実は日本より先進国?アフリカでEVが広まる理由とは?【スマホと同じ】

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おはようございます、@kojisaitojpです。何度か私のブログでは取り上げているアフリカ諸国の電気自動車(BEV)と再生可能エネルギー事情ですが、このような動きが進んでいるようです。

詳細はこの後説明しますが、EVと再生エネルギーの普及状況が日本以上のようです。

「電気もロクに普及してないアフリカでEVなんか走れるわけないだろ?」と実際の状況を知らない人ほどナメたことを言いがちです。

アフリカの大自然

ですが本日後で取り上げるケニアの「Opibus」社ではケニア国内にある古い中古車のエンジンを外してEV用のバッテリーを搭載するなどのEV化に取り組んでいます。

また電力網こそも充実しているとは言い難いですが、アフリカの大自然を生かした再生可能エネルギーも普及しやすい環境にあります。

今日はそんなアフリカのEVや再生可能エネルギーの普及状況について、「Opibus」社を例に挙げながら解説してみます。

アフリカでEVと再エネが普及する理由とは?

ケニアで充電中の日産リーフ
以前の記事でも取り上げたことがありますが、アフリカ諸国で電気自動車や再生可能エネルギーが受け入れられやすいのは以下のような理由があります。

  • 物価・経済水準の割にガソリン代が高い(ケニア・エチオピアで1リットル1ドルくらい)
  • ガソリンスタンドが遠い(数が少ない)
  • ハイブリッド車だと整備の部品代が高い

まずガソリン価格が物価や経済水準の割に高いです。1リットル1ドルだと日本より安いと感じるかもしれませんが、国民の平均月収が4〜5万円くらいです。

日本よりガソリンが高く感じるのが理解できるかと思います。

ガソリン、というか原油は産油国でもない限り輸入に頼ることになりますので、日本が輸入するのと近い水準での輸入になりますので、国民の生活を圧迫します。

しかもアフリカ大陸には無限の大自然があります。太陽光はどこでも設置できますし、他にも場所に応じて風力・地熱など各種の再生可能エネルギーが発電しやすい環境です。

ケニアの地熱発電所

例えば世界でもトップ10に入る地熱発電量を誇るケニアでは既に電力の77%が再生可能エネルギーになっています。

ある意味日本より発展している部分がここです。

また経済水準が低いゆえにガソリンスタンドも少ない、一時期はトヨタのプリウスなどを喜んで輸入していた時期がありますが(今でもそれなりに売れます)、ハイブリッド車はEVと比べるとエンジンなどの構造が複雑ゆえに、故障した際の部品代や修理代が高くなるというデメリットがあります。

となれば「自国で発電した電力(再エネ)でEVを走らせた方が安い」となります。

ガソリン代(原油)という国民どころか国家全体を圧迫している支出がなくなることは、経済水準の低い国ほど大きな恩恵をもたらします。

EVに改造中のOpibus社

冒頭で引用した記事ではケニアの「Opibus」という会社が古いガソリン車(記事の中でもトヨタのピックアップトラックが写っています)を電気自動車に改造するというビジネスに着手しています。

ガソリンエンジンの代わりに搭載するバッテリー容量は「38kWhと58kWh」で航続距離が90km〜140km確保できるとのことです。

充電環境の整備次第になりますが、国内の至る所で太陽光発電した電力を蓄える充電ステーションがあれば充電しながら走ることも可能です。

EVに改造中のOpibus社

実際に日本では航続距離が短くて酷評された初代初期型の日産リーフ(24kWh)の中古車をアフリカ諸国が喜んで購入しているという話は以前もしました。

右ハンドル国であれば中古の日産リーフ、左ハンドル国であれば中古のヒュンダイコナEVや起亜・Niroなどであれば安く輸入できるというのは以前の記事でも説明しました。

またこれも以前説明したことですが、既に中国のEVメーカーがアフリカ諸国に格安のEVを輸出し始めています。


「GreatWall社」の「Ora R1 BlackCat」は「日本でも待望されている軽自動車規格の格安EV」であることも以前説明しましたが、既にガーナなど左ハンドル国への輸出が始まっています。

ガソリン車で一時代の栄光を気づいた日本のような変なプライドがないのもあり、「こっちの方がガソリン代もかからなくて安いから」と抵抗なく電気自動車に注力するようになっています。

現在は「Opibus」社はバスやタクシー(古いガソリン車)のEV化にも取り組んでおり、部品も自国内で製造した部品でなるべく済ませることにも力を入れており、既に35%の部品を自国で生産できるようになる体制が整ったりとケニア国内の雇用の創出にも貢献しています。

他にも「Opibus」社の労働者の40%は女性を雇用しており、人権問題などにも積極的に取り組むなど今後ケニア国内のみならずアフリカ全域に勢力を伸ばす会社に成長する可能性もある企業です。

電気自動車より手軽なバイク(二輪・三輪)も将来有望?

国連から提供された電動バイク
ちなみに「電動化」は自動車だけの話ではなく、ケニアと隣のウガンダで国連の電動化モビリティプログラムによって電動バイクが提供されたというニュースもあります。

東南アジアの発展途上国などに行ったことがある方であればお分かりでしょうが、発展途上国の「足」は四輪の自動車よりも二輪・三輪のバイクの方が更に需要があります。

私も最近は「Grab」などでバイクタクシーや四輪のタクシーを呼ぶようになりましたが、以前であれば路上にいる三輪バイクなどと料金交渉(というかほとんど喧嘩です…笑)で何度もバトルをしたことがありますが、地元の人の足として大いに活用されています。

三輪バイク

ここが「電動化」することができれば当然ですが、更に大気汚染を解消できますし、何よりこれまでのバイクのようなガソリン代という負担もないので歓迎されることは間違いありません。

以前の記事で2021年正月の箱根駅伝で先導のバイクがBMW製であったことに触れましたが、二輪・三輪バイクの市場でも日本企業が電動化できれば日本国内のみならずアジア・アフリカなどの発展途上国にも大きなマーケットがあるのに開発しないのはなぜなのだろう?と思うのは私だけでしょうか?

変なプライドがEV化の邪魔をしているのは日本だけ?

トヨタディーラーのイメージ
まぁそんな世界の状況を知ってか知らずか相変わらず電気自動車(BEV)に対して消極的なのが日本メーカーの大半ではありますが。

こちらのYouTubeチャンネルは電気自動車や再生可能エネルギーに消極的な日本政府や日本企業の姿勢を厳しく批判することが多いのですが、なぜかトヨタに対するコメントだけは異様に甘い傾向があります。

「Appleは業界で40年やってみろ!」的なこれからEVを製造しようとしているAppleを見下したような発言に賛同したり、「自動車業界550万人の雇用を守る」というトヨタ社長の発言(これは裏を返すとEV化を拒否している発言とも言えます)に対しても賛同したりと「トヨタから何かもらってるの?」と思うくらいトヨタには甘いところだけが疑問のチャンネルです。

元外交官の経験を生かし日々世界のEV化・再生可能エネルギーの状況を冷静に分析し、トヨタ以外の日本メーカーに対する厳しい提言をしているチャンネルだけに残念です。

アフリカの太陽光発電

「自動車は簡単に扱えるものじゃないから業界経験のないお前は入ってくるな」「入ってきても絶対に失敗する」と私もコンサルタントや銀行、エンジェル投資家などにボロクソに言われたことがありますが、「むしろ業界経験ある方がガソリン車への変な思い入れやEVへの偏見が生じて有害では?」というのが私の見解です。

ですので何を言われても動じることはありませんが、「自動車は素人が扱うものではない」のようなこれまでのガソリン車に対する偏見が妨害するのか、なかなか思うように資金調達できないのは悩みではあります。

アフリカ諸国では電力網やガソリン車、電話線をすっ飛ばして再生可能エネルギーで充電した電気自動車やスマホが普及しているのを見ると「旧世代の技術について知らないことがマイナスになるの?」と思ったりもします。

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