カーシェアが2021年以降のトレンドになる?【アフターコロナの自動車の未来】

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こんばんは、@kojisaitojpです。今月に入ってから日産リーフ、テスラモデルSと続けてカーシェアを利用してきましたが、もしかしたら「電気自動車=高くて買えない」という悩みを解決する一つの方法になるかもしれないと、ふと思いました。

もちろん同じようなことを考える人は他にも数多くいるわけですが、確かに「自分が必要な時だけカーシェアを利用して使えれば安上がり」なのは事実です。

今年に関しては「他人が使ったものを使いたくない」という意識が新型コロナウイルスの流行により、ちょっと躊躇してしまうところもありますが、コロナウイルスの心配さえなくなれば「車を買うよりカーシェアの方が安い」という意識が再び出てきそうな予感がします。

かなり前から「若者の車離れ」と言われるようになり、運転免許を持っていない若者が増えていると言われていましたが、運転免許取得のために合宿で地方に行くことが「Go to トラベル」の対象になることが知られてからは免許を取る若者がかなり増えたように感じます。

「Go to」を企画した政治家・官僚はここまで想定していなかったでしょうが。

そして人間とは不思議な動物で、今までは免許がないから意識することがなかった「車に乗りたい」という欲求がわいてきます。

その時に車を買うという選択肢は、購入後の維持費まで考えると若者にはなかなか踏み切れないものです。

となると浮上する選択肢が「カーシェア」です。

ちなみに前の記事では2021年以降のトレンドとして「ワーケーション」を取り上げました。「Go to」が停止し、感染者数が増える中では話題にしにくいところですが、新型コロナウイルスを抑え込むことに成功すれば本日の「カーシェア」も先日の「ワーケーション」もトレンドになると予想しています。

「カーシェア」と「レンタカー」の違いとは?」

カーシェアリング
まずは「カーシェア」と似たようなものとして「レンタカー」がありますが、まずは違いをはっきりさせておきます。

    レンタカーは、事前の利用予約は電話やネットですることは可能ですが、レンタル契約や説明等を受けて車を借りるためには店舗に行く必要があります(営業時間内しか対応しない)。

    契約期間を自由に決めることができるので、旅行だけでなく、車の修理等で自家用車を使えないときの代車としての利用もできるため、長時間・長期間での利用に向いています(長期で借りるなら「リース」という手段もあります)

    料金は【基本料金+ガソリン代(満タン返し)】をベースとして、オプションでスタッドレスタイヤやチャイルドシートなどのレンタルサービスを受けることも可能です。

店舗で対面型なので営業時間の制約がある、あとは営業許可との関係で車両のナンバーが必ず「わ」ナンバーになります。これがレンタカー専用という意味です。

    これに対して、カーシェアリングは、「知り合い同士で一台の車を共有して使っている」とイメージしていただくと分かりやすいのですが、ネットなどで事前申込をし、使用料を払って利用します。

    専用の会員証を使って(例えばタイムズカーシェアなど)、駐車場のゲート開閉や車へ乗り込みなど各自で行いますので、基本的には店舗はなく無人の場合がほとんどです(「Anyca」などの場合はオーナー任せなので対面して貸す人もいますし、非対面でやる人もいます)。

    日産リーフ試乗

    その都度使用料を支払うシステムですが、ガソリンを満タンにする必要はありません。電気自動車も充電する必要ありません。

    10分・15分単位の短い時間でも利用可能で、必ず借りた場所(又はオーナー)に返す必要があるために片道利用は原則できません。

例えばタイムズという大手の中にも「タイムズカーシェア」と「タイムズレンタカー」の両方があったりして紛らわしいです。

「タイムズレンタカー」であれば店舗に営業時間内に行かないと借りれませんが、「タイムズカーシェア」であれば日本全国のタイムズの駐車場に常にカーシェア用の車が置いてありますので、空きさえあれば24時間365日いつでも借りることができます。

実はこの辺の事情が料金にも反映されており、店舗型で整備士が必要だったりするゆえ経費がかかるレンタカーの方が基本的に高いです。

例えば先日私が乗った「テスラモデルS」を見てみると、
テスラモデルSのレンタカー
レンタカーの料金表

はっきり言って高いです。私も先日のテスラ・モデルSがこの値段だったら借りてません(笑)。

これがカーシェアになると、

Anycaの料金表

電気自動車ばかりを「お気に入り」で保存したものですが、レンタカーとこれだけ価格が違います。

カーシェアはあくまで個人が所有している車を「一時的に共同で利用」するだけですので、余計な経費は一切発生しません。

オーナーは車を使わない日に貸すことで車の維持費を稼げる(上手くいけば副業にも)、車を持っていないユーザーは自分が借りたい時だけ車に乗れると、お互いがWin-Winの関係です。

Anycaのロゴ

また同じ車種の他のオーナーとは競争にもなりますので、なるべく安い料金を提案して、利用客を増やそうという営業努力も身につきます。

個人個人が一台ずつ車を保有するのではなく、「数人で一台をシェア」するという未来の車社会の姿がチラっと見えるのがカーシェアの面白いところですが、その話は今日の本題ではなく「
CASE」というもっと大きなトレンドなので、またの機会にお話しします。

カーシェアって違法じゃないの?

カーシェアのイメージ
カーシェアは車を借りるだけではなく、自分が所有している車を貸し出すことも可能です。タイムズカーシェアはナンバーが「わナンバー」になっているようにレンタカー扱いですが、カーシェアで大手の「Anyca」などでは自分の車を登録して貸すことができます。

道路運送法第80条に、「自家用車を有料で貸し出すビジネスは、レンタカー事業(自家用自動車有償貸渡事業)に該当するため、国土交通大臣の許可を受けなければならない」と書かれていることから違法じゃないの?と思う人もいることでしょう。

この前「Uber」や「Crew」のシェアライドもタクシー業界との壮絶なバトルになっていることを書きましたが、「車」を巡るビジネスは規制に守られている既得権益とそれを崩そうという新興勢力の争いになることが多いです。

こうやってうるさい規則ばかりあるから若い人がどんどん車への関心をなくしてるんじゃないの?と思ったりもしますが。

今回のカーシェアについては、大手のAnycaでは所有者と使用者の間で一時的に「共同使用契約」を結ぶことにしています。つまり「この車は共同で使用するために貸し借りには該当しない」との解釈です。

カーシェアリングに限らず、シェアビジネスではこういった類の規制への対応を、運営会社が実施しているため、車のオーナーは心配する必要はありません。

このようにカーシェアを合法として上手に乗り切っている「Anyca」や「dカーシェア」などが発達している一方で、先日の記事で触れたように「Crew」のようなシェアライドが(規制ではなくコロナで業績が急落という理由で)撤退というのは非常に残念です。

最後に触れますが「カーシェア」や「シェアライド」は「CASE」という自動車の未来の姿に繋がる重要なパートなのです。

まぁ見知らぬ他人と相乗りするとか何人もの人が共同で車を使うというのは、コロナ禍の状況ではリスクが高いものと認識されてしまうのは仕方のないところですが。

だから私もタイトルにあるように「カーシェアが本格的に普及するのは2021年以降」と読んでいます。

「カーシェア」に向いているのが電気自動車

テスラ:モデルS
12月に入って「日産リーフ」と「テスラモデルS」とカーシェアで利用してみましたが、

  • ガソリン代不要(必要なら充電は無料)
  • エンジンがないので整備が楽そう
  • ブレーキパッドが減らなそう

この辺りの理由から「カーシェア」に電気自動車が向いていると思いました。

「エンジンがない=故障が少ない、整備も簡単」という点は、電気自動車のメリットを説明する際に私が何度も出してきた話ですが、個人の駐車場に停めておくことが普通なカーシェアでは大きなメリットです。

ガソリン車を保有していれば誰もが体験することですが、5000キロごとのオイル交換って正直面倒くさいですよね。。。

国産車ならいざ知らず外車ならオイル交換をサボると間違いなくエンジンが壊れます。

他にもエンジンと関連する部位としてウォーターポンプやタイミングベルトなどの冷却系、エンジンを回すことによって作動するエアコンなど、故障の原因となる大半の部分がエンジン絡みです。

10万キロ20万キロと長い距離乗ると壊れることが多いオートマなどのミッションも、電気自動車では、AT/CVTがなく、1速だけなので壊れる心配がないです。

これに対して電気自動車の場合シフトショックはゼロで、バックするときもギアではなくスイッチなのですぐにバックできます。

また回生ブレーキを使用するので自分でブレーキを踏む回数が減りますので、ブレーキパッドもなかなか減らない。ガソリン車の場合だと個体差はありますが3〜5万キロごとにブレーキパッドの交換が必須になります。

タイムズカーシェア

この位管理・整備に手がかからない電気自動車が、実はカーシェアのように所有者の駐車場に置きっぱなしでも問題が起きにくいという点で有利なのです。

このような背景から、先ほどの「レンタカー」の場合には営業の許可を得るには車を保管する駐車場と整備士が必ずいる店舗であることが必要とされます。

そしてこれが先ほど挙げたような高額なレンタル料につながります。

オイル交換などのメンテナンスが必要なガソリン車に比べて、整備も簡単な電気自動車はますますカーシェア向きであると言えます。

電気自動車のカーシェアが「CASE」に繋がる?

カーシェアのイメージ
実は「電気自動車」と「カーシェア」が結びつくことによって「CASE」と言われる自動車の未来のトレンドに繋がることはあまり知られていません。

一見バラバラに見える「電気自動車」と「車がネットに繋がる」「カーシェア」に「自動運転」がリンクすることで実は新しい自動車のトレンドを生み出します。

「CASE」とは、2016年のパリモーターショーで独ダイムラーのディーター・ツェッチェCEOが発表した中長期戦略の中で提唱した造語です。「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electric:電動化」の4つの頭文字をとったもので、「自動車メーカーからモビリティのサービスプロバイダへと変わる」という戦略の実行の方向性を具体化したものです。

と言われてもまだピンと来ない人もいるかもしれませんが、これまで様々な記事で述べてきたようなガラパゴス日本では仕方ありません。

次回以降の記事で「CASE」の各々の項目について説明し、日本の自動車メーカーが見えていない未来の車社会について語ります。

これまで車について書いてきた記事で「電気自動車」を筆頭に、「車がネットに繋がる」「自動運転も可能になった」というバラバラの事実に「カーシェア」という言葉が交じることは単なる技術革新の問題ではなく、自動車のトレンド自体を変える可能性があります。

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