バッテリー事業に国家が投資するのは適切なの?<他にやることあるだろ?>

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こんばんは、@kojisaitojpです。本日も懲りずに更新していきます(笑)。

朗報と言って良いのか個人的に疑問ですが、こんなニュースが飛び込んできました。

もちろんこれまで何もやってなかったことを考慮すると一歩前進したのは事実です。

トヨタ、パナソニック

しかしこれによる<やっぱりトヨタは何もやってなかったのね>というのも同時にバレてます。

全固体電池さえ開発できれば一気に逆転というのも、既に中国のNIOが2022年に全固体電池を搭載した車種をリリースすると発表してます(どうせ中国だからのような言い方はやめましょう)。

巷では<ジャパンディスプレイの二の舞か?>とも言われています。お役所が絡むとプロジェクトに時間がかるのが難点でその間にテスラが中国メーカーが突っ走ってしまうとただの後追いになってしまいます。

パナソニックのバッテリー

それであればバイデン政権が全米に充電施設を50万箇所設置するというプロジェクトの方が国手動でやるなら適しているのでは?と思ったりもしました。

そんな中途半端さが漂うバッテリーをめぐる日本の電気自動車化の現状を検証してみます。

何か中途半端さが漂う日産の<電気自動車化>

現行日産リーフ
このバッテリーの話の前に日産が全面電気自動車化を表明したのがニュースになっていました。

しかしこれも<電気自動車>の定義に<ハイブリッド車>を含めてしまっています。

これは2020年12月のフランスの新車販売割合ですが(ノルウェーはいちゃもんつけられるので取り上げません)、EVの中に入っているのは<完全電気自動車(BEV)>と<プラグインハイブリッド車(PHEV)だけです。

2020年12月のフランス

それだけで10%を越え始めているのも驚異ですが、基本的に世界の電気自動車の定義にハイブリッド車は入りません。

日本だけです、ハイブリッド車を勝手に<電気自動車>とみなしているガラパゴスな国は(笑)。どこの会社からの圧力が働いているのかは明白ですけど。

世界の定義だと<電力単独で動けない、充電もできない>仕様のハイブリッド車は電気自動車とは認められません。

しかし日産がそれに屈してはいけません。<全車BEVとPHEVにする>と日本では先陣を切って言って欲しいところでした。

日産アリアの外観

繰り返し言っているようにノルウェーやイギリスではエンジンを搭載した車自体の販売が禁止(PHEVすら不可)されますし、他のヨーロッパ諸国でもフランスとオランダは2030年以降に首都のパリ市内、アムステルダム市内にエンジン搭載車の乗り入れを禁止の予定です。

もちろん過渡期の代替車種としてPHEVという選択肢を提示することはまだギリギリセーフかなと思うのですが、ハイブリッド車を含めることは正直論外です。

電気自動車で日本のトップを走る日産がこの程度の決心かよと思ってしまうと先行きが心配になります。

片やGMは2035年までに全車電気自動車化

GMアルティウムバッテリー
比較として出すのはアメリカになりますが(トランプ政権自体の後ろ向きな環境政策もありましたので)、アメリカのGMはトランプ政権時代から<全車電気自動車化>を表明しており、世界で勝負するにはもうエンジンには頼れないという姿勢を以前から示していました。

<アルティウムバッテリー>という独自のバッテリーを自社とLG化学で生産し、本気で電気自動車に全面的に舵を切ろうとしているのはこの前お話しした通りです。

ハマーやキャデラックなどの燃費が悪く故障もしやすいので有名だった車、ネームバリュー的にある意味アメリカを代表するブランドだった車が電気自動車化しようとしてるようにGMは本気です。

ホンダとGMの提携

なのでこの前の記事でも<ホンダにハイブリッドといういずれ要らなくなる技術をやらせて、自社は電気自動車に注力>というGMの姿勢が狡猾であると言いましたが、ホンダが都合の良いように利用されてポイ捨て、あるいは電気自動車を作る能力がないためGMに買収されるしか道がないとなってしまわないことを祈ることしかできません。

バッテリー以外で民間ではできないことを支えるのが国家の役割では?

アメリカと中国
私のブログでは繰り返し言って来ていますが、<自社でバッテリーを調達する能力>と<電気自動車専用のプラットフォームで生産する>の2点が電気自動車をめぐる世界の競争で勝ち残るために必要なことです。

先程のGMやフォルクスワーゲン、日本だと日産が辛うじてクリアしていますが、冒頭にバッテリーの生産をパナソニックと共同で、国の援助を受けながらやることを表明したトヨタはこのどちらも満たしていないことが明らかになってしまいました。

本来であればバッテリーに関することは自社とバッテリーメーカーで、自力でやらなければならないものです。

テスラやNIOなどの中国メーカー(以前紹介したBYDなどは元々バッテリーメーカーですし)は当然自社でバッテリーを調達する能力はありますし

異論はあるでしょうが、私は<収益性を気にしないとビジネスができない民間企業には対応できない、でも今後絶対に必要になる産業>こそが国が税金を投入して育成すべきでは?と思っています。

再生可能エネルギーの切り札と考えられる洋上風力発電などはまだ開発段階ですので、民間企業の設備投資だけで推進するには限界があります。

ですが太陽光と風力だけでは日本で再エネは無理だと思うのであれば(私はこれ自体も本当かよ?と思ってますけど)他の可能性を探る必要があり、こういう分野にこそ税金を投入して国がアシストすべきではないでしょうか?

他にはバイデン政権が推進するものの真似になりますが、こういうものもあります。

昨日の記事でも触れましたが、トラックなどの電気自動車化を進めるためには現在のように高速道路のSAごとに一個か二個くらいしか設置されていない充電設備では全く足りません。

ですが設置のコストと収益性という面で民間企業が参入するには二の足を踏んでしまう<充電ステーション>こそ国が主導となって育成すべきかもしれません。

バイデン政権が唱えているように充電設備を増やすことにより雇用も生まれて、自動車産業からはじき出された労働力を吸収し、失業率を悪化させないという政策が絡む局面こそ税金を投入する意味があるかもしれません。

下手にバッテリー開発に国や官僚が介入することでおかしなことになる、或いは税金が投入されることによってトヨタやパナソニックの気が緩み中途半端な開発に終わることがないと良いのですが。

ジャパンディスプレイの失敗を生かして頑張って欲しいところです。

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