EUのガソリン車禁止で日本は詰んでしまうのか?【ハイブリッドもPHEVも禁止】

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こんばんは、@kojisaitojpです。先日の記事で少し言及しましたが、予想通りかなり厳しい規制をEUが用意しているようです。

先日の記事でも「かなり厳しい規制がEUから出そう」という点には触れましたが、予想通りです。

Twitterで「通れば」と言っている通り、まだ欧州議会で法案として可決されたわけでありませんが、基本的にEVとFCEV以外の内燃機関車(ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車、PHEV)の販売は禁止する方向で進めるようです。

詳細は後で触れますが「2035年からゼロエミッション車以外の販売の禁止」という厳しい規制を準備しているヨーロッパ(EU)の動きについて今日は解説したいと思います。

「環境規制」「脱炭素」の一つの策に過ぎないのがEUの「ガソリン車販売禁止」

ガソリン車販売禁止を提案する欧州委員会
今回EUの行政面を担う「欧州委員会」が提案してきた地球温暖化対策は別に自動車に限ったことではなく、全産業が化石燃料から脱却することを求めています。

もちろん法律として施行するためには欧州議会で法案が可決される必要がありますのでこのまま決まるかは分かりませんが、以下のような内容です。

  • 2030年までに温室効果ガスの実質排出量を1990年の水準に比べ55%削減(最終的には2050年にゼロが目標)
  • 環境規制の緩い国からの鉄鋼やセメント、アルミなどの輸入に事実上の関税を課す「炭素国境調整措置(国境炭素税)」の導入
  • 自動車については2035年からゼロエミッション車以外の新車販売を禁止(ハイブリッド・PHEVも不可)

以前も指摘したようにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止するというのはEUの大半の国で導入が進められていましたが、「ハイブリッド車」「PHEV(プラグインハイブリッド車)」の扱いが曖昧なままでした。

EU内でも例えばオランダは2030年からハイブリッド車もPHEVも全部禁止、フランスはパリ市内への乗り入れ禁止が決まってるものの国レベルでは未定、ドイツも「2035年までには禁止」と言いつつも法律として決まっていたわけではありませんでした。

ハイブリッド車販売禁止

ここに共通のルールを定めようというのが今回の欧州委員会の動きで、販売してもOKとなる自動車が「ゼロエミッション」のみとなると一切排気ガスを出せなくなるのでエンジンを搭載しているハイブリッド車もPHEV車も新車販売が禁止になります。

売れるのはBEV(完全電気自動車)とFCEV(水素燃料電池車)のみになります。

フォルクスワーゲンID.4

「国境炭素税」の導入も検討されているので当たり前ですが、「規制がゆるい発展途上国でガソリン車(ハイブリッド車)を生産して輸出」のような抜け道はありません。

この「ゼロエミッション(二酸化炭素排出量がゼロ)」という最も厳しい規制は、EU以外だとノルウェー(2025年から)、イギリス(2030年から、ハイブリッド車は2035年から)も採用しています。

他の大陸に目を向けると以前解説したようにカナダやアメリカの14の州でも「ゼロエミッション車」のみに切り替える(要はガソリン車だけでなくハイブリッド車、PHEVも禁止)へと向かっています。

アメリカこそまだ連邦政府レベルでの規制が導入されてるわけではありませんが、「連邦政府の公用車を全車EV化」「全米に50万箇所の充電ステーションを設置して雇用を創出」などのEV化政策を公約に大統領に当選したのがバイデン大統領ですので連邦政府レベルでも似たような規制が導入されるのは時間の問題です。

アメリカ・ヨーロッパがEV化の方向に向かっているということはこれが世界の流れと言っても差し支えないと思います。

中国に関してはルールがややこしく、今日の本題ではないので以前に書いた記事をご参照いただければと思います。

ドイツでもEV化への抵抗勢力はいるけど

EVを拒絶する日本人
よく陰謀論めいた言い方で「ヨーロッパは日本メーカー(特にトヨタ)を潰すためにやってるんだ」的な言い方をして、あたかもヨーロッパ(EU)が一枚岩となって日本メーカーを潰す規制をしようとしているかのように言いますが大間違いです。

記事の最後の方に「ドイツ自動車工業会のミュラー会長もこれまで「技術革新に敵対する行為で、多くのサプライヤー(部品の供給企業)にとってほとんど実現不可能だ」と批判」とあります。

トヨタ社長

誰だか忘れましたが(笑)、日本の自動車工業会会長とやらも「性急なEV化が自動車業界の雇用を奪う」などと抵抗してましたが、どこの国でも同じのようです。

まぁ既得権益となっているガソリンエンジンの部品を製造している部品メーカーからすれば仕事がなくなるピンチですから抵抗勢力が現れるのは必然です。

結果的に続投になりましたが、猛スピードでEV化戦略を進めるフォルクスワーゲンのディースCEOも労働組合との対立から解任説も流れていました。

「ドイツが一枚岩となって日本メーカーを潰しに来ている」なんて真っ赤な嘘で、実際はフォルクスワーゲンでもメルセデスでもBMWでも社内に一定数存在する抵抗勢力と戦いながらEV化戦略を推し進めています。

「自動車業界550万人の雇用が失われる」とEV化を嫌がっている国もありますが、EV化の本丸のような扱いをされているドイツでも抵抗勢力がいて

EVでも技術革新に対応できない「加齢臭ジャパン」で終わるのか?

日本オワコン
EV化という単語を聞いただけで「雇用が失われる」などネガティブな反応しか返ってこない日本でもこのように「事業転換」に成功した例があります。

あの原発の圧力容器の生産で世界のトップ(シェア5割)だった日本製鋼が原発関連の技術を捨てて事業転換できた例が紹介されています。

事業の主力を原発の圧力容器からEVで使われるリチウムイオン電池のセパレーターに切り替えたことが大成功のきっかけだったようです。

リチウムイオン電池は、正極、負極、セパレーター(絶縁材)、電解液の4つからできていますが、その中でセパレーターは正極と負極の接触を防ぎつつイオンを通す役割を担う樹脂製のフィルムです。この世界シェアの7割を握る事業に成長したそうです。

現在ではこれに加えて世界中で半導体不足が叫ばれている中で「パワー半導体」の材料となる窒化ガリウム(GaN)単結晶基板の生産にも取り掛かっており、実用化目前とのことです。

全く違う事業をやっているようにも見えますが、不純物の混入を抑えて、欠陥や歪みのない高品質なGaN結晶の生産は、過去に絶対に失敗が許されない原発の圧力容器での経験が生きているとのことです。

このように一旦は「時代遅れ」となってしまった技術、不要とされてしまった技術でもそのノウハウを活かして現在必要とされる分野で活躍することは可能なのです。

日本オワコンのイメージ

同じことは自動車の部品メーカーにも言えることで、これまで培ってきた技術やノウハウを他のことに転用することは可能なはずです。

にもかかわらず「雇用が失われる」の一辺倒で現状維持しか考えてないようでは話になりません。

部品メーカーだけではなく、自動車業界全体が「現状維持マインド」に囚われていて、新しいものに目を向けない傾向があるように思われます。

これは本屋などに行って並んでいる雑誌を見ていると感じることなのですが、自動車関係の雑誌はなぜか「古臭い」感じがします。

どの雑誌がという具体的な話ではなく自動車雑誌全般に感じることです。

雑誌のデザインもそうですから触る気も失せるのですが、実際に中を開いてもとても読む気になれないようなEVの悪口を書いた記事や「ガソリン車が未来永劫続く」ことを前提としたような記事ばかりで呆れてしまいます。

また海外では徐々に時代遅れとなりつつある「女性のグラビア」などを掲載している雑誌もあり、「これ、読者層を男性しか想定してないよな」と思うことも多いです。

以前中国でのEV普及に関する記事を書いた際に言及しましたが、中国で「宏光MiniEV」など格安のEVの購買ターゲットは女性です。

日本の自動車メーカーで「女性」、それも若い年齢層の女性をターゲットに車を売ろうというメーカーは見たことがありません。この辺りに「車=男性のもの」という古臭い価値観も透けて見えるところです。

というのは少し脱線ですが、EV化という世界の流れ、技術革新から背を向けて「現状維持」に執着していてもオワコンとなる日が見えてきているわけで、それであれば一日も早くEVにシフトすべきだと思うのは私だけでしょうか?

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