バッテリー火災を巡る韓国メーカーの対立を日本が生かせてない?【ヒュンダイ・LG・SK】

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こんばんは、@kojisaitojpです。ヒュンダイとLGのバッテリー問題は一応このような原因であったという方向で解決するようです。

私が「一応」と言ったのはまだこのバッテリーの発火を巡ってヒュンダイとLG化学(LGエナジーソリューション)の間で対立があり、次にヒュンダイが発売する「IONIQ5」ではSKイノベーション製のバッテリーを採用したことも絡んでややこしい問題となっているようです。

ヒュンダイがリコール対応でバッテリー交換をするという解決法が選ばれましたが、「責任の7割がLGのバッテリー」という結果にLG側は納得していないようです。

本日はこのようなヒュンダイ・LG・SKの韓国3社の間の複雑な対立について触れますが、先に言っておくと「別に韓国メーカーがバッテリーでトラブルになってコケてもそれで日本メーカーの評価が上がるわけじゃないよ」という話です。

まずは先日お話ししたヒュンダイのリコール問題の後からわかってきた内実について触れて、その後で「ライバル企業の失策を日本企業が生かせるのか?」について考えてみたいと思います。

「LGのバッテリー>ヒュンダイのBMS(バッテリーマネージメントシステム)」と言い切れるのか?

ヒュンダイコナEV
先日取り上げた記事では「バッテリー交換というリコールになったからLG側に問題がある」と私は断定してしまいましたが、実際のところはそうとも断言できないようです。

8万台のリコールということは、ヒュンダイから見れば8万個のバッテリーが今のようにEV競争でバッテリーの調達が争いになっている中で必要になるのも痛いですし、1台辺りの交換に日本円で100万円以上かかる出費も当然痛いです。

LGエナジーソリューションのバッテリー

この判断に至る根拠は2月24日に韓国の国土交通部(日本でいう国土交通省)の発表した調査結果で「バッテリーセルに問題があった」というのを受けてのものです。

ところがこの調査結果は「暫定」です。

ヒュンダイのバッテリー火災

ヒュンダイのBMS(バッテリーマネージメントシステム)に問題があるかどうかはまだ調査中とのことです。LG側は「ヒュンダイのBMSはLGが提案したロジックで運用されていない」としてヒュンダイのBMSに問題があったという見解を崩していません。

これに対しヒュンダイ側は「KONA EV」に搭載されたバッテリー(2017年9月〜2019年7月に中国・南京の工場で生産されたバッテリー)には両極端子に絶縁コーティングがされていないことが火災の原因であると譲っていません。

実際に同じようにLG製のバッテリーを使用したシボレー・ボルトEVでも火災は起きていますのでそれなりに説得力はあります。

というお互い譲らない対立に対して韓国政府が仲裁することで「LGのバッテリーをリコール」という妥協案で政治的に解決したというのが実情のようです(なので納得済みの解決ではない)。

そしてヒュンダイ側がLGのバッテリーに不満を持ったからなのかどうかは分かりませんが、今年発売予定の新しいEV専用プラットホーム「E-GMPプラットホーム」を活用した「IONIQ5」では同じ韓国の同じ韓国のSKイノベーションと中国のCATL製のバッテリーを使用することが発表されました。

SKイノベーション

ちなみにLGエナジーソリューションが世界のトップ3に入るシェアであるのに対し、SKイノベーションもトップ5に入る世界で上位のシェアでライバル企業です。

ただここもねじれた「LG化学vsSKイノベーション」の対立があり、LGの人材をSKイノベーションが引き抜いたという対立があり、これがアメリカで訴訟となり、SK製バッテリーが「営業機密を侵害した電池及び部品は10年間アメリカへの輸入が禁止」になっており泥沼の対立になっています。

このような複雑な対立があるので現時点ではLG製のバッテリーに問題があるのか、それともヒュンダイのBMSに問題があるのか、それとも両方に問題があるのかはっきりしない状況のようです。

ですがこの対立のおかげで「漁夫の利」を得た企業として中国CATLばかりがクローズアップされて世界2位のシェアを誇るパナソニックの名前が全く出てこないのは残念です。

本来であれば10年間EVを販売していてバッテリー火災がゼロの日産や「トヨタ・パナソニック連合」でバッテリー開発を行なっているトヨタなども漁夫の利を得ることは可能なはずなのですが。

充電ステーションでは日本のはるか先を行く韓国

韓国の充電ステーション
このようなぐちゃぐちゃの韓国の内輪揉めに見舞われている韓国のEV事情ですが、充電スポットに関しては日本のはるか先を行っています。

私も韓国語は全くできませんが、充電ステーションの存在は映像だけでも理解できるかと思います。

韓国の充電ステーション

今年発売されるヒュンダイ「IONIQ5」が「800Vの充電に対応、18分で80%まで充電」というのがかなり衝撃的でしたが、この秘密は車のスペックとこの充電スポットにあるようです。

「IONIQ5」についての解説はこちらをご参照ください。

最も近い国ですし、私もコロナ前であれば年に3〜4回は韓国に遊びに行っていたので、可能であれば自分の目で確認しにいきたいくらいです。

日本だと「600Vを超える高電圧の機器を運用するには、電気管理技術者を配備ガー」と法律を持ち出して「そんなの無理無理」とEV嫌いの方々が嬉しそうに言ってくるところが残念です。

まぁ正確には電気事業法施行規則が600V、電気設備の技術基準省令が「低圧は直流750V、交流600V」となっているので、電気事業法施行規則を電気設備の技術基準省令に合わせるだけで750Vまで上げられるようですが。

これらは正確には法律ではなく規則や省令(違いはググれば分かります)ですので、経産省が安全確認すれば、独断で上げることも可能なのですが。

電気自動車を嫌いな方々が「5分で満充電できるようになったらEV買ってやるよ」と挑発するようなことを言いがちですが、実はヒュンダイのバッテリーと急速充電ではそれがほぼ可能な水準に達しています。

何かをやろうとする際に「法律ガー」と否定しようとする人々は、その法律なり規則なりを絶対視、つまり「今ある秩序が未来永劫続くもの」という前提でしか物を言わないところが寒いです。

反撃に出る日産・三菱の「軽EV」は2022年???

日産・三菱の軽規格EV
「日本メーカーの評価が上がるわけじゃないよ」と冒頭で言いましたが、以前から噂になっていた日産と三菱の軽EVについての発表はありました。

ただしこの記事のトーンだと2022年か下手したら2023年になりかねないような感じですが、これだと反撃開始の時期が遅すぎではないでしょうか?

それまでにテスラのコンパクトEVと言われる「モデル2」や徐々にヨーロッパへの輸出を開始した中国メーカーのEVが先に日本市場に上陸している可能性もあります。

とはいえ補助金込みで200万円を切る低価格帯の電気自動車、それも軽自動車規格のEVは日本市場で待ち望んでいるものであることは間違いありません。

個人的には既に存在する軽自動車規格の電気自動車であるアイミーブやミニキャブミーブがなぜか黙殺に近い扱いを受けることは本当に不可解ですが。

発売する頃に「手遅れ」となっていないことを祈りますが。

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