電気自動車はバッテリーより充電スタンドの整備が重要?
こんばんは、@kojisaitojpです。テスラの超急速充電器が私の家からも近いエリアに設置されたようです。
テスラ『スーパーチャージャ-V3』日本初設置! 川口スーパーチャージャーで250kW超急速充電を試してきました! | EVsmartブログhttps://t.co/148026hvZn
2020年12月、埼玉県川口市の川口・鳩ケ谷住宅公園駐車場に日本国内初スーパーチャージャーV3が新設。最大出力250kWの超急速充電器が4基。— evsmart (@evsmartnet) December 12, 2020
日本で普及している急速充電器であるチャデモは最大50kWが主流ですから、瞬間的な充電能力は5倍です。「5分間で最大75マイル(約120km)分の充電が可能」とのことです。この位の急速充電器だとガソリンスタンドでの給油と大差がないレベルまで来ます。
まぁこの超急速充電器についてはテスラ以外は使えないのでテスラのオーナー以外には関係がない話なのですが、「気軽に素早く充電」ができるようになることが電気自動車が置かれている環境を一気に改善することができるという意味で様々な示唆を与えてくれます。
「バッテリーが持たないから電気自動車はぁ〜」というのが電気自動車嫌いの方々のお決まりの批判の仕方ですが、「充電の設備が整えば何も問題ないよ」というバッテリー以外の方法でも問題が解決できるという点が抜けています。
短時間で100キロ200キロ充電できるようになればガソリン車と比較しても特に不便を感じることなく電気自動車を利用できるのではないでしょうか?
「走行可能距離をチェックしながらマメに充電が必要」というだけで電気自動車を毛嫌いする人が多いところが日本のガラパゴスたるゆえんですが、同じことをガソリンでもやっていることを忘れてはいけません。ガソリンスタンドで給油しないで生活できる人はいませんので。
問題はそのサイクルをガソリンから電気用に切り替えるというだけの話です。
というわけで今日はよくやり玉に挙げられるバッテリーの問題を、「充電」という別の角度から解決できることに触れてみます。
目次
マメに充電することを前提としているヨーロッパの電気自動車と日本の「チャデモ」の相性の悪さ
ヨーロッパで最も電気自動車化を積極的に推し進めているのが、世界最大の自動車販売台数を誇るフォルクスワーゲン社です。
「フォルクスワーゲン」と聞くと一社のように勘違いしてしまいがちですが、「フォルクスワーゲングループ」には「アウディ」と「ポルシェ」も入ります。
ポルシェ社も以前は「ポルシェ911だけはガソリン車で行く」と宣言していましたが、今や全ての車種を電気自動車化する意向を明らかにしています。
アウディが2019年に発売した初の本格的EVである「e-tronスポーツバッグ」ですが、航続可能距離は400キロ前後と同じくらいの大容量バッテリーを搭載したテスラモデルSが600キロ以上走れるのと比べるとちょっと少ないです。
などと言うとまた例によって「だから電気自動車はバッテリーがぁ〜」と野次が飛んでくるところですが、アウディは急速充電への対応によって一つの回答を出してきました。
急速充電の規格が150kWですので、もし150kWに対応する急速充電器があれば約30分でほぼ満充電にして次の目的地に出発することができます。
航続距離が短くても短時間で急速充電ができれば何の問題もなく電気自動車を使いこなせます。
ところが日本の急速充電規格である「チャデモ」だと最大50kW出力で30分充電しても、充電できる電力量はおおむね20kWh程度。
電費が5km/kWhとすると、100キロ分しか入れることができず、結局短いサイクルで急速充電を繰り返しながら距離を伸ばすしかなくなります。
独自に急速充電インフラを設置しているテスラでは先ほども述べたように、100kW超の高出力な急速充電にも対応していますが、その他の輸入電気自動車は「日本導入時のチャデモ対応は最大50kWまで」と機能が抑えられています。
実は電池の容量も重要ではありますが、急速充電を活用して長距離を走ろうとする際には、急速充電器の出力が利便性の方が更に重要です。
理想を言えばもっと高出力の急速充電器を普及させる必要はあるのですが、アンチ電気自動車の方々が言うように「充電設備が貧弱だから電気自動車は嫌だ」と言い切ってしまえるのでしょうか?
次の項ではあえて航続距離の少ない電気自動車を用いて仮定してみます。
あえて航続距離の短い電気自動車で考察してみます
業者オークションのデータなので、あまり出さない方がいいかなとも思いますが、この日産リーフ(初代型)は20万円で落札されています。
お店を通すと様々な費用を上乗せされる可能性もありますが、自分で調達した場合このリーフは車検も残っているので25万もあれば乗り出し可能です。
一番初期の日産リーフですので、バッテリー容量は24kWh、公表値となるJC08モードでの航続距離は200kmです。実際にエアコンを使いながら走らせると150キロ位を限界として見ておいた方がよいかなというレベルです。
テスラなどのように航続距離が長い高級車をあえて出さないで、現在発売されている電気自動車の中で最も走れる距離の短そうな車でEVライフについて考えてみます。
「航続距離がぁ〜」「バッテリーがぁ〜」と文句を言う人は多いですが、毎日毎日200キロも300キロも乗る生活をしてますでしょうか?
コロナ以降ほぼ全ての移動手段を車にしている私でも年間3万キロくらい、1ヶ月平均だと2500キロ、1日平均だと83キロです。
もちろん平均なので100キロ以上乗った日もありますが、大半の日は150キロで収まっています。
かなり年式の古くなった、航続距離に限界のある日産リーフでも大半は問題なく家に帰ってこれる日ばかりです。
航続距離150キロを明らかに超える距離を乗ったのは、「東京⇄仙台」が2回、「東京⇄軽井沢」が1回だけです。
高速道路でいうと東北道・関越道・上信越道ですが、今や高速道路はほぼ全てのSAに充電設備があります。どっかのSAで食事でもしている間に充電すれば目的地まで何の問題もなく行けるくらいの充電は余裕でできます。
東北道の浦和ICから仙台宮城ICまでに車で移動する際(約330キロ)に休憩が一回もなしという人の方が珍しいのではないかと思います。
充電する時間を食事や買い物にでも充てればほぼ時間のロスなく移動できます。
仙台に着いたら、私がいつも泊まるウエスティン仙台は普通の充電設備もテスラ用の充電設備も完備(既にチェック済み)ですので夜寝ている間に充電して、翌日は満充電で出発できます。
「ウエスティンホテル仙台」宿泊記【今回はプレミアルーム】
先月に続き「ウエスティン仙台」に滞在してきたのでもう一度紹介します。都内のマリオット系のようにプラチナ会員の増加でカオスになっていることもなく快適に過ごすことができました。今回はプレミアというビューバス構造、スイート以外では最上位の部屋ですので部屋についてと、前回紹介できなかったラウンジの代替サービスも紹介します。
今年の私の行動パターンの場合、他には宇都宮に2回行ってますが、東北道「浦和⇄宇都宮」間が100キロ弱ですのでこの日産リーフでさえどうにか持つでしょう。何度か紹介した「フェアフィールドバイマリオット」が隣接する「道の駅」にはこれまた充電設備が完備ですので寝ている間に満充電です。
「フェアフィールドバイマリオット栃木宇都宮」宿泊記【キャッシュレスホテル】
「フェアフィールドバイマリオット栃木宇都宮」の宿泊記になります。「道の駅プロジェクト」として積水ハウスとマリオットが提携して日本中の道の駅にホテルを建てる計画で、最も早い時期にオープンした一つが宇都宮になります。簡素な宿泊施設でリーズナブルという「外資系=高級」のイメージを壊すホテルですが、快適に滞在できるホテルです。
「フェアフィールドバイマリオット栃木もてぎ」宿泊記【新オープン】
2020年11月20日にオープンしたばかりの「フェアフィールドバイマリオット栃木もてぎ」の宿泊記になります。道の駅もてぎに隣接したホテルでツインリンクもてぎやSLで有名な真岡鐵道からも近いです。ロードサイド型の簡素なホテルですが、清潔感もあり、日本のビジネスホテルよりも広いので案外快適に滞在できるホテルです。
業者オークション価格が20万、手数料や税金を入れても25万くらいで乗り出せる型落ちの日産リーフでさえこのくらいの生活は可能です。
ちなみにこのくらいで仕入れた車を40〜50万で売ろうとする中古車店は結構ありますので、ぼったくりだと言いたくなるところですが(笑)
電気自動車でどのくらい諸費用をふっかけてくるかで中古車店の良心度合いがわかるかもしれません。
電気自動車がどのくらいの走行に耐えられるかの例として、最もバッテリーが小さくて航続距離に難のある時期の日産リーフをわざと例に出しましたが、当然ですが、これ以降のリーフであれば航続距離はどんどん伸びていますので、更にストレスなく移動できます。
最新型のリーフだと、カタログ値で570キロ、実際にエアコンなどを作動させながら走っても400キロ以上は走れますので、先ほどの例でいう東北道の「浦和⇄仙台宮城」間もギリギリ行けるかなという位まで進化しています。
ここで挙げた例のような移動は航続距離600キロくらいを誇るテスラモデルS辺りであればとっくにクリアしている数値ですが。東京から600キロですと名古屋どころか京都まで到達は可能、大阪にギリギリ行けるかどうかというくらいですので、これもどこかで一回充電すればクリアです。
この移動距離だとガソリン車でも一回は給油するくらいの距離ですので、電気自動車でもガソリン車でも大差がないと思いますが。
「電気自動車=距離がぁ〜」は食わず嫌い?
どんな電気自動車がいいかはその人のライフスタイル次第でどうにでもなります。
本日わざと出した最も航続距離が短そうな型落ちの日産リーフでも、日常の買い物や通勤くらいなら問題なく過ごせるという人が大半ではないでしょうか?
たまに遠出した際にも高速道路上には(まだ数は足りないとはいえ)電気自動車を充電できる設備のあるSAが大半です。
SAで食事でもしている間に急速充電で100〜200キロ充電できるのであれば、遠出の障害にもなりません。
一見デメリットに見えるところもほんの少しの工夫でカバーできます。
この辺りにその人の価値観や世代の差が出そうなところですが「今更これまでと違うことをやりたくない」という意識が特に上の年代に行くほど増えてくるように思えます。
以前別なテーマでも「老害マインド」という言い方で変化を嫌う姿勢を批判したことがありますが、自動車に関する掲示板やヤフコメなどで述べられている意見を見ると「何が何でも今の生活パターンを変えたくない」という頑固さを感じます。
年に数回あるかないかの遠出を理由に「電気自動車は距離がもたないのでぇ〜」と拒絶する姿勢は食わず嫌い以外の何物でもないように思えます。
電気自動車に変えることによって、エンジンの整備やオイル交換が不要になる、回生ブレーキによりブレーキパッドもなかなか減らない、自動車税も一番最低の1000cc以下の金額で済むとコスト面でプラスになることだらけ(充電は定額制のサブスクに加入することでガソリン代より安くできます)なのにメリットを見ないでデメリットばかり強調する姿勢では未来が見えてこないと思います。
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