パリサンジェルマンの試合で感じた「コロナ後のスポーツ観戦のあり方」とは?【オミクロン株でも不変?】

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こんばんは、@kojisaitojpです。昨日のトヨタ社長を批判する記事が沸騰し、あっぷ初日では過去最高のPV数を記録したのですが今日はまた旅行関係の記事に戻ります。EVがメインのブログではありますが、EVそのものよりも「EVを通じて実現するライフスタイル」について論じるのが目的ですので。

今日はこの話です。

11/20で、まだオミクロン株という単語が出てくる前の話ですが、パリサンジェルマンの本拠地パルクデプランスで久々のサッカー観戦をしてきました。

先に言いたいことを言ってしまいますが、フランスのスタジアムはこんな感じです。

Auteuilの通常営業

通常通り観客を入れて試合をしています。片や日本のJリーグやプロ野球は半分の観客までしか今季は認めませんでした。

まぁこれを言うと「だからヨーロッパは感染者多いんだろ!」と怒る人はいると思うのですが、経済活動がほぼ通常に戻っているという事実を忘れてはいけません。

今日は私が10年ぶりに観たパリサンジェルマンの試合について語りながら、「結局コロナ対策ってどうあるべきなの?」について考えてみます。

パルクデプランス到着から客席まで

試合前のパルクデプランス
さて約10年ぶりにパルクデプランスに到着したのですが、フランスではまず入口で入場券と「衛生パス」のチェックがあります。

フランス衛生パス(国内用)

このバーコードを読み込ませることで来場した記録が残り、万が一感染者が発生した時はこのアプリに通知が来るようです。

私の場合は結局滞在中も帰国してからもグリーンのままでしたのでこの日私の席の付近で感染者は発生しないかったようです。

フランス衛生パスの濃厚接触チェック

この「フランス衛生パス」については取得方法も含めて以前の記事で触れてますのでご参照いただければと思います。

ちなみに入場チケットはもちろんオンラインです。衛生パス同様にプリントアウトして持参してもOKではありますが。

パリ・サンジェルマンのチケット

席はメインスタンドですが、フランスリーグアンは既にコロナ前同様に観客をMaxに入れてます。

Auteuilのサポーター

そしてこの日は「Virage Auteuil」というゴール裏のサポーター集団が結成30周年だったらしく、キックオフからエンジン全開で騒いでいました。

お祭り気分のAuteuilサポーター

まぁJリーグと違いヨーロッパでは発煙筒が焚かれるのは案外普通(一応持ち込み禁止のはずですが…笑)ですので、個人的には「ヨーロッパに来たなぁ」と実感した瞬間でした。

ヨーロッパでは既にコロナを忘れて(もちろん衛生パスを持ってないと入場できないので制限付きですが)、日常が戻っていることを実感できる瞬間です。

発煙筒を焚いた後のパルクデプランス

基本的にキックオフ直後はこのように煙で試合がよく見えないのはヨーロッパではご愛嬌です(笑)。声援が禁止されている日本とは違ってもちろんサポーターもエンジン全開で声を出しています。

試合はキックオフ直後の煙でよく見えない時間にキリアン・ムバッペのゴールで幸先よくパリが先制したものの、追加点が奪えない間に徐々に旗色が悪くなります。

パルクデプランスとルワンダ

選手よりも「ルワンダ観光局」の広告が目に入ったので撮影したものでゴールキーパーのナバスを撮ったつもりではなかったのですが、この後ナバスが一発レッドで退場し、追いつかれます。

試合の流れを再びパリに持ってきたのはメッシの移籍初ゴールで、私の脳内では「メッシ初ゴールの動画撮ったぞ」というつもりだったのですが、後でスマホを見返すと私が撮影したのは得点の直前のプレー、外したフリーキックだけでした(笑)。

結果的にはパリ・サンジェルマンが3-1で勝利し、私の10年ぶりのパルクデプランスは快勝で気分良くホテルに戻ることになるのですが。

Auteuilのサポーターに感謝するPSGの選手

フランスでは1、2を争う凶暴なサポーターとして知られるパリ・サンジェルマンですから(?)、試合後は選手も30周年を祝福しに来ました。メッシ、ムバッペ、ネイマールなどサッカーが詳しくない人でも知っている選手を間近で見ることができました。

Auteuilの通常営業

ですが見ていただければわかるように屋外のスタジアムなのもあり、基本的にノーマスク・満員の観客とほぼ通常営業です。

同じ時期に開催されていた日本のプロ野球日本シリーズ(個人的にはフランスで観れないのがもどかしい)やサッカーJリーグは「観客半分・声出し応援は禁止」でした。

「衛生パス」でワクチン接種者以外は入場させてないし、屋外なので(ここフランス人はこだわってます)まぁ安全だろうというのが現在のフランスです。

さすがにオミクロン株の発生後は多少の入場規制は取り入れたようですが、基本的にはコロナ前の日常に近い水準に戻った生活を変える(要はロックダウンなどの強硬措置)つもりはないのがフランス政府の方針のようです。

フランス人は「屋外=ノーマスク」「屋内=マスク」で使い分け

衛生パスチェック

とはいえ別にフランスのコロナ対策がゆるゆるというわけではありません。先ほども言ったように建物に入る時やサッカーなどのイベントに入場する時は入り口で「衛生パス」のQRコードを必ず提示しなくてはいけません。

また室内でのマスク着用は必須なので、建物に入る時にマスクをして、出る時にマスクを外す(要は屋外は感染のリスクなしという判断)のが現在のフランス人のライフスタイルです。

屋外ではマスクなしのフランス

これはクリスマスのイルミネーションが始まったシャンゼリゼ通りですが、屋外なのでマスクをしている人はごく少数です。

「室内はマスク」と「入り口で衛生パスのチェック」が主なフランスのコロナ対策です。

とはいえ先ほども言ったように、観光客でも薬局で簡単に作れるフランス衛生パスはEU内であればどこの国でも使えます。

現時点で日本政府が発行するワクチン証明書はQRコードがないので入国の際はOKでも入国後はどこへ行っても証明にならないので困りものです。

衛生パスの活用以外では極力人と人の接触を避けるシステムも導入されています。

ドゥマゴのオンラインメニュー
ドゥマゴのオンラインメニュー

パリの「ドゥマゴ」というフランスを代表するような老舗のカフェでメニューがQRコードを読み込んでオンラインになったのは私も驚きました。

Navigoeasy

他には2019年からの導入だったらしく直接コロナが影響したわけではありませんが、パリの地下鉄にもICカード「NavigoEasy」が取り入れられていたのも私には驚きでした。

Navigo専用の自販機

一旦購入すれば「Navigo」専用の自販機でチャージが可能で、紙のチケットを買うより安いのですが、「切符を売る駅員の雇用ガー」と労働者の権利という面では日本よりはるかにうるさいフランスでこのように自動化・機械化が進んだのは私には衝撃でした。

ちなみにパリ地下鉄では2022年からは紙のチケットの販売はストップするようで(これまで買ったものはまだしばらく使用可能)本格的にペーパーレスに進むようです。

何かピントのずれた日本のコロナ対策

鎖国のイラスト
ようやく日本でもQRコード付きの証明書アプリを作る動きが出ていますが、これどうやらマイナンバーカードが必要なようです。

フランスのように薬局で誰でも簡単に作成できるのではなく、マイナンバーカードという障壁を設けてわざわざ使いにくくする(当然外国人観光客は使えませんし)謎仕様にするのが悪い意味で日本らしいです。

そして私が最も疑問を感じたのが帰国時の検疫です。

帰国時の書類
帰国時の書類

この大量の紙の書類を成田空港到着後に何箇所ものチェックポイントで人間がチェックします。

「確認」というと聞こえはいいですが、「こんなに何回も同じこと確認してどうするの?」と思うくらい人海戦術で対応しているのが日本の現実です。

撮影はしてませんが、対応する係員が誰も防護服を着ていないのに驚きました。比較的規制が緩いフランスでも例えばPCR検査の病院などは全員防護服で対応していたのですが。。。

空港係員の感染リスク、PCR検査後も全員が同じ場所で待機することによる感染のリスクなどは考えていないようです。

しかも一部では指摘されていますが、現在の日本では帰国時の検査は精度の高いPCR検査ではなく精度の低い抗原定量検査です。

世界ではコロナの検査はPCRというのがほぼ常識になっていますが、日本の帰国時の検査は今も抗原定量検査です。オミクロン株の発生後も変わってません。

先ほどの防護服すら用意しない人海戦術もそうですが、何となく「やってる感」を感じてしまい、一見厳しそうなのに実はテキトーという日本のクオリティがわかる瞬間です。

私が帰国した時間帯は夜なので私が乗っていたカタール航空とエミレーツ航空しか到着していないので比較的スムーズに進んだようですが、それでも着陸から空港を出るまで二時間かかっています。

また日本入国の際には出国前72時間以内に検査したPCRの陰性証明が必要なのですが、これも「紙」です。

何せ現地の医師のサインまたはハンコが必須になってますので。

フランスのPCR検査

「紙」で用意することが義務付けられるとPCR検査を受けた後にメールで出た結果通知を持って翌日再度病院へ行って陰性証明を書いてもらうという無駄なプロセスが発生します。

最後に宿泊した「モクシー・パリバスティーユ」の記事は先日書きましたが、実は私の場合もこの証明書を書いてもらうという手間がかかるためパリで余計な一泊を追加する羽目になったという事情があります。

例えばワクチン証明書の提示によって入国時の隔離が免除になるルールのイギリスでは「Passenger locator」というサイトで入国する日や飛行機の便名、パスポート番号などの個人情報を入力した上でワクチン証明書はオンラインで送ります。

イギリスの入国フォーム

これは入国フォームに入力し、ワクチン証明書を送った後に来るPDFファイルですが「Full Exempt」とあるように隔離免除で入国できるよという証明です。

イギリスの入国

前の記事でも触れましたが日本人は自動ゲートで入国できるのでイギリス入国にあたって人と接触することは全くありません。

国全体の感染者数で見ればイギリスの方がはるかに多く、またフランス人と違って誰もマスクをしないのがイギリス人の特徴だったのでその辺は終わってるなと思うところでしたが、少なくとも出入国管理に関しては感染が生じないようにオンラインでしっかりやっている印象でした。

「コスト>メリット」でもゼロリスクを求める日本が妥当なのか?

悩む女性のイメージ
このようにヨーロッパではコロナ対策をやりながらも経済が破滅しないように妥協点を探りながらやりくりしてるのが現状です。特にペーパーレスや自動化・機械化はなるべく進めて不要な人の接触を避けようという努力は見られます。

これに対して「コスト」と「メリット」を冷静に考えられないのが日本人のよろしくないところのようです。

私が帰国した時はこのような強制隔離がない(イギリスは3日間の隔離対象ですがワクチン証明書があれば免除)時だったので特に問題になることはなかったのですが、現在は成田空港・羽田空港周辺では隔離のホテルが足りないようで、「名古屋に飛ばされた」「福岡に飛ばされた」「沖縄に飛ばされた」など目を疑うような事態になっているようです。

オミクロン株を上陸させたくないという意欲はわかりますが、この膨大なコストに見合うメリットはあるのでしょうか?

そんな膨大なコストをかけるのであれば先ほども例に出したように空港での検疫をPCR検査に切り替えるだけでも流入はかなりの程度抑えることができます。

「検疫の強化」を掲げつつも検査そのものはテキトー、でも入国者は日本のどこへ連行してでも隔離するとやってることが支離滅裂です。

おそらく入国時の検査をPCR検査に切り替えるだけで、このようにコストのかかる隔離は不要になって、陰性者は私が帰国した当時と同様に自宅待機で問題なくやっていけるはずです。

肝心ところをおろそかにしたまま「コロナ対策を一生懸命やってます!」を演出されてもいわゆる「やってる感」を感じるだけです。

私の中ではこれも「何がしたいの?」と思う場面です。

iPhoneを使っている人であればわかると思うのですが、PayPayでもIDでもQUICPayでもいいですがスマホでキャッシュレスで払おうとすると認証が必要なのでFace IDを解除する必要があります。

ところが解除しようとマスクを下げるとすかさず「マスクあげてください」と間髪入れずに言ってくるお店が結構あります。

「Face ID解除しないと払えないんだけど」と言い返すわけですが、この私の発言が理解できないという顔をする店員、「とにかくマスクあげてください」とそれでも言い続ける店員に結構遭遇します。

まさか「現金払い」が当たり前だからスマホで決済する人間の状況がわからないとでもいうのでしょうか?

日本は世界でもiPhoneの普及率が高い国(確か6割前後)ですが、キャッシュレスで決済する人がほとんどいないのであれば「本気でコロナ対策する気あるの?」と思うところです。

Face IDを使うより現金のやり取りの方が歓迎されるのであれば、それは厳しくやってるようで感染のリスクを上げるだけです。

これも「やってる感」を出してるだけに思えます。

「外国人も日本人も入国拒否だ」などとヤフコメなどではヒステリックに叫ぶコメントも多く見られますが、「それよりもっと重要なことがあるのでは?」と思うところです。

コロナがきっかけで世界の流れから取り残されていく日本を感じる場面が多すぎます。

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