高学歴者が「大学行く必要がない」というのは詭弁?

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こんばんは、@kojisaitojpです。昨日は時事ネタを扱ってみましたが、今日はまた元に戻ります。

学歴というのは不思議なもので、「大学なんて行っても価値ないよ」的な全否定と「やっぱり大学くらい行っておかないと」のような全肯定にきれいに分かれる傾向があります。このように冷静に高学歴のメリットを説明してくれる人物は珍しいです。

実はこの「全否定」と「全肯定」に分かれるのは、後で述べる「学歴コンプレックス」の現れの一つでもあるのですが。

予備校講師をやっていたのに言うのもアレですが、「学歴」というものは「あっても効果を実感するものではないけど、ないと困るもの」くらいの位置付けです。

「その程度のものに何百万も学費使うのか?」と言われそうですが、先に結論を言ってしまうと収入面でも後で簡単にカバーできますし、何より自分のメンタルに与える影響が大きいので、学歴は無形の財産になると思います。

インフルエンサーもYoutuberも高学歴

東大のイメージ
まず忘れてはいけないのは「学歴不要と唱える張本人が大学に行っている」という事実です。

具体例を挙げると、

  • ホリエモン→東大(中退)
  • イケハヤさん→早稲田大学
  • マナブさん→法政大学
  • マコなり社長→青山学院大学

パッと思いつく有名Youtuberやインフルエンサーをテキトーにあげてみましたが全員そこそこの偏差値以上の大学に行っています。ホリエモンだけ中退ですが、とりあえず東大に入学できるだけの勉強はしたというのは間違い無いです。

法政や青学はどうよって気がする人もいるでしょうが、予備校講師の目線で言わせてもらっても「腐ってもMARCH」ではあるので立派な学歴上位者です。

この方々は自分のブログやYoutubeなどで「大学は行く必要はない」「学歴不要」と唱えている方々なのですが、肝心の自分が大卒(中退含む)であることが抜けています。

つまり、

自分が大学に行ったことで履かせてもらった「ゲタ」の存在に無頓着であるといえます。

もちろん最近であれば中学生で起業、高校生で起業することも可能ですので、高校卒業時点で既に自分で会社を起業して収益が上がっているような人であれば「学歴不要」になるのは事実です。

だってすでに自分の会社があるわけで、人に雇ってもらう必要がありませんので(仮に廃業したとしても、中学生・高校生から自分で事業をやっていたという事実は学歴と同等以上の評価になると思います)、確かに学歴不要です。

しかし私もそうでしたが、特にこれといった売りがない人間が「大学なんか行っても価値ないから俺は高卒で働くぞ」と言ってしまうことは正しいのでしょうか?

そんな問いの立て方をしている以上正しくないよということなのですが、今日はこれについて深掘りしてみます。

早く働いても結局収入は「大卒>高卒」

スーツに腕組みの詐欺師
まず「大学行かないとマズい」というのを統計資料でお見せしましょう。

独立行政法人・労働政策研究・研修機構(JILPT)の「ユースフル労働統計2020」の統計データを引用します。

学歴別生涯年収

大卒と高卒でこれだけの生涯賃金の違いがあります。

高卒で就職して、せっかく大卒より4年早く働き始めても、初任給から違うのであっという間に年収面で抜かれてしまいます。

結果として生涯賃金で見ると数千万円の差がついてしまいます。

4年という期間は若い頃はかなり長いような気もしますが、実際は何十年働く中のたったの4年であると言えます。

しかも大卒で就職した場合と高卒で就職した場合には初任給から違います。

学歴別初任給

1ヶ月で4万円、1年で48万円違います。もちろん高卒でも何か特別な資格を持っている人は例外でしょうが、平均値でこれだけの差がつきます。

また退職金も、高卒の方が結果的に長い年数働くにもかかわらず、大卒の方が高いです。

差別のように思えるかもしれませんが、大卒の方が稼げるシステムになるのが今の日本の現実です。

しかも更に重要なのは、稼ぎという金銭面の問題ではなく次で述べるメンタルの問題です。

学歴コンプレックスから解放される

コンプレックスのイメージ
実は大学へ行っておくことは、自分が「変な学歴コンプレックスを持たなくて済む」というメンタル面でのメリットもあります。

以前の記事でも書いたことがありますが、高卒や専門学校卒の人間は大学生に対して妙なコンプレックスを持っている傾向があります。

「自分は大学へ行けなかった(行かなかった)」ことが「バラ色の大学生活」のような幻想を生んでしまうようで、大卒の人間は高卒の人間に嫌味を言われまくる傾向があります。

私も大学生の時に飲食店などでアルバイトをしたことがありますが、履歴書で学歴がバレてしまうので、入った時点から「あいつは大卒」「あいつは高学歴」という色眼鏡で見られます。

悪人のイメージ

未経験者は初心者であれば、最初は仕事ができないのは当然であるにもかかわらず、

    「君、早稲田行ってるのにこんな簡単な仕事もできないんだねぇ」

    「学歴あるからって自分が仕事できると勘違いするなよ」

のような発言をするために最初から構えているような印象すら受けました。高学歴の人間は、自分が抱えているコンプレックスをぶつけて嫌がらせをするための格好のターゲットになりやすいのです。

だから初心者じゃできないような仕事でも攻撃する口実として平気で使ってきます。

大学へ行かないという選択肢は、こんなくだらないコンプレックスを抱えて、一生高学歴の人間に嫌味を言って自己満足するようなメンタル的な意味で「貧しい」人間になってしまうリスクがあります。

    「Fランク大学じゃ価値ないんじゃないの?」と思ってしまいがちですが、仮にFラン大学だとしても肩書きは「大卒」です。

    就職活動の際に大学名で落とされることもありますが、それでも「大卒」は大卒なので高卒よりはプラスの扱いを受けます。

予備校講師をやっていた人間としては、Fラン大学をすすめる気はないですが、それでもどこの大学にも行かないで高卒で働いたり、専門学校に行ったりするよりはマシです。

実際に大学へ行った人間からすると「バラ色の大学生活(笑)」「キラキラしたキャンパスライフ(笑)」と言いたくなるくらいの価値しかないものですが、行ってない人間はそうは思っていない、コンプレックスを持たれて攻撃される対象になりうるという事実を見逃しては行けません。

あえていうと「大学=クソ」であることを身をもって体験するためにも大学には行っておいた方が良いと言うことすらできます。

たかが「ゲタ」なんだけど、されど「ゲタ」です

早稲田大学のイメージ
東京であればMARCH以上、関西であれば関関同立以上というのが「ゲタ」として機能するかのとりあえずのボーダーラインにはなります(これ以下だと書類の時点でカットという企業もある)。

私が学生だった当時の話ですが、もっと厳しめの外資系企業であれば(文系の場合)「東大・一橋・早稲田・慶応以外は履歴書でカット」という企業も普通にありました。

そういう事情を知っていたので、私も講師として上位大学を狙うようなクラスでは「MARCH以下って行く価値ないよ」とかもっとハイレベルのクラスになると「MARCHなんか行ったら人生終わりだよ」的に煽りまくるスタイルで授業をやってました。

受験生相手の時は授業の中身だけではなく、「モチベーター」として生徒を刺激することも重要なのです。。。

笑い話で、予備校の合格祝賀会でそのMARCHや早稲田・慶応に落ちた生徒が私に怒られると勘違いして謝られたり、避けられたりということもありましたが。

もちろん合格祝賀会で受験生を罵倒するようなことはしないですし、「どこの大学でもとりあえず入学すれば高卒より上のステージに行った」という意味ではどこの大学でも合格すれば祝ってあげるんですがね。

授業中とそれ以外はダブルスタンダードでやってました(笑)。

もちろん自分に置き換えると「早稲田なんか行っても価値ねぇよ」位に思っているのですが、それもいつの間にか履いている「ゲタ」に無自覚な証拠なのだと言い聞かせて授業をやってました。

「大卒=クソ」ではあるけどクソが勝つ構図

キャンパスライフのイメージ
結局のところ人間を評価するバロメーターとして「学歴」というのは依然として武器であることは否定できないです。

確かに大学へ行っても中身はなくて「クソ」であることは事実なのですが、その中身が「クソ」な大学へ行って、その後の就職で「ゲタ」を履かせてもらえるのであれば行った方がプラスになります。

この「学歴」に匹敵するようなモノを別途用意するのは大変です。

「学歴」に匹敵する武器を用意するなら「中学生・高校生の時に自分で起業した」などのような、大学へ行って卒業するよりもかなりハードルの高いタスクが要求されます。

私もそうでしたが、特にこれといった才能のない凡人の場合は、大学へ行くというのは「自分にゲタを履かせる」最も簡単な方法であると言えます。

大学へ行かない場合は「高学歴>Fラン大学>高卒」というヒエラルキーの一番下からのスタートになる、Fラン大学生以下の扱いから社会人生活がスタートするということは忘れてはいけません。

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