アメリカの新興EVメーカーをまとめて紹介【Rivian・Lordstown・Lucid】

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こんばんは、@kojisaitojpです。アメリカの新興EVメーカーというと誰でもテスラは思いつきますが、他にも複数のメーカーがあることは知っている人と知らない人に分かれます。

どちらかというと従来の車好きの方々よりもRivian(リビアン)という名前は米国株をやっている人に有名かもしれませんね。

引用したツイートにもあるようにアマゾンやフォードが出資しており、既にロサンゼルスにおけるアマゾンの配送用バンとして配送を行っており、年内に全米16都市でアマゾンの配送を開始する予定です。

また年内にIPOを予定しており、上場すればテスラのような株価の上昇が待っている可能性もあります(投資は自己責任です)。

今日はそんな「Rivian」を始めとする、テスラ以外のアメリカの新興EVメーカーを3社紹介します。

「Canoo(カヌー)」もこれらの新興EVメーカーに並ぶ存在ではありますが、以前取り上げたことがあるので今日は取り上げません。こちらをご参照ください。

アマゾンの配送で注目の「Rivian(リビアン)」

Rivian製のアマゾンのバン
まず冒頭にも取り上げた「Rivian(リビアン)」ですが、2009年に設立、2017年には三菱自動車のイリノイ州Normal工場を買収し、拠点としています。

2019年にアマゾンの配送用のバンを10万台受注し、先ほども言ったようにロサンゼルス市内では既に配送に使われています。

Rivian「R1T」

一般向けの車種としては5人乗りピックアップトラックの「R1T」、7人乗りの電動SUV「R1S」の販売を予定しており、フォードの出資を受けて開発した「スケートボード・プラットフォーム」によって生産され、新型コロナウイルスの影響により発売が遅れていましたが、2021年後半から2022年の発売を予定しています。

Rivianのスケートボードプラットフォーム

搭載バッテリー容量が「105/135/180kWh」と超大型で、航続距離が400マイル以上(644キロ)、0-100加速が約3秒と戦車のようなパフォーマンスを誇ります。

価格は69000ドル(約750万)からとハマーEVより安価でピックアップトラック市場激戦区のアメリカ市場でも大ヒットすることが期待されています。

Rivianピックアップ

ピックアップトラックにふさわしい超大型のバッテリー容量とそれによる航続距離の長さが特徴で、4輪全てにモーターが搭載されていることから戦車のような旋回ができるのも特徴です。

Rivian「R1T」

以前「ハマーEV」を取り上げた際には「カニ歩き」ができるというのを紹介しましたが、ピックアップトラックを制するものがアメリカ市場を制するといわれているのもあり、各社高性能かつ個性的なモデルを投入する予定です。

「Lordstown(ローズタウン)」もピックアップトラックで勝負

ローズタウンのピックアップ2
「Lordstown(ローズタウン)」はその名の通り2019年にGMのオハイオ州Lordstown工場を買収し、GMが残した設備をそのまま活用して電動ピックアップトラック車に特化した生産体制を表明しています。

2021年後半から「Endurance」というピックアップトラックの発売を予定していて、既に10万台の予約が入っています。

「Endurance」のスペックは「109kWh、航続距離がEPAで約400キロ、急速充電は40分で10-80%に到達」と情報が出ていますが、まだ細かいスペックは公表されていません。

ローズタウンのピックアップ

しかし10万件の予約の大半は大工や庭師などの事業者からであり、商用車として考えれば航続距離が短いことは全く問題にならず、決まった範囲を走行するだけで十分、仕事後に事業所で普通充電に繋いで帰れば翌朝には満充電で出発が可能です。

商用車に特化したパフォーマンスに仕上がっているのが「Endurance」の特徴です。

むしろ価格が500万以下(税控除込み)で買えるというピックアップトラックの中でも抜群のコスパが事業者に歓迎されることでしょう。

特徴は「インホイールモーター付きの四輪駆動」であり、モーターがホイールに組み込まれることでトランスミッションも不要、ただでさえガソリン車と比べて部品点数が少ない電気自動車が更に少ない部品点数で製造できることがコストダウンにつながっているようです。

サイバートラックやハマーEVが主に個人からのオーダーなのに対し、Lordstownは商用車がメインなので客層もかぶる心配はなく、アメリカの電動化率の向上に貢献する可能性が高いです。

まだ一台も販売していないことから「大丈夫なの?」という向きもありますが、むしろバイデン政権が表明した「連邦政府の車両を全て電動化する」という政策の恩恵を最大限に享受することが予想され、一気に販売台数を伸ばすことが期待されています。

「Lucid(ルシッド)」は高級セダンで勝負

Lucidの「Air」
上記の2社とは違い「Lucid(ルシッド)」はハイエンドの高級セダンで勝負することを表明しており、これまで私のブログで取り扱った中でも「テスラ・モデルS」や「ポルシェ・タイカン」、「NIO ET7」などの対向車となることが予想されます。

現在開発中の「Air」は2021年発売予定の高級セダンで、バッテリー容量が113kWh、航続距離が832キロ、急速充電も300kWに対応とお化けスペック(20分でほぼ満充電)ではありますが、車両価格が上級グレードで約1700万円とこれもトップクラスです。

Lucidの「Air」

「ファーストクラス」と自称する室内空間は、電気自動車というよりもメルセデスの「Sクラス」などがターゲットとしている富裕層を奪おうという意図を感じる豪華な内装です。

Lucidの「Air」

メルセデスが先日紹介した「EQA」や「EQC」などで電気自動車の開発に苦戦していると、現在開発中の「EQS(Sクラス相当のEV)」ではLucidのような新興メーカーにシェアをかなり食われる可能性もあります。

これは個人的な予想ですが、論外の日本メーカー以外との比較ではメルセデスは電気自動車の開発が上手く行っていない印象ですので、今後に暗雲が立ち込める可能性が高いと思っています。

新興メーカーがチャレンジしやすいアメリカと足を引っ張られる日本

Rivian「R1S」
このように新興のメーカーが市場などで資金調達をして、新しい事業を始めるという面ではアメリカの方が圧倒的に容易で、日本だとなかなか新興の企業が育ちにくいという傾向は今も昔も同じです。

今日は新興の3社を紹介しましたが、他にも先日紹介した「Canoo(カヌー)」や「Nikola」など多くの新興EVメーカーが電気自動車という新しい市場を巡って旧来の自動車メーカーに競争を挑んでいるのが今のアメリカです。

片や日本はといえば旧来の自動車メーカーは日産を除き電気自動車には後ろ向き、新興のEVメーカーも育っていないのが現実です。

私も電気自動車を使ったビジネスを計画しており、そのためにはそれなりの資金が必要なので銀行やエンジェル投資家、コンサルタントなどと会って自分のビジネスを売り込もうとしていますが、そもそも電気自動車という存在自体に対する反応が非常に悪いです。

代表的な批判が、

  • 「日本では電気自動車は普及しない(根拠不明確なあんたの主観だろ?)」
  • 「儲かるビジネスならもう既に他の会社がやってるはず(お前はどう思うんだよ?)
  • 「車業界で働いたこともないくせに(経験って必要なの?)」

結構こちらが腰を抜かしそうになるようなことを言われたりもしました。何か根拠があって言うならわかるのですが、何となくの主観で「電気自動車なんか売れるわけがない」と感情論をぶつけられても困るというのが正直な感想です。

他にも「電気自動車を扱わない普通の車ビジネスなら協力する」とか「富裕層対象のビンテージカーをやるなら協力する」と言うのはありましたが、電気自動車自体は全否定です。

やるのなら自力でやれということなのでしょうが、もし私が自力で始めて上手くいかなかった際には「ほら、だから言ったのに」とドヤ顔で攻撃してくるのまで想像できてしまいます。

まぁ私の場合は自分が電気自動車を開発するというわけではないので「特許は?」などと言う人々とは最初から見てるものは違うでしょうが、基本的に新しいことをやろうとすると全力で足を引っ張られます。

まぁこういう方々(大抵は私より上の年代です)はガソリン車と一緒に沈んで行ってくれとしか言いようがありませんが、新しいものに対して難癖のようにダメ出しをしてくる雰囲気の国に未来はあるのかなと思ってしまいました。

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