ようやく登場「日産アリア」が示唆する日本のオワコン具合とは?【価格が高いと思ってしまう?】
こんばんは、@kojisaitojpです。さて2021年に本当に間に合うのか?暗雲が立ち込めている印象だった「日産・アリア」の予約開始時期と納車開始時期がようやく明らかになりました。
【❗️独自スクープ❗️】
日産アリアの全容明らかに
✔︎初回限定生産モデル「ARIYA LIMITED」(オプションほぼフル装備)
✔︎5月下旬先行予約スタート
✔︎10月発売開始&2021年内納車
✔︎エントリー以外は2022年4月発売開始
✔︎本体価格500万円〜(実質420万円〜?)https://t.co/ANStS5oIG1 pic.twitter.com/JXGms1kB9V— EVネイティブ (@EV_Native) May 13, 2021
補助金に関しては9/30という2021年度の期限は超えてしまうので来年度も同じような補助金が適用されればという話になりますが、日本市場で500万以下の価格で日産アリアが購入できることはほぼ間違いないようです。
一部では「本当に2021年に発売されるのか?」と不安説もささやかれていた日産が一部のグレードのみになりますがどうにか2021年内にアリアの納車が可能になる体勢を整えてきたようです。
というわけで今日はようやく発売日程が出てきた「日産・アリア」について取り上げつつ、車のスペックなどの話は専門に開設される方が多数いると思うので私なりに気づいた別の問題にも触れたいと思います。
なお「アリア」のスペックについては以前書いた記事がありますのでこちらをご参照ください。
「ボルボXC40 Recharge」と「日産アリア」を徹底比較【2021年発売予定】
2021年に日産がいよいよ投入する「アリア」を同じミッドサイズSUVでスペック的にも競合することが予想されるボルボ初の電気自動車「XC40 Recharge」と比較してみます。PHEVに注力していたボルボがようやく電気自動車に全力投球してきましたが、早い時期から電気自動車を販売していた日産がどう迎え撃つか注目です。
目次
世界で互角に戦える本格派SUVの「日産・アリア」
ワールドプレミア自体は昨年行われていましたが、発売の予定がなかなか発表されずに待ち望んでいるファンをやきもきさせましたが、ようやく今月末から予約がスタートするようです。
私も裏を取る目的でディーラーに冷やかしの電話をしてみましたが、どうやら本当のようです。
そして最も早く納車されるグレードの「B6」と「B6リミテッド」というバッテリー容量65kWhのFWDモデルになり、2021年10月頃の納車になるようです。
それ以外のグレードに関しては2022年の発売になるようです。
価格はベースグレードの「B6」が500万円、オプションてんこ盛り(プロパイロットやリモートパーキングなど)の「B6リミテッド」の方が600万円のようです。
個人的には「B6リミテッド」の限定色であるワインレッドのようなカラー(バーガンディ)と「銅(Cupper)」をイメージしたアリア独自のカラーをクリーム色のように薄めたカラーに注目したくなります。
私が購入するなら限定色よりもこの「銅」をイメージした元のカラーかなと思いますが。私が日本車ではめったに使わない「かっこいい」という表現を使いたくなります。
上位グレードになると最上位のグレードで700万円くらいになるようです。
もちろん補助金はカウントしてませんので、来年度も今年のように環境省の補助金や東京都などの地方自治体の補助金が続行となれば80万円〜140万円ほど引いた価格が実質価格になります。
「高い」と思いました?
でも競合となる「テスラ・モデルY」のスタンダードレンジのアメリカ価格が約4万ドル(約440万円)、「フォルクスワーゲン・ID.4」のEUでの価格が4万9950ユーロ(約615万円)、「ヒュンダイ・IONIQ5」のEUでの価格がが5万8995ユーロ(日本円換算約756万円)ですのでほぼ同等です。
以前も取り上げたことがありますが、「日産・アリア」のスペックや価格は同セグメントのSUVである「テスラ・モデルY」「フォルクスワーゲン・ID.4」「アウディ・Q4e-Tron」「ヒュンダイ・IONIQ5」などと互角以上です。
比較的リーズナブルな価格?アウディ「Q4 e-Tron」を紹介【ID.4・モデルY・アリア・Ioniq5等超大激戦区】
アウディが「Q4 e-Tron」という「ID.4」「モデルY」「アリア」「Ioniq5」など各社がEVを投入する激戦区セグメントにEVを投入してきました。フォルクスワーゲンと共通の電気自動車専用プラットホーム(MEB)を用いた性能面も居住性も魅力的なEVです。エンジンの新規開発をストップしたアウディの本気を感じます。
ヒュンダイ「Ioniq5」が電気自動車(BEV)戦線に登場【モデルY・ID.4・アリアとガチバトル】
昨日のワールドプレミアにおいてヒュンダイ「Ioniq5」の具体的詳細が明らかになりましたが、電気自動車(BEV)の、それもSUVタイプの市場において「モデルY」「ID.4」「アリア」と互角に戦えるスペックの高い電気自動車を出してきました。特に「リビングルーム」と呼ばれるEVの特性を生かした室内空間は必見です。
日本勢からようやく世界でも互角に戦える本格的なEVが出てきたと本来であれば手放しで喜ぶべきことです。
ですがSNS上などで「高い」という意見が散見されるのが驚きで、「むしろこのセグメントでこの価格なら安いくらいじゃないの?」と思ってしまう認識のズレに現在の日本が抱える深刻な問題を感じてしまいます。
日産アリアが高いと感じる日本人のマインドとは?
一見本日の「日産・アリア」とは関係ないように思えるかもしれませんが、新しいEVが発売される度に「高い」「せめて200万以下にならないと」「いや100万以下にならないととても買えない」的な意見がたくさん出てくるのは日本特有の痛い問題です。
あなたと日本の経済
衝撃のリスク3選①会社リスク
日本の「働き方改革」は従業員の労働時間を減らす側面もあり②日本のGDP・物価水準
30年間GDPは横ばい。物価も新興国なみに下落③日本の所得水準
世界から見るとかなり貧しくなってます国レベルで弱って行く中、現状維持ででいいんですか? pic.twitter.com/Yuha1G4Kqp
— サクサクさん|SNSで稼ぐ方法を教えます (@sakusaku_master) May 14, 2021
GDPで比較してもこの30年でアメリカが3倍以上になっているのに対し、日本はずっと横ばいです。要はバブル崩壊後全く進歩してないということなのですが。
ビックマック価格で比較していますが、実はもう新興国と変わらない水準のレベルに落ちています。
これが実は2019年まで、つまり新型コロナウイルスの感染拡大前までは「インバウンド」という言葉で「何となく日本に富をもたらすもの」であるかのように錯覚していたのですが、それは相手国の側から見ると「日本ってモノが安いから買い物天国」に見えていたということです。
それでもインバウンドがある程度は日本に利益をもたらしてくれていたので、コロナ前は問題にする人も少なかったのですが、新型コロナウイルスの影響によりインバウンド収入が消滅すると「あれ?日本人っていつの間にか貧乏になってないか?」ということに気付く人が増えたということです。
先ほども言ったように「日産・アリア」の車両価格が500万円からで上位グレードでも700万いう価格は「テスラ・モデルY」や「フォルクスワーゲン・ID.4」「ヒュンダイ・IONIQ5」と比較しても全く高価ではありません。
もしアリアの価格を聞いて「こんな高いの買えねぇよ」と思う人が多ければ多いほど、世界基準で見ると貧しくなった日本人が多くなったという残念な事実の裏返しになってしまいます。
新型コロナウイルスや「日産・アリア」などのEVが教えてくれる日本のオワコン具合
以前から日本そのもののがオワコンであるという指摘はされていたのですが、何となく自覚する機会がないまま新型コロナウイルスが襲来してしまったことで、一気に現実と向き合う羽目になっているという側面はあると思います。
EV化とか再エネ転換ってのが日本人が貧乏になったタイミングで来たから余計に抵抗勢力増やす原因になってる。
— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) May 14, 2021
新型コロナウイルスのワクチン接種状況が先進国どころか世界全体で見ても最低水準、EVの充電器設置状況も世界標準から大きく遅れたチャデモ規格などの問題は以前から「ロジスティックスを軽視する日本の悪しき伝統」と指摘してます。
e-mobilityPowerの残念な充電インフラ設置計画が判明【これじゃ日本ではテスラ一択?】
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私の場合別に自動車の専門家でもないのでEVそのもののスペックよりも違う側面に目が行くというのがあるかもしれませんが。
そして先ほども取り上げたように日産アリアやテスラ車などどんどん発売させる新しいEVを見るたびに「高い」というコメントを大量に見かけることになるわけですが、ふと「EV化に抵抗するのも日本人が貧乏になった証拠か?」と思ったりもします。
「日本人は変化を嫌うから」とか「日本では再エネに向かないので」とか色々なことを言う人がいますが、これらが全く根拠のないものであることはこれまでの多くの記事で述べてきました。
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私は時々Twitter上などで「できない理由を探すときだけ異様にクリエイティブな日本人」と嫌味を言うことが多いですが、アメリカ・ヨーロッパ・中国と世界の主要マーケットがEV化・再エネシフトの方向に向いているのに背を向けて新しいビジネスチャンスを逃そうとしていること自体が謎です。
本日取り上げた「日産・アリア」に関しても「この車が日本で普及すれば日本のEV化を一気に推進できる」と思う反面、「日本じゃ売れないほど日本が衰退してることがわかるきっかけになったら嫌だな」と思ったりもします。
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