比較的リーズナブルな価格?アウディ「Q4 e-Tron」を紹介【ID.4・モデルY・アリア・Ioniq5等超大激戦区】
こんばんは、@kojisaitojpです。明日4/19から「上海モーターショー」が開催されることからここのところ連日高スペックのEVが世界中で発表されています。
#Audi がコンパクトセグメントに導入する初の電気自動車、Audi Q4 e-tron が世界初公開。
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— Audi Japan/アウディジャパン (@AudiJapan) April 15, 2021
アウディの「e-Tron」については以前フラッグシップモデルである「e-Tron GT」について触れた記事がありますのでよろしければご参照ください。
アウディ「e-Tron GT」とフォルクスワーゲン「ID.6」の詳細を紹介【日本メーカーには作れない?】
アウディの「e-Tron GT」と「RS e-Tron GT」のワールドプレミアがありましたので、そのスペックや特徴を紹介します。また同時期にフォルクスワーゲンの大型SUVである「ID.6」の画像も中国当局に提出した届け出から明らかになりましたので同時に紹介します。電気自動車化で先頭を走るヨーロッパの勢いを感じます。
このセグメントには既に同じプラットホームを使用したフォルクスワーゲンの「ID.4」、テスラ「モデルY」、ヒュンダイ「Ioniq5」、起亜「EV6」、日産「アリア」など各社が主力級のEVの投入を発表(あるいは既に発売済)しており大激戦のセグメントです。
同じプラットホームを使用しているゆえか、「ID.4」と似た部分も多いですが、アウディ特有の個性や豪華さが加えられた魅力的な電気自動車(BEV)が登場してきました。
今日はこのアウディ「Q4 e-Tron」について紹介します。
目次
手堅くまとめたエントリーモデル「アウディ・Q4 e-Tron」のスペック
さて先週ワールドプレミアで公開されたばかりの「アウディ・Q4 e-Tron」ですが、「Q4」という名前からもわかるように先行して発表された「e-Tron」より実用使いに向いたサイズで投入してきました。
まず電気自動車としてのスペックについてですが、55kWhバッテリーとシングルモーター(170PS)の「Q4 35e-tron」、82kWhバッテリーとシングルモーター(204PS)の「Q4 40e-tron」、82kWhバッテリーとツインモーター(299PS)の「Q4 50e-tron quattro」という3グレードで、「Q4 35e-tron」と「Q4 50e-tron quattro」にはクーペスタイルの「Sportpack」も用意されます。
航続距離についてはQ4 e-tronで0.28、スポーツバックでは0.26とCd値で上回るspotrpackだと若干伸びますが、「Q4 35e-tron」が341キロ、「Q4 40e-tron」が520キロ、「Q4 50e-tron」が488キロになります。
最大充電出力は「Q4 35e-tron」が100kW、40と50が125kWで、10-80%の急速充電が30分〜35分となっていますが、今後ソフトウェアのアップデートによって更に高出力の充電に対応できるようにするとアウディが公表しています。
まぁここは「日本だとチャデモのせいで結局50kWでしょ?」という痛い問題が日本市場では発生しそうですが、ヨーロッパでは先日メルセデス・EQSの際にも例に出した「Ionity」という急速充電ネットワークがありますので長距離移動も快適にできるスペックです。
最大充電出力350kW級の急速充電が珍しくもないというヨーロッパがうらやましくなりますが。
サイズは「全長4588mm、全幅1865mm、高さ1632mm」と日本で使うことを考えても比較的実用的なサイズです。
価格設定は41900ユーロから54900ユーロ(約550万円〜約720万円)になります。価格面でも同セグメントの他社のEVと競争できる水準です。
また同じフォルクスワーゲングループに属するゆえグループ共通の電気自動車専用プラットホームであるMEBプラットホームを使用しているのでEVとしてのスペックは似てきますが、内装はシンプルなフォルクスワーゲンに対し、アウディは豪華な内装に仕上げてきます。
センタートンネルがない電気自動車専用設計ゆえの広い後部座席、広大なラゲッジスペースなどはEVらしさが存分に発揮されています。
テスラなどがなるべく物理的ボタンを減らしてタッチスクリーンの操作のみで済む近未来的なデザインと対照的に物理的なボタンをなるべく残して従来の内燃機関(エンジン)車から違和感が少ないように作られています。
とはいえ拡張現実ディスプレイ(ヘッドアップディスプレイ)が搭載されていて、前方の車との車間距離や現在の速度などが表示され、なるべく視線の移動を少なくして安全性を向上させるというのはフォルクスワーゲンの「ID.3」や「ID.4」と共通です。
「Q4e-tron」「モデルY」「アリア」「ID.4」「Ioniq5」など超大激戦のセグメント
このセグメントにはどこの会社も主力級の車種を投入してくる超激戦区なのですが、いずれも甲乙つけがたく、個性に溢れるラインナップです。
ヒュンダイ「Ioniq5」が電気自動車(BEV)戦線に登場【モデルY・ID.4・アリアとガチバトル】
昨日のワールドプレミアにおいてヒュンダイ「Ioniq5」の具体的詳細が明らかになりましたが、電気自動車(BEV)の、それもSUVタイプの市場において「モデルY」「ID.4」「アリア」と互角に戦えるスペックの高い電気自動車を出してきました。特に「リビングルーム」と呼ばれるEVの特性を生かした室内空間は必見です。
「ボルボXC40 Recharge」と「日産アリア」を徹底比較【2021年発売予定】
2021年に日産がいよいよ投入する「アリア」を同じミッドサイズSUVでスペック的にも競合することが予想されるボルボ初の電気自動車「XC40 Recharge」と比較してみます。PHEVに注力していたボルボがようやく電気自動車に全力投球してきましたが、早い時期から電気自動車を販売していた日産がどう迎え撃つか注目です。
フォルクスワーゲン(VW)の驚異の電動化プランを検証【日本もトヨタもオワコン?】
フォルクスワーゲングループが「Power Day」において、大規模なバッテリー生産工場の設立とそこで生産される「Unified Cell」と呼ばれる新しいバッテリー技術、充電スポットの設置、V2Xを含めた再生可能エネルギーを有効に活用するための蓄電池として電気自動車(BEV)の活用など日本メーカーとは別次元の計画です。
テスラ「モデルY(中国版)」が抜群のコスパ?【日本には来ない?】
元旦にリリースされた中国版のテスラ「モデルY」が日本でも話題になっているので紹介してみます。「ギガファクトリー上海」で生産された車両ゆえにアメリカ本国と大差のないリーズナブルな価格でリリースされたのもあり、既に10万件の予約が入り、中国で電気自動車が熱いことが証明されています。スペック面も含めて最新情報を紹介します。
と過去に書いた記事を一気に並べてみましたが、それぞれに個性があり「自分がEVに何を求めるか?」によってどれを選ぶのかが変わるかと思います。
個人的にはこのセグメントで買うなら(多分買いませんが)「ID.4」か「Ioniq5」かなと思っていますが。テスラを選ぶなら「モデルS」の方がいいかなというのが個人的見解です。
アウディ・フォルクスワーゲンなどエンジン開発をストップするヨーロッパメーカー
アウディに関しては少し前にこのような衝撃的な発表もしています。
Audi Gives Up On Combustion Engine Development — This Is Awesome
Audi is abandoning its development of combustion engines, Electrive reported. The article cited an interview that Audi’s CEO, Markus Duesmann held with Frankfurter Allgemeine Zeitung (FAZ), where he confirmed that Audi is no longer developing internal combustion engines. This is great news! In the interview, Duesmann said, “We will no longer develop a new combustion […]
アウディでは既に「エンジンの新規開発はストップ。今後は現存するエンジンの改良のみ」と発表しており、エンジンを今後開発する予定はありません。それもあって日本市場へのEVの投入も早いのかもしれませんが。
UK To Ban Sales Of Combustion Vehicles By 2030 — Report
The UK government was due to make an announcement on the possibility of a more ambitious timeline for the ban of combustion vehicles in the coming few days, and sources have already told both the BBC and the Financial Times that the ban will indeed be brought forward to 2030.
ヨーロッパでは一番早いノルウェーが2025年、次にイギリスやオランダが2030年と続々と「内燃機関車(エンジンを搭載した車)」の新車販売を禁止する方向にシフトしていますので、「これ以上エンジンの開発をしても意味がない」と判断するのも当然のことかもしれません。
一旦法律が成立してしまうとこういう流れは急加速していきますので、PHEVにも影響が及んでいます。
欧州がガソリン車やHVだけでなく充電可能でなPHEVも早期の規制を検討、今後数年以内に販売が難しくなる可能性。
もし法案が可決された場合、インフラ整備の更なる加速が期待されています🧐
EU Wants To Phase Out PHEVs Sooner To Accelerate EV Transition https://t.co/PmMEaP6SQT
— 🌸八重さくら🌸 (@yaesakura2019) April 13, 2021
どっかの日本メーカーがEVの発表をするプレスリリースでわざわざ「EVは発売するけどPHEVの方が性能もいいしエコだよ」と余計な一言を書いてアメリカ・ヨーロッパから怒りを買ったことを以前指摘しましたが、そのPHEVすらも禁止される方向です。
まぁ何がなんでもこの会社を擁護したい人々は「ヨーロッパ市場なんて元々大して売れてないから」とアメリカ市場と中国市場さえ売れればと無視する構えのようですが、バイデン政権になってEV化へ急加速のアメリカと、元々国内の自動車メーカーのほとんどが電気自動車専業の中国に何を期待しているのか?と思ってしまいますが。
いずれにせよ「内燃機関(エンジン)」の存在に固執する方が正しいのか、さっさと捨ててEVに注力するのが正しいのかは数年以内には決着が付きます。
上海モーターショーにおいて本日取り上げた「Q4 e-Tron」と同じセグメントと思われるSUVタイプのEVを発表するようですので要注目です。
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