「充電インフラが増えないからEVが買えない」だと永久に買えない?【テスラの「Commercial Charging」が解決?】

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こんばんは、@kojisaitojpです。昨日も少し触れましたが日本における充電インフラ問題の解消の一つになるかもしれない方法が出てきました。

リンクが貼られているページは日本からアクセスすると「404 Notfound」が出てしまうのですが、別方向からアクセスした場合に国名に「Japan」があるとの説もあります。

ですので「今すぐは適用されないけど、いずれ日本市場にも導入するつもりなのか?」と期待が高まるところです。

ウォールコネクターですから普通充電、6kWという速度にはなりますが「もし近隣のテスラオーナーの自宅充電器」をシェアして使うようなことが可能になれば充電インフラを大幅に増やすことができます。

盲点になりがちですがテスラ用のウォールコネクターはアダプターを付ければリーフやアイミーブなど他の電気自動車の充電にも使えます。

今日はここに注目して「何とかして日本で充電インフラを増やす方法はないのか?」という点について考えてみます。

「まだ早い」「まだ時期尚早」と言ってるとEVも充電インフラも普及しない

フォルクスワーゲンのマーク
先日私がフォルクスワーゲンディーラーに行く用事(別に行きたくもないのですが)があったので渋々行った際に、ディーラーの営業マンにわざとらしく「このゴルフも古くなったので次欲しいんですけど、ID.3とかID.4っていつ入るんですかね?」と聞いてみました。

(もちろんこれまでの報道で2022年以降なのは知っててわざと聞いてます。

もちろん私だって「ディーラーのスタッフの情報なんて全くアテにならない」ということは百も承知です(笑)。

ただ試したかったのは「ディーラーという客と接する現場の人間がどのくらいEVに対する意識が高いのか?」という点だけに関心がありました。

予想通りといえば予想通りなのですが「今の充電インフラで導入するのは厳しいですよ」という言って欲しくないけどおそらく言うだろうなという回答が返ってきました。

でも冷静に考えればわかることですが「充電インフラが足りないからEVは時期尚早」と言っているとユーザーが不便さを感じるのでいつまで経ってもEVの台数が増えません。

そしてEVの台数が増えなければ「充電インフラなんか増やす必要ない」と言い出す人が必ず出てきていつまで経っても充電インフラも増えません。

結局いつまで経ってもEVの台数が増えない、台数が少ないと需要がないからいつまで経っても充電インフラも増えないという悪い意味の「現状維持」が延々と続きます。

もちろん自宅充電が可能な人はEVを買えるのはわかりますが、例えば自宅と言っても集合住宅の場合などは現在のように社会全体の電気自動車に対する意識が低い限りは管理会社や管理組合に「充電器の設置は時期尚早」「設置しても使う人がいない」などと言われていつまで経っても充電器が設置されない状況が続きます。

長野スーパーチャージャー

例外的にテスラのスーパーチャージャーや日産ディーラーが近所にあれば自宅充電できなくても何とかなるかなという感じです。

ちなみに私の場合は川口スーパーチャージャーまで20分、日産ディーラーは家の目の前にあるのでこれに該当しますのでテスラ車でも日産リーフでも購入可能な環境です。

しかし私のような立場は例外でしょうから、大半の集合住宅に住む人はEVを諦めてしまうように仕向けられているとも言えます。

となるとEVを販売するメーカーやディーラーに充電インフラを積極的に設置して欲しいところですが、先程のようなフォルクスワーゲンディーラーの態度だと厳しいかなという印象です。

まぁドイツのフォルクスワーゲン本社のようなEVに対する切迫感は全くありませんでした。

フォルクスワーゲン川口

それは日本だと仕方ないかもしれませんが、それにしてもディーゼル不正で会社存亡の危機にも立たされた企業が「クリーンディーゼル」なんていまだにキャッチコピー出しているのは「自虐ネタのブラックジョークかよ」と私なら思ってしまいますが(笑)。

フォルクスワーゲンの充電器

まぁそれでも私が行ってきた「フォルクスワーゲン川口」にはe-ゴルフなど向けの充電器が2基設置されているのは確認できましたので、まだやる気のある方なのかなとは思いましたが。

充電インフラも結局イーロンマスク(テスラ)頼みか?

テスラウォールコネクター
そこで冒頭に引用したお話の出番です。

この「Commercial Charging」というのは家庭用に設置したウォールコネクターをオーナー以外にも開放するというシステムで、登録すればユーザーが充電する度に課金され、その課金された料金がテスラからオーナーに振り込まれるといういわば「家庭用ウォールコネクターをテスラユーザー同士でシェアできるようにする」ようなものです。

テスラのアダプター

一見テスラユーザー専用にも見えますが、アダプターを用意すれば日産リーフや三菱アイミーブなど他の電気自動車の充電も可能になります。

オーナーは利用分に応じてテスラから料金の振り込みがありますし、ユーザーは日常のスーパーチャージャーの代金と一緒に支払いをすれば良いだけです。

パワーウォールのある生活

スーパーチャージャーは設置するのに多額の費用(数千万単位という噂)がかかってしまいどこにでも設置できるものではありません。どうしてもユーザーのニーズが多い長距離移動の際不可欠な地点から優先的に設置することになります。

そこで足りない分を「Commercial Charging」として家庭用に設置したウォールコネクターを開放することで充電スポットの数を増やすという戦略です。

フランスの充電ステーション
イギリスの充電ステーション

これに応じてくれるテスラオーナーが増えれば増えるほど街中の充電スポットは急増します。急速充電ではありませんが、ヨーロッパなどでよく見られる「パーキングメーターに停めている間に普通充電で少しでも充電しておく」のと同じように使えますので間違いなく意味があります。

急速充電はあくまでも長距離移動用の補助であり(やりすぎるとバッテリー痛めますし)、基本は普通充電というEVの本来あるべき使い方に従った用法になります。

「結局は現状を打破してくれるのはイーロンマスクしかいないのかよ」と思ってしまいますが、これが現実なのだから仕方ありません(笑)。

「普通充電」さえ増えれば「急速充電」はイーモビリティパワーがやってくれる

イーモビリティパワー150kW急速充電器
この前の記事で「イーモビリティパワー(前身は日本充電サービス)」に既にEVを発売しているマツダが出資していないことに怒りの記事を書きましたが、それでも電力会社とトヨタ・日産・ホンダ・三菱の出資により急速充電器の設置へ向けて動いています。

遅ればせながらになりますが、2021年内に180kW級の急速充電器を250基以上設置する予定になっていますので、高速道路などの長距離移動の際の充電インフラについては少しずつ充実してきています。

イーモビリティパワー150kW急速充電器

この戦略は北米市場でフォルクスワーゲン傘下の「エレクトリファイ・アメリカ」が全米を横断できる位置に急速充電器を整備するところからスタートしたのと同じですので間違ったことはしていません。

エレクトリファイアメリカの充電器

「長距離移動用の充電インフラは問題ようにするから、後は日常生活の充電インフラはユーザーがなんとかしてよ」というメッセージとも取れます。

繰り返しですが「日常の普通充電をユーザー同士でシェアできれば、後は高速道路などの急速充電さえあればOK」という状況になり、「充電インフラがないからEV買えない」というEV嫌いの方々が必ず持ち出す買わない理由を潰すことができます。

「充電インフラもEVも無理」と決めつける前に打破する方法を考える

老害のイメージ
同じように現状を変えていくことを「無理」と決めつけて何もしようとしない例としてこのような話もあります。

私は日々主張しているのですがこの「若者の車離れ」と言われるのも高齢者目線の偏見ではないかと思っています。

インフルエンサーと戦うイメージ

EV関連のビジネスで「若者の需要を喚起する方向で」みたいなことを事業計画書に書いたりするとコンサルなどに「若者なんて車に興味ないからやっても無駄」「お金使わない若者なんかより年齢層が上の富裕層を狙え」と必ずダメ出しをされます。

私からすると「ちょっと待ってよ。なぜ若者が車に興味を持たないか考えないの?」と思ってしまいます。

しかも興味がなくても、お金がなくても東京などの大都会を除くと地方では生活の足として車は不可欠なはずです。

であれば例えば低予算で買えて維持費も格安の電気自動車(BEV)を若者に売り込んで行く方策を考えるのもビジネスとしてありではないかと思うのですが。

あるいは時々触れているように「買うのが金銭的にキツいならカーシェアとかサブスク形式で提供」という手段もあるはずです。

「車に触れる余裕(メンタル的にも金銭的にも)がない」のであればそれに合わせた処方箋を提示すれば…と思うのですが、これを言うと「どうせ儲からないからやめとけ」と言われがちです。

先が長くない高齢者向けのビジネスばかりやっていると先細るだけと思うのは私だけでしょうか?

これも先程の充電インフラとEVの関係と同様に「鶏が先か卵が先か」と同じパターンのように思えます。

どこかから突破口を見つけて需要を喚起していかないといつまで経っても「日本は充電インフラガー」「若者ガー」という閉塞状況から抜け出すことはできません。

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