ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」や起亜「EV6」がついに日本上陸?【オンライン販売のテスラ方式】
こんばんは、@kojisaitojpです。以前から噂にはなっていましたが、あの会社がついに日本市場に再参入するようです。
オンラインってのはある程度予想通りなんだけど充電はどうするんだ?
現代自社長「日本での電気自動車販売は100%オンラインで」(THE Korea Economic Daily Global Edition)#Yahooニュースhttps://t.co/1KYQteo3e6— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 4, 2022
ヒョンデ(ヒュンダイ)がいよいよ日本市場への再参入を表明しました。
投入する車種もヒョンデ(ヒュンダイ)から「IONIQ5」、起亜からは「EV6」などの最新のEVを販売する意向のようです(知らない人向けにいうとヒョンデと起亜は同じグループ)。
「IONIQ5」は私も何度かブログで紹介したり日々Twitterで「欲しい」と発言する注目のEVなので今日はこのニュースを取り上げないわけにはいきません。
ただし引用したTwitterにも書いたように「充電インフラどうするの?」というクリアしなければならない課題もあります。
そこで今日はヒョンデ(ヒュンダイ)が正式に表明した「日本市場再参入」の計画の内容と「充電インフラ」というクリアしなければならない課題について解説します。
ちなみに後日「IONIQ5」を試乗した際の記事はこちらになります。
ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」に初日に試乗してきた話【テスラに対抗できる唯一のEV?】
ヒョンデ(ヒュンダイ)が原宿で開催するEVの「IONIQ5」とFCVの「NEXO」の試乗イベントに行ってきました。会員登録をすれば自由に使用できるラウンジがあり、車両を自由に触れるスペースなのでEVに興味があればぜひ行ってみることをおすすめします。テスラに対抗できる本格的なEVが日本メーカーより先に韓国から来ました。
目次
オンライン販売で「IONIQ5」「EV6」を投入するヒョンデ・起亜の戦略
今回のヒョンデ(ヒュンダイ)の日本市場再参入の要点を簡単にまとめると、
- EVを100%オンラインで販売する
- 投入する車種は最新のヒョンデ「IONIQ5」や起亜「EV6」
- 整備やアフターマーケット商品を担当するサービスセンターを、横浜市に建設
が主なポイントです。「IONIQ5」は以前からヒョンデ(ヒュンダイ)の日本語ホームページにも掲載されていましたので驚きはありませんが、系列の起亜「EV6」も投入する可能性があるのには驚きました。
ちなみに私のブログでは以前からヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」の性能の高さについては何度も解説してますので合わせてご覧いただければと思います。
ヒュンダイ「Ioniq5」が驚異のスペック?【電気自動車も韓国に負ける?】
ヒュンダイが2021年に販売予定の「Iconiq5」の情報がリークされましたが、航続距離、急速充電などスペック面でフォルクワーゲンや日産を凌駕するほどのハイスペックです。スマホにしろ液晶テレビにしろ韓国メーカーとの競争に負けた日本企業は電気自動車でも負けるのでしょうか?今のやる気のない状況を見ると否定できない危機です。
ヒュンダイ(ヒョンデ)「IONIQ5」が日本でも発売される?【対抗できるのはアリアだけ?】
ヒュンダイ(ヒョンデ)の新しいEV「IONIQ5」がいよいよ韓国国内を皮切りに納車されました。購入したYouTuberの動画などを用いて噂通りのハイスペックなEVであることを解説します。日本国内でも目撃情報があり、「日産・アリア」以外の日本のEVでは太刀打ちできないEVが近いうちに日本市場に投入される可能性が高いです。
同じように起亜「EV6」について解説した記事はこちらになります。
「Kia EV6」と「Hyundai Ioniq5」がEV戦争でテスラを倒す?【モデルY超えのスペック?】
ヒュンダイ「Ioniq5」の発表で驚異のスペックを持つ電気自動車(BEV)を出してきた現代グループが今度は起亜ブランドで「EV6」というテスラ・モデルYのスペックすら超える高性能なEVを発表しました。電気自動車では日本が完全に遅れている姿が際立ちますが、Sonyの「Vision-S」という希望を感じる面もあります。
しかしニュースが掲載されていたヤフコメを見ると「浦島太郎?」と思わせるような呆れるコメントが散見されました。
しかし「オンラインで販売してナンバー取り付けや車庫証明どうするんだ?」とか言ってるヤフコメから感じる救いようのない加齢臭(笑)。
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 4, 2022
テスラのオンライン販売を知っている方であれば失笑してしまう内容ですよね(笑)。こういう次元の低いコメントが1個ならその人がおかしいんだで無視していい話なのですが、複数見られたのでツッコミを入れたくなります。
テスラのオーナーには当たり前のことなので説明すると退屈かもしれませんが、あくまで注文をオンラインで受け付けるというだけです。
車庫証明など登録に必要な書類は郵送でやり取りをする、書類が揃ったらメーカー側が登録しナンバーも取得する、そして納車の際はテスラの場合だと有明や川崎などのテスラセンター(ストア)まで受け取りに行くというのが一連の流れなのですが、これを知らない(想像できない)人が一定数いることに驚きました。
また「オンライン販売だとアフターサービスもないのかよ」と怒ってる人もいましたが、ヒョンデ(ヒュンダイ)側は「横浜に最初のサービス拠点を設立し、今後全国に展開していく」と言っています。
これもテスラに近い方式で、アフターサービスの際は国内の整備拠点まで車を輸送してメンテナンスを行うことは既に一般的です(テスラのような主張で修理するモバイルサービスを行うのかは不明)。
誰も「アフターサービスなし」などと言ってないのに「オンライン販売」というだけでアフターサービスがないと錯覚するのが現在の日本人の知的水準なのでしょうか?
このようなコメントが複数あるのを見ると、以前私が「中古車のオンライン販売」を事業計画書に書いた際に「アフターサービスもしない車屋なのか!」となぜかコンサルに怒られたのを思い出します。
私が立てた計画(まだ放棄してませんが)だとオンライン販売がメインで下見をしたいという顧客には車両の保管場所で対応、一般の中古車店のように店舗を設けないことで大幅に経費を削減するという計画だったのですが、これまでの車販売のやり方が当たり前だと思っている人々には想像もつかない世界のようです。
課題はアフターサービスではなく「充電インフラ」?
と「アフターサービスガー」という批判は全く的を射た批判ではありませんが、今回の発表で私が気がかりだなと思ったのは「充電インフラをどうするか?」の説明が全くなかったことです。
昨日ポルシェ「タイカン」について解説した際にも言いましたが、現在発売されているEVの中でポルシェ「タイカン」とヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」だけは400Vではなく800V対応です。
これによって高出力での充電が可能になり、ポルシェ「タイカン」はヨーロッパでは最大350kW、ヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」は最大225kWの充電に対応します。
ヨーロッパだと「IONITY」の急速充電器は最大350kWなので問題なく対応可能です。
このような出力が可能な充電器があって初めて「10-80%の充電が18分」とか「5分の充電で100キロ走行可能」とヒョンデ(ヒュンダイ)が主張するスペックが発揮されます。
もうお分かりですよね、現在日本に存在するCHAdeMO規格だと最大でも90kW、日産ディーラーや高速道路のSAPAにある充電器だとせいぜい50kW、ものによっては20kWの急速とはとても呼べない充電器だらけです。
昨日の記事にも書いたようにポルシェでは自社のディーラーに「最大150kW(最低でも90kW)」の充電器を自社とABB社との共同開発で用意してます。
ヒョンデ(ヒュンダイ)はどうするのでしょうか?
このかっこいい充電ステーションもセットで上陸したらすげぇとは思うけどそこまで日本市場に投資しないよな。。。https://t.co/MIQV4oPidI
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 4, 2022
本国韓国ではこのようにデザイン性にも優れた充電ステーションを設置していますが、日本市場にここまで投資することは想像しにくいです(もしやってきたらそれはそれで日本のEV事情に革命的な変化をもたらしますが)。
ヒョンデ(ヒュンダイ)が何もしない、現在日本にある世界標準からかけ離れた低スペックな充電器を使わざるを得ない状況のまま「IONIQ5」や「EV6」を販売しても正直宝の持ち腐れで終わってしまいます。
自社で設置するのが難しいのであれば例えばテスラのスーパーチャージャーを利用するとか先日充電インフラの設置を表明したフォルクスワーゲン・アウディ(こちらも150kWでかなり高性能です)を利用させてもらうなどの策を打ってくる必要があります。
それができないでただEVを販売するだけの日本市場再参入であれば過去と同様に大失敗に終わる可能性が出てきますし、今のところ韓国勢に期待してる私も掌を返して批判することになります。
韓国アレルギーのない若者層に「ヒュンダイ(ヒョンデ)」「起亜」が浸透する可能性も
とヒョンデ(ヒュンダイ)のEVが上陸することで日本のEV化状況が一変する可能性まで予想して話をしてきましたが、当然人によっては「ヒュンダイなんて日本で売れるわけがない」と思っている方も数多くいることかと思います。
確かに以前のヒョンデ(ヒュンダイ)のイメージは良くないです。2009年まで日本市場でも販売してましたが、私のイメージでも「ダサい」という印象があります。
ですが今のヒョンデ(ヒュンダイ)・起亜グループは当時とは全く別の会社に変身しています。
と言ったところで私より上の世代の方々は「でも韓国車なんて」と思うでしょうね。
現在ヒョンデ(ヒュンダイ)のCMに起用されているのはあのBTSです、あの若者に大人気の。
私位の年代だと韓国に対して好き嫌いが半々くらいなのですが、私より下の年代、特に20代以下の世代になると韓国に対するネガティブイメージを持っている人が非常に少ないです。
これはこの20年くらい予備校講師として自分と同年代の人間より数多く若者と接してきた実感なので間違いないと思います。
どうしても信じられないおじさん世代の方は試しに休日の新大久保などに行ってみるとわかるかと思います。
既にBTSをCMで起用してることからもヒョンデ(ヒュンダイ)が若者を主要なターゲットを考えてることがわかります。
おっさんしかターゲットになってない自動車業界と一緒か。 https://t.co/NWK8ecqE4S
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 1, 2022
車業界に限った話ではありませんが、日本メーカーはこの逆でいわゆる「おっさん」しか見ていない傾向が強いです。高齢化が進めば進むほどパイが小さくなるということを自覚していないようです。
反対に韓国勢や中国勢が「若者(特に若い女性)にいかにして車を売るか?」という方向でマーケティングをしていることは以前も解説しましたのでこちらの記事もご参照ください。
「インスタ映え」する中国メーカーのEVマーケティング?【若い女性もターゲット】
中国で売れているEVの主な購買層が若い女性であることは日本では知られていません。ファッションや化粧品を彷彿とさせるおしゃれな広告を用いて「宏光MINIEV」や「Ora R1 BlackCat(黒猫)」などが大ヒットにつながっている秘密と旧態依然のおじさん層にしかアプローチできない日本メーカーとの違いを考えます。
ですのでヒョンデ(ヒュンダイ)が「今更日本のおっさん世代に訴えかけても刺さらないから若者をターゲットに売り込もう」と乗り込んでくるのであればそれなりに支持される土台はあると私は予想しています。
日本のテレビでもBTSを起用したCMをガンガン流して「IONIQ5ってかっこいいな」というイメージを若者に訴えかけることそこがヒョンデ(ヒュンダイ)の日本での成功のカギになるのではないでしょうか?
まぁギャラクシーにしろLGの液晶テレビにしろいつの間にか日本でも受け入れられたからヒュンダイも大丈夫なのでは?と思ってるけど。
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 4, 2022
10-20年前であればバカにされる対象だったサムソンのギャラクシーやLGの液晶テレビが今や当たり前に支持されるようになってる現実が、ヒョンデ(ヒュンダイ)にも起こるかもしれません。
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