ついに「メルセデス・EQS」の全貌が公開!【テスラ超えのスペック?】
こんばんは、@kojisaitojpです。いつもの私のパターンならテスラのカーシェアを公開した後は泊まったホテルの記事をアップするのが通常でした。しかしとんでもないEVのワールドプレミアを見てしまったので「富士マリオット山中湖」の記事は後回しです。
Check out Mercedes first electric sedan….the EQS being driven out of Mercedes-Benz U.S. HQ for an exclusive first look on @CNBCTheExchange pic.twitter.com/d2LoCy0ewy
— Phil LeBeau (@Lebeaucarnews) April 15, 2021
動いている動画をアップした方がリアリティがあるでしょうから引用しますが、ついに「メルセデス・EQS」のワールドプレミアが開催され、その全貌が明らかになりました。
私がたまたま「テスラ・モデルS」をカーシェアで乗った直後なのもあり、イメージが新鮮に残っている状態で「メルセデス・EQS」がどのようなEVになるか重ねてワールドプレミアを見ていました。
先に結論を言うと「テスラとは別方向でフラッグシップセダンを実現」という感じです(詳細は後述)。
というわけで「テスラ・モデルS」に乗った直後のイメージを生かした「メルセデス・EQS」について語ってみます。
目次
テスラ超え?「メルセデス・EQS」の驚異のスペックと内装
これまでのメルセデスは「EQC」や「EQA」というEVを発売していたものの、これらは従来のガソリン車だったGLCやGLAをベースに製造していたのもあり、例えばラゲッジスペースが異様に小さいなど「従来の内燃機関車(エンジン搭載車)」を電気自動車にした際に何か問題が起きるという恒例の失敗パターンに陥っていました。
メルセデス「EQA」に漂う「大丈夫か?」という雰囲気はなぜ?【ポルシェ「タイカン」や日産「アリア」と比較】
メルセデスがようやく「GLA」のプラットフォームを活用した三度サイズSUVの「EQA」をリリースしました。しかし電気自動車専用の設計ではない点からポルシェ「タイカン」や日産「アリア」と比べると不十分なところも多く見られ、正直これで良いのか?という雰囲気があります。その結果は「EQS」が発表されれば分かります。
この頃も「いや、SクラスのEVに該当するEQSが出てくると違う」と期待はされていましたが、これまでの流れだとメルセデスがフォルクスワーゲンやBMWなどと比較するとEVの開発に遅れているのは誰の目にも明らかだったらので「本当に大丈夫かよ?」という記事を私も書いていました。
ですが先に結論を言ってしまうと「メルセデスさん失礼しました」というのが私の感想です。いい意味で私の予想を裏切るEVをフラッグシップセダンの「EQS」で出してきたのは衝撃でした。
まずこれまでとの大きな違いが「EVAプラットホーム」という電気自動車専用のプラットホームを用いている点ですが、CD値という空気抵抗を表す指標が0.20と0.208のテスラ・モデルS(新型)を超えてきました。
これにより航続距離を伸ばすことが可能になり、「搭載バッテリー容量が107.8kWh、航続距離(WLTC)が770キロ、最大充電出力200kW」となっています。
バッテリーの保証が「10年間・25万キロ」というのも他のメーカーにはない長期のもので、今回のバッテリー(NMCバッテリー)に対するメルセデスの自信を感じます。
なお現時点では「EQS 450」と「EQS 580」が発表になっており、今後バッテリー容量が90kWhのエントリーモデル、これまでのメルセデスでいう「AMG」に該当する上位グレードも今後発売予定(詳細なスペックは不明)となっています。
「EQS 450」が後輪駆動、「EQS 580」が全輪駆動(AWD)となり、0-100km/hの加速は「EQS 450」で6.2秒、「EQS 580」で4.3秒とここはテスラ・モデルSには及びませんが、そもそもメルセデスのSクラスに乗る方々がレーシングカーのような加速を求めるとは考えにくく、加速性能に全振りしてくるテスラとのコンセプトの違いを感じます。
内装も「メルセデス」の名前に恥じない豪華さと先進性
メルセデスのフラッグシップセダンとなれば「ショーファーカー」として使われるのが基本(資金力以外で私が関心を持たない最大の理由がこれです)ですのでまずは後部座席から紹介します。
電気自動車専用プラットホームを用いることにより、後部座席の真ん中のトンネルもなくなり、かなり余裕のある後部座席が確保されています。以前紹介した「Lucid Air」の「ファーストクラス」を命名された後部座席には及びませんが、3メートル以上の広いホイールベースを生かした居心地の良い空間が作り出されています。
次に運転席周りのインフォテイメントシステムですが、iPadのような形状のディスプレイに全てをまとめるテスラとは違い全面がディスプレイとなった近未来的なデザインです。
「MBUXハイパースクリーン」と呼ばれる幅56インチ(約142センチ)の巨大な有機ELスクリーンで、AIを用いてドライバーに最適の行先(例えば走行状態に応じて充電スポットを提案するなど)を提案する、「ジェスチャー」と呼ばれる手の動きだけでドアの開け閉めができるなど新機能もあります。
最新のベンツってドアすらジェスチャー👋で閉められるのかしゅごい😳 #EQS #mersedeseq pic.twitter.com/3wONWGWS7S
— フェラーリランボルギーニニュース (@newsferrari) April 15, 2021
RAMも24GBとテスラよりかなり容量の大きいものを用いており、以前のテスラのリコール騒ぎから学習したのかなと思わせる部分もあります。
比較として新型の「テスラ・モデルS」の内装も挙げておきます。
当然と言えば当然ですがテスラは見た目の豪華さではなく、シンプルさを追求する中での先進性をアピールしますのでメルセデスとはコンセプトが違います。
なお新型の「テスラ・モデルS」については以前取り上げていますのでよろしければご参照ください。
モデルチェンジしたテスラ「モデルS」を紹介【日本メーカーは置き去り?】
以前から噂されていましたが、Q4の決算発表と同時にテスラが「モデルS」と「モデルX」のモデルチェンジを発表しました。新しい「Plaid(プラッド)」ラインは0-100加速が2秒前後、航続距離も800キロ以上のモデルが用意され、車内には自動運転を視野に入れたゲーム機能も用意され、自動運転の実現も視野に入ってきました。
「Ionity」なら超高速充電も可能の「EQS」が日本のガラパゴス規格のチャデモだとどうなる?
最大充電出力が200kWとポルシェタイカンやルシッドエアーと比較すると若干抑え目ですが、これでも15分で300キロ分の充電が可能、10-80%の急速充電も30分で対応可能とこの部分でもテスラなどに負けない性能を搭載しています。
しかしこの急速充電についてはヨーロッパでメルセデスやフォルクスワーゲン、BMW、ヒュンダイなどが共同で出資している「ionity」で可能なスペックになります。
何が言いたいかというと日本市場に導入された際にはもはや弊害になりつつある「チャデモ」の50kWに制限されるのではないか?という疑問が残ります。
実際に先に日本市場に投入される「EQC」は最大充電出力を50kWに制限されています。
日本仕様については「V2H」にも対応することを表明していますが、チャデモに合わせて最大充電出力を50kWに制限された場合は日本市場では使いにくいモデルになる可能性があります。
ただし未確認情報でメルセデスのディーラーに充電器を設置するとの情報もありますので、これについてはまだわかりません。
「Sクラスの名前がつく車はそれにふさわしいスペックのもの以外は絶対に投入しない」というのがポリシーのメルセデスなのですから、充電だけ日本のガラパゴス規格に合わせることは避けて欲しい(じゃないと自社で充電を用意しているポルシェに負けます)というのが本音です。
「あえて作らない」日本メーカーが「EQS」を作れるのか?
テスラ、メルセデスがフラッグシップセダンを発表した後ですので当然「じゃあレクサスはどうするの?」という点に注目が集まってきます。
トヨタ・ホンダに対する期待値がめちゃくちゃ高いのに生かそうとしないメーカーって…。 https://t.co/vIYxOjjesS
— saito koji@次の海外旅行の前にEV購入? (@kojisaitojp) April 15, 2021
「本気になればいつでも作れる」「時期尚早だからあえて作ってないだけ」などと豪語しているのですから、当然ですが本日紹介した「メルセデス・EQS」にも新型の「テスラ・モデルS」にもスペック面でも内装面でも対抗できる立派なものが出てくると思うのは私だけでしょうか?
このような世界の期待を裏切った時にトヨタ(及びレクサス)がどうなるのかはあえて述べないでおきますが、メルセデス「EQS」やテスラ「モデルS」などハイスペックなフラッグシップセダンが次から次へと発表されていますので、世界の期待値は上がっています。
伝統的に「後出しジャンケン」が得意ではあるとはいえ、それ相応のものを出さないと世界の失望を招く可能性が高くなってきましたのでハードルは上がっています。
メルセデスもこれまで出してきたEVでは「遅れている」と言われていたもののフラッグシップモデルである「EQS」ではきっちり結果を出してきました。当然トヨタ(レクサス)もそのくらいやってくるものだと思われていることをメーカー側は忘れてはいけません。
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