テスラの「エアコン」、Appleの「自動車」を理解できない日本人はオワコン?
おはようございます、@kojisaitojpです。私の感覚が壊れているのかもしれませんが、世の中的には次のような見出しで驚くようです。
俺が見ると何も驚くことではないんだけどなぁ。
「テスラ家電」「アップル自動車」の破壊的イノベーションに備えよ https://t.co/d9sRUNFy5A— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) February 7, 2021
「テスラが家電(と言ってもエアコンですが)に参入」とか「Appleが電気自動車に参入(といってもiPhoneの時のフォックスコンのようにEMSですが)言われると何を感じるでしょうか?
これで皆さんの加齢臭度合いがわかります(笑)。
「経験もないくせに無理無理」とか「今からやっても失敗する」と思います?
私も経験ありますよ。電気自動車・カーシェア・再生可能エネルギーでビジネスをやりたいと相談に行くとまず最初に言われるのが「業界経験もないのにできるわけないだろ」と。
即答で「下手に車業界の経験なんかある方が(業界のおかしな慣習が当たり前になってしまうという意味で)有害ですよね」と言い返しますが(笑)。
大体この応答に対する反応で相手の器の大きさが分かりますよ。「面白い」と思ってくれれば相手も大物、「この人何言ってるの?」という反応をすると小物です(笑)。
というのは余談ですが、今日は「テスラがエアコン」とか「Appleが電気自動車」と言われて「???」となってしまう人向けに「勝手に人の専門を決めつけることの弊害」について説明します。
目次
「テスラがエアコン」は論理的に整合性のある発想
まずテスラの「エアコン事業」については、先日説明した「オクトバルブ」がわかりやすい例ですので、再度「日経クロステック」を引用して説明します。
熱移動をオクトバルブに一元化して、その制御をソフトウェアで行うというテスラらしい(というかシリコンバレーの企業らしい)システムで車内の温度調整からバッテリーの温度調整などを行います。
これまでのテスラ車は、冬場に室内の暖かい空気を供給するために通常のヒーターシステム(PTS)に頼っていました。しかしヒーターは、暖房に必要な電気を車両のバッテリーから直接引き出すため、航続距離にかなり悪影響を与えます。寒冷地で暖房量が多いと、それだけ走行可能距離が縮まってしまいます。
これを悪用して「電気自動車は寒さに弱い」というでっち上げ記事が一時期賑やかでしたが。
電気自動車(BEV)は本当に寒さに弱いのか?【寒さ対策あり】
雪で身動きが取れなくなるような災害が起きると「電気自動車じゃ凍え死ぬ」ような批判を持ち出してくる人がいますが、実は電気自動車でも長い時間暖まりながら耐えることは可能です。世界で最も電気自動車化が進んでいるノルウェーは日本より北にあり、北海道・東北のような気候でも電気自動車化に成功してるという事実を忘れてはいけません。
ヒートポンプ式の場合は、熱を発生させるのではなく、熱を動かすだけです。簡単に言えば、それは冷蔵庫のように動作します。
ただし逆の動きによって。クーラント(冷却剤)は、エバポレーター(蒸発器)、コンデンサー、コンプレッサー、スロットルの助けを借りて熱交換器に変身します。これをコントロールするのが先ほどの「オクトバルブ」です。
このようなヒートポンプ式のエアコンを「家庭用のエアコン」として販売しようというのがイーロンマスクの構想です。
また最新のモデルYにはHEPAフィルターが導入されており、汚染物質、アレルゲン、細菌、花粉、カビの胞子、ウイルスなどを除去しますが、当然このフィルターも家庭用のエアコンで使えます。
何度かこのブログでも取り上げていますが、太陽光パネルで発電した電力を「パワーウォール」に蓄電し、家庭内の電力や車の充電に使うという「テスラ式の生活様式」の中にエアコンも登場するのは何も不自然ではありませんよね?
テスラが提供する「未来のライフスタイル」とは?【American way of lifeの次の世界】
今日はテスラの電気自動車以外の主力事業である「電力供給」について説明します。日本でも既にパワーウォールが発売されていますが、「電気自動車と蓄電池(パワーウォール)」を用いて電力は再生可能エネルギーで自給自足できるコミュニティを事件をオーストラリアでやっていますが、これを日本に導入することはできないでしょうか?
イーロンマスクの脳内では、おそらくこれらのプロジェクトは思い描く「ライフスタイル」の一環で自然につながっているはずです。
そして我々ユーザーも全てのシステムをスマホでコントロールできる時が来ます。
むしろ「車メーカーのくせに」とか「家電なんかやったこともないくせに」と不必要に専門分野を強調したがる人の方がモノの見方が狭い人間だというのがイーロンマスクの前ではバレてしまいます。
これはダイキン工場のエアコンですが、果たしてダイキンのような大手は強敵が出現したと自覚してるでしょうか? 「電気自動車?ハイブリッドの敵じゃないよ」とナメた態度を取った自動車メーカーのようになってほしくはないですが。
「AppleCar」はまさかのメイドインジャパンに?
「Appleが電気自動車を作る」というのも、今のテスラのエアコンと一緒で、「専門家でもないくせに」と言われやすいでしょう。
しかしアップルの場合は先日も説明した「EMS」という、自社で生産するのではなく外部のメーカーに委託生産させるというのが基本です。
iPhoneやiPadなどは台湾の「フォックスコン」が委託されるメーカーとしては最も有名です。
自らがやるのは開発にとどめて、生産は専門のメーカーに任せるというのがAppleの「ファブレス経営」です。
テスラの場合も先ほどのように「オクトバルブ」を制御するソフトウェアが最大の武器でしたが、Appleにも同じように「iOs」という全てを司るソフトウェアがあります。
「AppleCarOS」なのか「iCarOs」なのか名前は分かりませんが、将来の自動運転技術まで視野に入れたOSの開発がAppleの電気自動車の行方を左右する機関部分になります。そういう意味ではテスラと共通する部分があります。
シリコンバレーの企業ですから当然といえば当然ですが。
さて一時期Appleが自動運転をつきの「Apple Car」の製造を韓国のヒュンダイ・起亜グループに委託することがほぼ決定のように言われていましたが、雲行きが怪しくなってきました。
HyundaiとKia、Apple Carに関する噂を改めて否定
海外メディアBloombergは現地時間2月7日、韓国自動車メーカーのHyundaiとKiaが、Appleとの電気自動車生産に関する噂を改めて否定したと報じています。 一時、Hyundaiが生産するとの報道 […]
リーク報道というのは恐ろしいもので、「マスコミに漏らすような奴がいる会社と取引したくない」と商談が破談になることにも時に繋がりますが、今回もそのパターンでしょうか。
「秘密管理」にはとても厳格なのがAppleです。iPhoneの製造でも台湾のフォックスコンと秘密漏洩を巡ってトラブルになったこともあります。
そして日本勢にとっては「神風」のようにこんな噂が出てきました。
ウワサのApple Car、日本メーカーと交渉中との報道。候補は日産? 三菱?
これは胸アツ。最近急速に計画が動き出した感がある、Apple(アップル)独自の自動車「Apple Car」。こちらについて、韓国メーカーだけでなく…
まぁ今の日本メーカーの技術力でAppleの要求を満たすことができる可能性があるのは、日産か三菱くらいでしょう。
特に三菱が「i-MiEV」で使用した東芝製のSCiBバッテリーを今回Appleが採用するとの噂もあります。
チタン工業-大幅高 アップルEV向け電池を東芝が生産かと伝わる 合弁先の同社に思惑 – ニュース・コラム – Yahoo!ファイナンス
チタン工業-大幅高 アップルEV向け電池を東芝が生産かと伝わる 合弁先の同社に思惑…
もし三菱自動車がAppleブランドの電気自動車を委託生産ということになれば、業績不振に悩む三菱の救世主になるかもしれません。
問題は「プライド」の部分で、三菱の名前がつかない車を生産する気力があるか、従来の自動車メーカーがピラミッドの頂点で系列企業や下請けをコントロールするというモデルを放棄して、Appleの要望を聞くことができるのかという部分です。
やってできないことはないと思うのですが。
「専門じゃない」「経験がない」は理由にならない?
私も自動車業界の経験なんて全くありませんが、電気自動車に関連するビジネスをやりたいと補助金の申請をしたら通りました。
合格というか採用答案と不採用答案10通ずつ位読んで点がつきそうなパターン読めれば通る
— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) February 8, 2021
通ったのは「小規模事業者持続化補助金」というものなのですが(補助金系の話は機会のある時に独立させてお話しします)、大雑把に言うと5枚の事業計画書の中に補助金をもらうことによってどんなビジネスをやりたいのか?ということを書いて審査員を納得させられるのかで合否が決まります。
「補助金もらうにはコンサルが必要」「自力じゃ無理」だとかネット上には起業する人間を食い物にしたがるコンサルタント、税理士、中小企業診断士などの方々が不安を煽ることをたくさん書いています。
100万円の補助金で10%の手数料取られたらもう90万しか残らないと思いますが…。
彼らにカネを払うのは嫌だったので今回はネット上やYouTubeなどで発見した「合格答案」と「不合格答案」を10通くらいずつ集めて、両方を読み比べて、更に「持続化補助金」の要項を隅から隅まで読んで当局が要求していることを探りました。
分野は様々でしたが、点数を取る答案を書くのに必要な情報は飲食店の答案からも、接骨院の答案からも、学習塾の答案からも拾うことはできます。
すると「合格答案には〜があるけど、不合格答案にはない」というポイントがいくつも見えてきます。
後はその要点を踏まえた事業計画書を大学入試の小論文でも書くつもりで書けば完成です(笑)。
ネット上では「やったことない事業じゃ落ちる」とか「オンライン販売系はもうオワコン」のように落ちた人々が愚痴っていましたが、私が書いたものも「未経験の事業」で「オンラインがメイン」のものでしたけど(笑)。
今回の「小規模事業者持続化補助金」は応募件数が史上最多、採択率が29%と超難関だったらしいですが、誰の助けも借りずに予備校講師の「勘」で受かりましたよ。
まぁちょっと愚痴を言うと私の長所はこのような「無形の力」的なものが多く(生徒でも普通の大人でもちょっと話していれば思考パターン・行動パターンのようなものを読むのも得意です)、「業界経験もないの?」「資格もないの?」「特許もないの?」と目に見えるものを要求される、というかそういうものしか見ようとしない人々と会話するのは非常に苦手です。
でもそういう表面的なものばかり要求するとあのイーロンマスクが電気自動車を作ると言い出した時に不合格になってますよね(笑)。
下手にコンサルタントのところに行くと「電気自動車は日本では普及しない」「自動車業界の経験がないのでは論外」などと、こちらが説明が必要になった時に備えて、世界の電気自動車化の状況を説明する資料などを持って行っても目すら通さず罵倒されたこともありましたが。
起業するより調子に乗って私がコンサルタントを名乗って「持続化補助金採択率アップのコツを伝授」のような怪しげなセミナーでもやった方が儲かるのかなと一瞬思ったりもしましたが、そういう風に「先生ヅラ」するのは自分が何かで成功するまで温存しておきます。
とりあえず少なくとも今回の補助金事業の採点をした方々は、「未経験だから」とか「専門分野じゃないから」などのお寒い理由で私を不合格にはしなかったようでホッとしました。
本日のテーマだった「テスラがエアコン」「Appleが自動車」というのから少し脱線しましたが、「勝手に人の専門分野を決めつけてしまうと、見えるものが見えなくなる、可能性を閉ざす」ことになるのでは?と思ったので私個人の話も混ぜました。
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