ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」に初日に試乗してきた話【テスラに対抗できる唯一のEV?】
こんばんは、@kojisaitojpです。Twitterでは宣言していた通りですが、公開初日に早速試乗してきました。
しかし同乗したスタッフがビクビクしながら説明してきたから「テスラ何回も乗ってるからアンチじゃないよ」と教えてやる必要があったのは笑えた(笑) pic.twitter.com/Gh0G8QMQhT
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 19, 2022
まぁビクビクするスタッフの気持ちはわかります。ただでさえ日本で誤解されたイメージが広がる「EV」である上に「韓国」という更にネガティブなイメージを持たれやすいものを案内するわけですから緊張しますよね。
私の場合は過去に何回もEVに乗ってる上にコロナ前には年に2-3回は韓国に遊びに行ってた人間なので全く偏見がないわけですが、そういう客を相手にする方が珍しいですよね(笑)。
というわけで今日は2/19から原宿のイベントスペースで開催されている「ヒョンデハウス原宿」で「IONIQ5」に試乗してきた話と「ヒョンデハウス」の様子について解説します。
目次
ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」と
さて今回試乗したヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」のグレードとスペックを挙げておくと、
- グレードは「IONIQ 5 Lounge AWD」
- 搭載バッテリー容量72.6kWh
- 航続距離は577キロ(WLTCモード)→EPAだと256マイル(412キロ)
「IONIQ 5 Lounge AWD」は唯一のAWDモデルで、価格は589万円の最も高いモデルです。日本市場に投入する4つのグレードの中で唯一のAWDです。
カラーは「デジタルティールグリーンパール」と言いますがグリーンともブルーとも言える独特のカラーリングでした。
個人的には好きなカラーですが、好き嫌いは分かれそうな印象です。
ちなみにスタッフ同乗の試乗ですので、運転中に撮影したものは今回はありません。
ですが室内の展示してある車両からこのように実際に自分が運転してるかのような臨場感のある動画を観ることができたので、私のYouTubeチャンネルにいくつか動画をアップしておきました。
テスラに慣れていると「それテスラでは当たり前だよ」という機能かもしれませんが、私の感想では「テスラがiPhoneに相当するなら、ヒョンデがようやくGalaxyに相当するEVを投入してくれた」というのが実感です。
ちなみに日産が「リーフ」には搭載したものの最新の「アリア」では取り除いてしまったワンペダルドライブが「IONIQ5」では可能です。
回生ブレーキを4段階に調整(ステアリングのパドルシフトで)できて、回生を最大にすると「i-Pedal」というモードに入ってテスラや日産「リーフ」同様にワンペダルで走れます。
操作性にやや難があると言われていたインフォテイメント周りも私が触った感触ではサクサク動きましたので大きな心配は要らないかと思います。
あと驚いたのはミラーで、海外仕様ではカメラのものを日本市場では物理的なミラーにしてますが、ウインカーを出した際にウインカーを出した側の映像がこのように映し出されるようになっています。
そして先日六本木ヒルズに「IONIQ5」の見学に行った際の記事でも言いましたが、何と外車メーカーでは珍しく日本仕様の右ウインカーに変更してあります。
六本木ヒルズまでヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」を見に行った話【価格・スペックも公開】
六本木ヒルズと渋谷でヒョンデ(ヒュンダイ)がEVの「IONIQ5」とFCVの「NEXO」を展示してたので見学してきました。以前の韓国車とは全く別次元のデザイン性の高いEVでかっこいい、外部給電やV2Hという「車」以外の用途にも使える多様性、EVの特徴であるフラットな床を生かした広い車内空間と噂通りのハイクオリティです。
ウインカーが右側だったり、日本独自の規格である「V2H(Vehicle to home)」に対応してきてる辺りにヒョンデ(ヒュンダイ)の日本市場へかける意気込みを感じます。
また「V2H」搭載、他にも外部給電(V2L)が可能なことから補助金は国からはMAXの80万出る予定で、東京都在住であれば東京都からも60万出る予定ですので最大140万の補助金が出ます。
ちょっとうるさいかもしれませんが、会場に置いてあったドライヤーを実際に使ってみました。
そして「IONIQ5」最大のセールスポイントである「車内空間の広さ」があります。ホイールベースが3メートルというメルセデス・Sクラスやトヨタ・アルファードにも匹敵する車内空間が実現しています。
中をうまく撮影するのは難しいのですが、後で紹介する「ラウンジ」に椅子が置いてあったのでこちらでリクライニングを実際にやってみました。
私のイメージだと車のシートというよりは飛行機のビジネスクラスのシートです。先日乗ったカタール航空の個室には及びませんが(笑)。
トランクスペースも余裕たっぷりで、車中泊を想定したマットも販売してますのでキャンプなどに行った際には外部給電同様に大活躍しそうです。
充電インフラの面では「テスラ>ヒョンデ(ヒュンダイ)」
今回試乗した「IONIQ5」にしろ、イベント会場におけるヒョンデ(ヒュンダイ)の演出にしても「ようやくテスラ以外のメーカーでも車を主役にしない演出」ができるようになったなと感心しました。
とはいえ「ヒョンデ(ヒュンダイ)」とテスラの決定的な違いが「充電インフラ」です。
テスラには「スーパーチャージャー」という日本のCHAdeMO規格とは異次元の急速充電インフラが日本国内に40ヶ所以上誕生しており、この部分では絶大なアドバンテージがあります。
ヒョンデ(ヒュンダイ)も本国韓国にはテスラ級の充電ステーションを自前で用意してますが、同じものを日本にも用意しろというのはまだ1台もEVを日本で売ってないヒョンデには酷な話です。
デザイン性でも充電速度でも(350kW出ます)テスラに負けない充電ステーションを日本国内にも設置してもらうには、まず「IONIQ5」がある程度売れる必要があるでしょう。
この部分では現行のCHAdeMOの充電器を使うことになるヒュンダイ(ヒョンデ)が不利な部分ですが、それでもバッテリーが小さい「IONIQ5」でも400キロ以上は走れるということを考えると自宅で普通充電ができない人が購入してもそれほど不便ではないと思います。
自宅が一軒家などで充電器を置ける環境であれば先ほども比較したテスラ「モデル3」とも互角に使える、広い車内空間やV2Lの機能で外部に給電したり、V2Hに接続すれば家庭用の電力としても使えるということを考えると「IONIQ5」の方が便利に使える可能性もあります。
「スーパーチャージャー(急速充電)」を重視するのであればテスラ、車内空間や外部への給電を重視するのであればヒョンデ(ヒュンダイ)というのが現時点での優先順位の付け方なのではないでしょうか。
そういう意味では日本市場に登場した「初めてテスラと比較の対象になるEV」ではないかと思います。
「IONIQ5」「NEXO」の試乗はこちらで
今回のヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」に関しては、一番わかりやすいのは試しに試乗してみることです。乗りもしないであれこれ文句を言う前に試しに試乗してみることをおすすめします。
2/19から「ヒョンデハウス原宿」が開催され「IONIQ5」と「NEXO」に試乗できます。
Hyundai 公式ホームページです。
ヒョンデ(Hyundai)のブランド、サービス等々を紹介し、NEXO、IONIQ 5 などのクルマやアクセサリも購入できます。ヒョンデ
公式ホームページの「試乗」から入って申し込みができます。
なお中は1階が車両の展示スペース、2階がラウンジになっており、試乗の際に会員登録をすればいつでもラウンジが使用できるそうです。
原宿駅前から徒歩1-2分の距離で無料でコーヒーなどが飲めますので、ちょっと立ち寄ってテレワークや休憩にも使えるスペースが5月末までの期間限定でオープンしています。
Hyundai House Harajuku
住所:東京都渋谷区神宮前6-35-6
JR原宿駅の明治神宮方面の出口を出て目の前の信号を渡ったところです。イベントスペースになっていて過去にルイヴィトンやポルシェ「タイカン」のイベントなども開催されていた場所です。
またヒョンデ(ヒュンダイ)が開催する試乗イベント以外にもカーシェアの「Anyca」で「IONIQ5」と「NEXO」が借りれることもアナウンスされており、2月末から利用可能になるようです。
ヒョンデとAnycaが提携、BEV「IONIQ 5」100台とFCEV「NEXO」20台をカーシェア導入
DeNA SOMPO Mobilityは2月8日、日本に参入した韓国ヒョンデ(Hyundai)の日本法人Hyundai Mobility Japanと業務提携契約を締結したと発表。DeNA SOMPO Mobilityが運営するカーシェアプラットフォーム「Anyca(エニカ)」において、BEV(バッテリEV)「IONIQ 5」と、FCEV(燃料電池車)「NEXO」を日本でレンタカー型カーシェアとして独占展開する。
ただし「Anyca所有のカーシェア」の場合は料金が案外高い(1時間/1200円)になっており、私が以前テスラで何度もやったような「数日借りて長距離走ってみる」ような使用には向きませんが、現在AnycaではIONIQ5の利用が一時間無料になるクーポンも配ってますのでこの機会に利用してみてはいかがでしょうか?
日本のEV市場はテスラ「モデル3(モデルY)」とヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」の一騎討ち?
さて試乗をしてきた感想というかまとめに入りますが、ズバリ「IONIQ5」をおすすめできるのか?についての私の見解はこれです。
買おうかなと思ってる私でも総合力ではモデル3だなとは思いました。それでも日本メーカーが今出してるEVとはレベルが違いますが😅
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 19, 2022
既にテスラに乗られている方であれば「無理に乗り換えることはない」「スーパーチャージャー使えなくなるデメリットは大きい」と特にすすめる気はありません。
ですがスーパーチャージャーという充電インフラの面を除けばテスラ「モデル3」と同等の評価を与えても良い初のEVなのでは?という見解です。
つまり現在日本で発売されている日本メーカー全てのEVよりレベルが高いです。あの日産でも「リーフ」では負ける、「アリア」が発売されればどうにか戦えるかなという印象です。
日本市場で買えるEVの中で初めてテスラと同じ土俵に上がれるレベルのEVが「ヒョンデ」、韓国メーカーのものであることに日本メーカーは危機感を感じないのかなと思ってしまいます。
ちなみにヒョンデ(ヒュンダイ)にとってこの「IONIQ5」は別に切り札でも何でもないところが恐ろしいところです。
主力モデルとして計画しているものは別の車ですからね-
— CARS In Korea 韓国内の自動車 🇰🇷🇯🇵 (@carsinkorea) February 19, 2022
Twitterのフォロワーで韓国の方からですが、日本より先の情報が出ている韓国では「IONIQ5」が中心でも何でもないことは周知の事実のようです。
実際に先日少し紹介した「IONIQ6」のようなセダンタイプ、「IONIQ3」のようなコンパクトカーなどまだまだ後続が控えています。
その辺りの「ヒョンデ」と「起亜」の今後の計画として出てきている情報についてはまたの機会に取り上げようと思います。
世界5位の売り上げ台数を誇る「現代(ヒョンデ)・起亜グループ」が現行の日本メーカーのEVとはレベルの違うEVを次から次へと投入するようになってから「これは大変だ!」と慌てても遅いと思うのは私だけでしょうか?
「お前が何を言おうが日本では売れないんだ!」と叫びたくなるかもしれませんが、仮に日本で売れなくてもアメリカやヨーロッパ、中国などで売れればその分日本車のシェアは食われます。
昨日一昨日と「やっちゃったな日産」と日産のハンバーガーを批判したり、「サブスクでbz4Xってトヨタ本気なの?」と厳しく両社を批判しましたが、テスラと肩を並べるレベルのEVを投入してきたヒョンデ(ヒュンダイ)を見て何かを感じて欲しいと思うところです。
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