中国メーカー「紅旗(Hongqi)」がEVで日本進出?【NIOにも日本進出の噂?】
こんばんは、@kojisaitojpです。私が大阪や神戸、広島と動いた直後にこれがオープンしたようです。
大阪にもう一泊すれば見れたんだな。。。
中国の自動車販売店が日本上陸 1千万円超の高級車「紅旗」で勝負に(朝日新聞デジタル)#Yahooニュースhttps://t.co/FXj1B4BudW— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) December 19, 2021
以前から準備を進めていることは知られていましたが、中国の自動車メーカー第一汽車の最高級ブランド「紅旗(Hongqi、ホンチー)」が大阪に店舗をオープンさせました。
私が大阪に行くのが数日ズレていれば見て来たのにと思いましたが。
ただし現時点では私がブログで再三取り上げているEVではなく、「紅旗(Hongqi)」のガソリン車やハイブリッド車が中心のようです(EVは2022年以降の予定)。
「日本で中国の車なんか売れるわけないだろ!」と思います? 多分「紅旗(Hongqi)」側もそう思ってるはずです(笑)。
ですがこれは今度の世界のEVシフトという流れを考えると見過ごせない大きな出来事になると思います。
そこで今日は中国の最高級ブランド「紅旗(Hongqi)」が日本に店舗を構えたことと、ここから中国勢が何を狙っているのかについて考えてみたいと思います。
目次
中国政府公認の「紅旗」がついに日本上陸
まず最初に「紅旗(Hongqi)」という名前自体初めて聞いた方も多いでしょうから簡単に紹介すると、
1958年に中国の最高指導者である毛沢東の自力更生路線による国産自動車ブランドとして設立された。同年8月1日に中国共産党と政府の指導者専用車として最初のモデルであるCA72を開発し、1963年に発表したCA770(英語版)は1981年まで生産された。1964年に行政区の、1965年に国の指導者の公式車両に指定され、1965年にリムジンのCA770を発表し、1969年に同車の防弾車CA772が発表される。1972年に訪中したアメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソンが中南海まで乗ったことで世界的に認知されるようになった。CA772は友好国カンボジアのシアヌーク、北朝鮮の金日成、ベトナムのホーチミンにも贈られた。
(Wikipedia「紅旗 (自動車)」より引用)
冒頭でも言いましたが中国の自動車メーカー「第一汽車」の最高級ブランドです。
というかいちいち説明しなくても「毛沢東」とか「中国共産党と政府の指導者専用車」という単語を見るだけでこのブランドが中国においてどんな位置付けなのか分かりますよね。
当然現在のトップ習近平国家主席も愛用してるようです。
まぁ日本でいうとトヨタの「センチュリー」のような位置付けですよね。普通の人は乗れない、中国での購入希望者は身辺調査などの厳しい審査があるという噂もあります。
「何を審査するんだ?」と色々つっこんでやりたいところですが、本題ではないのでこれ以上は言いません(笑)。
中国の自動車メーカーの中では既にBYDが電動バスやタクシー・商用車の分野で進出していますが、乗用車部門では「紅旗(Hongqi)」が最初になります。
昨日はトヨタとの絡みでBYDについては話しましたが、今日は中心ではないので「電動バスやタクシー・商用車で日本でシェア拡大中」という以前書いた記事をご参照いただければと思います。
「BYD」の電動バスが世界中でシェア拡大中?【バスも日本オワコン?】
乗用車のみならずバスの分野でも電気自動車化は進んでおり、実は中国の「BYD」の電動バスが世界中でシェア拡大しており、日本のバス会社にも導入されています。路線バスだと運行する区間も決まっており、バスを電動化することは乗用車よりも簡単ですし、整備や燃料代がかからなくなることから今後どんどん普及する可能性が高いです。
今回日本市場に投入される「紅旗」の車種はH9に加え、セダンのH7、ミドルサイズSUVのHS7、そして紅旗の最上級フラッグシップモデルであるL5(習近平国家主席が乗ってる車)になり、ガソリンエンジンのみのモデルとハイブリッド車になります。
価格は「H9」の最も安価なモデルである「2.0 Y」は610万5000円、それに続く「2.0 X」は657万8000円、「2.0 R」は720万5000円、そして2リッターモデルの最上級「2.0 SP」は811万8000円です。
習近平国家主席の画像以外は「H9」のみを掲載してますが、いかにも中国人が好みそうなゴージャスさと威圧感のあるデザインです。
「何かに似てる」と思います? ロールスロイスのデザイナーを引き抜いた会社が「紅旗」ですと言えばもうそれ以上説明は要らないかと思います。
ですが先に言ってしまうとこれらの現在上陸した車種を買う日本人はいないと思います。
実際に「紅旗」側もそれをわかっているのか、今回上陸した車のナビは中国語と英語しか対応してないそうです。
現時点では日本在住の中国人経営者などの富裕層、中国大使館などの中国政府関係のみをターゲットにしているようです。
これだけならわざわざ私がブログで取り上げる必要もないのですが、2022年には純電動SUV「E-HS9」を投入すると表明していることから「これはもしかして?」と私も「紅旗が何をしようとしてるのか?」考えてしまいました。
中国製EVの日本進出の拠点として「「紅旗」」を活用?
「紅旗」単体で勝負すると先ほども言ったように在日の中国人経営者などの富裕層と中国大使館などの政府関係に販売したらその先がないように思えます。
たまたま「もしかしてこれが狙い?」と思う話がTwitterで出たので引用しますが、
ちうかオーディオだと色んなメーカーとの取引を一手に引き受ける代理店が存在するんですよね
どうせ最初は好きな人か気になる人しか買わないのでこの形態でも問題ナシ
いきなり老舗と張り合う必要すらないように感じます— ❄凍結🍎ちう❄ (@EQ_tronP45450D) December 21, 2021
「紅旗」だけじゃなく他の中国メーカーのEVなども販売する「中国製EVの総代理店」として上陸したのであれば「だから日本に来たのか」と納得できるような気がします。
実際に一号店は大阪・難波にオープンさせましたが、「紅旗」の日本法人代表によると今後東京・銀座や名古屋などに店舗を増やす計画のようです。
先ほども言ったようにこのメーカーは、ただの民間企業ではなく、習近平国家主席を筆頭に中国共産党の幹部御用達のメーカーです。
ということは紅旗だけでなく、その他の中国の自動車メーカーの総代理店となっても何も不思議はないですよね。
「紅旗」一社では厳しくても複数の中国メーカーの総代理店のような立場で、中国勢の日本進出の陣頭指揮を…なんて中国共産党であればいかにも考えそうなことです。
紅旗のような高級車だけではなく、私のブログでは何度も取り上げている格安の「宏光MiniEV」だって代理店として販売するかもしれません。
「日本の安全基準に合わないんだから販売するわけねぇだろ!」とすぐ怒り出す人が現れますが、確かにこのままの規格では中国国内以外を走れない「宏光MiniEV」は既にヨーロッパの安全基準を満たす仕様に改造されてラトビアで生産されている話は以前しました。
「宏光MiniEV」改め「FreZe Nikrob EV」ヨーロッパ上陸の衝撃とは?【激安EV】
超激安のEVとして紹介している中国の「Hongguang Mini EV(宏光MiniEV)」がラトビアのメーカーにプラットホームを提供して 「FreZe Nikrob EV」という名前でヨーロッパ市場にデビューします。ヨーロッパの安全基準を満たせばいずれ日本市場にも上陸できますので日本メーカーの脅威になります。
EUの基準を満たす車両に改造されていれば日本の安全基準も通りますので、「売る気になればいつでも売れる状態」なのが現実です。
他にもNIOやXpeng、Geelyなど中国には新興のEVメーカーがいくつもあります(BYDは新興というより中国では老舗に入ります)。
各社がバラバラに上陸するなら日本で販路を拡大していくのは大変でも束になってかかってくれば…と思うところです。
このような販売形態として日本にも欧州車の販売代理店として「ヤナセ」という先例がありますよね。
「ヤナセ方式をパクって日本進出」を中国が考えていても何も驚きません。
「紅旗」以外にあのNIOも日本進出をほのめかす?
このようなポテンシャルを秘めているのが「紅旗」の恐ろしいところですが、この動きと関連があるかは全く不明ですが、日本市場に参入をほのめかした中国のEVメーカーがあるようです。
それが私も以前からブログで何度も取り上げている「NIO」です。
先日開催された「NIO day」というイベントにおいて、話の中心は「ET5」という新しいEVの発表でしたが、この中で「2025年までに25カ国に進出」すると表明し、その時にスライドに出た世界地図に日本の部分が白く塗られていたことから一部で話題になっています。
ただしあくまで地図上にマークがあるというだけで、NIO側が「日本市場に参入します」と宣言したわけではありません。
あくまでも「ほのめかし」「匂わせ」のレベルです。
ですので今日取り上げた「紅旗」の日本進出とNIOのほのめかしに関連があるのかなどは一切不明です。
ただしNIOが自社単独で日本市場に進出するとしても、私の見解としてはNIOが唱える「バッテリー交換式」を普及させるのは不可能に近いのでは?と思ってもいます。
例えば東京の都心部だけとかならいざ知らず、日本全国の津々浦々までバッテリースワップステーションを設置するのは不可能に近いです。
本国の中国においても先日ようやく「700箇所目のバッテリースワップステーション誕生」というニュースが流れてましたが、中国の広大な国土を考えると「たったの700箇所?」と思ってしまいますし。
NIO Installs 700th Battery Swap Station In China
NIO announced that today (December 10, 2021) has installed its 700th battery swap station in China, hitting its updated annual target ahead of schedule.
2014年から日本でEVを販売しているテスラでさえ2021年現在で日本国内のスーパーチャージャーの数は50箇所にも達していません(実は今年は前年比倍増のペースで増えましたが)。
まぁNIOの「バッテリー交換」というのは以前も私のブログで説明したNIOのオーナーのみが入れる「NIOHause」というコミュニティ同様にユーザーにプレミア感を与えるサービスの一環ですので、EVを売るために必須ではありませんが。
しかし既に上陸したノルウェー市場では「NIOハウス」も「バッテリースワップステーション」も既にオスロ市内に誕生してますのでその他の国でもやってくる可能性はありますが。
ノルウェーにNIOが上陸することが衝撃な理由とは?【2021年4月のEV販売台数も掲載】
中国の新興EVメーカーNIOがついにノルウェー市場、つまりヨーロッパに上陸します。バッテリー交換ステーションも設置しながらの本気の進出です。中国メーカーが徐々にヨーロッパ市場に上陸し、世界進出を伺う位電気自動車が本格的に普及しているのが世界の流れです。2021年4月最新のヨーロッパの新車売り上げ状況も掲載します。
そんな疑問はあるにせよ、今回「紅旗」の日本一号店のオープンやNIOが2025年までに日本市場に進出することをほのめかすなど中国勢の足音は確実に大きくなっています。
ここに車はトヨタ(BYD)が加わるのかな(笑) https://t.co/mbOc18mygX
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) December 16, 2021
これ私は冗談で言ってるようで本気で言ってます。
日本メーカーのものと思って手にした商品が実は中国製だったというのはあらゆる分野で進んでいる話で、昨日の記事で指摘したようにトヨタブランドのEVが実はBYDのOEM供給だったとすればこのリストに「車→トヨタ(BYD製)」が加わります。
「トヨタがそんなことやるわけねぇだろ!」となぜかトヨタの話題になると猛反発する人が必ずいますが、何度も言うように「bZ4X」のサプライヤーのトップに「BYD」のロゴがあります。
気がついたら身の回りのものがみんな中国製となっているかもしれません。世界の中で日本だけが停滞している間にその足音は確実に大きくなっています。
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