「DS3 Crossback E-Tense」に試乗してみた話【行き先は木更津スーパーチャージャー】
こんばんは、@kojisaitojpです。全く同じタイミングでヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」のAnycaでのカーシェアも始まったようですが、私はこっちに乗ってました。
ちなみにナビはフランス車恒例のクソオブクソ(笑)。これに慣れるとテスラのナビがとても優秀に感じるようになる💦 pic.twitter.com/Ukj7XEZbdE
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 25, 2022
いきなり「クソオブクソ」とか言ってしまうと「批判記事か?」と思われそうですが、私がシトロエンから独立したとはいえ今もPSAの一員であるDSの悪口を言うわけがありません。
フランス車に乗ってる人間の間ではナビが全く使い物にならないというのは半ば常識のようなものですから、それくらいでへこたれるようではシトロエンやDSには乗れません(笑)。
ちなみにナビが終わってるのはディーラーも心得てるようで、「ナビはオプションですので付けなくていいです、AppleCarPlayで十分だと思います」と素直に認めてました。
というわけで今日はシトロエンつながりで試乗してきた「DS3 Crossback E-Tense」についてとついでに行ってみたテスラの木更津スーパーチャージャーについて解説します。
目次
デザイン性・快適性に全振りした「DS3 Crossback E-Tense」とは
シトロエンから分離した「DSオートモービルズ」が最初に販売したEVが「DS3 Crossback E-Tense」になりますが、実はDSは「DS Techeetah」というチーム名でフォーミュラEにも参戦しており、過去にチームチャンピオンもドライバーチャンピオンも獲得してます。
DSストアでは当然広告が出ています。実は元からEVに力を入れていた会社だとも言えます。
まずはEVの外観と車内を撮影したり、運転しながらDS3について語った動画も貼っておきます。
ちなみにこの「e-CMP」プラットフォームを用いたEVはPSA(現ステランティス)で共有されており、プジョーの「e-208」「e-2008」、オペルの「Corsa-e」「Mokka-e」、シトロエン「e-C4」などで用いられています。
それゆえパワーユニットも共通です。
- 搭載バッテリー容量50kWh
- 航続距離は398キロ(JC08)、EPAだと155マイル(248キロ)
- 最大充電出力は50kW(日本市場だけ制限)
プジョー「e-208」とほぼ同等のスペックなのですが、「高速道路を時速100キロで走行し、クーラーをつけても達成可能」なアメリカのEPAサイクル248キロは厳しすぎる印象です。
私が実際に走らせた感覚でも「高速でぶっ飛ばしたりしなければ300キロは可能だな」という印象です。首都高→アクアラインという普通の高速道路より法定速度が低い高速を走ってみた実感です。
ちなみにフランス本国のカタログだと充電出力が100kW、10%-80%の充電時間が充電時間が30-35分とありますので、日本仕様だとプジョー「e-208」同様に「10%-80%の充電時間50分」とカタログの記載が変更されていることから充電出力を抑えている可能性が高いです。
というスペックの話はこのEVを語る上ではどーでもいいかもしれません(笑)。
このEVの最大のセールスポイントは「デザイン」です。
フランス車を見慣れてない人だとこの物理ボタンだけで仰天しそうですよね。
ですが慣れるとこのデザイン性しか考えてないように見えるボタンで音楽やナビの操作から、ハンズフリーの通話、エアコンの操作まで全部可能です。
冒頭で「ナビがクソ」と言ったのはテスラ車のようにタッチパネルで操作ができない古いのものだったからです。
またDSのデザイナーのこだわりで他の車種にも共通のシフト周りも独特で、ここでシフト操作からサイドブレーキ、窓の開閉、ドアロックまでできます。イラストのマークを見れば何のボタンなのかはわかるので慣れの問題です。
まぁ物理ボタンにデザイン性を持たせるという時点でテスラ車とは基本のコンセプトが違いますので好き嫌いは分かれるとは思うのですが、個人的には「これはこれでアリだな」と思います。
他にもこのサイズの車体で内装が革張りというのも非常に珍しいと思います。
デザイナーのこだわりでおそらく「ルイヴィトンやエルメスのような高級感のあるEVを」と狙ってデザインしてそうなのはご納得いただけるのではと思います。
最後にサイズは「全長4120mmx全幅1790mmx全高1550 mm」とBセグメントに該当する非常にコンパクトな車両です。1800mmを切る全幅は日本の駐車場でも問題なく対応できますし、SUVタイプでありながら全高が1550mmで機械式の立体駐車場にも対応可能な高さに抑えているのも魅力です。
今後2022年中にフィアットから「500e」の日本市場での発売が予定されていますが、それまでは軽自動車を除くと日本で最もコンパクトなEVになります。
まぁ普段からシトロエンC6なんて変態しか乗らない車乗ってると大半の車が小さく感じますけど(笑)。
ヨーロッパ市場ではルノー傘下のDacia(ルーマニア)が「Spring Electric」という更に小さいAセグメントのEVが販売しており、他にもフォルクスワーゲンの「e-up!」などコンパクトなEVが充実してますが日本ではBセグメントのEVは貴重です。
特に意味もなくアクアラインから木更津スーパーチャージャーへ
まぁ別にスーパーチャージャーが目的だったわけではなく、単純に「この前のMX-30の時のように大黒PAの充電器試すだけじゃつまらないよな」と思ったのと、「どこかぶっ飛ばせる道路、アクアラインならいいかも」と思っただけの話です。
ですので写真撮影や動画の撮影は「海ほたるPA」でやってます。
住所:千葉県木更津市金田東1-16
東京湾アクアラインの「木更津金田インター」を出て1分くらいの好立地です。向かいにはコンビニのローソンがあり、スーパーチャージャーの隣には「レインボーカフェ・マライカ」というエスニックな雰囲気の雑貨屋とカフェがあります。
今回はテスラ車ではないので充電をしているわけでもないのですが、せっかく来たのでコーヒーとワッフルを食べてみました。
このカフェの第二駐車場の敷地内に木更津スーパーチャージャーがあるという立地なのでテスラ車で来たついでに利用してあげるのはお店にもありがたいかもしれません。
向かいにはコンビニのローソンもあります。高速出口の目の前でコンビニやカフェが近くにあるという、テスラらしいユーザーの利便性を合理的に考えた立地だと思いました。
DSストア東京のロケーション
今回伺ったDSストアの紹介もしておきます。
住所:東京都港区南青山6-3-16 A-FLAG美術館通り1F
東京メトロ表参道駅や乃木坂駅から7-8分です。駐車場がないので(試乗ではない短時間の滞在なら一台分だけあるらしい?)コインパーキングに停めるか公共交通機関での移動になります。
車のショールームに見えないファッションブランドのお店のような雰囲気が特徴です。
なおショールームに特化した店舗となってますので整備などのサービスはやってません。プジョーやシトロエン同様に有明のサービスセンターでの対応となります。東京周辺でプジョーやシトロエンに乗られてる方なら誰もが行ったことがあるであろうあの有明での対応です。
デザイン性重視の「DS3 Crossback E-Tense」も案外悪くない?
おそらくテスラ車や最近私が熱心に取り上げているヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」などに興味を持つ層はEVというと「航続距離は?0-100km/h加速は? 充電出力は?」などのようにスペックに関心を持つ層が多いと思うのですが、「スペックだけがEVじゃないよ」という当たり前のことに気づかせてくれるEVが「DS3 Crossback E-Tense」だなと思いました。
昨日のBMW「i4」の記事でも書いたように現在ドイツ勢が既に存在するガソリン車・ディーゼル車のラインナップにEVも加えるというEV化を推進しています。
プジョー・シトロエンも同様で「e-208」や「e-C4」、そして今回の「DS3 Crossback E-Tense」も同じようにガソリン車のラインナップの「DS3」にEVを加えたものです。
それもあってEVの性能面に期待する方々には物足りないスペックになりますが、それでも航続距離が300キロも走れるのであれば自宅で普通充電ができるユーザーであれば日常生活に困ることはほぼないのでは?と思います。
実は私の場合これだけEVに関する記事を書いていてもスペック厨やメカオタクではない、どちらかというとデザインや快適性を重視する人間なので(もちろんテスラやIONIQ5はスペックに加えて快適性もあるので評価してます)「DS3 Crossback E-Tense」のようなEVは好きな車両の一つです。
先日の「IONIQ5」の試乗の際にもわざと「シトロエンC6・モデル3・IONIQ5」と並べた写真を撮って悦に浸る変態紳士ですので(笑)。
この「C6」を「DS3 Crossback E-Tense」に置き換えても様になる風格はあるのでは?と思います。
まぁスペック厨でもコスパ至上主義じゃなくても関心持たせるIONIQ5ってすげぇなとは思う(笑) pic.twitter.com/L5FRvi9Ery
— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 25, 2022
とはいえヒョンデ(ヒュンダイ)「IONIQ5」が私の中ではデザイン面でもEVとしての性能面でも現時点で最も欲しいと思うEVであることは変わってませんけど。
私の個人的な希望(願望?)としてはシトロエン「C6」を受け継ぐようなEVを出して欲しいところですが、現在のシトロエンのラインナップを見ていると「C6」のような大型セダンを出す可能性、それもEVで出す可能性は全く感じません。
でもシトロエンから独立した「DSオートモービルズ」なら可能性があるかも?という期待はしたくなります。
かっこいいのはわかってる。でもPHEVなんだよな。。。
DS 9 ーGolden Ratioー https://t.co/aSlUVvtKfk @YouTubeより— saito koji@2022はぴあアリーナ→バルセロナへ (@kojisaitojp) February 25, 2022
一応DSでは既に「DS9」という現時点でのフラッグシップセダンを出してます(日本でも間も無く販売開始)が、残念ながらPHEVです。
しかもデザインを見ると「C6」よりは「C5」に似たデザインのような気がするので、私のような偏屈なシトロエンファンからするとちょっと不満です(笑)。
と個人的な希望で字数を浪費してしまいましたが、今回の「DS3 Crossback E-Tense」も「セカンドカーで持つならかっこいいし悪くないな」という感想を持ちました。
300キロ前後の航続距離で、ワンペダルドライブもできないのでEVに対してスペックや機能面でしか興味を持たない方にとっては魅力は感じないでしょうが「これぞフランス車」と思わせるデザイン面は唯一無二です。
「かっこいいから欲しい」でも十分購入動機になります。
そういう意味で「これまでにあるガソリン車・ディーゼル車のラインナップにEVもあるよ」という形で自然にEVを混ぜてくるヨーロッパ勢のやり方を理解する一つの例になるかもしれません。
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