電気自動車(BEV)が災害に弱いから使えない?【充電できないデメリット?】
こんばんは、@kojisaitojpです。サーチコンソールなどを使って自分のブログにどんな検索ワードからの流入があるのかを調べてると笑えることに気づきます。
ブログやYouTubeの基本に「読者の検索意図を捉える」とか「読者の悩みを解決する」ってのがあるけど、じゃあ俺が「EVは寒さに弱い」「災害にも弱い」「EVネイティブは気持ち悪い」って内容の記事書けばいいのか?という話になる(笑)。
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 7, 2022
サーチコンソールそのものは公表しませんが、私のブログに検索でたどり着く人の上位が「電気自動車 寒さに弱い」「電気自動車 災害に弱い」「EVネイティブ 気持ち悪い」だったりします。
これだけでもある程度EVのことを知ってる方だと爆笑するネタでしょうけど(笑)。
この中で「電気自動車 寒さに弱い」に関しては最近も書いてますし、「EVネイティブ 気持ち悪い」に関しては当たり前ですが彼の悪口を書いた記事ではないのであれこれ触れる必要もないでしょう。
ちなみに「EVネイティブ 気持ち悪い」でGoogleがトップに表示するのが私のこの記事になります。
「電気自動車愛好家」の目線だけでは普及しない理由とは?【日本での普及活動で必要なこと】
「電気自動車」の素晴らしさを情報発信する際に気をつけるべきことがあります。それは「自分の話を聞いてくれる人=電気自動車のことを知っている人」であることを忘れてしまうことです。日本で電気自動車を普及させるためには電気自動車に興味がない人に上手く興味を持ってもらうように話をしないと感情的な拒絶につながるリスクがあります。
ここで私が言ったのは「たとえ釣りだとしてもEVのネガティブな見出しを出して煽るのはどうよ?」というだけで、この方のEVに対する情報発信やその知見、最近だと「凍死実験」と称して北海道まで行って車中泊するなどのチャレンジ精神はむしろ応援してます。
先日の北海道陸別町でのオールナイト実況は私も朝まで見てましたし。
なのでこの記事をトップに表示するGoogleの評価基準がよくわかりません(笑)。まぁGoogleの考えてることがわからないというのはブログやYouTube、会社のホームページなどを運営してる人全員が感じていることですが。
と「電気自動車 寒さに弱い」「EVネイティブ 気持ち悪い」については触れましたが、もう一個の「電気自動車 災害に弱い」が残ってます。
そこで今日はこの「電気自動車 災害に弱い」について過去の記事も使いながら少し考察を加えてみようと思います。
目次
「EVは災害時に使えない」は本当なのか?
EVが「寒さに弱い」と言われるのと同じくらいネタにされるのが「災害に弱い」ですが、ちょうど良いツイートがあったので引用してみます。
火山噴火: 同等
地震:同等
土砂災害: 同等
風害: EVが有利
水害: 水没に関してはEVが有利
雪: 一酸化炭素中毒のリスクがないEVが有利
落雷: 同等
竜巻: 同等
低温: 暖房が安心して使えるEVが有利
高温: 余分な発熱の少ないEVが有利
補給: 場合によるが、ガソリンなどより電気の方が安定供給されやすい— Suomi Masuda (@SuomiMasuda) February 6, 2022
あらゆる災害を例に挙げられてますが、この中で「雪」や「水害」については以前も私のブログで取り上げています。
現在のGoogleで「電気自動車 災害に弱い」の検索ワードで出てくるのはこの記事です。
EVは「災害時に使えない」って本当なの?【むしろガソリン車より災害時に活用可能】
「EVは災害時に使えない」「EVは寒さに弱い」などの批判がEVに浴びせられることは多いですが、実は災害の際にガソリン車より使える存在なのがEVです。「EV=巨大な蓄電池」と考えるとむしろ災害で停電となった際に電力供給を行える貴重な存在と考えることができます。今日は「停電」「寒さ」「洪水」の際のEVの活用法を紹介します。
大雪だと「マフラーが埋まって一酸化炭素中毒」という問題、水害の場合も「マフラーまで水に浸かったらエンジンがやられて終了」というのがガソリンエンジンの特徴(ディーゼルエンジンの場合はそもそも寒いとエンジンがかからないというリスクも)ですが、EVだとその心配は無用だということです。
ちなみに災害の中でもいつも話題になる「大雪」については過去に何度も論じてますのでこちらをご参照いただければと思います。
冬恒例の電気自動車(BEV)は「寒さに弱い」「立ち往生したら凍死」は本当?【ノルウェーを見ろ】
電気自動車(BEV)への批判に「EVは寒さに弱い」「EVは大雪で立ち往生したら凍死する」があり、冬になると必ず出てくる話題なのですが、今日はこれが真っ赤な嘘であることについて解説します。世界で最もEVが普及しているのノルウェーやスウェーデンなどは日本よりはるかに高緯度で非常に寒い地域であることを忘れてはいけないです。
電気自動車(BEV)は本当に寒さに弱いのか?【寒さ対策あり】
雪で身動きが取れなくなるような災害が起きると「電気自動車じゃ凍え死ぬ」ような批判を持ち出してくる人がいますが、実は電気自動車でも長い時間暖まりながら耐えることは可能です。世界で最も電気自動車化が進んでいるノルウェーは日本より北にあり、北海道・東北のような気候でも電気自動車化に成功してるという事実を忘れてはいけません。
また「大雪」同様に話題になることが多い「寒波」ですが、これについても昨年アメリカ・テキサス州で起こった大寒波の際に「テスラ車・パワーウォール(蓄電池)・ソーラールール(太陽光)を搭載した家は無傷で日常生活を送っていた」ことについて触れた記事はこちらになります。
寒さに強いのが「電気自動車」と「再生可能エネルギー」?【日本では逆走中】
2021年2月19日現在、テキサス州でこれまで想定しなかった寒波が襲来し、送電線が凍結するなどの理由で州の大部分が停電に見舞われています。そんな中でテスラの太陽光発電とパワーウォール(蓄電池)を装備した家庭では非常時の電源として機能し、寒さに凍えずに済んでいます。このことが示唆することを日本の文脈でも考えてみます。
「大雪で立ち往生したら凍死」については私のこの一言に言いたい言葉全てまとまっています。
そもそも北海道だと冬はガソリンを常に入れておけと言われていたわけで、電欠するまで充電しないって時点で自己管理能力が疑われる。
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 6, 2022
これは北海道の人間には「常識」のレベルの話で、ガソリン車でも真冬に燃料ギリギリで外出するのは「アホ」です。
ですのでEVになっても同様に「常にある程度充電しておく」というのは当たり前だと思うのですが、なぜかEVの時だけ「大雪で立ち往生したら電欠して凍死する」などと意味不明のことを言ってきます。
当たり前ですがガソリン車でもガス欠で立ち往生してしまえば凍死します。それどころかガソリンが残っていても車内にこもっているとマフラーが雪で埋もれて一酸化炭素中毒の危険性がありますが、なぜかこの点を指摘する人が少ないです。
EVでバッテリー切れを起こすような運用をしている人であればガソリン車でもガソリン切れで立ち往生しそうな気がします。
万が一そんなことが起きたらただの自己管理能力の問題だと思うのは私だけでしょうか?
「地震の時にEVは使えない」は本当なのか?
「寒さ」や「大雪」は今日のメインテーマではないので次に行きます。
電気・水道・ガスの9割程度復旧日数は、
阪神大震災:
・電気2日
・水道37日
・ガス61日
東日本大震災:
・電気6日
・水道24日
・ガス34日
想定する首都直下型地震の復旧目標日数:
・電気6日
・水道30日
・ガス55日
非常食は最低3日分は備蓄すべし。
https://t.co/Rt8pXYPsKj #相互希望 #災害— 🐉立龍🐉 (@Standing_dragon) December 16, 2021
インフラの中で最も早く復旧するのが「電気」だということは案外知られてません。
この例では地震が挙げられていますが、阪神大震災でも東日本大震災でもインフラの中で電気が最も早く復旧してます。
おはようございます。
北海道の電気が高速で復旧してますね。東日本大震災の時、電気が最速復旧した地区に住んでたのですが、東北電力だけで復旧にあたって、震災後3日めに復旧して感動しました。
北海道の復旧は、更に速い!!!
— ジャッキー姉 (@16_mumiar) September 7, 2018
これは2018年の北海道での地震の際のものですが、同様に電気が最も早く復旧してます。
「でもEVに充電してない時に地震来たら意味ないだろ!」と思います?
「自宅に太陽光と蓄電池が設置されてる家であれば停電中でも充電できますよ」の一言で終わりですよね。
反対にガソリンスタンドは停電中はもちろん稼働できませんし、そもそも地震でスタンドが損傷していたらそれどころではありません。
また「需給バランス」とでも言えばいいでしょうか、災害などの緊急事態に急激に需要が増えると供給が追いつかなくなります。
「ガソリンが底をついたあの日…」震災10年(日本テレビ系(NNN)) – Yahoo!ニュース
東日本大震災から10年、当時被災地では何が起こっていたのか、今一度検証し、これからの大地震へどう備えるか考えます。被災地周辺では地震の直後から深刻なガソリン不足が起きていました。次の巨大地震ではどう
これは東日本大震災のことについて述べた記事ですが「運びたくても運べなかった」という供給面の問題が指摘されています。
地震を例に考えてもEVの方がガソリン車より利便性が高いことはほぼ間違いないようです。
「台風の時にEVは使えない」も本当なのか?
実は台風の時も全く同じことになっています。
2019年9月8日未明に千葉県を直撃した台風15号。
私の住む木更津市内も場所により停電(我が家も4日間停電)と停電なかった地域と分かれました。広域停電でなくても近くのGS前道路は停電2日目大行列。早い人でも数時間並び半日かけて給油。私は通電しているQCで楽にeNVへ充電し隣地給電災害サポートへ。 pic.twitter.com/DDW6gEsZUw— 花田宗範@heei代表取締役 (@m_heei) June 28, 2021
2019年の台風15号が千葉県を直撃した際に大規模な停電が起きました。
「ガソリン関係ないだろ?」と思います? ガソリンスタンドも電気が来ないと給油機が作動しません。
反対にEVであれば自宅に太陽光がある家や施設であれば停電時にも充電ができますし、少し離れた停電してないエリアに移動して充電してくることも可能です。
そしてそのようにして得られた電気を「V2h」を使えば自宅に、外部給電することも可能です。
近年の千葉や熊本での災害時にEV/PHV/FCV等が活躍したのを受けて、国としても災害時対策に組み込む方向です。通電地域や太陽光から電力を持ってきて、住宅や避難所丸ごとの電力を供給できますので。https://t.co/8AyAzg6itV pic.twitter.com/zW4xmXh9lF
— Keiichiro SAKURAI (@kei_sakurai) September 10, 2021
このように災害時に電力供給できる手段としてEVは既に国や自治体に認識されており、災害が起きた際には自治体と協定を結んだ会社などのEVが停電した地域に電力供給を行うということは既に日常です。
「EVは災害に強い」「EV間の給電も可能」という現実を見る時
災害の話になると必ずどこからか現れて荒らしにくるのが「ガソリンは携行缶があればいつでも給油できるんだ!」「EVが電欠しても充電できないだろ!」とドヤってくる人々です。
フォードのEVピックアップトラック、車車間充電が可能に…住宅への電力供給も | レスポンス(Response.jp)
◆約32kmの航続に必要なバッテリー容量を1時間で充電可能 ◆一般的な広さの住宅に電力を最大3日間供給可能 ◆1回の充電での航続は最大483km
私のブログでも何度か取り上げたことのあるフォードのピックアップトラック「F-150Lightning」が他のEVへの給電機能を備えているというニュースが出ました。
これがあれば仮に電欠して止まってしまったEVがあってもすぐに救出することができます。
反対に「携行缶」を使った給油に関しては逆風が吹いています。
なぜ「携行缶給油」NGのGS増えた? 予備用燃料で重宝するも規制厳格化! 背景には「京アニ事件」か
予備の燃料として携行缶に給油する人がいますが、最近では携行缶への給油を断られることがあります。なぜ携行缶への給油が厳しくなっているのでしょうか。
「京アニ事件」や昨年の大阪・北新地での放火事件などで携行缶に入れたガソリンが犯罪に使われたのも影響し、携行缶への給油を拒否するガソリンスタンドが増えています。
私も東日本大震災の直後にいざという時のために携行缶を買いましたが結局一度も使うことのないまま車のトランクに置きっぱなしです。
「ガソリンはいつでも給油できる」というのも風前の灯、片やEVの方はEV同士の給電も可能になり以前より便利になってきました。
「F-150Lighteningなんでデカすぎるから日本に上陸するわけないだろ!」と怒り出す人もいるでしょうから、日本で発売寸前のEVも紹介しておきます。
It actually works! V2L charging from an Ioniq 5 pic.twitter.com/jXfpC1gcOX
— Tom Stacey ⚡️🚗 (@ARU_Tom) October 8, 2021
元々外部への給電機能を「IONIQ5」が売りにしてることは何度か触れましたが、このようにEV同士での充電も可能なことは既に証明されています。
私がヒュンダイ(ヒョンデ)「IONIQ5」を現時点で非常に高く評価してるのはこのように「ただの車以上のもの」を提供しようとしているところです。
現時点では日本メーカーもテスラもこの「Vehicle to Vehicle(車対車の充電)」には対応してませんが、フォードやヒュンダイ(ヒョンデ)のように既に対応し始めてるメーカーもあります。
万が一の電欠で立ち往生した時も救援車として「IONIQ5」が一台あれば給電して最寄りの充電場所まで走ることが日本でも可能になります。
2022年、あなたのライフスタイルが動き出す。
Hyundaiブランドのインスタレーションイベントを渋谷、六本木で開催中。
数日後には変化があるかも?!
詳しくは #HyudaiMobilityJapan ウェブサイトまで。
👉https://t.co/kUMdgWZX6x #Hyundai #ヒョンデ #LIFEMOVES #Comingsoon pic.twitter.com/UNPFoiuhbV— Hyundai Japan (@Hyundai_japan) February 6, 2022
この「IONIQ5」は現在六本木ヒルズで展示されているようで、まだすりガラスに囲まれていて全貌が見えませんが(それでも車両がIONIQ5なのは一目瞭然)全貌が明らかになったら私も見学に行ってこようと思っています。
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