「ボルボXC40 Recharge」と「日産アリア」を徹底比較【2021年発売予定】
おはようございます、@kojisaitojpです。珍しく朝からブログ更新ですが、正月早々この前年末に話したようなことが話題になっていました。
ネトウヨが喜びそうなタイトルだが、中国で研究する方が「多額の研究費が保証され、研究環境が日本より魅力的」と書いてる通り、日本政府が学術研究にケチというだけの話。
研究者の海外流出が嫌なら、もっと日本政府が研究者を支援すればいいだけ。
中国脅威論につなげるな。https://t.co/I4SjXMtTqk— 5,000mAh (@mahjp2100) January 1, 2021
これに対する私のコメントがこれです。
引き抜きに応じた人を叩くんじゃなくて十分な研究費や待遇を用意しなかった国と企業を叩くべき。
— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) January 1, 2021
研究する環境も予算もロクに与えてくれない、自分の給料も満足にもらえない日本企業で働くことと研究費も給料も日本以上出すという中国企業のどちらで働く人が多いかは言うまでもないことだと思うのですが。
変な文脈で「愛国心」だとか気持ちの問題を持ち出して中国に行った日本人を叩くというのは正直気持ち悪いです。以前であればこういう引き抜き行為をやるのはアメリカと決まっていましたが、今は中国も同等くらいの力をつけていることは、この前の「BYD」について書いた記事でも触れました。
電気自動車の時代に変化していることが理解できず「内燃機関(エンジン)」に固執していると、ますます若くて能力のある研究者が日本から流失してしまうでしょう。
今日はそんな電気自動車後進国の日本で唯一健闘している日産の切り札として2021年にリリースが予定されている「日産アリア」とその競合となるであろうボルボ「XC40 Recharge」を比較してみます。
目次
「SUV電気自動車」で激突するボルボvs日産
電気自動車後進国(発展途上ですらないというのが私の認識)である日本でもようやく電気自動車のバリエーションが増えてきた(ヨーロッパではもっと前から増えていますが)ことで、「SUV」というジャンルにも競合車種が増えてきました。
ボルボは少し前までPHEVの方に力を入れていた会社で(その影響から同じ北欧でもノルウェーに比べてスウェーデンでは電気自動車の普及率が低い)すが、ようやく電気自動車に本腰を入れ始めたところで、「ポールスター」という電気自動車専用ブランドも用意して、大急ぎで世界の電気自動車化のトレンドに追いつこうとしています。
機会があれば触れますがこの「ポールスター2」は「テスラ・モデル3」と互角に近い勝負ができそうな電気自動車です。
ボルボらしいのは、「安全性」ヘの配慮が世界最高レベルな点で、ヘラシカとの衝突対策から始まった安全対策は、車両や歩行者を検知して緊急ブレーキを掛け、事故を未然に防ぐという、今の電気自動車であれば当たり前となったシステムをいち早く導入した会社です。
電気自動車特有の「フロントトランク」があることで、衝突安全性が内燃機関(エンジン)のある車より更にグレードアップしているようです。
これに対し本日「アリア」を取り上げる日産は、「リーフ」に代表されるように電気自動車を世界でいち早く(厳密には最も早いのは三菱自動車のアイミーブ)「リーフ」を全世界にリリースした電気自動車のトップランナーです。
その日産が「リーフ」に続く電気自動車としてようやく投入してくるのが「アリア」です。
しかも対決するのがCセグメントのミッドサイズSUVという、世界で最もニーズのある分野です。
では両者の特徴を比較してみます。
ようやく電気自動車に本腰を入れたボルボの「XC40 Recharge」
ボルボの「XC40 Recharge」については昨日の記事でも触れましたので今日は簡単な紹介にとどめます。
常時ネットワークに接続していて、ディーラーに行かなくても自動更新でOSが更新されることは間違い無いのですが、テスラのように加速性能や航続距離など車の走行に関わる部分まで自動更新してくれるかは不明です。ちなみにポールスターでは対応しています。
昨日も述べましたが、スペック面ではAWDで「搭載バッテリー容量78kWh、航続距離335キロ(EPA)、最大充電出力150kW」とテスラを除けば、その他の輸入車の電気自動車と同等以上のスペック、航続距離もBMWi4やメルセデスEQSなどの2021年に発売が予定されている電気自動車や既に発売されているジャガーiPaceなどより上です。
問題は急速充電ですが、日本仕様でも150kWであれば、30-40分でほぼ満充電に持って行けますので、テスラ・モデル3とも互角以上に戦えます。ここは昨日紹介したポルシェのようにボルボディーラーが頑張らなければならない部分です。
ボルボは北欧の洗練されたデザインや「安全性」から多くの固定のファンが日本にもいますので、「XC40 Recharge」から電気自動車を試してみようと思うボルボユーザーは多いでしょう。
価格はヨーロッパ価格で約750万とそれなりの水準ですので、ファンの期待を裏切らない仕様で日本市場に投入して欲しいところです。
「日産アリア」は日本の電気自動車の最後の砦?
昨日の記事はあくまで私の趣味でセレクトした記事ですので、SUVにあまり興味がない私の好みからは外れていましたが、日産「アリア」は「リーフ」のはるか上を行くスペックです。
「XC40 Recharge」が1モデルであるのに対し、車種のバリエーションが豊富で、「搭載バッテリー容量65・90kWh、航続距離287〜483キロ(EPA)、最大充電出力130kW」で、FWDとAWDの両方が用意されており、自分が必要とするバッテリー容量・前輪駆動か4WDを選べる点は日産アリアの強みです。
90kWhのモデル(FWD)を選べばEPA航続距離が483キロとテスラ級ですが、同じ90kWhでもAWDにすると411キロまで落ちるので、この辺も自分の用途に応じて選ぶことになります。
価格はまだ日産が公表していませんが、メディアの予想では600〜700万くらいと予想されていますので、ボルボの「XC40 Recharge」とほぼ同等、上級グレードになると「プロパイロット2.0」という高速道路上でハンズフリー運転が可能になる機能が搭載されており、これは「XC40 Recharge」にはない日産アリアの強みです。
急速充電が130kWhと若干ボルボには劣りますが、30分で充電可能な距離が300キロ弱とテスラ辺りと比較しても引けを取らない水準でハイレベルです。日産ディーラーはハイスペックの急速充電にも対応していますので問題ありません。
「走り重視」のモデルではないので、加速性能などの面では特筆するレベルではありませんが、室内空間も広く、リーフにはなかった部分が充実しています。
「アリア」がヒットするかどうかが日産の今後、日本の電気自動車の今後を左右すると言っても過言ではないセグメントだけにかなり力を入れて開発してことが伺えます。
とはいえ全てが遅れている日本の電気自動車
他の自動車メーカーが全く反応できない元旦を狙って自社の最新モデルの最上位モデル電気自動車を240万引きにした価格を公表するTESLAってヤバくね?
誰か早くトヨタと日産の担当者に教えて差し上げろ。
— John Wick (@NAMAZUrx) January 1, 2021
これはテスラが中国において「モデルY」の価格を衝撃価格に設定してきたことを言っているツイートです。
テスラ、中国製「モデルY」の販売価格は約540万円
米テスラは1日、中国製のスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」の販売価格を33万9900元(約540万円)からに設定した。 発表資料によると、「モデルYパフォーマンス」の販売価格は36万9900元からとなる。
日本でもこの価格とは行かないでしょうけど、もしこれに近い価格で攻めてきたら本日のボルボ「XC40 Recharge」や日産「アリア」の争いに割り込んでくる、いやシェアを根こそぎ奪っていく可能性もあります。
せっかくのハイスペック電気自動車である日産アリアが順調に売れるのか?と心配になってきます。
元旦からいきなり攻めてくるところがイーロン・マスクらしいなという印象ですが、電気自動車において尻に火がついている状態の日本企業はのんびり正月休みですからねぇ。。。
まぁそもそも今もネット販売ではなく「ディーラー」という店舗まで客がわざわざ行かないと車が買えないシステムを変える気がないのが日本の車業界の現実ですから。
こうなったら私が「ネット専業の電気自動車販売店」でも開業してやろうか?という気になってきますね(笑)。もちろんネットからの注文は24時間365日受付で。
なんてことを言うと「ネットなんかで安心して車が買えるか!」とか「店舗の従業員の雇用が失われる」だとか私からすれば「加齢臭」を感じる反論が飛んできたりするから呆れます。
電気自動車後進国から脱出できるのか、このまま衰退していくのかの瀬戸際にあるという現実が見えてない日本人があまりにも多すぎます。
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