「BMW MINI」の全車EV化やBMW「i4」の市販車を紹介【日本車は終わりの始まり?】

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こんにちは、@kojisaitojpです。先日フォルクワーゲンが驚異の電動化計画を打ち出した直後なので余計に落差が目立ちます。

数日前までEVだとマスコミを中心に噂が流れていて、ヤフコメなどでも「トヨタが本気になればテスラなんか敵じゃない」とかイキり顔のコメントだらけだったのですが、ガソリン車であることが判明すると今度は「EVはエコじゃない」などと真逆のことを言い出したりするわけで、常に某メーカーのやることを都合良く解釈しようとする人がまだまだいるようです。

この「AYGO」がEVだったら本日取り上げる予定でしたが、ガソリン車であれば止めます。

というかもうこの会社に変な期待をするのは止めにした方がいいのでは?と結構本気で思っています。

「X〜Prologue」だそうですが私から見れば今から発売するガソリン車を「プロローグ」などと言ってしまうと「終わりの始まり」に見えます。

さて今日はそんな会社は置いておいて新たに「全車EV化」を打ち出してきた「BMW MINI」と先日私のブログでも取り上げたBMW「i4」が市販車版を公開しましたのでこちらを取り上げます。

2025年から全車電気自動車化する「BMW MINI」の計画

BMWMINIcooperEV
ここのところヨーロッパメーカーの「全車EV化」への切り替えは急速に進んでおり、私も取り上げましたがイギリスのジャガーが2025年から、昨日のフォルクスワーゲンは2030年(グループとしてはもう少し先)、ボルボは2030年から(しかもサブスク化)と今年に入ってからだけでも続々と全ての車種を電気自動車にする流れが加速しています。

これらのメーカーの主力市場であるヨーロッパでは2025年のノルウェーを皮切りに2030年からはイギリス、オランダなど国単位で「内燃機関車(エンジン搭載車)」の販売禁止(ハイブリッドもPHEVも不可)になるのですから当然と言えば当然ですが。

今回全車電気自動車化を発表したのは「BMW MINI」です。BMWの資本が入っているのでこの会社をドイツの会社というべきかイギリスの会社というべきか悩ましいですが。。。

ちなみに中国の「GreatWall」社と共同開発中の電気自動車専用プラットホームを使用する予定のようです。

Greatwall「ora blackcat」

「GreatWall」社は先日紹介した「黒猫(Ora R1 BlackCat)」で有名な中国の電気自動車専門メーカーです。

現在の「BMW MINI」には「Cooper SE」にのみEVモデルがあり(ガソリン車と併売)ますが、この1車種だけでmini全体の売り上げの8%を占めているとの報道もあります。

「BMW MINI」社としては2023年からEVのラインナップを増やしていく予定で、2025年に最後のガソリン車を発売し、その後はEVのみの販売に切り替える予定です。

BMWMINIcooperEV

他の自動車メーカーとはちょっとやり方が特殊な会社で、基本的に1車種をクーパーやクラブマン、カントリーマンといったいくつかのバリエーションで販売するブランドですのでプラットホームを電動化してしまえば切り替えは親会社のBMWより簡単にできます。

でその2025年に最後に発売するガソリン車の販売終了を2030年に予定しているので「全車電気自動車化」が完了します。通常は1車種のサイクルを7年に設定しているminiの中で5年で終了というのは異例ですが、イギリスでの販売禁止に合わせたのでしょうか。

現行の「MINI Cooper SE Electric」も紹介しておきます

BMWMINIcooperEV
さて現在のMINIのおける唯一の電気自動車(BEV)である「MINI Cooper SE Electric」にも簡単に触れておきます。

ちなみにこれのPHEV版は日本市場にも上陸しています。

ガソリン車・ディーゼル車のプラットホームと共用ですので完全なEVとも言えない側面はありますが、「搭載バッテリー容量32.6kWh、航続距離は146〜168マイル(約230〜270km)、最大充電出力50kW」になります。

BMWMINIcooperEV

80パーセントまでの充電にかかる時間は、50kWの急速充電なら36分、6kWの普通充電でも6時間もあれば終わりますので日常使うには全く問題のないスペックです。

BMWMINIcooperEV

価格はアメリカ市場で29900ドル(約320万)で、ここから補助金などが適用されますので同じくらいの価格で日本市場に上陸すれば補助金込みで200万を切るくらいの水準です。

フィアット500EV

ヨーロッパでの競合車種としてはこの「フィアット500EV」や先日取り上げた「Dacia Spring Electric」辺りになるかと思いますが、価格面では「Dacia Spring Electric」ですが、それ以外はほぼ同等であると言えます。

フィアット500EVについては2021年中の日本市場投入が既に表明されていますが、MINIも日本市場に上陸すれば勝負になると思われるのですが現時点ではEVを日本市場に投入するというアナウンスはなく、PHEVだけが販売されているのはちょっと残念です。

ちなみにほぼ同サイズの電気自動車には以前こちらでも紹介した「ホンダe」もありますが、500万近くしてしまう価格帯的に全く勝負にならないのであえて触れません。

BMWのBEV「i4」の市販車も発表

市販車のBMW「i4」
また「BMW MINI」の2030年からの全車電気自動車とほぼ同時に親会社のBMWからも先日プロトタイプが発表された電気自動車(BEV)の「i4」の市販車バージョンが公開されました。

具体的なスペックなどについては以前の記事で説明しましたので、こちらをご参照ください。

この記事を書いた際にも「フェイクでその大きなフロントグリル必要なの?」というデザイン面で問題があるような気がしましたが、実際にナンバーをつけた市販車が出てくるとフロントグリルがナンバーで隠れるようになっていますので、そこまで違和感はないかなと思いました。

市販車のBMW「i4」

なおこのBMW「i4」は2021年秋以降に全世界で発売予定で、日本市場にも上陸する予定です。

「全車EV化」vs「Prologueでガソリン車」の行方は?

旧式のMINI
かつてMINIをブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が手がけた背景には、1956年に始まった第2次中東戦争による石油価格の高騰がありました。当時、原油価格の上昇に伴って燃費のいい自動車への需要が高まった事情がありました。

日本の自動車メーカーもこの流れに乗ってアメリカ・ヨーロッパの自動車を徹底的に研究し、「燃費が良い」「故障が少ない」というのを売りにした自動車で長年世界を席巻してきました。

ところが片や2030年からの全車電気自動車化を発表する一方で、「X〜Prelogue」つまり「プロローグ」と題してガソリン車の販売を発表しています。

トヨタAYGO

私は元々フランス車乗りだったのでこの「AYGO」がプジョー「107」・シトロエン「C1」との共同生産車で人件費の安いチェコで生産していたことは前から知っています。

プジョー107

プジョー「107」とシトロエン「C1」と並んで「俺が唯一欲しいトヨタ車」などと言ってたこともありました(日本に上陸するわけないのですが)。

そう、「ありました」であって過去形です。

同じ時期のMINIはサイズの割に燃費が良くないのもあって私の中で購入候補に上がったことは一度もありませんでした。

ですが今ならサイズも手頃な「MINI Cooper SE Electric」や「フィアット500EV」辺りは買いたいと思う候補に入ってきました。セカンドカーと位置づけられるのならこの2つは保有していて損はない電気自動車に思えます。

「フィアット500EV」については先日書いた記事がありますので、ご参照いただければと思います。

この10数年の間に何も変わらない会社とEV化という世界の流れに乗っていく会社の格差が露呈し始めてきたような気がします。

などというと信者の方々からは「トヨタは本気になればいつでも作れるんだ」「あえて作らないだけだ」などと猛烈な批判が飛んできますが、そういう方々に言いたいのは、

「いつでもEV化できる」と言うためにはこのフォルクスワーゲンくらいのバッテリー生産能力が必須になりますが、依然としてトヨタからもバッテリーで協業しているパナソニックからもバッテリーの生産体制が整ってきたという話は聞こえてきません。

「やる気があるのにやろうとしないメーカー」には「早く頑張れよ」という意味を込めて厳しい批判をしますが、やる気もないようなメーカーにはもう期待感もないのでわざわざ批判する必要もないように思えてきました。

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