「EVを選ぶのは便利だから」というのが理解できないのはマインドの問題?【メンテナンス費用も節約】

お金 ビジネス 趣味

こんばんは、@kojisaitojpです。EVとこれまでのガソリン車・ディーゼル車が全く別物であると理解できないとトンチンカンな議論になるようです。

一昨日の記事では「テスラが高いのはメンテナンス代ではなく修理代(だから車両保険で対処可能)」という内容で書きましたが、この記事も「ガソリン車と比較してメンテナンス費用は安く上がる」という話です。

繰り返しになりますがもちろん「修理代」は別です。

ちなみに偶然ですがテスラのギガキャスティングやStructuralBatteryによる修理代の増加については元テスラ社員の方が私が記事を書いた翌日に動画をアップしています。

自分がブログを更新した直後にこういう動画がアップされるとなぜか先に出した私の方が「真似した」などと意味不明の批判をされることもありますが(笑)。

と偶然色んなところでEVの「メンテナンス費用」や「修理代」が話題になっているところなので今日は前回の「修理代」ではなく「メンテナンス費用」にスポットを当ててEVのメリットを考えてみます。

「ガソリン車と同じ」であることが意味を持たないEVを運用する際のメリット

ハイアット銀座とIONIQ5
ハイアットセントリック銀座とシトロエンC6

IONIQ5をAnycaで借りた際に「これは絵になるな」と思ったのでIONIQ5で撮影した後にわざわざ自分のシトロエンC6でも撮影してみたのですが、銀座のハイアットの前で撮っても遜色のないデザインですよね。

というのはデザイン面の話でここも従来のガソリン車に追いついてきたわけですが、車両価格は多少高くても「メンテナンス費用が安い」というのがEVの大きなメリットです。

  • オイル交換・プラグ交換などのメンテナンスは不要
  • 走行距離が増えるとエンジンの汚れの除去が必要(フラッシング)
  • タイヤ交換・ワイパー交換などはEVも同様

今まで外車に乗られてた方だと特に「5000キロごとのエンジンオイル交換をサボるととんでもないことになる」というのはお分かりですよね。私もそうです(笑)。

他にもタイミングベルト・ウォーターポンプ・ラジエターなども外車に乗ってると神経を使う部分です。

ガソリン車の場合とにかくエンジン関係のメンテナンス、消耗品の交換は必須であり、国産車のユーザーでも車検の際に色々交換して車検費用が結構かかるというのは普通かと思います。

これがEVの場合はほとんど不要になります。

タイヤ交換やワイパーの交換などはガソリン車と同様に必要ですが、エンジンに関するメンテナンスが不要というだけで維持コストが一気に下がります。

他にも回生ブレーキを使うおかげでブレーキパッドの交換もほとんど不要です。

現時点では確かにガソリン車より車両価格は高いですが、一旦購入すると維持コストが全然かからないのがEVの最大のメリットではないでしょうか?

現在のようにガソリン価格が上がるとそれが更にはっきりしたのではないでしょうか? 

確かに電気代も上がってはいますが、元がガソリンより安いですし。一軒家で太陽光パネルを設置している家庭であれば「タダで充電できる」とも言えますし。

EVのデメリットと思われる部分は気にならない?

自動車整備工場
などとEVのメリットを強調すると必ず次のような批判が飛んできます。

  • バッテリーが劣化する
  • 暖房・冷房を使うと航続距離が短くなる
  • 充電インフラが足りない

特に某メーカーがEVを販売せずサブスクという名の実質リースでのみ提供すると発表した際に言い訳として使った「バッテリーが劣化する」というのを叫んでいる人が最近増えています。

冒頭で引用した記事のヤフコメで発見したコメントの一例ですが、「EVのことを何もわかっていない」典型例すぎたので引用します。

    電池の寿命が短すぎる(この時点で嘘つき)のと長距離移動が困難だから流行らない。

    充電スポットを広げるのに無理がある(コンセントがあればどこでも充電できるのは無視)

    だから水素エネルギーの時代が来ると思う(EV以上に困難な水素インフラは?)

「お前トヨタ社員か?」とツッコミたくなる見本のようなコメントですが(笑)。

ですが現実はこれです。

リーフのバッテリー消耗率

もう私のブログやツイッターで何度引用したかわからない「日産・リーフのバッテリー消耗具合」ですが、バッテリーの温度管理機構を搭載しない日産・リーフでさえ2016年以降のモデルになると(いわゆるZE1とAZE0の末期)5年位乗っても全然バッテリーが消耗しないことが既に証明されています。

初期型の古いリーフの例を挙げて「バッテリーが劣化して交換が必要になるからEVは使えない」と叫ぶことがいかに時代遅れなのかという話です。

私のイメージだとこれに該当します。

確かに2010年〜2012年頃に発売された日産・リーフはバッテリーが消耗して距離走れなくなるという致命的な欠点がありました。

ですがそれが大幅に改善された現在になっても「バッテリーが消耗する」と叫ぶのは「iPhone13の時代になってiPhone3GやiPhone4の悪口を言って『スマホは使えない』と叫ぶ』位時代遅れになっていることに気づくべきです。

とバッテリーが問題にならないことを説明すると今度は「充電に30分とか待ってられないんだよ!」と怒る人も多いですが、これもガソリン車を同じ感覚で「充電」を捉えるからです。

「燃料を補給するためにガソリンスタンドまで行く」という移動を伴うのがガソリン車で、EVは「自宅の駐車場などに停めている時、使ってない時間帯に充電する」と運用方法が根本から違います。

「EVが不便だ」とヤフコメや2ちゃんねるなどで騒いでる方々はEVのスペック云々より「習慣を変える気がない」ことが問題のように思えてきます。

中国で「宏光MiniEV」が売れてる事実からわかることとは?

宏光MiniEV@名古屋大学

中国の「宏光MiniEV」については私も以前から名古屋大学に展示されてた実物を見に行ったり、「ヨーロッパの安全基準に合わせたモデルをラトビアで生産している」など積極的に取り上げてきました。

というのも「航続距離が100キロ程度」、中国は日本以上に集合住宅の比率が高いのに「急速充電なしで普通充電のみ」とはっきり言って低スペックで価格だけをひたすら安くしたEVだからです。

この位の低スペックになると「こんなEV使えないだろ?」と思ってしまいがちですが、本当に使えないEVであればこの数字が出るでしょうか?

中国のEV販売ランキング

中国におけるEVの販売ランキングも毎月出ていますが、ほぼ全ての月でテスラの「モデルY」「モデル3」を上回る売上台数を叩き出してるのが宏光MiniEVです。低スペックなEVが中国でテスラを超えるぶっちぎりの売上台数、中国一国の売上台数で世界のトップレベルにのぼり詰めてしまうという事実を見るべきです。

航続距離が短くても運用できる、充電が普通充電のみでも自宅のコンセントなどで充電すればOKと日本で言われがちな「航続距離ガー」「充電インフラガー」が実際のEVの運用ではほとんど問題にならないことがわかります。

「航続距離が短い」「充電は普通充電のみ」というスペックのEVでもそれに合わせたライフスタイルに転換できているという意味でも中国の方が日本の先を行っている印象を持ってしまいます。

反対に「ガソリン車と同じように運用できないと困るんだ」と変化を拒む方が私には時代錯誤に見えてしまいます。

「日本人は変化を嫌う」のではなく「変化を嫌う年齢層が多数派」なのが日本の欠点

原宿で試乗のヒョンデ「IONIQ5」のV2L
これはオランダでの例ですが、こういう試みを見てどう感じるか?で「脳みその加齢臭度合い」がわかるかもしれません。

オランダのユトレヒトという街でEVを活用して「再生可能エネルギーの需給調整」を行うという話です。

以前フォルクスワーゲンの試みに触れた記事でも同じテーマを扱いましたが、

  • 再エネが供給過剰になる天気の良い昼間はグリッドからEVに充電
  • 天気の悪い日や夜間はEVからグリッドへ電力を放流

再生可能エネルギーの欠点である「不安定さ」を調整する蓄電池としてEVを活用する試みです。

V2hのイメージ

EVから電力を取り出す仕組みは日本でも「V2H(Vehicle to Home)」がありますが、これはあくまでも家庭用の電力にEVを使うだけの話ですのでグリッドに接続する機能はありません。

フォルクスワーゲンのV2H計画

「V2G」になるとグリッドに接続することで需給バランスに合わせて充電・放電を使い分けるシステムです。これにより再エネ全般で言われがちな「不安定な供給」を解消しようという試みです。

なんて言われて何を感じますか?

「充放電に使われたらバッテリーが消耗する」とか「需給バランスなんて考えてグリッドに接続するのが面倒臭い」「こっちは忙しいから接続してる暇なんてない」とか思いますか?

それは単純に「今までとやってることが違うから抵抗したい」というだけではないでしょうか?

上記のオランダ・ユトレヒトの場合人口35万人の町で「10000台のEVが接続してればOK」と言われてますので別に全ての車がグリッドに接続してなければならないわけでもありません。

全体のごく一部が接続してればOKであればカーシェアやレンタカーの車両だけでも足りる話かもしれませんし、通勤に使わないで自宅に置きっぱなしの車両や勤務先で退勤するまで駐車したままの車両をグリッドに接続しても何も問題にならないですよね。

EVを巡る批判で必ずといっていいほど「ガソリン車と同じように運用できないと困るんだよ!」と怒る人が一定数いますが、「同じじゃないと生活に支障が出る」割合はごくわずかだと思います。

オランダでの試みに触れた記事にもあるように「自動車は95%の時間が駐車してる」という統計があります。

今まで駐車場に放置してた車をプラグインしてグリッドに接続する、まるで自宅やオフィスでスマホを充電プラグにつないだりワイヤレス充電の上に置くことが面倒ですか?

単なる習慣の問題ですし、我々もほんの10数年前つまりスマホ以前の携帯電話ではそのような使い方はしなかったのに今では当たり前になってますよね。

日本の場合高齢者の数が多いというのが新しいものを嫌がる理由になるのかもしれませんが「今や高齢者でも大半がスマホ使えてますよね」で終わる話ではないでしょうか?

「できない理由」を並べて現状維持にこだわるのはいい加減にすべきではないでしょうか?

人気記事電気自動車専門のカーシェア・サブスク・EV販売店立ち上げのためのクラウドファンディングを始めます!

人気記事電気自動車(EV)を日本で普及させるために誤解を解消する【過去記事総まとめ】