。

写真を見るとお分かりでしょうけど、まず第一印象が「サイズが手頃」というのがあります。

全長×全幅×全高が「4440×1875×1595mm」と駐車場に困らないサイズなのは他のメーカーのEVと比較しても長所かと思います。

以前取り上げたEVだとメルセデスの「EQC」やアウディの「e-tron」、ポルシェの「タイカン」、テスラの「モデルS」や「モデルY」は全幅1900mm超えなので「駐車場どうする?」という問題が発生します。

機械式の立体駐車場はほぼアウトです。

ハイアット銀座とIONIQ5
充電器から移動したモデル3

ここのところ力を入れて取り上げているヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」も全幅が1890mm、テスラの「モデル3」でも1850mmと横幅があるのがEVの特徴でもありますが。

ボルボ「C40リチャージ」の場合は全長も4440mmですので現在発売されているEVの中では非常に使いやすいサイズかと思います。実際に運転してても大きいとは感じませんでした。

ボルボ「C40リチャージ」の運転席周り
ボルボ「C40リチャージ」の後部座席

個人的にはレザーフリーの室内が安っぽいとは全く思わないですし、スピーカーも「ハーマンカードン」のものを使用しており、クオリティは高そうです。

EVとしての「走り」を論じないと「記事が薄っぺらい」と必ず叩かれますが、この一言で終わりです。

ワンペダルドライブの際の回生ブレーキは比較的強め(テスラと同じくらいです)ですが、信号待ちなどで停車する際に揺れがほとんどなくピタッと止まるのは見事です。

現在発売するEVでこの位揺れなく止まれるのは「IONIQ5かC40リチャージか」という位のハイレベルです。

ヒョンデ「IONIQ5」と同等、日産「アリア」以上のコスパとパフォーマンス

ハイアット銀座とIONIQ5

次はEVとしてのスペック・価格を見ながら競合となりそうなEVと比較します。

価格で見るとIONIQ5のAWDが589万でC40リチャージのツインモーターが719万なので高いですが、先日発表されたシングルモーターだと598万になりますので「IONIQ5」の549万と比較すると許容範囲内の差です。

ボルボ「C40リチャージ」のUSB端子

USB端子がTYPE-CなのはAppleユーザーの私には非常にありがたいですし、ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」やテスラ「モデル3」などと同様にスマホのワイヤレス充電も可能です。

ですが外部給電がシガーソケットからというのはEVであることを考えると寒いです。この辺は「IONIQ5」のように外部給電やV2Hを搭載してるEVには負けます。

ヒョンデ「IONIQ5」のコンセント
ヒョンデ「IONIQ5」の充電ポート

「ボルボ」というブランドにヒョンデ(ヒュンダイ)との差の50万に価値を見いだせれば買う価値はあると思います。

日産グローバル本社のアリア

日産「アリア」との比較だとシングルモーターの「B6」は539万と「C40リチャージ」より安くなりますが、プロパイロット2.0がオプションなので足すと大差がありません。

AWDで比較すると「C40リチャージ」のツインモーターが719万なのに対し、「B6 e-4ORCE limited」が720万なので互角です。

同じSUVタイプのEV、高級車仕様でサイズ的にも似ている日産「アリア」も当然「C40リチャージ」の対抗馬になります。

日産アリアのインフォテイメント

ボルボというブランドに価値を見出すか、日産という日本ブランドを信頼するかは個人の好みの問題ですが、競合として争う資格はあると思います。

Volvo「C40 Recharge」の試乗会のロケーション

「BesideSeaside」の外観

「C40リチャージ」の試乗会で強調すべきなのは会場です。「Beside Seaside」というカフェをボルボ専用(10:00-18:00は貸切で一般営業は18:00から)で用意し、カフェ内では「C40リチャージ」の説明の他に来場者専用のドリンクとカフェメニューが無料で提供されており、この辺りにもボルボの意欲を感じます。

「BesideSeaside」の入口
ボルボ試乗会のデザート

ヒョンデ(ヒュンダイ)が原宿の以前ルイヴィトンやポルシェも使ったスペースを使って試乗イベントを5月まで開催してるのも斬新ですが、湾岸沿いのカフェを試乗会の会場として貸切にするボルボにもプレミアムなブランドとしての意地を感じます。

ヒョンデハウス原宿の外観

先日は「ヒョンデハウス原宿」でのトークイベントにも参加しましたが、その際の記事はこちらになります。

ディーラーを設けないテスラに近い方式でEVを販売するヒョンデ(ヒュンダイ)に対し、オンライン販売が中心でも従来のディーラー網をサービス拠点として再活用しようというボルボとスタンスの違いはありますが、EVという新しいものを提供するにはそれにあった新しいスタイルでという点で「なるべくガソリン車と同じように」というのを強調したがる他のメーカーとは違うものを感じました。

なお試乗会が終わると「Beside Seaside」は通常のカフェ営業に戻るようです。こちらも湾岸エリアのおすすめカフェの一つとして推奨できる雰囲気を感じましたので場所と地図は掲載しておきます。

住所:東京都港区海岸2-7

ボルボの「2030年までに全車EV化」に呼応するスウェーデンのEV化率

2022年3月スウェーデンのEV化率

ヨーロッパのEV化率については毎月独立した記事で取り上げていますが、今回はボルボの母国スウェーデンの最新の統計が出ていたので取り上げてみます。

スウェーデンの2022年3月のEV化率は、BEVが31.8%、PHEVが23.7%で合計55.6%と前年同月の37%から大幅に増えています。

EVが嫌いな方だと「スウェーデンは寒いからEVよりPHEVが好まれるんだ!」とテキトーなことを言いそうですが、本国がスウェーデンであるボルボが2020年まではPHEVに軸足を置いた戦略だったのが影響しているというただそれだけの理由です。

2022年3月スウェーデンのEVランキング

車種別で見るとテスラの納車月なのもあって「モデルY」「モデル3」がぶっちぎりの首位争い、それに続くのがフォルクスワーゲン「ID.4」や先月は首位だった起亜「NiroEV」、その後ろに本国であるボルボの「XC40」や「Polestar2」が続きます。

ボルボ・ポールスター

本日取り上げた「C40リチャージ」については元々生産台数の少ない車種なのもあり、ランキングには入っていませんがメインで販売する「XC40」と「Polestar2」は上位に入っています。

ボルボも既に「2030年までに全車EV化」を表明しており、「1000キロ走れるStructural Battery」などの2025年以降の構想も打ち出しているのは以前の記事で解説しました。

既に日本以外の国では「EVが中心になるのはもう当たり前、テーマはEVか内燃機関かではなく『いかにEVを進化させるか?』に移っている」状態です。

ヤフコメや2ちゃんねるなどを見ていると「EVはエコじゃない」「バッテリーを生産する際に二酸化炭素が発生するから意味がない」というのをEVを否定する根拠に使いたがるコメントが多くていつも呆れるのですが、「じゃあエコじゃなかったらみんなEVを止めてガソリン車に戻るの?」という素朴な疑問が生じます。

なぜか「エコかどうか?」ばかり問題にされて「EVに乗った方が快適」などのEVのメリットについてあまり語られないのも謎です。

今日はあえて「C40リチャージ」のEVとしてのスペックには触れずに「居住性」や回生ブレーキの「快適性」のみに触れてきましたが、基本的なEVとしてのスペックもこんな感じです。

  • 搭載バッテリー容量が78kWh
  • 航続距離は485キロ(WLTC)、EPAだと約364キロ
  • 急速充電は150kWまで対応

EPAが364キロ走れるという時点で「日常使う分には全く問題なし」なので触れませんでしたが、大体の印象でヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」と同じくらいか若干少ないくらいの航続距離ではないかと思われます。

急速充電も50kWに制限のようなこともなく150kWまで対応しますので、今後のCHAdeMOのグレードアップにも対応できるので長距離を移動した際の急速充電にも不安は全くありません。

大黒PAで充電中のMX-30

などというと「じゃあ大黒PAで充電できるのか?」という不安材料もあったりしますが、これについてはまだ試したユーザーがいないので不明です(笑)。

ですが自宅に普通充電器が設置できるユーザーであれば毎日満充電で出発できて350キロ以上走れるというのは何の障害もなくEV生活ができるということです。

いや、この位の航続距離のEVであれば(つまりヒョンデ「IONIQ5」も同様)よほど距離を走る人を除けば自宅に充電器がなくても「週に1回何処かに充電に行く」とか「買い物などのついでにショッピングセンターなどにある無料の充電器で充電すればOK」という運用の仕方でも何とかなりますよね。

徐々にEVの欠点をあげて「EVなんか使えない」と叫んでいる人々が「できない理由」を必死に探す痛い人に見えるようになっているのは私だけではないと思います。

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