パリとフランクフルトのテスラストアに行ってみた話【モデルYと初対面】
おはようございます、@kojisaitojpです。飛行機やホテルの話ばかり連続しても退屈な方は退屈に感じるでしょうから、ヨーロッパで見てきたEVネタも織り交ぜながら旅行の記事をアップしていきます。
日本とヨーロッパの違いという点では例えばこんなものが展示してあるだけでも感動します。
ついにモデルYに遭遇 pic.twitter.com/4hrkOZcTjx
— saito koji@ヨーロッパから帰国 (@kojisaitojp) November 19, 2021
「日本に入ってくるのは一体いつなんだ?」とテスラファンの中にはイライラしてる方もいるでしょうが、ヨーロッパではとっくにモデルYが発売されています。
私もモデルYが見たいという目的があったのでフランクフルトとパリの2箇所で実際にテスラストアに行ってみました。
そこで今日は「ヨーロッパで実際にEVを見て感じたこと」の一つとしてヨーロッパのテスラストアとモデルYについて解説します。
目次
ドイツ・フランスで販売中のテスラ「モデルY」の特徴とは?
実際に販売されているモデルYのスペックですが、こちらの画像がわかりやすいかと思います。
「Reichweite」が「範囲・距離」を指すドイツ語ですので「Maximale Reichweite」が英語の「Long Range」を指すことは予想できます。もう一方の「Performance」はそのままパフォーマンスモデルのようです。
航続距離と0-100キロの加速から予想すると「Maximale Reichweite」というロングレンジは現行のギガファクトリー・上海で製造されているもの、「2022年発売予定」と書かれているパフォーマンスモデルは新型のようです。
つまり現在のヨーロッパ市場で猛威を振るう販売台数を誇るモデルYはまだロングレンジのみで、廉価版のスタンダード仕様もパフォーマンス仕様も入っていないのにこの驚異の売り上げ台数ということです。
先日取り上げたようにヨーロッパ初のギガファクトリー「ギガベルリン」は稼働目前ですし、ギガベルリンで投入される最新の4680バッテリーや「Structural Battery」などが搭載されれば当然航続距離も0-100km/hの加速も更にパワーアップします。
テスラ「ギガベルリン」が世界のEV化を加速?【ギガプレス・Structural Battery】
テスラがギガベルリンで公表した新技術は先日解説した4680セルだけではありません。ボディのチリ合わせを不要にする一体成形のボディを作り出す「ギガプレス」や車体にバッテリーが埋め込まれて一体化した「Structural Battery」によってバッテリー容量と航続距離の増加と安全性の向上と斬新な技術がてんこ盛りです。
それだけではなくヨーロッパで現地生産となれば上海から運ぶ輸送費も不要になるので、販売価格も56990ユーロ(約740万円)、63990ユーロ(約831万円)から大幅に下がることでしょう。
OH TESLA !!!
Norway today . . . pic.twitter.com/W8TuhzgutC
— JPR007 (@jpr007) September 6, 2021
現在の割高な状態でもこのようにノルウェー市場などでバカ売れ状態なのですから更にリーズナブルな価格になった時どのような事態になるのかを想像するのは他の自動車メーカーには脅威でしょう。
ただしモデルYを日本市場で走らせるとなるとこの問題が避けて通れないかなという印象です。
しかしカタログ値無視した印象の話になるけど、サイズ近いはずのモデル3よりモデルXに近いように見えてしまう。 pic.twitter.com/EMsoZatWsx
— saito koji@ヨーロッパから帰国 (@kojisaitojp) November 22, 2021
もちろんカタログ上のサイズは「モデルX>モデルY」です。しかしテスラストアで実際に眺めてみると本来サイズが近いはずのモデル3よりモデルXに近いのでは?と感じてしまうサイズ感が日本でモデルYを走らせる際にネックになるかもしれません。
マンションなどの立体駐車場でモデル3のサイズがギリギリだったという方であればモデルYは入らないでしょうし、路面の駐車場に停めた際にも192mmという全幅は隣の車両からのドアパンチなどを気にしてしまうサイズです。
まぁそれ以前に「ヨーロッパではもう売ってるのにいつになったら日本市場で発売するんだ!」というのがテスラファンの心の叫びかもしれませんが(笑)。
EVを売るだけの会社ではないテスラらしさをヨーロッパでも発揮
私が実際にフランス・ドイツで見たテスラストアの特徴としては、
- 主力商品がモデル3からモデルYに
- パワーウォールのみならずソーラールーフも販売
が挙げられますが、モデルYについては先ほど述べた通りです。
どちらのテスラストアでも中心に展示されているのがモデルYで、モデル3は隅っこに置かれていましたので、主役がモデルYになっています。
それよりもいずれの国でも蓄電池の「パワーウォール」のみならず太陽光パネルの「ソーラールーフ」も販売されていたのが驚きでした。勉強不足でソーラールーフはアメリカでしか販売されていないと思い込んでましたので。
「テスラは車メーカーではない」というのがテスラファンの間では常識ですが、ヨーロッパのテスラストアでもパワーウォール・ソーラールーフにスーパーチャージャーまで展示しており、「再生可能エネルギーの発電・蓄電からEVという移動手段までを一体として提供する」、それによって社訓である「持続可能な社会を実現する」というテスラのビジネスモデルがよくわかります。
「パワーウォール」や「ソーラールーフ」については以前の記事でも紹介してますのでご参照いただければと思います。
「テスラホーム」で実現する持続可能な生活【パワーウォール・ソーラールーフ】
テスラが住宅メーカーとタッグを組んでソーラールーフ(太陽光)とパワーウォール(蓄電池)を装備した住宅の販売に乗り出すというニュースが出ましたが、これこそがテスラの理念である「持続可能な社会」を実現するためにやりたいことであり、EVというのはあくまでも「走る蓄電池」に過ぎないことを理解する必要があります。
2021年2月にアメリカのテキサス州を襲った大寒波の際にもEVだけではなくパワーウォールやソーラールーフを完備した家は停電とも寒さとも無縁だったという話はこちらをご参照ください。
寒さに強いのが「電気自動車」と「再生可能エネルギー」?【日本では逆走中】
2021年2月19日現在、テキサス州でこれまで想定しなかった寒波が襲来し、送電線が凍結するなどの理由で州の大部分が停電に見舞われています。そんな中でテスラの太陽光発電とパワーウォール(蓄電池)を装備した家庭では非常時の電源として機能し、寒さに凍えずに済んでいます。このことが示唆することを日本の文脈でも考えてみます。
ドイツ・フランクフルトのテスラストア情報
住所;Große Bockenheimer Straße 50 Frankfurt Deutschland
フランス・パリのテスラストア情報
マドレーヌ寺院のすぐ横、パリの歴史的な街並みにも全く違和感なく溶け込んでいるテスラ車とテスラストアには「すごい」の一言しか感想がありません。
住所:3 Bd Malesherbes 75008 Paris France
パリ地下鉄8号線・12号線・14号線「Madeleine」駅から徒歩数分です。オペラ座やコンコルド広場にも近いパリの一等地です。
明らかにEVを目撃する頻度が高くなったドイツ・フランス・イギリスの現状
今回10日ほどの間にイギリス・フランス・ドイツと旅をしていて感じた正直な実感として「日本で最もテスラ車が多いはずの東京都心よりテスラ車を見かける」というのがありました。
以前から毎月取り上げているようにイギリス・ドイツ・フランスのEV化率は20-30%ですが、これはあくまで新車販売に占める割合ですので、当然ですが街中を走っている車両のほとんどがまだガソリン車・ディーゼル車です。
重要なテーマなので後日独立した記事で解説しましすが、パリやロンドンでは日本でいうパーキングメーターに充電器が併設されている場所が結構あり、駐車したついでにEVの充電をしている光景が至るところで見られるのがその理由かもしれません。
ホテルから数分のところにあるとアプリが教えてくれたからフィアット500e見てきた。 pic.twitter.com/pNCtLCwFiP
— saito koji@ヨーロッパから帰国 (@kojisaitojp) November 24, 2021
近くには同業他社のルノーZoeもあった。 pic.twitter.com/DCs6yeKjE7
— saito koji@ヨーロッパから帰国 (@kojisaitojp) November 24, 2021
他にもフランスでUber以外の配車アプリを見ていると「EVのカーシェア」も配車アプリの中で行われているようで、私が宿泊しているホテルの周辺にもこのようにフィアット500eやSmartFor Twoなどが日本でいうパーキングメーターのような場所に置かれており、会員は誰でも運転できるようです。
こちらも超重要テーマなので後日独立した記事で取り上げる予定ですが、配車アプリで自分が乗客となる車両を呼ぶだけではなく、自分が運転する車両も気軽に借りることができるようです。
「今回はノルウェーには入国できないから国際免許は不要かな」と判断して(出発前にネットで調べているとノルウェー以外ではEVのレンタカーがなさそうだった)国際免許を用意しないで出発した自分に腹が立った瞬間でもありました(笑)。
ヨーロッパではすでに「パーキングメーターに駐車してる間に充電が可能」になっていたり、「配車アプリで気軽にEVを借りれる」環境になっていたりと、実際公道を走っている車がまだガソリン車・ディーゼル車がほとんどの中でもEV化に対応する準備が着々と進んでいるようです。
今日は字数の都合上ここまでにしますが、後日の記事で「パーキングメーターで充電」と「配車アプリで気軽にEVをカーシェア」については解説してみる予定です。
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