テスラ「モデルY」と日産・三菱の軽EVの予約台数が示す可能性とは?【日本も夜明け?】
こんばんは、@kojisaitojpです。世界でもぶっちぎりで遅れていた日本市場でもようやくEVの芽が出てきたかもしれません。
発売からわずか3週間で日産サクラが11,000台、三菱eKクロス EVが3,400台、合計14,400台の受注。
これだけで日本の年間販売台数の約0.4%にあたるので、今年発売される予定のbZ4X、ソルテラ、Ioniq5、モデルYを合わせれば、2022年の日本のEV(BEV+PHEV)比率は2.5%突破は確実ではないでしょうか? https://t.co/6g9LM9nvY7 pic.twitter.com/TRUiBcVxcV
— 🌸八重 さくら🌸 (@yaesakura2019) June 14, 2022
日産と三菱が共同開発の軽EV「サクラ」と「ekクロス」の予約台数がすごいことになっています。
もし日産「サクラ」の11000台という台数(先週時点なので現在はもっと増えてるでしょう)が1ヶ月で納車されると軽自動車でトップを走るホンダ・NBOXに次ぐ2位に登場することになります。
ようやく日本でも本格的にEVが受け入れられ始めたかな?というのが私の感想です。
そこで今日は好調な予約受付でスタートした日産「サクラ」、三菱「ekクロス」と台数こそは敵わないものの輸入車にしてはかなりの台数が出ることが予想されるテスラ「モデルY」、ヒョンデ「IONIQ5」について取り上げながら「本格的な普及期に入る日本で必要なこと」について考えてみます。
目次
ガソリン車も含めたランキングトップも狙える? 日産「サクラ」の予約台数
日産「サクラ」の予約台数が「3週間で11000台」というのがどのくらい驚異なのかは統計を見ればわかります。
5月の軽自動車ランキング
1位スペーシア。N-BOXは2位
珍しく1万台超えがなかった。
半導体不足は続くから利益の薄い軽自動車は後回しになるのかな🤔 pic.twitter.com/UQn4LLqkYu— 【日本車】応援TV局長のつぶやき (@japancarTV) June 6, 2022
これが2022年5月の日本市場における軽自動車のランキングです。予約開始から3週間で11000台の予約を集めた日産「サクラ」がもし1ヶ月の間に納車されればホンダ「NBox」やスズキ「スペーシア」を抜いて首位に立ちます。
プロモーションがお世辞にも上手いとは言えない日産と三菱が今回は上手にメッセージを発信してる印象です。
例えば一例を挙げると、
\新型『#eKクロスEV』デビュー🎉/
EVならではのスムーズな加速と静かな走りで、日常使いに十分な航続距離を実現❕自宅で充電することができる「おうち充電🔌」、車庫入れをサポートする「押すだけ駐車🚗」など、多彩な機能が魅力的です🌟#三菱自動車 #軽EV— 三菱自動車工業株式会社 (@MMCjpn) June 3, 2022
今回の日産「サクラ」、三菱「ekクロス」の両者に共通するプロモーションの仕方に「おうち充電」という単語が頻繁に登場するのは「EVは本来自宅などの駐車場に置いている時間帯に充電するものだよ」というメッセージになります。
#日産サクラ [NISSAN SAKURA]スペシャル試乗ムービー https://t.co/S0bN5z0yex
— 日産自動車(EV専用) (@NISSANEV) June 23, 2022
日産の方では松たか子さんを起用し、「女性でも簡単に扱えるEV」というのを全面に出してきています。
軽自動車を日常の買い物や子供の送り迎えなどの用途で使用するのは女性の方が割合は高いでしょうから適切なプロモーションだと思います。
搭載バッテリー容量が20kWhと小さい日産「サクラ」と三菱「ekクロス」の登場が「充電は急速充電器へ行ってするものではなく、自宅のコンセントでするもの」という意識を持つきっかけになるのでは?と個人的に期待しています。
テスラ「モデルY」にも膨大な予約が?
片や6月になって突然予約受付を開始したテスラ「モデルY」もかなりのペースで予約が入っているようです。
気がついたらモデルYも納期がかなり怪しくなってるな。イーロンマスクが想定以上と言っただけのことはある。
— saito koji@クラファンの次はIONIQ5納車待ち (@kojisaitojp) June 14, 2022
当初は8月納車と出ていたのもあり、なかなか納車時期が判明しないヒョンデ「IONIQ5」の予約をキャンセルしてモデルYに変更した方もいた位でした。
現在は12月納車になっているようですので、素早くIONIQ5からモデルYに乗り換えた方は成功かもしれませんが、後からだとIONIQ5と変わらない、下手すれば遅れることでしょう。
外車の場合は先ほどの日産「サクラ」・三菱「ekクロス」やランキング上位に入っているホンダ「N-Box」などとは比較にならない台数ですが最低でも数百台の予約が入ったようです。
ヒョンデ「IONIQ5」の当初の予約が200-300台と言われてますのでその上を行くことは間違いないようです。
オーストラリアの話だけどモデルYの検索ボリュームが驚異的。
Tesla Model Y interest peaks in Australia as Shanghai production ramps up https://t.co/xyaNqE3FfD— saito koji@クラファンの次はIONIQ5納車待ち (@kojisaitojp) June 24, 2022
こちらはほぼ同時に予約が始まったオーストラリアの話ですが(右ハンドル国・上海工場製なので日本と一緒)「Googleの検索ボリューム」が異常なことになっています。
「Googleの検索ボリューム」はその時に「世の中がどのくらい関心を持っていたのか?」を知る一つのバロメーターとしてかなり精度が高いです。
Top US EV sales this year:
1. $TSLA Model Y: 52,051
2. $TSLA Model 3: 47,682
3. $TSLA Model S: 9,250
4. $F Mustang Mach-E: 6,957
5. Hyundai Ioniq 5: 6,265
6. Kia EV6: 4,901
7. $TSLA Model X: 4,899
8. Nissan Leaf: 4,401
9. Kia Niro Electric: 3,549
10. Volkswagen ID.4: 2,926— unusual_whales (@unusual_whales) June 5, 2022
まぁ「モデル3」と同様に世界トップの売り上げ台数を誇るモデルYですから当然の結果ではありますが。
私の個人的な話をしても来週にはヒョンデ「IONIQ5」が納車されます。二台買えるならモデルYも同時に買ってしまいたいところですが私の資金力では無理です(笑)。
7月以降に日産「サクラ」、三菱「ekクロス」、ヒョンデ「IONIQ5」、テスラ「モデルY」と注目のEVが一気に日本市場に投入されます。
いよいよ遅れていた日本でもEVシフトの波が来たかもしれません。
「EVが広く普及する」→「EVの本質は自宅充電」の意識が高まるきっかけが日産「サクラ」?
さてこのようにEVが2022年中にかなり増えることが濃厚になってきて「ようやく日本でもEVの普及期に」と言うと必ず批判が飛んできます。
- 電力の足りなくなる夏を控えてEVなんてけしからん!
- 今の日本の充電インフラでこんなにEVが増えたらパンクする
お決まりの批判なので私個人は聞き飽きた内容ですけど(笑)。
「電力不足」については全く問題がありません。
3月に東京電力の管内で「大停電寸前」に陥った時がその典型例ですが、「電力不足」は「みんなが同時に電気を使う時間帯」に起きます。
ということはピークの時間帯を外して、例えば深夜などにEVの充電をすれば電力不足とは無縁です。
それどころか「V2H」を搭載したEVを保有する家庭なら電力が足りないと言われる時間帯は「EV→自宅」に電力を供給してやれば送電網の負担を軽くすることに貢献できます。
まぁそもそも昨日の記事でも指摘したように「電力不足」という言い方自体本当は不適切なのですが。。。
4/17は出力制御により、全国で原発4基分にあたる出力4.3GWを抑制。
EVや蓄電池による蓄電が出来ていたら、どれだけの資源が節約できたのでしょうか…🤔
「出力制御」延べ57日実施 全国で4、5月 太陽光発電など停止(毎日新聞)#Yahooニュースhttps://t.co/pHoHfYrgit
— 🌸八重 さくら🌸 (@yaesakura2019) June 9, 2022
どっかの超有名企業の社長が以前「EVが普及したら原発が10基必要になる」と脅しのような発言をしていたことは私も取り上げましたが、実は現時点で「原発4基」に相当する風力や太陽光を「出力制御」というやり方で実質捨てているような状態です。
「この余った再エネをEVに蓄えさせれば?」というのが、私が以前紹介したフォルクスワーゲンの提唱する「V2G(Vehicle to Grid」という計画です。
「特定の時間帯(主に昼間)」に再エネが余るというのは太陽光などを思い浮かべれば誰でも気づくことですが、この「需給バランス」の調整のために蓄電池代わりにEVに電力を蓄えるということです。
「自宅や職場、ショッピングセンターなどの駐車場にコンセントがあれば」今すぐにでもできる話です。
まぁ私が批判した当の本人な「充電インフラ」についてもこんなレベルの認識のようですが。
自宅充電という意識がないのか😱 https://t.co/mkim65veD6
— saito koji@クラファンの次はIONIQ5納車待ち (@kojisaitojp) June 11, 2022
私のところにも「田舎では充電スタンドが少ないからEVなんか無理だ」と怒り口調でコメントをよこす輩は後をたたない状態ですが、「え? 自宅にコンセントあるでしょ?」の一言で終わりです。
以前から私はブログでもTwitterでもYouTubeでも「充電インフラの話となると急速充電の話しかしない日本の状況」に異論を唱えてきました。
まずは自宅の駐車場、長時間滞在する可能性が高い職場や空港、駅、ショッピングセンターなどの駐車場にコンセントを設置して「いつでもプラグイン」できる状態になれば駐車してる間にEVに充電され勝手に航続距離が伸びます。
「駐車してる間にガソリンが増える」ということはあり得ないですからピンと来ない方も多いようですが、車を使わない時間帯にエネルギー補給ができるのがEVの長所です。
この重要な事実に気づくきっかけが航続距離の短い日産「サクラ」と三菱「ekクロス」になるのでは?という予想を現時点で唱えておきます。
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