【実はとっくに解禁?】アウェイサポーター自粛を禁止と取り違える日本人の体質

サッカー 趣味

こんばんは、@kojisaitojpです。炎上しかねないネタを取り上げるのはあまり気が進まないところでしたが、現時点では大したアクセス数もない初心者ブログですので遠慮なく書いてみたいと思います。

というかこのブログでサッカーの話題を取り上げる気はあまりなかったのですが、ちょっと聞き捨てならないニュースが飛び込んできたので書きます。

確かに「アウェイチームのユニフォーム・グッズを着用しての応援・観戦」は現行のJリーグの規則で「禁止事項」です。

しかしアウェイチームのサポーターが観戦に行くことに関してはJリーグのガイドラインなどを見ても「禁止」とは書かれていません。

にもかかわらずネット上では「観戦禁止」だと思い込んでいるようなTweetや掲示板の書き込みを見かけます。こういうのを見ると春先に騒ぎになった「自粛警察」と同じような臭いがしてきたので、今日はこの「コロナ禍におけるアウェイ観戦」について考えてみます。

どこにも「アウェイ観戦禁止」とは書いてない

サッカーのイメージ画像
まずは何が「禁止」されているのかについてJリーグの新型コロナウイルスに関するガイドラインを見てみましょう。

Jリーグでは制限付きの試合開催を「超厳戒態勢時(強い制限)」と「厳戒態勢時(緩和された制限)」に分類。

「超厳戒態勢時」の試合開催は政府の方針に則り、7月10日からを予定しており、上限5000人、または会場収容人数の50%の少ないほうで実施される。ただし、ビジター席は設置せず、チケット販売は原則シーズンシート、ファンクラブのみとなる。一般発売の有無はクラブごとに決定される。

(中略)

観戦における注意事項も、このプロトコルには記されている、大前提としては「無理な来場は勇気をもって見合わせること」。体調が良くない場合、家族などに症状が見られる方などは、試合観戦をすることができない。また入場時に体温を測定し、37.5度以上の場合は入場できない。マスクの着用も必須となる。

(Jリーグ「新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン プロトコル7」より)

「ビジター(アウェイ)席を設置しない」としか書かれていません。体調が思わしくない時に観戦に行くべきではない、入場時の体温測定で引っかかった場合は入場させないというのは来場者全員に共通のものです。

次にもう少し具体的に書かれたものを探すと、

超厳戒態勢期間においてアウェイゲームの観戦はお控えください。それに伴いビジター席の設置はございません。アウェイチームのユニフォーム・グッズを着用しての入場・観戦もできませんので、あらかじめご了承ください
(「Jリーグが実施する感染予防策」より)

あくまで「お控えください」になっています。これが一つ前の項目の「座席移動の禁止」のところでは、「観戦時は、座席(立見席・芝生席等含む)から移動することを禁止とします(間隔を空けずに隣に座る、スタンド前方へ移動して選手に声をかける等)」については、明確に「禁止」と書かれています。

もしアウェイゲームの観戦に来るなという意味の規則であれば「お控えください」という自粛を示唆する表現ではなく、明確に「禁止します」となるはずです。

にもかかわらず観戦に行くこと自体を禁止と勘違いしているようなコメントがヤフーニュースや5ちゃんねるなどの匿名掲示板で目につくところが恐ろしいです。

確かにアウェイ席がないのは事実ですが、ホーム側の席でこっそり観戦することまで禁止とはどこにも書いてありません。

これに対して「行かないのが常識だ」「空気読め」と批判する資格は誰にもありません。

「自粛」と「禁止」と混同する日本人の体質

実際に当事者のアルビレックス新潟はホームページで「もちろん、各試合会場の近隣にお住まいの方であれば、ご来場を妨げるものではなく、アウェイの試合時において、選手たちへの拍手をいただけることは非常に力強く感じております」と声明を出しています。

禁止なのはあくまでも「アウェイチームのユニフォーム・グッズを身につけての応援」であり、「観戦」ではないと認めていることになります。

むしろこの今まで良いのか悪いのかはっきりしなかった「アウェイチームのサポーターがホーム側の席でおとなしく観戦すること」は禁止事項ではないと、Jリーグのチームが公式にアナウンスしたことが重要かと思います。

札幌ドームのイメージ

移動距離に関しても、現在国を挙げて「Go to」とやらで旅行を推奨している状態ですのでとやかく言うべきではないでしょう。そもそも移動距離で規制をし出すと、じゃあ何キロ以上ならダメなのかとか(そしてその根拠も不明確)、チケット売る時や入場時に住所確認でもするのか、住所確認するなら近隣に住む親戚の保険証などを持参した場合確認できないがどうするんだとか、処理しきれない問題が無限に出てきます。

ホームタウンとその近隣に住んでいないサポーターの扱いもややこしくなります。

札幌ドームのイメージ

私の例で言っても東京在住ですが、札幌ドームまで試合を観に行ってSNSにでもアップしようものならボロクソに叩かれることでしょう。反対に近隣だからと言って埼玉・千葉・神奈川のアウェイゲームにグッズを身につけずこっそり観戦に行ったのをSNSにアップしてもこれまたボロクソに叩かれることでしょう。

「今住んでいる場所から遠くにあるホームゲームの観戦に行く」「今住んでいる場所の近隣であるアウェイゲームに行く」どちらも否定されるサポーターもいます。

だからJリーグとしても「控えてください」のような「自粛」をお願いするというスタンスまでしかとれないのでしょう。

これ以上の規制をしようとするとjリーグ再開時のような「無観客試合」しか手段がなくなってしまいますが、それはJリーグも各クラブチームもサポーターも誰も望んでいないことでしょう。

「自粛警察」という不当な圧力

自粛警察のイメージ
過剰に反応して「アウェイに行くのは禁止なのに」と事実誤認した攻撃が続くと、緊急事態宣言下での「自粛警察」にもつながる困った問題になります。サッカーだけの問題ではありません。

「自粛警察」の時も話題になりましたが、その県に住んでいても他県ナンバーのまま車を運転する人なんていくらでもいるわけで、そういう人々を叩いていいわけがないという問題も起きます。

何となくですが、いじめと同じで自分と違う行動を取る人に嫉妬心を覚え、不安を解消するために攻撃するような印象すら受けてしまいます。

今回でいうと「自分は我慢してスタジアムに行かないのに、行きやがって」のような怨念を感じます。

そもそも法律で違法とされていないもの、今回のケースであれば禁止事項とされていないものまで取り締まり出すと自粛警察のような恣意的な暴力を生み出すことになり、絶対に許されるものではありません。

法律などの規則にないものを「自粛しろ」「空気読め」と他人に強制するのはただの暴力です。

たかがサッカー、されどサッカー

アウェイ観戦のイメージ画像
まぁ今回の件に関しては明確に禁止されている「アウェイユニフォームやグッズ」を身につけた上で観戦しているので論外でしょう。非難されてしかるべきかと思います。

しかしルールとして明確に禁止されていないことまで「自粛しろ」「行くな」と他人にとやかく言うのは筋違いです。

去年までの話ですが、実際私なんかももうサポーター席で大声張り上げる年齢でもないし、落ち着いて試合を観たいので、大抵はメインスタンドの真ん中辺りで(もちろんアウェイグッズは身につけずに)観戦しています。

おそらく今後もコロナウイルスに関係なくこのようなステルス観戦を続けることになるでしょう。

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