「副業禁止」にビビってるようではダメ?【違法な規則】

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こんばんは、@kojisaitojpです。以前ネット上にはびこる胡散臭い副業には気を付けようということを述べたことがありますが、マトモな副業をやろうとしても会社が邪魔をすることがあります。

確かに働いている会社の給料だけで何の問題もなく生活できるなら会社が「副業禁止」と言ってもそれなりに説得力がありますよね。

ところがコロナ後の日本でよく見られる光景は「給料は減額、でも副業は禁止」という矛盾した対応をする会社があるということです。

収入減らしておいて、それを埋め合わせるための副業は禁止っておかしいと思いませんか?

実はこの副業禁止というのは案外ツッコミどころが満載で、例えば親から相続したマンションや株式などで副収入を得るのもルール違反なの?ということにもなります。

どうします?親から財産を相続したら「それは副業だからお前クビ」みたいに会社に言われたら。

先に教えておくとこの例でクビになったという例はありません。でも「バイトとして働いたら規則違反なのに、不動産収入とか株の含み益は何でOKなんだよ?」と思いませんか?

体を動かすのがダメというなら自宅でアフィリエイトやYouTubeをやるのはどうなのか?という疑問も生じます。

実はこの辺りから見ても「副業禁止」という会社の規則自体、ツッコミどころ満載の簡単に崩れるものだという臭いがしてきます。

というわけで今日は時代遅れの会社にまだ時折見られる「副業禁止」という規則が実は何の効力もないものであることを明らかにします。

なぜ「副業禁止」の規則があるのか?

辞めるイメージ
そもそもなぜ「副業禁止」というルールを就業規則に書いてある会社があるのでしょうか?

主な理由は以下の3点です。

  • 会社の業務に支障をきたす可能性
  • 守秘義務の観点から禁止
  • 何となく就業規則への記載してるだけ

ただし「会社の業務に支障をきたす」というのは、例えば夜から朝までアルバイトをして、会社に出勤して居眠りをしてしまったような場合などが該当します。

ブログやYouTuber、株やFXなどであれば通常は問題ないのですが、例えばニューヨーク時間(日本時間の早朝)まで相場に張り付いていて会社で居眠りをしたり、会社の業務中にもスマホなどでレートを見ているなどの行為は「会社の業務に支障」と判断される可能性があります。

「守秘義務の観点から禁止」というのは、例えば会社の同業他社に入って働いた場合、本業の会社の企業秘密を漏らすなどの損害を与える可能性が高いと判断されて、懲戒処分となる根拠になってしまいます。

まぁ同業他社でバイトするくらいなら、今の会社を辞めて同業他社に転職した方が賢明ですよね。

「何となく記載してるだけ」などというと「会社がそんなテキトーなことやるわけないだろ」と思うかもしれませんが、古くからある会社の就業規則に副業禁止の項目がある企業は少なくありません。

何十年も続いている会社ならば、「なぜ副業が禁止されているのかわからない」というケースが普通にあります。副業の禁止を決めた創業者が、すでにその企業にいないこともあるでしょう。

「会社の業務に支障」とか「守秘義務の観点」に該当する場合であれば反論しにくいところですが、「何となく昔から禁止している」ように根拠が曖昧な場合は、当然ですがこちらも争う権利があります。

通常であれば自宅でやる副業、つまりブログやyoutubeやFXなどの場合「どうやって会社に損害を与えるの?」という話になりますので、問題ありません。

「副業禁止」という規則は無効?

副業で稼ぐイメージ
「問題ありませんと言われても、会社に怒られたんだけど」のように言う人もいますが、法律的な観点からいえば、たとえ会社の就業規則において副業が禁じられていたとしても、法的な拘束力はありません。

法律ではなく、あくまでその会社のルールが就業規則ですので、守らなかったから罰せられるとは限りません。

忘れてはいけないことは、「今の憲法や法律と矛盾する規則を会社が設けても効力はない」ということです。

現行の憲法や民法、商法などにおいては、特に会社員の副業を禁ずる旨の条文は定められていないのです。むしろ、会社側が就業規則をはじめとして組織内の規定によってスタッフの副業を全面的に禁ずることが、法律上許されないという見方が大勢となっています。

特に憲法の「職業選択の自由」や「営業の自由」に反するような会社の規則はそもそも無効だと主張することができます。

これが理解できない会社は即ブラック企業認定です。さっさと辞めた方がいいかもしれません。

副業がバレて怒られる

また、労働基準法などの労働関連法規にも、副業に関する規定はありません。個人が同時に複数の企業と雇用契約を結ぶことや、会社員として働きながら個人事業主としてビジネスをすることに対する規制は、本来は存在しないということです。

企業のスタッフといえど一個人であることに変わりはなく、企業とは雇用契約によって決められた時間に労務を提供することになっているわけですから、それ以外の時間は一人ひとりが自らの意思で自由に使えるのが当たり前だからです。

こんな裁判例もあります。

平成19年の東京都私立大学教授懲戒解雇事件(東京地裁)では、大学教授がしばしば代講や休講を利用し、副業として語学学校の講師や、語学講座の経営、通訳業などを行っていて、それを理由に懲戒解雇となっていたものを不当とする判例でした。

就業規則は「事業活動を円滑に遂行するに必要な限り」であり、「労働者の私生活に対する使用者の支配までを生ぜしめるものではない」として、私生活における兼業が労務提供に格別の支障を生ぜしめない程度であるとして違反していないとされ、権限乱用を理由に大学教授としての信用失墜も問われていましたが、事実は認められないという結果が出ています。
(Offers「副業の禁止が違法になった判例とは。就業規則について考える」より)

私も過去に特定の予備校で社員として働いたことはありませんが、フリーの予備校講師の場合も予備校の掛け持ちが問題になることがありました。

先ほどのパターンでいう「同業他社で働く」というのに一見該当するようにも見えます。

ですが、この裁判例と同様に「労働者の私生活に対する使用者の支配までを生ぜしめるものではない」という根拠を持ち出せば大抵の予備校は黙りました。

一箇所の収入や授業の数だけで十分稼げるだけの保証をしているわけではないのだから当然と言えば当然ですが。

例外は「公務員」か「会社に損害を与えるケース」

婦人警官のイラスト
ただし公務員の場合は、国家公務員法の103条と104条により副業が禁止されています。もし公務員の方が副業をしたい場合は、上司の許可を得るなどの特別なアクションが必要になります。

実際には公務員でも株やFXをやっている人もたくさんいますし、実家から相続した土地などを使ってマンション経営などをしている例は普通にあります。

この辺りがOKであれば、ブログをやってアフィリエイト収入を得るとか、YouTuberをやる位であれば問題ない可能性が非常に高いです。

どの程度の副業であればNGなのかは個々の事例によるという言い方しかできません。

ただし会社の就業規則の場合と同様に「会社(公務員の場合は国や地方自治体)に損害を与える場合」と「本業(公務員)の信用を失墜させる」場合は懲戒の対象になります。

例えば公務員の仕事と関係があるような会社で副業をして、その会社に便宜を図るようなことをやってしまえば問答無用でアウトです。

ブロガーやYouTuberも公務員としてしか知り得ないような秘密を公開するようなことをやってしまった場合はアウトの可能性が高いです。

またちょっと前にこのような事例がありました。

さすがに現役の警察官が警官のコスプレをして風俗店で働くというのは、警察官の信用をなくしてしまう「信用失墜行為」に該当してしまったようです(笑)。

会社の規則など気にせず「副業」できます

自由に働くイメージ
「規則だから守るのが当たり前」のようなマインドが自分をダメにする、可能性を閉ざすということを前の記事でも述べましたが、今回の副業の例も同じです。

「規則だから」を理由にしてそれ以上考えようとしないのではなく、「そもそもその規則って妥当なの?」「会社のルールが法律や憲法に違反してたら効力ないよね」と今ある規則自体の妥当性を疑うような姿勢が生きていく上で必要になります。

「一つの会社だけに所属して、定年まで人生を委ねる」ような生き方自体が昭和の遺物であり、今の時代にはほとんど通用しないということをわきまえて行動しないと、いざその会社から梯子を外された時に途方に暮れてしまうことになります。

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