完全自動運転と相性・親和性が良いのは電気自動車(BEV)?【ガソリンエンジンは不向き】
こんばんは、@kojisaitojpです。世界の流れから最も乖離しているのはEVの話よりもむしろこっちかもしれません。
これ分かってない奴多いんだよな。。。EVと自動運転はセットなのに。 https://t.co/RVmB9uv2Sk
— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) June 22, 2021
まぁ「元テスラ社員」というだけで敵意をむき出しにする困った日本人が多いようで、YouTubeのコメント欄にはこの方の話もロクに聞かずに一方的に罵るようなコメントだらけで呆れますが。
にもかかわらず全てのコメントに丁寧に返信しているのには感心しましたが。私なら「こいつ日本語通じないな」と思った時点でブロック・コメント非表示ですけど(笑)。
さて日本ではまだ今になっても「EV化すべきか否か?」という世界ではとっくに議論が終わっている次元で止まっているという残念な状態ですが、世界の流れは「EV化した後の完全自動運転」という次の段階の話が始まっています。
などというと「別にガソリン車でも自動運転できるだろ?」などという反論が日本だと返ってきます。
そこで今日は「完全自動運転とEVの相性の良さ・親和性」について考えた上で、「なぜEVだけは頑なに否定しようとする人々が現れるのか?」についても考えてみます。
目次
実は「EVと完全自動運転」は相性が抜群?
まずは冒頭でも紹介した動画を添付しておきますので、まだ見られていない方は話について行くために見ることをオススメします。
「元テスラ社員」という肩書きを見ただけで「何とかして揚げ足を取ってやろう」的な努力の方向を間違えたコメントだらけなのは先ほども言った通りです。
この動画で主に語っているのは「EVと将来の完全自動運転の相性の良さ」なのですが、先に「自動運転」のレベル分けについては以前書いた記事がありますのでこちらをご参照ください。
本日お話する「自動運転」は「完全」と付けているようにレベル5、最低でもレベル4以上の自動運転ですのでまだ実用化できたメーカーはありません。
ですが実証実験の段階でファーウェイが既にこのレベルまで可能になっています。
実用化が目前というのはこの動画を見ればわかるのですが、このファーウェイを見てもお分かりのように基本的にはEVと自動運転がセットで実現されます。
と「EVと自動運転」をセットにすると「ガソリン車でもできるだろ?」という反論が必ず来ます。
確かに内燃機関車(ガソリン車・ディーゼル車・ハイブリッド車)でも現在の車は電子制御ですので、コンピューターが指示を出して操作することは可能です。
車を日常運転する方ならお分かりかと思いますが、アクセルを踏んでから加速するまでにはタイムラグが必ず存在します。
マニュアル車でもオートマ車でもアクセルを踏むことによってエンジンの回転数が上がり、それによって加速するわけですので当然です。
反対にアクセルを踏んだ瞬間から最大トルクが発生するのがEVの特徴で、それは「0-100km/hの加速が2秒」などの加速力を売りにするテスラなどを見れば誰でもわかる話です。
加速力をEVの長所と捉えてそこに全振りしてくるテスラの試みについては以前書いた記事がありますのでご参照ください。
「テスラ・ロードスター」の異次元の加速性能と日本人に不足する「遊び心」とは?【宇宙まで飛べる?】
ロサンゼルスで2代目の「テスラ・ロードスター」が展示されていますが、ジェットコースターを超える加速と「宙に浮く」という仕様が話題になっていますので取り上げてみます。人間の限界を超えた異次元の世界を提供するテスラとイーロンマスクにはインパクトだけでなく「遊び心」があるように思えます。日本人に欠けている部分かもしれません。
そして「タイムラグ」の存在がガソリン車で自動運転をした際に「エンジンの回転数が上がる時間」が致命傷となる可能性があるという点において「自動運転に不向き」であることが判明します。
事故を回避するためにはそのわずかなタイムラグが命取りになるということは日常あり得る光景です。
もちろん電子制御のレベルを上げられればガソリン車でもEVに近いタイムラグのない反応が可能になるのですが、そこにはEVでは必要のなかった技術が必要になります。
私のブログでも常々言っているように「2025年のノルウェーを皮切りに世界の主要国で販売禁止」になる内燃機関車に膨大な資金を注ぎ込んで開発する意味があるのか?という問題に直面します。
「脱炭素」においてもなぜか見られる「EVだけは否定したがる人々」
何がなんでもEVを否定したい方々のほぼ全てが絶賛するのが「FCV(水素燃料電池車)」やら「水素エンジン」だったりするのですが、
日本が「水素社会」の大前提に置いてる「オーストラリアから激安水素を輸入」が早くも頓挫か⁉︎😇https://t.co/IWtwI6is2p
— Brownie (@browniejp) June 23, 2021
今日本が国を挙げてやろうとしていたのは「オーストラリアの格安の石炭を燃やして発電した電力から水素を取り出そう」という試みでした。それがオーストラリアで否定されたというニュースなのですが、EVを叩いて水素を絶賛するとこんな特大ブーメランが直撃することになります。
EVの時は「化石燃料で発電した電力ガー」とか「バッテリー製造時に二酸化炭素ガー」と猛烈に叩くくせに石炭燃やして水素を作ることはスルーという汚い奴だらけ。
— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) June 23, 2021
そもそも「石炭を燃やして発電」という時点で「脱炭素」としては論外なことくらい気づくべきです。
反対にEVに対して浴びせられるお決まりの批判に対しては、再生可能エネルギーで発電した電力で充電し、再生可能エネルギーで発電した電力で工場を稼働させれば解決する話なのですが、都合の悪いところは無視するのがEV叩きをする方々の特徴でもあります。
「日本では再エネは向いてないので〜」的な批判に対して書いた以前書いた記事がありますので、詳しくはこちらをご参照ください。
「できない理由」を探すより「どうすればできるのか?」を考えるべき?【典型例が地熱発電】
「できない理由」を並べる姿勢を批判していますが、EVと並ぶ例として「再生可能エネルギー」があります。特に火山が多い日本には世界3位と言われる地熱資源が眠っていると言われていますが、「温泉が枯れる」「国立公園は開発不可」のように「できない理由」に阻まれて「どうすればできるのか?」を考える方向に進んでいないのが問題です。
実際は「やればできるのにやろうとしない」というのが正直なところです。
「水素」に対しては「空気中を含めてどこにでも存在する無限のエネルギー」と勘違いしている向きが多いですが、水素そのものは存在しないということを忘れています。
太陽光にしろ風力にしろ「再生可能エネルギー」は昼間などは余剰に発電してしまう(だからこそ昼間の間に蓄電池に蓄えておいて太陽の沈んだ夜に消費するのが一般的)ので、このような余剰な電力から水素を取り出すというのであれば話はわかるのですが、なぜか日本では「安いから」という意味不明の理由で石炭の安いオーストラリアの石炭火力発電で発電した電力から水素を取り出そうという「どこが脱炭素なの?」という方向に行こうとしていました。
水素を巡る問題については以前書いた記事がありますのでこちらをご参照ください。
「水素(FCV・エンジン)」を絶賛しEVを叩く人々の背景とは?【既得権益の温存】
EVにやたらと攻撃的な人ほどなぜか「水素(FCVや水素エンジン)」を持ち上げたがる傾向があります。「乗ったこともない水素」に対してどうすればそこまで希望を持てるようになるのかが謎です。しかし「世の中がEV化するとどんな人たちが困るのか?」から考えるとアンチEVになるのがどのような人たちなのかが読めるようになります。
また水素を普及させるためには「水素ステーション」を今のガソリンスタンド並に設置しないととてもじゃないけど実用化できないのに都合の悪い事実は無視して「EVの充電インフラガー」とEVを攻撃するのもいつもパターンです。
「水素を絶賛する人に返ってくる特大ブーメラン」についても以前解説してますのでこちらをご参照ください。
「水素(FCV)」を絶賛してEVを攻撃すると直撃する特大ブーメランとは?【水素ステーション】
アンチEVという方々が絶賛したがる「水素燃料電池車(FCV)」や「水素エンジン」ですが、「水素」という物質の安全面の問題に加えて「水素ステーション」という水素を充填するインフラの問題で致命的な欠点があります。急速充電器のみならず自宅やホテル、会社の駐車場などに気軽に普通充電器を設置できるEVとの格差について説明します。
EVに対して攻撃的な人ほど、その批判内容が自分が絶賛している水素にブーメランのように跳ね返るのはなかなか笑えるところです。
自動運転でも脱炭素でもなぜか「EV」だけは除外しようとする恣意的な情報操作?
一応言っておくと本日のテーマだった「完全自動運転」については水素を使って発電した電力で走る「水素燃料電池車(FCV)」であればEVと同じように可能ではありますが、「水素エンジン」のように内燃機関を使うのはガソリン車同様に論外です。
正確に言えば「内燃機関車(ガソリン車・ディーゼル車・ハイブリッド車)」でもできないことはないのですが、エンジンを回すためのタイムラグをゼロに近づけるのは不可能に近い、ここを改善させるには膨大なコストがかかるし、そもそもできるかも不明という話です。
なぜコストもかかる上にできるかどうかも怪しい、もはや終わりが近づいている「エンジン」という存在に執着すればするほど世界の流れから遅れていくだけ、つまり日本の世界での競争力がなくなるだけだと思うのは私だけでしょうか?
寒いこと言ってるなぁ…
三菱自動車、第52回定時株主総会「商用BEVの改良モデルを2~3年後に出す」「当面はPHEV推しでいく」など今後の展開が語られる – Car Watch https://t.co/GyAo2Ts5UY @car_watchより— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) June 23, 2021
こっちも同じ位寒い。
「輝く日産を取り戻したい」日産自動車の内田誠社長、新型車でブランド復権へ https://t.co/XyGgySC5Gw @SankeiBiz_jpより— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) June 23, 2021
同じ日にたまたま株主総会があったので同時に取り上げますが、世界で最初にEVを販売し、2010年当時には世界のEV戦線でトップを争っていた日産と三菱がEV化に舵を切れず、「e-Power」だの「PHEV」だのと中途半端な技術でお茶を濁そうとしているのは非常に残念なところです。
2010年当時にはまだ市販車の発売すら出来ずにいたテスラにかなり先行していたにもかかわらずこの体たらくっぷりです。
まるで日本国内において「日本だけは絶対にEV化させない」という闇の力でも働いているかのような気味が悪い状態です。
「e-Powerに搭載されている発電用のエンジン」はエンジンが搭載されてるがゆえもうすぐヨーロッパでは売れなくなりますし、PHEVも同様にもっと厳しい規制をする方向に世界の主要国が向いてるわけで「そこまでして日本をガラパゴス化したいの?」と思ってしまいます。
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