日本向きのミニバンもコンパクトカーもEVはフィアットから?【500eとE-Ulysse】
こんばんは、@kojisaitojpです。こういう報道を見ると「あれ?日本メーカーは何やってるんだ?」と思いませんでしょうか?
フィアットからEVミニバン、航続は330km…欧州発表<速報>https://t.co/kuEN5uwDgH#新型車 #フィアット #電気自動車 #ミニバン pic.twitter.com/xdEA9ooH6w
— レスポンス (@responsejp) March 3, 2022
このEVミニバンの話はまだヨーロッパのみの話で日本に来るのかどうかも不明ですが、こっちはまもなく日本での発売が発表される予定です。
フィアット500eなら24kWhと42kWhで24kWhも需要あると思う。
ステランティスが年頭会見でフィアット『500e』の日本発売を発表〜EVなど電動車4モデルを導入 https://t.co/ZeKqIQxbBy— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) January 22, 2022
「フィアット500e」については当初は「2021年中の発売」と言われていたのですが、案の定(?)遅れてしまうのはイタリアメーカーなので笑って済ませましょう(笑)。
ですがいよいよ2022年のどこかでは発売することを先日「ステランティス」の年頭会見で表明したようです。
ヨーロッパのみでの発売とは言え「日本メーカーより先にEVミニバンを発売」するのがフィアット、まだ日本メーカーがどこも発売してないコンパクトカーサイズのEVを発売するのもフィアットという状況に何かおかしいと思いませんか?
そこで今日はフィアットがヨーロッパで発売するEVミニバンの「E-Ulysse」と、予定より1年遅れで日本市場に投入する「500e」について解説します。
目次
フィアットが繰り出すEVミニバン「E-Ulysse」も「500e」も日本市場にこそ向いたEV?
フィアットはこれまで発売したBEVが「500e」のみでしたが、2台目のEVとしてミニバンタイプの「E-Ulysse」をヨーロッパ市場に投入することを発表してきました。
搭載バッテリー容量が50kWhと75kWhで航続距離が75kWhのもので330キロ(WLTP基準なので実走行だと270-300キロくらい?)、最大充電出力は100kWで10-80%を急速充電で45分というスペックだけを聞くと平凡に感じますよね。
今日「E-Ulysse」を取り上げたのはそこが理由ではありません。「実はミニバンタイプのEVって日本人が最も待ち望んでるものじゃないの?」という問題意識からです。
このようにシートアレンジが多様で、上のように会議室仕様(フィアットはこの仕様を「Living Room」と名付けてます)にすることも可能ですし、普通の3列シートで最大8人乗りで使用することも可能です。
ミニバンタイプでは必須の「シートを倒して荷物を積み込む」ことも当然可能です。4200リットルの荷物スペースが最低でも確保され、「ロングバージョン」であれば4900リットルまで拡張できます。
EVとしてのスペックは平凡ですが「こんなEV日本でもあったらいいな」と思う方は結構いるのではないでしょうか?
日本でいう日産「セレナ」やトヨタ「アルファード」のような役割を果たすEVがミニバン大国の日本より先にイタリアで発売されるってどうなの?と私なら思ってしまいます。
本来であれば日産かトヨタ辺りこそが出すべきだったんじゃないの?と感じます。
そしてこの「E-Ulysee」については現時点ではヨーロッパのみでの販売ですが、こちらはまもなく日本に上陸します。
昨年から発売が噂されていましたので、私も以前の記事でフィアット「500e」については取り上げていますので、こちらもご参照いただければと思います。
「フィアット500EV」が2021年に日本に上陸?【何とヨーロッパの次が日本】
昨年2020年にヨーロッパ市場に投入された「フィアット500EV」が2021年中に日本市場に投入されるとの発表がリリースされました。本国イタリアのあるヨーロッパの次に投入する市場が日本だということも驚きですが、価格も電気自動車の中では最もリーズナブルで、ファッション性も高く、人気の出るEVになる可能性を秘めています。
日本市場に投入されるグレードについては、
- 「Action」→「搭載バッテリー容量23.8kWh、航続距離161キロ(EPA)、最大充電出力50kW」
- 「Passion」→「搭載バッテリー容量42kWh、航続距離285キロ(EPA)、最大充電出力85kW」
- 「Icon」→「搭載バッテリー容量42kWh、航続距離285キロ(EPA)、最大充電出力85kW」
- 「La Prima」→「搭載バッテリー容量42kWh、航続距離285キロ(EPA)、最大充電出力85kW」
この中のどれが来るか?というのはまだ公開されていませんが、一般的なパターンだと最も廉価の「Action」は除外、限定バージョンだった「La Prima」も除外かなというのが予想です。
個人的には最もバッテリーが小さく、ナビも撤去してスマホで代用する割り切った仕様の「Action」が日本に来てくれると最もコスパが良く、街乗り専用として使い勝手が良いと思うのですが多分ないでしょう(笑)。
2つ目のグレードの「Passion」だとドイツの販売価格が27560ユーロ(約345万円)となります。ヨーロッパのメーカーは先日のBMW「i4」に関する記事でも言ったようにヨーロッパでの販売価格と大差のない価格で日本市場に投入してくることがありますので、上手くいけば補助金込みで250-300万くらいの価格で買える可能性があります。
日本市場でガソリン車のフィアット500が221万円〜280万になりますので、補助金込みでこの価格プラス数十万に収まれば十分勝負になると思います。
先日紹介したシトロエン「E-C4」も補助金込みで計算するとディーゼルの「C4」と大差がない価格設定で攻めてきてますので、同じステランティスのフィアットにもこの位の価格設定を期待したいです。
価格面を上手に設定できれば「3632mm×1683mm×1527mm」という軽自動車にも近いサイズのコンパクトなEVは日本で需要があるサイズではないでしょうか?
先ほどの「E-Ulysse」がミニバン、「500e」が軽自動車(実際は少し大きい)に相当するEVだと考えると「これって日本市場でこそ必要なラインナップじゃないの?」と思ってしまいますよね。。。
まぁこの辺を熱く語っても「200万以上するコンパクトカーなんて高くて買えねぇんだ」とか「2ドアじゃ不便で使えねぇんだ」とキレ気味に罵ってくる人がいそうですが、「200万前後で4ドア、サイズも軽自動車」というEVこそ日本メーカーが早く出せばいいのでは?と思うだけです。
私が何を言いたいかわかりますよね? 「早く日産も三菱も軽自動車EVを出しなさい、確実に需要があるから」と言ってやりたいのです。
充電器もスタイリッシュなのが日本メーカーとの違い?
そして今回フィアット500eについて調べていると「純正の充電器がおしゃれだな」というのが目につきました。
実はここが日本メーカーと海外メーカーに温度差がある部分です。
ヒョンデの純正は微妙な感じしたけどテスラにしろ、メルセデスにしろ、ポルシェにしろ純正の充電器カッコいいんだよな。その辺の意識も日本メーカーと違う。 pic.twitter.com/MYcsVGRMW6
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) March 6, 2022
ただこのヒョンデの純正充電器も実際に稼働させるとこんな感じです。
IONIQ5向け普通充電器国内初導入。https://t.co/DVwRNImZlh#ioniq5 #Tesla #V2H #EV #電気自動車 #HYUNDAI pic.twitter.com/ZLBmpJ8yAZ
— 【公式】丸紅エネブル蓄電池🔋脱炭素・電動化×再エネ普及促進中 (@MarubeniEneble) February 25, 2022
意外と様になってますよね? 好き嫌いは分かれると思いますが。
メルセデス・アウディ・テスラの普通充電器を並べてみましたが、どれもかっこいいですよね。
「これなら自宅に設置したい」というデザイン面でも魅力のある商品を用意していれば「EVを自宅で充電しよう」と思うユーザーも増えるのでは?と思うところです。
ステランティスからはオペルも日本で型式申請?
先日テスラの「モデルY」と思しき車種が日本で型式申請を行なっていることから「いよいよ発売か?」と一部で話題になりましたが、実はその陰でこんなメーカーも型式申請を行なっています。
ホントだ、オペルもいる😱 https://t.co/7HjS8Pm55H
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 22, 2022
ドイツのオペル(現在はPSA傘下=ステランティスの一員)が日本市場に再上陸という話は以前から噂になっており私もブログで取り上げたことがありますが、いよいよ準備が整ってきたようです。
「オペル・コルサe」がもたらすコンパクトEVへの期待とは?【日本市場復活】
オペルが2006年に撤退して以来の日本市場への復活を発表しました。他のドイツ車に埋もれてしまい存在感が発揮できませんでしたが、今回は「コルサe」というコンパクトサイズのEVという武器がありますし、ステランティスグループの一員としてプジョーやフィアットとの連携も期待できます。車両価格も安いEVになりチャンスがあります。
まぁそんなことを言うと必ず「販売網はどうするんだ?アフターサービスは?車はスマホや家電と違って簡単には売れないんだ!」とムキになる人が必ず現れるのはヒョンデ(ヒュンダイ)のIONIQ5を巡る議論を見ていても明らかなのですが、ヒョンデとは違いオペルの場合はPSA傘下という面で見れば日本国内のプジョーやシトロエンで同時に販売してもいいわけですし、現在はステランティスの一員であることを考えればフィアットやアルファロメオで取り扱っても問題ないはずです。
ステランティス系の全ての店舗で扱うということも可能ですよね。ですのでヒョンデよりも日本市場再上陸へのハードルは低いです。
型式申請の記号を見る限りだと取り扱う車種がEVなのかどうかも不明ですが、現在ヨーロッパ各国で売上上位に食い込んでいる「コルサe」などを投入しないのであれば「何のための再上陸なの?」となってしまいますよね。
しかもサイズ的に先ほどのフィアット「500e」同様に日本市場で登場が待望されるコンパクトカーサイズのEVです。
既にプジョーやシトロエン、DSがEVを投入し、フィアットも「500e」を皮切りにEVを日本市場に投入することを表明しているのですから、オペルもEVを中心に投入してくることが濃厚かと思います。
日本人向けのEVを開発するのが日本メーカーではなくフィアットやオペル?
今日はフィアットの「500e」が日本に投入される話とミニバンEVの「E-Ulysse」がヨーロッパで発売される話を取り上げてきましたが、イタリアは少し前まではヨーロッパの中ではEVシフトが遅れている国の一つでした。
フィアット500e、ルノートゥインゴ、VWe-up、スマート、ダチアSpringとコンパクトカーで上位独占なのがいかにもイタリアという感じ。
Italy's Plugin Vehicle Sales Near 12% In November As Car Market Declines https://t.co/k9I2f7fRdq @cleantechnicaより— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) December 24, 2021
フィアットが「500e」を発売する前、つまり2019年以前に戻るとイタリアのEV化率は日本と大差がない数字でしたが、こちらの昨年11月のデータだとEV化率が12%、BEVだけで見ても6%とこの2年で2倍増以上のペースで増えています。
車種別の売上を見ると首位がもちろん「フィアット500e」、そして上位にルノー「トゥインゴEV」、フォルクスワーゲン「e-Up」、スマート「For Two」、ダチア「Spring Electric」とコンパクトなEVがずらりと並んでいます。
元々コンパクトカーが主流のイタリアに自国メーカーのフィアットを始めとしたコンパクトなEVのラインナップが揃ったら一気にEV化率が上がったというわかりやすい例です。
先ほど「日産も三菱も早く軽自動車EV出せよ」と言いましたが、日本でも軽自動車のEVが増えてくればEVに対する見解も変わるきっかけになるかもしれません。
これはフランスでは珍しいEVが充電してる😅 pic.twitter.com/R3jEmCJQXZ
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) November 23, 2021
このEVを日本ではなく旅行中のパリで、しかも路上で充電しているところを見かけるというのが面白いところですが、残念ながら日本国内でも滅多に見かけることがありません。
商用バンとして一部では人気があった「e-NV200」についてもバッテリー容量を増やしたグレードなどをもっと積極的に投入していれば、バンタイプの貴重なEVとしてもう少し日本で売れたのでは?と残念に思うところです。
その意識があったので今日はまだヨーロッパで発売されるだけのフィアット「E-Ulysse」を取り上げてみたのですが、このEVに対抗できるミニバンEVを日本メーカーは出す気ないの?、当分原油高・ガソリン高が続きそうな今の状況でEVを販売すれば間違いなく需要があるのに…と思ってしまいます。
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