【無意味な区分け】「理系=論理的」「文系=バカ」って誰が決めた?

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おはようございます、@kojisaitojpです。珍しく朝の更新になりますが、予備校講師をやっていた時代にも感じた疑問がツイートされていたので引用してみます。

いつの間にか世の中では「理系>文系」のような風潮になっています。文系は論理的思考ができないだとか、これからの時代は理系だ的な風潮が広がったことで私の仕事も減りましたが、現場で見ていて感じたのは、

苦手科目が「数学」と「理科」だったりする理系の生徒って結構多いです。このタイプの生徒は当然英語もできないですし、現代文なんて勉強もしたことないという感じです。

それでも理系が文系よりも偉い的な空気が流れているのが疑問でしたが、このツイートはそういう私の以前からの疑問に応えるものでした。

「論理的思考」は文系も理系も必須

論理的思考のイメージ
ロジカルシンキングとかクリティカルシンキングなどとかっこいいカタカナ(私はそれ自体に胡散臭さを感じますが)がビジネスで必須のツールのようにもてはやされていますが、カタカナ振りかざしてドヤ顔するのが大嫌いな私に言わせれば「論理的思考」と日本語でokになります。

論理的じゃない人より論理的な人の方が頭が良さそう、優秀そうと何となく思っていますよね。

確かにこれは間違いではなく、例えば大学受験で成功するためにも必須の能力です。

ちなみに現代文の文章を論理的に読むというのは文系でも必須です。何となく文章を読んで何となく自分の感覚を解答用紙に書くようでは東大早稲田などの難関大学は受かりません。慶応は国語の代わりが小論文ですので、論理的な文章を書くことが求められます。

実は「ロジカルシンキング」なるものも、社会人になってから慌てて高額なビジネススクールなんかに行かなくても、大学受験で身につくものなのです。

ですので論理的思考ができない文系の生徒はバカですし、同じように日本語で論理的に考えることができない理系の生徒もバカです。

私が見た限りだと現代文がしっかりできる理系の生徒は優秀でした。まぁ、こういう生徒は目標が東大だったりするので当たり前といえば当たり前ですが。。。

当たり前のことで、日本語で書かれた文章をきちんと理解できない人が、英語が日本語以上できるということはありえない。数学や理科の問題にしても、まずは日本語で書かれた設問を読んで解答を組み立てていくわけですから、日本語能力が低い人が解けるわけないのです。

苦手科目が「数学」と「理科」という謎の理系が生み出されるのは必然と言えば必然です。

しかしこの「論理的思考」というのも実は結構胡散臭いというのが先ほど引用したツイートのお話です。本題に入ります。

「論理的思考」って本当に正しいの?

論理的なビジネスマンのイメージ
論理的思考の一つの要素として「因果関係」というのがあります。物事には「原因→結果」という関係があるなどという話は我々の間では「常識」として、誰も疑うことのない真実だと思っています。

これがいかにテキトーなものだということを、これから2つの動物を使って説明してみますので、皆さんも考えてみてください。

最初の動物Aは、人間に噛みつく時があります。しかもこの動物は、ある病原菌を持っている場合があり、この病原菌を持っている個体に噛まれた人間は致死率がほぼ100%です。

次の動物Bは、昔から子供などを連れ去る動物として知られていました。また広範囲にウイルスを撒き散らす傾向があり、人間がこれに感染すると肺炎になり、多数の人間が亡くなった過去があります。

さて、動物Aと動物Bが何かわかりますか?

Aは「犬」です。狂犬病と言われるとわかりますよね。

Bは「鳥」です。大きな鳥が空から地面に降りてきて子供を連れ去るということは昔からあります。また「鳥クラミジア」というウイルスに人間が感染して肺炎になることもあります。空を飛ぶので広範囲に感染力があります。

犬のイメージ

物事の一側面だけを取り出すと「犬」や「鳥」が危険な動物になってしまいます。愛犬家には怒られますが、犬の危険な側面だけ取り出すと先程のような言い方もできます。

同じようにコロナウイルスについて考えてみても、この1週間の東京都でコロナが原因で死亡した人数は10名くらいです。ところが熱射病でこの1週間に死亡した人数は100人以上です。

コロナと熱射病のどっちが怖い?と聞かれると、「コロナ=怖い」という前提となる思い込みがあると悩んでしまいますよね。

世の中こんなものです。

犬と鳥のイメージ

ですので「因果関係」といってもそれは「人間がある事実とある事実を何となく関係がありそう」という思い込みでこじつけたものということがあります。

論理的思考と言われると何となく正しいものと思ってしまいそうになりますが、客観的・普遍的(要はいついかなるどんな場面でも)正しいということはないのです。

まぁ最近出てきてる「pcr検査不要論」などは、それ以前の論外な理論ですが、こういう詭弁を正当化するために必死に理屈を積み重ねる理系の研究者が多いのも事実です。

自分に都合の良い理論を正当化するために無理矢理理屈をこじつけるような人は、文系だろうが理系だろうが信用できません。

あるインチキ情報商材の話

詐欺師のイメージ
もう一つバカバカしい例を挙げます。起業を考えている時にインスタグラムで「made in japanを世界に輸出」というキャッチコピーの起業セミナーの広告を見かけたので「面白そう」と思ってセミナーに申し込んでみました。

もちろん「まぁZOOMだったら、会場でやるセミナーのように監禁されて帰れないということもないし、試しに話だけ聞いてみようか」くらいの計算があっての話ですが。

セミナーの内容は何と「ebayで日本の中古カメラを転売する」というビジネスでした。どこが画期的なんだと思いますよね。

セミナーの主催者は「これは輸出ビジネス、貿易業だ」とドヤ顔で語ってましたが、「貿易業」と言おうが、「せどり」と言おうが、「転売ヤー」と言おうが内容同じですよね。。。

先ほどの犬や鳥の話と同じで、見せ方というか物事のどこを切り取ってくるかでこのくらい見た感じの印象が変わります。

ただしビジネス自体は否定しません。ビジネスの基本は「安く仕入れて高く売る」ですから。

しかし転売を始めるために100万円の学費が必要かは疑問です。よくある「高額起業塾」の類です。

この時思ったのは、

100万円をこの連中に払うくらいなら、自分で売れ筋の商品や出品の仕方をネットなどで調べて、その100万円でカメラを仕入れた方が成功するような気がしました。この連中に100万円払った時点でマイナス100万円の状態から副業をスタートするわけで授業料取り返すだけでも一苦労です。

ちなみに「社長自らやる個人指導」というのをオプションで付けると更に50万円追加で150万の授業料です。もう呆れて笑ってしまいそうになりました。

悪徳情報商材屋の連中は「今やらないとお前は一生ビジネスでは成功しないぞ」的に時に脅迫も交えながら上手に勧誘してきます。心理学をきちんと学んでいる印象を受けました。

まぁ「3ヶ月で月収100万に行く」と必死に勧誘してきましたが、ノウハウがわからない初期の段階で月に何十台のカメラを売るのは不可能に近いと思います。元々カメラ屋をやっていた人とか趣味でカメラマニアの人なら別かもしれませんが。

ビジネス自体はインチキでも何でもなく、「日本ではリサイクルショップとかに安く並んでいる中古カメラの中で、海外で需要のあるものを見つけられれば収益が上がる」のは事実ですし、初期費用も少なく始められる副業です。

100万円の学費を払った瞬間に超ハイリスクになりますが。

この商材を「せどり」とか「転売ヤー」と書いたら間違いなく売れないでしょう。「貿易業」だとか「made in japanを世界に輸出」というカッコいい切り取り方をするから騙せるわけです。

まとめ

優秀なビジネスマンのイメージ
高学歴エリート・高偏差値エリートが失敗する時の一つのパターンとして「論理・理屈=絶対に正しい」と思い込んでしまうところがありますが、実際はこんなものです。

「ロジカルシンキングがビジネスには必須だ」と力説するビジネス書などもありますが、実は大学受験レベルで自然に身につくものですし、しかもそれさえあれば誰でもビジネスができるようになるほどの万能の道具ではありません。

もちろんこれは、「だから論理なんて不要だ」とか「大事なのは理屈じゃなくて気持ちだ」的な「昭和マインド」全開の加齢臭おじさんのようなことを言うつもりは全くありません。

論理なんて所詮は道具、当てはまる時と当てはまらない時があるくらいに捉えるべきだ。絶対視すると落とし穴にハマるということを言っておきたかっただけです。

あると便利だけど、それだけで何もかもケリがつくものではないくらいの柔軟な思考ができれば、論理的な思考ができる人間の方が強いです。

この能力のあるなしで比較すると、正直「文系」だとか「理系」というカテゴライズは関係ないと思います。文系で優秀な人もいるし、理系でバカもいる。それだけの話です。

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