テスラ「モデルY(中国版)」が抜群のコスパ?【日本には来ない?】
おはようございます、@kojisaitojpです。私の母校が箱根駅伝に出ているのもあり、毎年正月だけは早起きです。まぁ昨日の山登りで沈んだのでもうコメントすることもありませんが(笑)。
さて昨日の記事でもチラッと触れましたが、中国版のテスラ「モデルY」がすごいことになっているようです。
テスラもスタートからぶっ飛ばしてきたな(笑) https://t.co/2nPrNoypZc
— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) January 2, 2021
1日で10万件という予約件数に中国人の購買力の強烈さを感じますが(そりゃインバウンドがなくなると日本で困る会社がたくさんあるわけで)、同時に中国における「電気自動車」への熱狂も感じます。
電気自動車の悪口を言っている方々は色々な理由を挙げてはいますが、「中国が電気自動車を推進してるから嫌なんだよ」というのが案外本音なのかなと思ったりもします。
しかし向こうは人口14億、こちらはたったの1億ちょっとです。多勢に無勢なことは否定できません。
それに電気自動車に一度でも乗ってみるとその加速性能や便利さ、整備もほぼ不要なことによるコスパの良さなどメリットしか見えて来ないのですが。
今日は年明け早々から話題となった「テスラ・モデルY」のMIC(made in China)を紹介してみます。
目次
テスラ「ギガファクトリー・上海」で生産された「モデルY(MIC)」
「モデルY(MIC)」が今回衝撃だったのは、まずその「発売価格」です。
廉価版の「ロングレンジモデル」が339900元(約536万)、「パフォーマンスモデル」が369900元(約585万)です。
アメリカ市場での「ロングレンジモデル」の販売価格が49800ドルですから、本国アメリカとほとんど差がありません。
この価格帯でミドルサイズSUVですと昨日紹介した「ボルボXC40Recharge」や「日産アリア」とも対抗できる水準です。
「ボルボXC40 Recharge」と「日産アリア」を徹底比較【2021年発売予定】
2021年に日産がいよいよ投入する「アリア」を同じミッドサイズSUVでスペック的にも競合することが予想されるボルボ初の電気自動車「XC40 Recharge」と比較してみます。PHEVに注力していたボルボがようやく電気自動車に全力投球してきましたが、早い時期から電気自動車を販売していた日産がどう迎え撃つか注目です。
ただこの「モデルY」の欠点(?)は、当初予定されていた7人乗りの仕様がないです。まぁアメリカでもまだリリースされていないので本当に7人乗りモデルが出るのかもわかりませんが。
安さの理由は簡単で「テスラギガファクトリー上海」で生産されたもの、つまり輸送コストがかからない点が大きいです。
ですので仮にこのモデルYを日本に持ってこようとすると輸送費がかかるので100万円くらい上がってしまう可能性が高いです。
それ以外だと本国アメリカのモデルYがパナソニック製のバッテリーを用いているにもかかわらず、中国版は韓国のLG製になっています。
テスラ自体がどこかのバッテリーメーカーに依存しているわけではないというネットワークの広さを感じるところです。
またモデルYから搭載された最新技術の「オクトバルブ」と「BMS(バッテリーマネージメントシステム)」については別の記事で取り上げていますので、こちらをご参照ください。
オクトバルブとBMS(バッテリーマネージメントシステム)を用いるテスラのイノベーションとは?
テスラがモデルYから投入した「オクトバルブ」という独自の温度管理システムについて解説します。「BMS(バッテリーマネージメントシステム)」によってバッテリーの温度調整の成否が電気自動車の航続距離やバッテリーの寿命も左右する電気自動車の要のシステムにイノベーションをもたらすことで、テスラが更に進化したことがわかります。
「LG」というのもポイントで、この前は中国のバッテリーメーカーの強さを説明しましたが、実は韓国メーカーもかなり健闘しています。
ですので先日紹介したヒュンダイの電気自動車「Ioniq5」がそれなりのハイスペックなのも納得できてしまいます。
ヒュンダイ「Ioniq5」が驚異のスペック?【電気自動車も韓国に負ける?】
ヒュンダイが2021年に販売予定の「Iconiq5」の情報がリークされましたが、航続距離、急速充電などスペック面でフォルクワーゲンや日産を凌駕するほどのハイスペックです。スマホにしろ液晶テレビにしろ韓国メーカーとの競争に負けた日本企業は電気自動車でも負けるのでしょうか?今のやる気のない状況を見ると否定できない危機です。
中国や韓国という単語を出すと不快感を示す方も多いでしょうが、これが世界の現実です。「サムソン」や「ファーウェイ」に席巻されたスマホ市場と同じパターンを進んでいるように見えるのはおそらく間違いない流れです。
「ロングレンジモデル」と「パフォーマンスグレード」のスペックは?
「モデルY(MIC)」には「ロングレンジモデル」と「パフォーマンスグレード」の2つのモデルがあります。
ロングレンジモデルがAWDで「搭載バッテリー容量82kWh、航続距離525キロ(EPA)、最大充電出力250kW」になり、パフォーマンスグレードが「搭載バッテリー容量82kWh、航続距離488キロ(EPA)、最大充電出力250kW」になります。
航続距離が驚異的なのは「さすがはテスラ」というところですが、同時に最大充電出力も250kwと、10-80%への急速充電が25分〜35分でこれまた驚異的です。
先日お話ししたようにテスラのスーパーチャージャーでも日本では150kwが主流で、250kwのものは埼玉県川口市1ヶ所しかありませんので、川口市以外の日本で充電するともう少し時間がかかります。
テスラ買ってスーパーチャージャーの近くに引っ越して、ノルウェーに旅行行く2021年になればいいな。
— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) December 27, 2020
私の妄想を実現する場所は250kwのスーパーチャージャーのある川口市になるかもしれません(笑)。
ちなみに「モデルY」のこのスペックですと東京を出発して一回の充電で北は本州の一番北の青森県、南は本州の端っこである山口県まで余裕で行けてしまいます。
私が長距離で利用することが多い「東京→仙台」は当然充電なしで行けてしまうので、「モデルY(MIC)」は私の中でも文句なしの合格点です。
どんどん電気自動車化が進む世界の流れ
フランスも10%超え
France Hits Record 19.2% EV Share In December – Up Almost 6x Year-On-Year https://t.co/ZqsCxolukA— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) January 2, 2021
「モデルY(MIC)」の情報を求めてネットで色々なニュースを探っていたら、たまたまフランスの12月の新車販売のデータが出ていました。
完全電気自動車だけでもだけでも10%超え、PHEVも含めるとシェアが19.2%に達しています。
以前も「指数関数的上昇」というのを商品のライフサイクルとして説明したことがありますが、この位の普及率に入ると一気に普及率が上昇モードに入ります。日本でも携帯電話の普及がこのパターンでした。
世界の流れが完全に電気自動車一択の方向に進んでいるのに、「電気ガー」とか「寒さガー」と色々な理由をつけて拒絶することが日本にとってプラスなのでしょうか?
Twitterやヤフコメなどでは季節柄からか「寒さ」を理由に電気自動車を叩く人が多いようですが、世界で最も電気自動車が普及しているノルウェーは日本より寒いですし、中国も南部は別としても北京や上海、内陸の都市は結構寒いです。
電気自動車(BEV)は本当に寒さに弱いのか?【寒さ対策あり】
雪で身動きが取れなくなるような災害が起きると「電気自動車じゃ凍え死ぬ」ような批判を持ち出してくる人がいますが、実は電気自動車でも長い時間暖まりながら耐えることは可能です。世界で最も電気自動車化が進んでいるノルウェーは日本より北にあり、北海道・東北のような気候でも電気自動車化に成功してるという事実を忘れてはいけません。
やりたくないという気持ちを正当化するために一生懸命理由を探すというのは見苦しいものです。
別に購入しなくても一度カーシェアなどで試しにテスラでも日産リーフでも乗ってみれば、ガソリン車と比べて快適すぎて「もうエンジンなんか要らない」と思うのですがねぇ。
「テスラ・モデルS」試乗記【やっぱりトヨタはオワコン?】
カーシェアではありますが1泊2日でついに「テスラ・モデルS」に試乗してきました。噂通りの爆発的な加速性能、自動運転にも対応した優秀なソフトウェアなど久々に乗っていて「楽しい」と感じさせる車に出会えたような気がします。旧態依然のガソリン車に執着するトヨタなどの日本メーカーとの違いに焦点を当ててレビューを書いてみます。
今回中国でリリースされた「モデルY」位の航続距離、急速充電のスピードであれば、仮に7人乗りのバージョンでも発売されることがあれば、日本でも中国でも世界中で爆発的に普及する可能性が非常に高いです。
2021年中なら補助金が倍増する日本市場に投入できれば、世界の中では低迷している日本におけるテスラ車の販売台数も一気に伸びるかもしれません。
大型セダン(モデルS)、中型セダン(モデル3・モデルX)、SUV(モデルY)、ピックアップトラック(サイバートラック)とバリュエーションが揃ってくると後はコンパクトカーですが、これもネット上では「モデル2」というのが数年以内に発売が噂されています。
何度か紹介したフォルクスワーゲンやプジョーなどヨーロッパのメーカーが航続距離の面で苦戦しているコンパクトカーでテスラがどの位の航続距離のものを出してくるのかは非常に気になります。
もし航続距離が長くて競争力のある車種を投入できれば、いよいよテスラが全てのジャンルで無敵の電気自動車メーカーになります。
いよいよ「トヨタはオワコン」という時が近づいてきています。
ちなみに「電気ガー」というのも太陽光などがもっと普及すれば何の問題もなくなるのですが、これについては話をしたことがないので、どこかのタイミングでしてみようと思います。
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