寒さに強いのが「電気自動車」と「再生可能エネルギー」?【日本では逆走中】

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こんにちは、@kojisaitojpです。アメリカのテキサス州での寒波が悲惨なことになっているようです。

テキサス州のダラス・フォートワースではマイナス18.9度まで下がって、観測史上2位タイの最低気温となっているように、想定の範囲を超えた寒波が襲来したようです。

元々テキサス州はアメリカの南部にあり、温暖な気候の地域ですので明らかに異常気象です。

テキサスの寒波

そして寒波によって電力の供給網に障害が発生し、大規模な計画停電を余儀なくされたというのが今の状況です。

化石燃料好きの方々のために言っておくと、テキサスは元々石油産業が盛んな土地で現在でもシェールオイルが生産される土地です。

日本でも先月大雪や寒波によって電力供給が逼迫し、停電寸前という状況に陥りましたが、日本と大きく違ったのは「テスラ」の存在でした。

「なんで車メーカーが関係あるんだよ?」と思う方はテスラという会社の本質を知らない人です。

今日は現在も停電しているテキサス州を例に挙げて、テスラの掲げるライフスタイルが実は災害へのリスクヘッジともなり得るということについて解説します。

またその後のEVの進化によって「EVが寒さに弱い」というのは更に否定されてつつありますのでこちらの記事も合わせてご参照いただければと思います。

「寒波」で生き残ったのはパワーウォールとテスラ車

テキサスの寒波
まずは百聞は一見にしかずなので、以下の映像をご覧ください。

唯一電気がついている家庭にはテスラ社の太陽光パネルとパワーウォールが装備されていたという話です。

テスラとパワーウォールのある生活

以前から「テスラはただの車メーカーじゃないよ」ということを私のブログでは繰り返し言ってますが、太陽光パネルで発電した電力をパワーウォールという蓄電池に貯めておけば、このように太陽が出ない夜間でも自宅で発電した電力で停電を回避できるという分かりやすい例です。

以前「テスラが提供する未来のライフスタイル」と称して、電気自動車のみならず太陽光パネルや蓄電池(パワーウォール)によって各家庭が自前で電力を生み出す、それを近隣のコミュニティで共有(スマートグリッド)するという、これまでのように大手の電力会社に電力供給を依存するインフラのあり方を変えるものです。

日本では産油国でもないのに不思議なことに「再生可能エネルギー」という単語に拒否反応を示す人が一定数いますが、「化石燃料」に頼らないライフスタイルというのは「CO2削減」以前に日本がオイルショック以来目指してきた社会のあり方ではないでしょうか?

また災害などの際の「停電」のリスクも大幅に減らすことができます。東日本大震災の際にも「計画停電」として東京都内も停電に見舞われましたが、送電線の都合で「何でうちの地域が?」という災害とは関係ないエリアが停電になったり(私の場合住んでいる北区は停電なし、隣の足立区は停電)しましたが、このようなトラブルもなくなります。

雪で立ち往生も電気自動車で回避できる?

テキサスの寒波
そのテキサス州で以下のような死亡事故が起きているようです。

思わずTwitterで呟いてしまいましたが、「一酸化炭素中毒」ということはガソリン車ですよね? 寒波に耐えるために車にこもっていたら車内に一酸化炭素が流れ込んできて‥という展開です。

要は家の中にいると寒いから車に避難してエンジンをかけて暖を取っていたら一酸化炭素中毒で亡くなってしまったという話です。

テキサスの寒波

雪が原因か寒波が原因かは分かりませんが、雪や氷がマフラーにこびりついて塞いでしまった、マフラーが塞がれることにより一酸化炭素が逆流して車内に流れ込んだ可能性が高いです。

当たり前ですが電気自動車の場合はこのようなことは100%起きません。ガソリンを燃やすわけではないので一酸化炭素は絶対に出ませんので。

にもかかわらず以前も取り上げたことがありますが、日本ではなぜか同じような災害が電気自動車叩きに利用されます。

12月1月には日本でも寒波に見舞われ、高速道路で自動車が立ち往生という災害がありましたが、この時は立ち往生した車に電気自動車が一台もいなかったのにもかかわらず何故か日本のマスコミは電気自動車への攻撃を始めました。

上記の記事が間違いだらけ、事実無根の電気自動車への攻撃であることについては以前の記事でも書きましたのでご参照いただければと思います。

前の記事でも言いましたが、そもそも豪雪の中でエンジンをかけて待機するというのは危険です。雪がマフラーを塞がないようにこまめに除雪をする必要があるので夜眠っている時間がありません。

反対に電気自動車であれば排気ガスが出ないので暖房をつけたまま眠っても何も問題はありません。もし電力がなくなることが不安でしたら、シートヒーターだけオンにして毛布などを用意すればこれだけでも凍え死ぬことはありません。

私のようにある程度電気自動車のことを知っている人間にとっては当たり前のことですが、実際に電気自動車でエアコンやシートヒーターをつけたままこもっても24時間以上は持ちます。

バッテリー容量の大きいテスラ車であれば24時間どころか48時間でもこもっていて平気です。

この位の時間耐えられるのであれば、後は救助が来るか来ないかの問題になりますので、ガソリン車だから電気自動車だからは関係なくなります。

災害などのリスクを回避するためのEVと再生可能エネルギー

スマートグリッド
本日述べてきたような「各自が再生可能エネルギーを発電して近隣のコミュニティでシェアし合う」というライフスタイルを否定したがる向きが多いです。

「電力=東京電力のような大手企業から提供してもらうもの」という意識が抜けていないように思えます。

その典型例として原子力発電が分かりやすい例ですが、原発は放射能という危険物を扱うので当然国家と国家に準ずる機関(日本だと例えば東京電力)が厳重に管理することが必須です。

これが何を意味するかというと「電力を中央集権的に管理する」ということです。

事故や災害さえ起きなければ一般市民はお上から振ってくる電力を享受するだけの受け身の存在でも何も問題なく生きていけます。自宅に太陽光パネルなどを設置し、自分で電力を管理するよりも楽です。

少なくとも「東日本大震災」まではそういう方が多数派だったことでしょう。

しかしお上から振ってくるものに「タダ乗り」した結果が、10年前の東日本大震災を原因とした原発の事故であり、先月にも電力供給が逼迫して(原因は再エネではなくLPG不足)停電寸前に陥るなど何度も電力供給の危機に陥っています。

そして電力供給が危機になるたびに「原発再稼働しなきゃダメなんだ」と大声を張り上げる人が出てきます。

どうも化石燃料と原発愛好家の多い変な国のようです。

ですので「電気自動車が増えたら原発が必要になる」的な批判は全く的外れ、むしろテスラ社が提唱する電気自動車を基軸とした生活は「各家庭に太陽光パネルを設置し、蓄電池に貯めておけば電力を自給自足できるし、いざとなれば近隣で融通もできる」という再生可能エネルギーを基軸とした社会です。

どっちが低リスクな社会かは一目瞭然なのですが、残念なことに日本の場合は日本を代表する大企業のトップですらこのように「電気自動車が増えたら原発が10基必要になる」的な再生可能エネルギーなど頭の片隅にもないような愚かな発言をしています。

まぁEV化を阻止したいから大袈裟に言っているのでしょうけど。電気自動車の発売を発表しても自社のホームページに「PHEVの方が性能良いけどね」的な嫌味を書き込んでしまうような会社ですから(笑)。

イーロンマスクの提唱する「電力を地域で自給自足する社会」と原発のように「国や大企業が全てを管理する社会」のどっちがいざという時のリスクに対応できるのかはもう答えが見えていると言えます。

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