電気自動車でどの位得をするのか?【コスパや車検費用での違い】
こんばんは、@kojisaitojpです。これまで電気自動車が普通のガソリン車やハイブリッド、プラグインハイブリッドと比較して優位であるという記事を大量に書いてきましたが、「コスト」という面での分析はしてませんでした。
いや、
ボディサイズが軽自動車枠を超えていれば
普通車の税率が適用されます。
日産リーフや輸入車のテスラなんかは大きいので
普通車の税率です。んで、
普通車の税金は排気量で変わりますが、
電気自動車は0cc扱いなので、1000cc以下という
一番安い税金が適用されます。— 赤羽 (@a_ka_ba_ne) December 9, 2020
いつの間にか「電気自動車=高い=とてもじゃないが買えない」というイメージが勝手に形成されていますが、高いというのは車体価格のことで(それも後述する補助金でかなり安くなります)、車検代などの税金面ではむしろ安いというのが本当の姿です。
車体価格がガソリン車に比べると高く設定されていることが先入観となり、「電気自動車=お金がかかる」と偏見を持っている人が多いのも日本で電気自動車が普及しない原因かと思います。
ですので今日は電気自動車を購入する際に対象となる補助金や減税・免税となる税金についてきちんと説明したいと思います。
目次
電気自動車購入時の費用(補助金)
まず購入時の補助金ですが、これは自分が住んでいる自治体によって異なります。
というのも、
- 国からの補助金
- 都道府県からの補助金
- 市区町村からの補助金
と別になっており(同時にもらうことは可能)、仕組みがややこしいのが厄介ですが、国からの補助金については必ず申請し、自分の住んでいる都道府県や市区町村の制度を調べて電気自動車に関する補助金があれば必ず申請すべきです。
まず「国からの補助金」ですが、これは次世代自動車振興センター(NEV)のクリーンエネルギー自動車補助金で、毎年の国の予算で補助が受けられるものです。
車両を購入して登録(=ナンバープレートを付ける)してから補助金交付申請書を提出し、NEVで審査後、補助金は指定した銀行の口座に振り込まれます(NEVの補助金には車両の保有義務というのが定義されており、補助金を利用して車を買うと、その車を4年間、売ったりすることができなくなります)。
気になる補助金の金額は、
・普通自動車(3ナンバー)
「補助金額=一充電走行距離辺りの補助単価(2000円/km)ー(一充電走行距離-200)」
・普通自動車(3ナンバー以外、小型自動車、軽自動車)
「補助金額=一充電走行距離辺りの補助単価(1000円/km)ー(一充電走行距離)」
と役所のホームページに書いてあることを引用しても、「意味がわからん」と怒ってしまいそうですが。
簡単に説明すると、3ナンバーの自動車の場合は「一充電走行距離(カタログ値)から200引いた数字に2000円をかける」、3ナンバー以外の自動車や軽自動車は「一充電走行距離(カタログ値)に1000円をかける」ことで出てくる数字が補助金の金額です。
補助金は、WLTCモードではなくJC08モードでの航続距離で計算されるので実際の走行距離よりは多い数字になります。
3ナンバーの車で、一充電辺りの走行距離が400キロだった場合、「400-200=200」×2000円=400000円となり、40万円が現在の上限です。
ただし以前の記事で触れたように現在補助金の上限を80万に引き上げようという議論が出ており、第三次補正予算案が国会を通過した際には補助金の上限が80万になる予定ですので、今購入を検討している方は年明けまで待った方が無難かもしれません。
なお現時点での個々の車の補助金額を計算するのが面倒な場合は、以下のサイトで一覧表がありますので、こちらを参照した方が早いかもしれません。
利用できる補助金制度等 | クリーンエネルギー自動車AtoZ
国や地方自治体もクリーンエネルギー自動車の購入の後押しをしています。
基本的には航続距離が400キロ以上の車(例えばテスラなど)は満額の40万に行きます。
また日産リーフのように「給電機能」がついている車は上限に関係なく20000円上乗せされますので、リーフの中でも「リーフS」や「リーフe+」などは満額の40万円+2万円で合計42万円の補助金が出ます。
これに加えて「都道府県の補助金」と「市区町村の補助金」が更に加算されます。
例を挙げるとキリがないですが、例えば私が済む東京都の場合は「法人・個人事業主には25万円、個人には30万円」が補助されます。
更に市区町村からも支給される場合があり、私が住む北区は補助がありませんが、例えば江東区などでは更に10万円補助されます。
ですので例えば東京都江東区在住の人が日産リーフSを購入した場合ですと、
「車両価格(約302万円)-42万(国から)-30万(東京都から)-10万(江東区)=220万」になります。
もし仮に第三次補正予算案が予定通り決まった場合は更に40万補助金が増額されて、180万くらいで購入可能になるかもしれません。
ガソリン車に比べて「高い」と思われがちな電気自動車ですが、国や自治体からの補助金を駆使するとガソリン車と大差のない水準に下がります。
「でも新車だけだろ?」とツッコミを入れる方がいますよね。
補助金の影響からか、日産リーフなど電気自動車の中古車価格はガソリン車と比べると安くなります。査定の際にあらかじめ補助金分を引いた金額からのスタートで計算されるからのようです。
以前の記事で「最も航続距離の短いリーフで日常生活を送れるか?」ということを試したことがありますが、この時例に挙げた初代リーフですとこの位の価格から中古車店で流通しています。
コロナ前であればもう少し高かったようですが、日本まで電気自動車を買い付けにくる外国人バイヤーの大多数が本国に帰国していたり、本国の港がロックダウンして輸出できないなどの事情により電気自動車の中古車価格は全体的に値下がりしています。
年式と走行距離から考えるとむしろ普通のガソリン車より安いとも言えます。
ですので「電気自動車=高い」というのも偏見に過ぎないことがわかります。勝手な思い込みと偏見が選択肢を狭めてしまうということはよくあることです。
もちろんテスラやアウディe-tronなどは高級車になるのでそもそもの設定価格からして高いですが。
補助金の説明で長くなったので、税金の説明は次の項で説明します。
税金は免税か減税になる
次は税金です。自動車を買う際には「諸費用」などと呼ばれますが、一般的にはここに高額の税金が課せられるので購入価格は車体価格よりも大幅に上がるというイメージがあるかもしれません。
ですがいわゆる「エコカー減税」が電気自動車にも当然適用されます。
まず自動車重量税は全額免除になります(1回目の車検まで免除)。
新車購入時に課せられた自動車取得税が廃止された代わりに2019年10月から導入された環境性能割についても、電気自動車は100%免税になります。
そして毎年払う自動車税についても、排気量1000cc以下の最低額が課税(そもそも電気自動車なので0ccです)されるので25000円(軽自動車なら10800円)です。
しかもこの自動車税は東京都と愛知県では5年間免税になりますし、他の道府県でも初年度は75%減税になるのでたったの6250円です。
新車を購入すると何十万という税金が課せられて、車両価格よりかなり高くなるというのが一般的なイメージですが、電気自動車の場合特に初年度はほとんど税金がかかりません。
そうするとディーラーなどで購入しても実質「車両価格+自賠責保険+登録代行の手数料」だけで済むことになります。
ガソリン車を購入する場合はエコカーであれば多少の減税にはなりますが、税金の額はそれなりに高くなります。
ですので初期費用としてトータルでいくらになるかで考えると、車両価格は高くても総額で見ると電気自動車の方が安くなるということが普通にあります。
日常のメンテナンスも格安
日常車に乗っていて故障が起きなくてもかかる費用が「オイル交換」と「ガソリン代」です。
内燃機関(エンジン)が存在しない電気自動車の場合当然ではありますがオイル交換もありませんし、ガソリン代もかかりません(代わりの電気代は後述)。
また距離を乗ることで発生するブレーキパッドの交換サイクルも、電気自動車の場合回生ブレーキの存在によりパッドの消費が抑えられます。
タイヤに関しては残念ながらガソリン車と変わりませんが、消耗品の出費でガソリン車と電気自動車で変わらないのはタイヤ交換のサイクルくらいです。
つまり日常のメンテナンスでかかる費用はガソリン車と比較して、かなり抑えることができます。
車体価格が高いというだけで何となく嫌だと思ってしまいますが、月々のランニングコストがガソリン車の何分の一で済みます。
ガソリン代に代わる電気代は?
ガソリンに代わる電気代は車や使用パターンによって様々ですが、日産「リーフ」を例に、実際にかかる燃料費をみてみましょう。
公式ウェブサイトによると、リーフの62kWhバッテリー搭載車の一充電走行距離は458kmです。62kWhで458km走ると単純に考えれば、1kWhで約7.39km走ることができます(速度や外の気温、エアコン使用など条件によって大きく異なってきます。現在、一般的な電気自動車の平均的電費は6km/kwh※とされています)。
これを電気代に当てはめると、東京電力のウェブサイトによると、2019年2月上旬の時点で1kWhあたりの価格が最も高くなるのは、「従量電灯B」の第3段階料金(月の使用量が300kWhを超過した部分)である30円02銭です。最も高い電気代で計算しても、電気自動車は約30円で約6km走ることができます。
もちろん深夜電力など更に安いプランで計算すれば更に安くなりますが、600キロ走っても3000円です。600キロ走るのに必要なガソリン代を計算するとバカらしくなるくらいの違いです。
「車検」時の諸費用も格安
車を保有している人であれば「車検」という単語を聞いただけで「あ〜またカネのかかる季節が来た」と憂鬱になってしまう気持ちは分かりますよね。
少なくともガソリン車ではそうでした。
上手くいけば「自賠責保険料+検査料」だけで済む可能性もあります。
先ほども言ったように新車登録時と1回目の車検では自動車重量税は免除となっています。ですので税金などの必要経費として確実に徴収されるのは「自賠責保険」だけです。
もちろん日本の車検制度で必須項目の「ライトの点灯」「ブレーキパッドの残量」「タイヤの溝」などはガソリン車同様にチェックが必要ですが、それ以外の部分であれば特に異常がない限りは「ユーザー車検」で激安で済ませることも可能です。
なんてことを言うと、今までガソリン車の車検で何十万という整備費用を請求して儲けてきた車屋が憤慨しそうですが、エンジンが存在しないというだけで仮に整備をしたとしてもゼロが一個以上違う安さで整備もできてしまいます。
今度は「ユーザー車検で十分とか言われると車検で儲けられなくなる」と思った車屋関係者から「安全性を軽視するな!」と怒りのコメントが飛んできそうですが(笑)。
「車検」という仕組みのおかげで、エンジンという素人には触れない部分があるゆえ、不明確な高額の整備費用を請求できたというのも「既得権益」のようなものでした。
この「整備費用」という名の「不明確な料金」を請求される「ぼったくり」を撲滅することができるのも電気自動車のメリットです。
ですので電気自動車は「車検費用」という意味でも抜群のコスパの良さを誇ります。
これがハイブリッドやプラグインハイブリッドですとエンジンが搭載されていますので、従来通りの整備が必要となり、コスパの良さが半減します。
トータルで見た電気自動車のコスパは抜群
パッと見の車体価格がガソリン車と比べて非常に高額に設定されているところにどうしても目が行ってしまうので「電気自動車=高い」というイメージが形成されているかもしれません。
ですがこのイメージ自体も「電気自動車を普及させたくない日本の車メーカーやマスコミによる印象操作」だということが今回の記事でもお分かりかと思います。
購入時の車体価格も補助金の適用になることで大幅に削減できますし、購入後のメンテナンスや車検費用、更には日々のガソリン代より格安の電気代で済むと非常にコスパが良いのが電気自動車の特徴です。
などというと「環境に対する負荷がぁ〜」とか「充電時間がぁ〜」「航続距離がぁ〜」のお決まりの批判が飛んでくるわけですが、デメリットを補えるくらいのメリットがあれば別に問題ないのではないでしょうか?
私のように外車(ルノー・シトロエン・ジャガー・フォルクスワーゲン)に長年乗っている人間からするとエンジン周りのトラブルに泣かされて高額な修理費用を払わされることが多かったのもあり、「エンジンがない」というだけで今まで直面した故障の大半を排除できると思うだけでも巨大なメリットです。
外車だと5000キロごとに必須のオイル交換も存在しないとなれば、日々のランニングコストも大幅に下がります。
などと書いていると私自身も今のゴルフ5に乗っているのがバカバカしくなってきました(笑)。
元々電気自動車に変えようと思ってはいるのですが、「買うならテスラだな」と思うと車体価格が高くてまだ手を出せていません。
でもこのくらいメリットがあるなら日産リーフとかe-ゴルフでもいいかなと思い始めました。何とかしてテスラを調達したいところなのでもう少し粘りますが。
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