あえて日産「リーフ」を再評価してみる【フィアット500e、ヒョンデ「IONIQ5」や軽EVと比較】
こんばんは、@kojisaitojpです。個人的に最近再評価してるあるEVがあります。
今更と言われるかもしれないけど、30kWhリーフが実は軽EVよりコスパが良いんじゃないかと最近思うようになった。
自分に悲報! 中古リーフ「AZE0 30kWh」が4万2000kmでついに電池容量計のセグ欠け https://t.co/kZXQWbz8if— saito koji@バルセロナ行き中止ならオスロ行くか? (@kojisaitojp) May 9, 2022
今更リーフと思いますか? それとも今更AZE0(旧型)だと思いますかね?
はい、旧型です。何か文句でもある?が本音です(笑)。
新しいものを優先的に取り上げるなら日産で取り上げるべきは「アリア」なのでしょうけど、既にいくつかの欠陥も指摘されてる状況であれこれ騒ぐのは適切ではないと判断し、落ち着くまで静観します。
あと「アリア」の場合は価格が高いというのもあるので本日比較対象として取り上げる「IONIQ5(ノーマル)」や「フィアット500e」「軽EV(サクラ?ekMiEV?)」との比較には使いにくいのもあります。
そこで今日は「IONIQ5(ノーマル)」や「フィアット500e」「軽EV(サクラ?ekMiEV?)」などの発売目前の新しいEVと比較して日産「リーフ」に意外なお得感があることについて触れてみたいと思います。
目次
日産「リーフe+」とヒョンデ「IONIQ5(ノーマル)」がほぼ互角のスペック?
私のブログでは過去に何度も取り上げており、更に私自身が予約も入れてあるヒョンデ「IONIQ5」ですが、ノーマルの「IONIQ5」のスペックを見ると実は日産「リーフe+」に近いものであることがわかります(「Lounge」になるとむしろ「アリア」に近い)。
- 搭載バッテリー容量が58kWh(IONIQ5)に対し60kWh(リーフe+)
- 航続距離(EPA)が354キロ(IONIQ5)に対し346-364キロ(リーフe+)
- 価格も478万円(IONIQ5)に対し422-481万円(リーフe+)
価格的に「リーフe+」の方が少し安いように見えますが、廉価なe+だとプロパイロットなどがオプションになります(IONIQ5はノーマルでも全部載せ)ので差は縮まります。また充電性能の面では「IONIQ5」の方が圧倒的に優れていることは以前の記事でも触れました。
新車で比較した場合にはどっちがオススメなのかはユーザー個々人によって違ってきます。
ディーラーが日本全国どこにでもあることからくる安心感」を求めるのであれば「リーフe+」、テスラに少しでも接近する「EVの先進性」を求めるのであれば「IONIQ5(ノーマル)」かなというのが私の見解です。
ですが「リーフe+」にもアドバンテージがあります。
「リーフe+」が圧倒的に優れているものに「中古車市場」があります。長年日本市場で発売してきた歴史がありますので。
「リーフe+」を価格順に検索し、安い方に出てきたものをいくつかピックアップしてみましたが、300万円台前半から走行距離もあまり行ってないものがあります。
まぁリーフというと「バッテリー劣化ガー」と必ず言い出す人がいるでしょうが、少なくても「e+」には当てはまりません。
リーフのバッテリーの耐久性が「24<30<40<62」となるのはある意味必然ということか。 https://t.co/7oMIsLN75e
— saito koji@バルセロナ行き中止ならオスロ行くか? (@kojisaitojp) May 6, 2022
リーフのバッテリー劣化が以前より進行しなくなったのは現行リーフが40kWhと60kWhと、当初の24kWhより大容量化したのがかなり影響していると思います。
何度もブログで引用している表ですが、2016年くらいから劣化率が急に緩やかになってますよね。2016年は旧型で30kWhのバッテリー容量が大きいものが発売された年、2017年が現行の40kWhと62kWh(当初のバッテリー容量)なので非常にわかりやすいです。
バッテリーがほとんど劣化していない、350キロ前後を問題なく走れる「e+」の中古が300万円ちょっとで手に入るのは非常にお得です。この位価格に差がつけば「IONIQ5」と比較しても優位性があります。
日産「リーフ(40kWh)」とフィアット「500e」もほぼ互角?
次は40kWhのリーフを取り上げます。今度の比較対象はフィアットが間も無く発売する「500e」です。
比較と言ってもバッテリー容量と航続距離が似ているだけでこの2台は外観からしてターゲットになるユーザーが違うとは思いますが。
また残念なことに「サブスク(という名の自由に解約できない不自由なリース)」でしかフィアット「500e」は提供されないのですが、実はバッテリー容量が42kWhと現行の40kWhリーフとほぼ同等です。
航続距離はEPAで285キロに対し、40kWhリーフだと約240キロと少し負けますが、EPAの基準(高速道路での走行重視)だとリーフは少なめの航続距離が出やすいので一般道での運用が主なら大きな差はありません。
デザイン性という面では個性全開のフィアット500eが優位な上にサイズも「全長3630mmx全幅1685mmx全高1530 mm」とEVの中では最もコンパクトな一台に入るとは思います。
一方でリーフも「全長4480-4510mmx全幅1790mmx全高1560-1570 mm」というサイズ感はテスラ「モデル3」やヒョンデ「IONIQ5」と比較すると手頃な使いやすいサイズです。
ここは好みで選ぶところだと思いますが「価格」で比較するとリーフが360-406万と新車でもフィアット500e(450万)より安いです。
またフィアット「500e」の致命的な欠点は「サブスクでのみ提供」という点です。
支払う代金は月額53900円の5年契約(53900×60=3234000円)で、これにボーナス払い10回(合計110万円)が加算されて総支払額が433万4000円です。
任意保険や税金なども込みと考えれば悪くないようにも思えますが、「5年間の契約期間が終了したら車は引き上げ」つまり自分の所有物になることはありません。
5年乗った車を下取りに出して次に買い替えるときの資金に充てるというサイクルが発生しないのは「サブスク(という名のリース)」の不利な点です。
だから結果的に得しないのでサブスクで新車を買うことはおすすめしないのが私の見解ですが。
また40kWhリーフであれば新車にこだわらなくても中古車が豊富にあります。
中古車検索サイトを見ればわかりますが安いものであれば150万円位から40kWhリーフの中古は在庫があります。150-200万円で300キロ弱走れるEVが買えると考えると「コスパ最高」に思えるのは私だけでしょうか?
補助金がある関係で「リーフ」の場合も85万円の国からの補助金対象になっており、例えば東京都在住であればこれに60万円が加算されますので合計145万円、グレードにもよりますが補助金適用後の価格だと200万円台前半から買えると考えると「
新車と中古どっちがお得?」と考えてしまうところです。
ですが車に使える予算は各人違うわけですから例えば「200万円超えると高い、でもガソリン代が高すぎるからEVにしたい」と思うのであれば40kWhリーフの中古が断然おすすめになります。
実は「EVなんて高くて買えねぇんだよ!」というぼやきもよく市場を眺めるとそれほど根拠のあるものではありません。
実は30kWhリーフ(AZEO)と軽EVも立派な比較対象?
最後は日本だとモデルチェンジ前のモデルというだけで嫌われる傾向がありますが、旧型のリーフ(30kWh)を取り上げてみます。
旧型になるとこれまで取り上げた現行の40kWhや60kWhのものより安くなるのは誰でもわかるかと思いますが、実は旧型(AZE0)のリーフでも末期の30kWhのものであれば航続距離もバッテリーもかなりパワーアップしています。
アテにならないJC08であれば270キロ、一般道主体ならちょっと厳しすぎるEPAだと172キロですが、日常生活で使うには十分な距離です。
実はこの水準の航続距離は間も無く日産と三菱から発売が予定されている軽EVと同じくらいの航続距離です。
この水準の航続距離だと「自宅充電が必須。自宅で充電できないなら買うべきではない」となるのですが、当然ですが30kWhリーフの場合中古車価格は格安になります。
軽EVの方が「オプション込みで補助金適用前だと300万を超えそう」という情報もあり(国の補助金だけなら200万円台前半、東京都の60万円のように自治体が高額の補助金を上乗せする地域なら200万を切ります)、「意外と高い」と思ってる方もいることでしょう。
そんな方々には「中古の30kWhリーフを軽EVの代わりに導入してみてはいかが?」となります。
繰り返し私のブログで用いている「日産・リーフのバッテリー劣化率」ですが、30kWhのリーフが発売されたのは2015年12月ですので2016年の数字を見るとどの位の性能かわかります(2017年以降は現行のZE1と混ざります)。
2016年の劣化率が「4年乗って8%」という統計が出ています。
劣化率15%で1セグ欠けて11セグになりますが、この時のバッテリー容量が25.5kWhです。
AZE0リーフの電費が街乗り主体だと「7-8キロ/kWh」と言われてますので大体の航続距離が178-204キロになります。
実は軽EV(20kWh)の航続距離より少し多いくらいです。
「俺は毎日200キロ走るからこんなEVじゃ使えねぇんだ」と怒る人は無視しても、通常の人が日常生活で使う範囲であれば170-200キロ走れれば余裕でお釣りがきます。
何より中古車価格だと100万円を切るくらいという抜群のコスパです。
「モデルチェンジ前の車両なんて」と文句を言うのは日本人くらいですから。実際にヨーロッパへ行けばまだまだ古い車両が当たり前のように走っています。
このように日産「e-NV200」やプジョー「iOn」(三菱「アイミーブ」のOEM)が昨年パリに行った際にも普通に走っていたので私も驚きました。
もちろん軽EV同様に「自宅充電ならね」という条件はつきますが、30kWhのリーフを軽EVの代わりにセカンドカーとして運用するのは実用面で全く問題がありません。
ですのでファーストカーが最新の「リーフe+」かヒョンデ「IONIQ5(ノーマル)」でセカンドカーが中古の30kWhリーフという生活は全く現実味のあるものです。
今でもヨーロッパで売れる日産「リーフ」を過小評価してるのは日本人だけ?
と「実はリーフは意外にコスパが良い」ということはお分かりになったかと思います。
それもあってか実はリーフの中古は日本国内よりも海外のバイヤーが好んで買っていく傾向があります。
EVs Enhanced – Home
We are here to develop and offer upgrades that enable existing electric vehicles (EV) to remain useable, relevant and desirable as they age.
こちらは日本と同じ右ハンドル国のニュージーランドの会社ですが、日本から調達した中古のリーフ(それも型落ちのAZE0が主体)のバッテリーを交換(ただの交換ではなく24kWh→30kWhや30kWh→40kWhのようなアップグレードにも対応)して新車同然のコンディションに改造して販売するサイクルが既に確立されています。
こちらは2012年型の24kWhリーフ(まだバッテリーの劣化率が激しかった頃の車両)に30kWhのバッテリーを搭載してリフレッシュさせている動画です。
初期型のバッテリーが劣化する原因だったPTCヒーターがヒートポンプに交換されていたり、バッテリーの容量アップに合わせてファームウェアも書き換えるようでただのバッテリー交換で終わらず「2022年でも使える車両」としてリフレッシュされています。
日本だとバッテリーのアップグレードは「改造」に該当するのでできないなどの事情があるのはわかりますが、海外の方が「欠陥のあった古いリーフでも何とかして再生して使えるようにしたい」というリーフへの愛情を感じるのは私だけではないでしょう。
中古車が豊富にあること、新車も最近のEVと比較すると案外安いという「リーフ」が持つアドバンテージに日本人も気付くべきではと思うのは私だけではないでしょう。
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