「ホンダe」がなぜ使えないかを運転して考えてみた話【コンパクトEVのおすすめは?】

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こんばんは、@kojisaitojpです。ブログやYouTubeに使うネタというのは日常の取るに足らない会話から生まれてくることも多いです。

確かにネット上などでEVの悪口が言われているのをみると「それって初代初期型(AZE0)リーフだけの話では?」「それってホンダeだけの話では?」と思う話が多いです。

例えば航続距離の問題一つを取り上げてもテスラの「モデル3」やヒョンデ「IONIQ5」などでは400-500キロは走れるわけでさほど問題になりませんので。

つい最近もこのような記事を見つけました。

「要はバッテリーの性能が低下する冬場になるとEV使えないんだ」と主張したい記事のようですが、見ての通り使われてるEVは「ホンダe」です。

私も以前「ホンダe」を借りたことがあり、その時の記事もありますがそれは1年近く前の話で、現在のように多様なEVに乗る前の話です。

そこで今回はふと思い立ったのでカーシェアで「ホンダe」を借りてみて「なぜホンダeがこんなに叩かれるんだろう?」という点について実際に乗りながら考えてみました。

航続距離はそれほど問題に感じない? 「ホンダe」の欠陥って何?

充電中のホンダe

さて今回一年振りにホンダeを借りてみたわけですが、前回感じたのと同様にこのコンパクトなサイズは非常に魅力的です。

ここのところ恒例になってる動画も私の毒舌トーク付きでアップしてます。

ホンダeについて語るよりもEV全体について語ってる動画のような気もしますが、気が向いたら見ていただければと思います。

話を戻します。ホンダeの最大の特徴はこのサイズです。

ホンダeの外観

「3895mm×1750mm×1510mm」のEVというのは日本では三菱・アイミーブなど一部の車種を除くと、現在新車で買えるEVの中では最小サイズです。

ホンダeの後部座席
ホンダeの後部座席

ですが後部座席に座ってみると案外スペースがあり、EVの特徴でもある床がフラットなのが生かされた車内はホンダeでも健在です。

ホンダeの後部座席

もちろんヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」などと比較すると狭いですがサイズが違います。

コンパクトカーのサイズでこの車内空間を実現できてる点は好感が持てます。

ですが車体がコンパクトなのが災いするのか搭載バッテリー容量が35.5kWhと小さく、航続距離がEPA換算推定で約196kmと短いのが必ず批判されます。

ホンダeの電費性能

「こんな距離しか走れないんじゃ使えない」と必ず言う人がいますが、私はこの点は問題視してません。

    そもそもの素朴な疑問で「毎日200キロ」走る人っています?

    仮に1日の走行距離が100キロだとすると1ヶ月で3000キロ、年間で36000キロになりますがほとんどいませんよね?

    ちなみに私はシトロエン「C3プルリエル」に乗ってた頃に年間4万キロまで走ったことがありますが、仕事で毎週長野や茨城まで行く、そして週末はそのまま仙台まで遊びに行くのが毎月1-2回ある生活でやっと4万キロでしたよ。

航続距離が短いとはいえ「ホンダe」も200キロ近く走れるので日常生活で用いるには十分な距離ですし、自宅で充電できる環境であれば毎日満充電で出発できますのでほとんど問題がないと思います。

あ、「年に一回の帰省で長距離を走る」とかの例外アピールはしなくて結構ですので(笑)。あくまで日常生活の大半は問題ないでしょ?と言ってるだけです。

MX-30の外観

だって私の場合マツダ「MX-30」を「これは良いEVだ」と自信を持って言ってしまう人間ですから(笑)。

ホンダeの悪口をYouTubeなどで言っている方々はほとんどが「航続距離」や「充電性能」などのハード面を問題にしてますが、私はそこがダメだからホンダeが推奨できないとは思ってません。

ホンダeの長いディスプレイ
私が約1年ぶりにホンダeに乗ってみて「このEVを買うことは絶対にない」と思ったのはそういうハード面の問題ではありません。

このEVはソフトウェアが致命的に終わっていることが失望した理由です。

「コンパクトEV」という長所をスポイルする「ホンダe」のソフトウェア

ホンダeのOS

この画像を見ただけで「あ、ホンダeはダメだな」と即決できるのは車マニアよりはガジェオタの方が多いかもしれませんが、OSが「Android8.1」になってます。

私はこの表示を見た瞬間に「あぁだからこんなに使いにくいんだ」と先ほど述べたディスプレイの使いにくさの理由を全て理解できました。

よくアンチEVの方々が「車は売ったら終わりじゃなくてその後のアフターサービスが重要なんだ」と説教臭くオンライン販売のテスラやヒョンデ(ヒュンダイ)を攻撃してきます。

しかし「OSのアップデートがない」というのも同じように「車体だけじゃなくソフトウェアも売ったら売りっぱなしじゃなくアップデートが必要なんだぞ」と今度はガジェオタからの反撃を食らってしまいますよ(笑)。

想像してください、今でもiPhone7とかiPhoneSE(初代)をOSもアップデートしないで使ってる姿を。

スマホやPCで言われれば誰でもわかることかと思いますが、OSをアップデートしないというのは快適に使える・使えないというレベルだけではくセキュリティという面からも絶対にあってはならないことです。

私も予備の端末で初代のiPhoneSEを持っていて余った格安Simなどを挿して遊ぶことはありますが、iosは15までアップデートしてるのでメイン端末のiPhone11Pro(これも既に古いですが…)同様に使うことが可能です。

ですがこれが数年前の古いOSのままだったらとても使えたものではありません。

などと言うと「スマホと車を一緒にするな!」と怒る人が必ずわいてくるのですが、車だったらOSをアップデートしなくて良いのですか?

結局「アフターサービスガー」とテスラやヒョンデのようにディーラーを用意しないメーカーを攻撃する方々が言う「アフターサービス」というのは車のハードウェアしか見てないんだなと思ってしまいます。

当然ですが、テスラは年から年中オンラインでアップデートが来て最新のOSに更新されますし、ヒョンデ(ヒュンダイ)も日本での展開は未定(原宿で幹部級の方に確認してます)ですが海外ではオンラインでのアップデートが当たり前に行われています。

先ほど初代iPhoneSEの例を挙げましたが、私はOSがアップデートできるのでまだ保有してますが、既にAppleがOSのアップデートに対応しなくなったiPhone5以前のスマホを使いたいですか?という素朴な疑問が生じます。

それが数年後に中古で流通するホンダeの姿です。

いつも「車とスマホを一緒にするな!」とドヤってる方々が今度はガジェオタから反撃を食らう場面です。

「ホンダe」の走行面だと「ヘッドアップディスプレイなし」が残念

ホンダeのインパネ

走行面は「まぁ普通」というのが感想です。日産「リーフ」辺りに慣れていればほとんど違和感なく使えると思います。

ですがヒョンデ「IONIQ5」に乗った直後なのもあり「運転支援機能」には若干不満を感じました。

実はハンドルのスイッチで「アダプティブクルーズコントロール」と「レーンキープアシスト」というのは「ホンダe」も「MX-30」も「IONIQ5」も共通なのですが、

  • IONIQ5は「Lounge」グレードの場合ヘッドアップディスプレイに全て表示されるのでよそ見のリスクがない
  • 片やヘッドアップディスプレイがない(あっても表示されない)「ホンダe」や「MX-30」「IONIQ5(Voyage)」はよそ見のリスクが

一番の違いはヘッドアップディスプレイの有無です。この中では唯一「IONIQ5」の「Lounge」だけがヘッドアップディスプレイに「アダプティブクルーズコントロール」と「レーンキープアシスト」のONOFF、クルーズコントロールの速度を何キロで設定してるのかが全て表示されるのでわき見運転のリスクもないですし、今自分の車両がどんな状態なのかを冷静に把握できます。

先日の「IONIQ5」についての記事やYouTubeにアップした動画などで「買うならIONIQ5のLoungeグレード一択、RWDにするかAWDにするかは本人の好みの問題」と私が主張する根拠はここにあります。

先ほどのOSの問題は数年後に言われることかもしれませんが「ヘッドアップディスプレイもないの?」というのは既にヒョンデ「IONIQ5」などと比較してもホンダeが負けています。

「フィアット500e」>日産・三菱の軽EV>「ホンダe」の序列になるのか?

走行中のフィアット「500e」

元々ホンダ自体がヨーロッパであまり強くないのもありますが、ホンダeがヨーロッパでも売れない理由の一つは、「日本と違ってコンパクトカーEVが充実してる」という点にあると思います。

DaciaSpringElectric
プジョーe-208

発売以来フランスやイタリアなどコンパクトカーが好まれる市場で上位に食い込むルノー傘下のダチア(ルーマニア)の「Spring Electric」、日本市場にも間も無く上陸する「フィアット500e」や既に日本でも発売しているプジョー「e-208」、少し趣味性は強いですがフランス車らしいデザイン性にあふれた「DS3 クロスバック e-tense」などが激しく争っています。

「DS3 Crossback E-Tense」
パリで路駐してるルノーZOE

他にもフォルクスワーゲン「e-Up!」やルノー「トゥインゴEV」などのエンジン車からのコンバージョンEV、日産「リーフ」と並ぶEVの世界での古豪とも言うべきルノー「ZOE」などもいて大激戦です。

この中にスペック面でそれほど光るものがあるわけでもない「ホンダe」が割り込んで戦うことは不可能に近いかもしれません。

三菱の軽自動車EV

コンパクトEVがほとんど存在しない日本市場にも間も無く「フィアット500e」が上陸しますし、日産と三菱から発売される軽自動車規格のEVも年内には発売されます。

MX-30の外観

マツダ「MX-30」がノルウェーやスウェーデンなどヨーロッパの一部の国でランキングの下位に顔を出すのに対し、「ホンダe」はそれすらないというのが納得できてしまいます。。。

元々マツダはヨーロッパでの売上比率が高い(日本メーカーでぶっちぎりの20%以上)ゆえに知名度もある、またヨーロッパ車を意識したデザインは私のようにシトロエンやジャガーに乗ってきた人間でも「かっこいい」と思う位ですから。

先日の「ホンダとソニー共同のEV事業」について私はかなり期待しているような記事を書きましたが、日本人が買ってくれそうな日本市場以外でホンダとソニーが食い込んでいくのは相当頑張らないと厳しいのではと思います。

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