ヒョンデ「IONIQ5」はどんな人に向くか運転しながら考えてみた話?【2022年おすすめEV上位】
こんばんは、@kojisaitojpです。ヨーロッパ各国での受賞に続き、今度はアメリカでも賞を取ったようです。
現代Ioniq5がドイツやイギリスでのカー・オブ・ザ・イヤーに続き、ヒスパニックモータープレスのEVオブ・ザ・イヤーを受賞。
欧州に加え、米国でも一定の注目を集めているようです🧐
Hyundai IONIQ 5 wins 2022 Hispanic Motor Press EV of the Year https://t.co/FTYWVyku22
— 🌸八重 さくら🌸 (@yaesakura2019) March 10, 2022
既にイギリスとドイツでカーオブザイヤーを受賞していますが、今度はアメリカでヒスパニック系の賞を取ったようです。
「IONIQ5」に対してというか、ヒョンデ(ヒュンダイ)に対してというか、ズバリ言ってしまうと「韓国メーカー」というだけで無意識に格下のような態度で接する傾向が強い日本人には想像できない世界が既にEVの世界では広がっています。
そこでというわけでもないのですが、前回「AnycaでIONIQ5を借りた」記事を書いた際には触れられなかったこと、あるいはグレードの違いによって試せなかったことを今回もう一度借りて試してきたので再度記事にします。
目次
コスパ最強?ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」の「Lounge(RWD)グレード」
前回「IONIQ5」を借りた際には「Voyage」という1ランク下のグレードだったのもあり欠けている要素がいくつかありました。例えば、
- ヘッドアップディスプレイが搭載
- ビジョンルーフ(グラスルーフ)
- サラウンドシステムはBOSE
「Lounge」グレードになるとこの辺から違います。「ヘッドアップディスプレイ」については運転時にかなりの違いとなるので後で別に解説します。
それ以外は快適装備の違いでシートが本革になったり、助手席や後部座席のリクライニングが電動になる、後部座席にもシートヒーターが搭載されるなどの違いがあります。
ちなみに本革シートは植物性のオイルやバイオ塗料が使用されており、わずかな違いにも思えますが、519万円の「Voyage」と549万円の「Lounge」(AWDになると589万円)ではかなり高級感が違います。
内装の違いやビジョンルーフの有無による変化は動画で見ていただいた方がわかりやすいと思いますので、YouTubeに先にアップしたものを貼っておきます。
個人的にはビジョンルーフに「電動ロールブラインド機能」が搭載されており、日光が強い時などは閉めることができる機能はテスラにはないですし、夏場の直射日光が厳しい時には重宝するのでは?と思いました。
EVとしての性能は「搭載バッテリー容量72.6Wh、航続距離が最も信用に値するEPAで412キロ」は共通ですし、その他の動力性能も全く同じです。
ですが内装の高級感が違う上に快適装備を全部載せにした「Lounge」が30万円の違いで買えるなら推奨するのは「Lounge」一択です。
「ヘッドアップディスプレイ」と「運転支援機能」の相性が抜群
そして「ヘッドアップディスプレイ」の有無が「運転支援機能」において大きな違いとなることは「安全性」という面でとても重要ですので別の項で説明します。
「スマートクルーズコントロール(アクセル操作の部分)」については原宿の「ヒョンデハウス」で撮影した動画ありますのでこちらもご参照ください。
また「レーンキープアシスト(ハンドル操作の部分)」
ウインカーを出すだけで車線変更までやってくれる機能は、テスラの場合だとFSDのオプションを搭載しないとできないのでそれだけで100万円近く余計にかかってしまいますが、ヒョンデ「IONIQ5」にはこれらの機能が最初から全部載せ(最も廉価な58kWhのノーマルグレードでも搭載)なのはコスパという面で大きなメリットです。
そしてヒョンデ「IONIQ5」がテスラと大きく違うのはこの「クルーズコントロール」や「レーンキープ」を必要なものだけONにできる点です。
つまりアクセル操作(クルーズコントロール)だけを任せてもいい、ハンドル操作(レーンキープ)だけを任せてもいい、両方お任せにしてもいいと自由に選べるのがテスラにはないメリットです。
テスラの「オートパイロット」の場合だと例えばブレーキを踏む(要はクルーズコントロールを解除)と自動的にハンドル操作も手動に戻ってしまいます。
まぁこのように操作方法を選べるとなると操作が複雑になるデメリットはあります。
これらの運転支援機能の操作をハンドル右側のスイッチでやらなければならないのが「IONIQ5」の問題でもあるのですが(よそ見につながるので)、「Lounge」グレードのヘッドアップディスプレイには今自分がどの機能をONにしててどの機能をOFFにしてるかがハンドルを見なくてもわかります。
これは非常にありがたい機能で、よそ見をすることがなくなりますので、私個人としてはヘッドアップディスプレイの有無だけを理由に「Lounge」グレードにしてもいいなと思ったほどです。
一応この辺りの話も含めた運転した感想を運転中に撮影した動画としてアップもしてますので私の毒舌トークもいて見たい方は試しに見てください(笑)。
ずっと文字媒体で活動してきたのもあり、動画と音声は難しい、相当勉強して経験を積まないといい動画は撮れないなというのが動画に関しては初心者の現時点での感想です。
テスラと「どっちがいい?」と悩める初のEVがヒョンデ「IONIQ5」
と「IONIQ5」の記事なのもあり長所ばかり触れてきましたが、私は別に「テスラに勝った」とは全く思ってません。
私の「IONIQ5」への評価は「日本で販売するEVで初めてテスラときちんと比較できるもの」という評価であり、そこに優劣はありません。
正確に言うと「ある環境に該当する人はテスラ」「ある環境に該当する人はIONIQ5」とその人の生活環境によってどっちが向いてるかが分かれると思っています。
例えば「充電環境」という基準で見た場合だと、
- 自宅で充電できる人ならテスラでもIONIQ5でもOK
- V2Hや外部給電を使いたいならIONIQ5
- 充電器がない環境だと周辺のCHAdeMO次第
という感じでしょうか。自宅で充電できる人であれば正直どちらを選んでも問題なしで、一軒家でV2Hを使いたいとか「アウトドアなどで外部給電を使いたい」と思う人であればIONIQ5になります(テスラには非搭載)。
マンション住まいで管理組合などの絡みでどう考えても自宅の駐車場に充電器を設置できない場合だと「周辺のCHAdeMO次第」かと思います。
CHAdeMOというだけで「そんなものに頼るくらいならスーパーチャージャー使えるテスラ一択」と言いたくなる気持ちはわかります。もちろんこれが妥当な場合もあります。
ですが自宅からテスラのスーパーチャージャーまでの距離と同程度の距離に「90kWのCHAdeMO」があったりすると話が変わります。
以前の記事でも触れましたが「IONIQ5」の売りは充電性能で、例えば90kWのCHAdeMOで80kW以上という他のEVオーナーが聞いたらびっくりする充電性能を誇ります。
ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」をカーシェアして横浜まで行った話【最強の充電性能?】
ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」のAnycaでのカーシェアが始まったので早速借りて走ってきました。ある程度の時間走ると「IONIQ5」の持つ充電性能の高さや基本的な運転技術、オートパイロットの際の頭の良さなど日本メーカーのEVよりも優れている点をいくつも見つけることができます。一度試しに乗ることをおすすめします。
そもそも「IONIQ5」にしろ、テスラ「モデル3」やまもなく発売されると思われる「モデルY」にしろ400-500キロは余裕で走ります。
仮に自宅で充電できない場合でも毎日のように充電に出かけなかればならない人はほとんどいませんよね?
なんて言うと「いや、毎日300キロ走るからこんなのじゃ足りない!」と怒る人、例外アピールをする人が必ず現れますが、果たして人口の何%なの?といつも思うところです。
いずれにせよ自宅で充電できない環境の場合は近くにテスラのスーパーチャージャーかCHAdeMOであれば高速のものがあることは必須になります。
EVにおける理想が「自宅充電」なことは私が以前から主張してることですので「充電を理由にテスラを選ぶ」のは日本の充電インフラが終わってるという残念な事実を明らかにするだけです。
ヒョンデ(ヒュンダイ)はヨーロッパでは急速充電ネットワークの「IONITY」に自ら出資しており、最大350kWの超高速の充電インフラを使っています。230kWがMAXのIONIQ5の性能がフルに発揮できる環境だとノルウェーやドイツ、イギリスなどのヨーロッパ各国で売り上げ上位に顔を出すのがIONIQ5の本来の姿ですので、本来の能力をフルに発揮する障壁となるCHAdeMOを何とかしろよとは言いたくなりますよね。。。
これだけあらゆる国で賞を取りまくってるIONIQ5に対して「いくら世界で認められても日本では売れないんだ!」とドヤることに何の意味があるんだろう?
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) March 10, 2022
まぁ「そんな賞は全部買収だ!」と叫びたいのかもしれないけど、仮に全部買収(多分違う)だとしても世界中でロビー活動やって失敗した会社より優秀ってことになるぞ(笑)。
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) March 10, 2022
なぜか韓国勢がアメリカやヨーロッパで賞を取ると「買収だ」とインチキ呼ばわりする層が一定数いますが、例えばイギリスのカーオブザイヤーを前年(2020年)に受賞したのはトヨタ「GRヤリス」です。
クオリティが一定のレベルを超えてない車が選ばれることはないのは過去に受賞した車を見ればわかりますし、今回取り上げた「IONIQ5」も私がブログや動画で大量に配信してるように「テスラに勝てるとは言えないけど、比較対象になれるEV」というのが正直な評価です。
韓国メーカーだろうが中国メーカーだろうが「良いものは良い」と素直に認めるべき時が来ていると思います。
今日は主に「IONIQ5」の性能面に注目して話をしましたが、実はデザインという面でもこのように「デザインなら今でも世界トップレベル」と私が勝手に妄想してる「シトロエンC6」と比較しても全く遜色がない、人によっては「IONIQ5の方がかっこいい」と言う人もいることでしょう。
以前であれば「地味」「ダサい」と言われがちだった韓国メーカーや中国メーカーには現在ヨーロッパなどから技術者だけではなくデザイナーもヘッドハンティングで移籍してレベルが向上しています。
以前取り上げた記事でも中国の紅旗の車両が「ロールスロイスのパクリ」ではなく「ロールスロイスのデザイナー引き抜いたんだからガチのロールスロイスだよ」と指摘しましたが、それが現在の世界の状況です。
「日本メーカーだから信頼してもらえる」というのは既に妄想になりつつあると感じるのは私だけでしょうか?
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