モデルチェンジしたテスラ「モデルS」を紹介【日本メーカーは置き去り?】
こんにちは、@kojisaitojpです。以前から噂になっていましたが、テスラがついに「モデルS」と「モデルX」のモデルチェンジを発表しました。
6)モデルS/Xのリフレッシュ①
✅S:ロングレンジ、Plaid、Plaid+(Sのみ)の3モデル
✅X:ロングレンジ、Plaidの2モデル✅横長17インチ・後席8インチモニター
✅ゲーム機並の高性能MCU・無線コントローラー対応
✅隠されたエアコン吹出口
✅ヒートポンプエアコンhttps://t.co/BEdPYWQQNK pic.twitter.com/IoPMNXv5pa— 🌸八重さくら🌸 (@yaesakura2019) January 28, 2021
少し前にテスラがモデルSとモデルXの生産ラインを止めていることが一部では話題になっていましたので、近いうちにモデルチェンジがあるだろうと言われていました。
Tesla Reportedly Clearing Out Model S & X Inventory Ahead Of Refresh
People have been talking about a Model S refresh for years, and the Model X is arguably due as well. It appears they may get their wish.
それがテスラ社の2020年4Qの決算発表と同時に出たのが今回のニュースです。
決算については「初の黒字決算」というのがちょっとお笑いなところ(膨大な設備投資をしているのだから仕方ありません)もありますが、アメリカの新興企業ではよくあることですので「株価が高すぎる」などと怒るのは筋違いです。
今日はそんなテスラの最新バージョンの「モデルS」について紹介します(モデルXは次回以降に紹介予定)。おまけで偶然にも同じ日に日本での発売を開始した某国産メーカーの電気自動車についても紹介します。
目次
テスラ「モデルS」の驚愕のスペック
まずは車のスペックから紹介しますが、今回のバージョンは3つに分かれており、
- ロングレンジ(デュアルモーター)→1069万9900円
- プラッド(トライモーター)→1499万9900円
- プラッドプラス(トライモーター)→1699万9900円
アメリカ市場では4月から納車のようですが、日本市場では2022年発売とオフィシャルホームページに書かれており、日本市場への投入はまだしばらく先です。
以前の「パフォーマンスモデル」がなくなり、「ロングレンジ」「Plaid(プラッド)」「プラッドプラス」という新しいラインが設けられています。
「ロングレンジ」はデュアルモーターで、「搭載バッテリー容量100kWh、航続距離663キロ(EPA)、最大充電出力250kW」で、0-100キロの加速は3.1秒とこれまでの「ロングレンジモデル」より若干航続距離が伸びて、0-100キロの加速も若干速くなっています。
ロングレンジモデルはスペック面は大きな変化はありません。むしろ内装の変化(後述)の方が強烈です。
スペック面での注目は「Plaid(プラッド)」と「Plaid+(プラッドプラス)」です。この2モデルは「トライモーター」という前輪に1つ、後輪に2つのモーターを搭載したトリプルモーターで、これが加速性能や航続距離に大きな変化をもたらします。
「Plaid(プラッド)」は「搭載バッテリー容量100kWh、航続距離628キロ(EPA)、最大充電出力250kW」で0-100キロの加速が2.1秒、最高速度が320キロのレーシングカーもびっくりのスペックです。
また「Plaid+(プラッドプラス)」は更に強烈で「搭載バッテリー容量100kWh、航続距離838キロ(EPA)、最大充電出力250kW」で0-100キロの加速が2.0秒以下、最高速度が320キロと加速が更に進化した上に航続距離が837キロと先日紹介した「NIO ET7」に迫る距離を叩き出します。
0-100キロの加速が2秒前後というのは「レーシングカー?」と思ってしまうレベルで、ガソリン車を入れてもトップクラスの爆発的な加速力です。
「Plaid(プラッド)」と「Plaid+(プラッドプラス)」は値段も相応ですが、とてつもないスペックを達成しています。
内装もテスラらしさ満載
今回のモデルチェンジの注目点は今述べたような走りの面よりは内装かもしれません。
まずはステアリング周りですが、見ての通り従来の円形のハンドルから「ヨーク型」と呼ばれるハンドル上部がなくなったレーシングカーと同じものが導入されています。
またシフトレバーやウインカーレバーもありません(横にボタンがある)。可能な限りレバーはスイッチを排して「運転に集中させる」とのことです。
リバースモードなどの「モード切り替え」は自動で行うとのことですから、自動運転に関しても(レベルいくつかまで行くかは不明)進化するようです。
モデル3でも採用された「エアコンの吹き出し口」のない構造になっており、センターコンソールに設置された18インチのディスプレイはこれまでの縦置きではなくモデル3同様に横置きに変更されています。
ディスプレイ下にはスマホのワイヤレス充電とUSB-Cの急速充電が備わっています。
後部座席も大幅にリニューアルされ、見ての通り後部にもディスプレイがあります。
最大10テラフロップス(PS5級と言ってます)の処理能力があり、ワイヤレスコントローラーで車内のどの席からもゲームを楽しめるそうです。
このように「遊び」の要素を増やしているということは「自動運転中はゲームしてても平気」というレベル4以上の完全自動運転の実現を見越しているのかもしれません。
また余談ですが、私と同じか上の世代にはこの内装はどこかで見た記憶がある方が多く、
そろそろナビが自発的に喋るようになるのかな(笑) https://t.co/1dBxfxgRdW
— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) January 28, 2021
「ナイトライダー」を知ってるというだけで歳がバレるところですが、内装がかなり似てきました。
もうすぐ子供の頃から馴染みのあった「K.I.T.T(キット)」の代わりに感情を持ったAIが自発的に会話してくれる時がそろそろ実現するような予感がしてしまいます(笑)。
片やMAZDA「MX-30EV」の残念なスペック
マツダのSUV「MX-30」の電気自動車バージョンが奇しくもテスラのモデルチェンジが発表されたのと同じ日に発売開始しました。
WLTCで256キロ?EPAなら180キロくらいの走行可能距離かな。それにしては凄い高い車だな。電池35.5って。(*_*) https://t.co/BsjrSHyyR7
— たかたか (@TAKA500C) January 28, 2021
簡単にスペックを話すと「搭載バッテリー容量33.5kWh、航続距離256キロ(WLTC)、最大充電出力50kW」だそうですが、テスラを見た後だと「???」となるスペックです。
そもそも「搭載バッテリー容量が33.5kWh」というのが近年発売されているアメリカ・中国・ヨーロッパの電気自動車と比較して小さすぎます。
航続距離256キロもアテにならないWLTCモードですので、最も信頼性のあるEPAに換算すると180キロくらいと、先日紹介した「ホンダe」と同等です。
この水準のEVで車両価格が451〜495万というのは非常に高く感じます。もちろん2021年に関しては国からの補助金が80万円、自治体からも東京都でしたら60万円と高額の補助金が出ますので実質の乗り出し価格は300〜350万くらいで可能ではありますが、400万あればテスラ・モデル3のスタンダードレンジモデルが買えてしまいます。
まだ人馬一体とか寝言言ってるのか(笑) https://t.co/xNeMTpJfuP
— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) January 28, 2021
マツダの関係者の方が私のツイートなどを見たら怒り狂うのでしょうが、世界の自動車の流れを知ってしまうとこれが正直な感想です。
「大型バッテリーを搭載するEVはガソリン車よりも環境負荷が高くなるという試算をベースにしたマツダの哲学」などと電気自動車を否定するようなことを言い訳にしていますが、おそらくバッテリーの調達が上手くいかなかっただけでしょう。
500台というふざけた販売台数がそれを物語っています(笑)。
ロータリーエンジンという独自の技術で一世を風靡した過去の栄光が捨てられないのでしょう。典型的な「昭和マインド」として私が最も忌み嫌うものです。
ちなみに2022年にはロータリー発電機を搭載したレンジエクステンダーバージョンの「MX-30」が設定されるそうです。
「結局意地でもロータリーエンジンかよ」と思ってしまいます(笑)。
「わざとショボい電気自動車を販売して、電気自動車が普及する邪魔をしたいのかな?」とうがった見方をしてしまうような出来です。
同水準の車だと以前紹介した「日産アリア」や「ボルボ XC40 Recharge」の足元にも及びません。
「ボルボXC40 Recharge」と「日産アリア」を徹底比較【2021年発売予定】
2021年に日産がいよいよ投入する「アリア」を同じミッドサイズSUVでスペック的にも競合することが予想されるボルボ初の電気自動車「XC40 Recharge」と比較してみます。PHEVに注力していたボルボがようやく電気自動車に全力投球してきましたが、早い時期から電気自動車を販売していた日産がどう迎え撃つか注目です。
テスラに置き去りにされる日本メーカー
スペックも当然そうなのですが、テスラやフォルクスワーゲンが発表する電気自動車には未来を感じさせて、ワクワクするものがあります。
「テスラ式生活様式」とでも言えばいいでしょうか、自宅のソーラパネルで発電した電力で充電のみならず家の電気も自給自足の生活。
先日は「高度経済成長」というのを「加齢臭がする」と揶揄しましたが、この頃もテレビの中で流れるアメリカのホームドラマなどで見られる「アメリカ式の生活様式」というのが日本人の多くにとって「夢の未来」を想像させる原動力となりました。
現代ではテスラが提案するライフスタイルがそれにあたるのではないかと思うくらいワクワクします。
テスラの脱中央集権化という理念には共感できる。
Tesla Energy had a massive quarter on its way to become decentralized electric utility https://t.co/s8vjQDA0Pm @FredericLambertより— saito koji@次の海外旅行はいつ? (@kojisaitojp) January 28, 2021
私の個人的な計画ではこのフォルクスワーゲン「ID.4」を中国から輸入するか、モデル3の新車を買うか、現行のモデルSを中古で買うかの選択肢で迷うところです。
(並行輸入・個人輸入という裏技についてはまた後日説明します)
さすがに本日紹介した新型の「モデルS」を買えるほど裕福ではありません(笑)。
「フィアット500EV」が2021年に日本に上陸?【何とヨーロッパの次が日本】
昨年2020年にヨーロッパ市場に投入された「フィアット500EV」が2021年中に日本市場に投入されるとの発表がリリースされました。本国イタリアのあるヨーロッパの次に投入する市場が日本だということも驚きですが、価格も電気自動車の中では最もリーズナブルで、ファッション性も高く、人気の出るEVになる可能性を秘めています。
選択肢の中に日本メーカーの車が浮上しません。
もちろん日産アリアはフォルクスワーゲン「ID.4」と勝負できるくらいのスペックですし、何度か紹介したように「三菱i-MiEV」も走行距離が少ない方でしたら何の不満もなく使える優秀な電気自動車です。
「電気自動車=高い」はフェイクニュース?【三菱i-MiEVとHongGuang mini EVを比較】
「電気自動車=高い」という偏見を破壊すべく中国のメーカーであるWolingが「HongGuang mini EV」という約45万円で買える激安の電気自動車を発売して、現在中国国内で爆発的に売れています。しかし日本にも三菱i-MiEVという軽自動車の手頃な電気自動車があることを忘れてはいけませんので同時に紹介します。
つまり「ルノー・日産・三菱連合」以外に購買意欲を起こさせる電気自動車が存在しないという非常に残念な状況です。
「日本では電気自動車は向かないのでぇ〜」「再生可能エネルギーも向かないのでぇ〜」などとやればできることすらしないでひたすら現状維持を続けようとしている間にテスラは異次元の世界に進化してしまっています。
電気自動車の話をすると日本メーカーにプラスの材料を挙げるのが本当に難しい時代になってきました。
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